ガンバライダーロード   作:覇王ライダー

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オンミツと悩みの先!

風月庵。ダルキアンやユキカゼが部隊を指揮する「オンミツ」の本拠地であり、彼らの住まいでもある。そこでロード、ノヴェム、ダルキアンはそれぞれの状況の確認をしていた。

「なるほど。ロード殿はチヒロ殿というもう一人の人格がいる。チヒロ殿、ロード殿、九重殿は「アクート」とやらを追ってこの世界まで飛んできた。ここまでに間違いはごばらんか?」

「まあ、そんなところです。」

ロードが返すと、チヒロは心の中でロードと会話する。

「ノヴェムの名前が「九重一成」っていうのに驚いたの俺だけか?」

「ちょっと黙ってて。」

ロードはチヒロにそう伝えると彼は少し黙り、黙ったタイミングを見計らったかのように九重は向こうの状況を確認した。

「で、アクートが来たことによってここの土地に化け物が増えて「魔物」も増えている。って感じですかね?」

ダルキアンは頷いて、話を始めた。

「しかし、戦などに被害があっても困るのでな。早めにこちらでケリをつけておきたいところでござる。」

ノヴェムが頭を掻き毟る一方でチヒロは少し笑みを浮かべていた。

「まあ、アクート探してぶっ潰すだけならこの四人でも大丈夫だ。」

ダルキアンもその意見に賛同した。そこへと話を聞いていたかのようにユキカゼがこそっと顔を出した。

「お話が終わったみたいなので〜、夕飯でござるよ!」

ユキカゼが持ってきたのは、四人で食べるには丁度良いくらいの鍋だった。そこには煮詰まれた肉や野菜が多く入っていた。

「さすがユキでござる!拙者も見習わねば……。」

ダルキアンはユキカゼの頭を撫でると、ユキカゼはそれを嬉しそうに受け止めた。

「じゃあ、食事にしましょうか。」

ロードとダルキアンとユキカゼは鍋をつつき始めた。だが、九重だけは少し頭を悩ました。これで良いのだろうかと。

「もう、なんかどうでも良いや。」

九重は静かに箸を持った。

食事が終わり、皆が寝付いていった。しかし、チヒロだけはその場で寝れずにいた。中にいたロードももう既に眠りについていた。

「ちょっと外に行くか。」

チヒロは一人縁側へと佇み、そのまま空を眺めていた。そしてこれまでのことを彼は思い出した。GRZ社での訓練、なのはたちの世界での出来事、そして今いるフロニャルドのこと。彼にとっては重い試練のように感じていた。

「俺は……誰と戦っているんだ?」

彼はアクートを倒すという任務を受けて世界を回っている。しかし、詳しい内容も分からず、何をしたのか。何故そうなったのか。アクートが裏切った理由すらも分からずに彼は戦っている。その理由すらわからない戦いのために人が傷ついていく。彼にとって大切な人すら失いかけたのだ。

「俺は…何のために戦ってるんだ?」

彼が遠くを眺めていると後ろから足音が聞こえた。

「どうしたでござるか?」

「あぁ、ユキカゼか。」

後ろから来たユキカゼは隣へ座り、チヒロと同じ方向を眺めていた。彼らの目の前には綺麗な月が映っていた。

「俺は何をやってるんだろう。ってたまに思うんだ。」

遠くを眺めるチヒロにユキカゼは少し顔を傾けた。

「元々兵士として生きて今は従うままに生きて、これが正解なのか時々わかんなくなるんだよ。」

ユキカゼはチヒロの手をそっとつないだ。

「拙者たちだってわからないでござるよ。人であれ兵士であれ、生きた道を正解へと導くのはその人でござる。間違いだと思うなら、それを正しい方向へと導けるだけの力は誰しも持ってるでござるよ。」

ユキカゼは笑顔でそう答えると、チヒロは先ほどよりも少し笑みを取り戻した。

「ありがとう。ユキカゼ。」

その二人の会話をこっそりと聞いていた九重は小さく呟いた。

「GRZ社。ガンバライダー。本当に正しいものなのだろうか。」

二人が月を見上げているのを背に、九重はその白衣をじっと見つめるのだった。

九重は監視を任されているため、夜になればGRZ社から通信が来るのだ。

「こちら九重。どうぞ。」

「こちらGRZ社。どうだ?兵器の順調は。」

彼の兵器という言葉に憤りを覚えそうになるも、彼はそれを押し殺して会話を続けた。

「特に異常なしです。今のところアクートも発見されていません。」

研究員は微笑を加えて、九重へと伝えた。

「お前は不完全なガンバライダーだ。お前が奴のせいで死にかけた場合、殺しても構わんからな。」

「!?」

九重はその言葉に驚愕する。本来味方であるはずのロードすら殺しても構わないなど、正気の沙汰ではあるまい。

「……了解。」

白衣の男はそのまま通信を閉じた。

「殺す……か。」

彼は言えなかった。チヒロたちの人間らしさ。そして、世界を渡るにつれて変わり芽生えていく彼の正義や優しさを。

「やっぱりダメだよなぁ。」

伝えられない。そうすれば自分すらどうなるかわからない。彼は端末を寝床に置き、小心な自分に言い聞かせるのであった。

"頑張れ俺"と。




作:ということでいDog days編第3話でございます!
エ:何で私なんだ?
作:エクレールさん。俺にも分からんのです。
エ:書いたのは貴様だろ!(腹パン
作:ウグッ……。海東純一並の……
エ:うるさい!(腹パン
作:痛い……。きょ…今日は痛いのでここらへんにしましょう。さよなら……。
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