ビスコッティを覆う闇は消え、晴天となった地上ではビスコッティ、ガレット、そしてダルキアンとノヴェムが周囲の敵を薙ぎ払っていた。
「そろそろ限界やで・・・。」
ふらつくジョーヌを近くにいたノワールが肩を貸した。
「まだ・・・諦めちゃダメ。」
ノヴェムとダルキアンはアクートへと次々に攻撃を与えていく。
「そろそろ帰ってきてもいいと思うんだけど?」
「そうでござるな・・・。」
ガウルとレオンミシェリは上空を見上げた。
「あいつらはまだか!?」
レオンミシェリの一言と同時に空から無数の光弾が降り注ぐ。それはシャドーライダー、インベスを一瞬にして焼き払った。
「待たせたな!!」
上空からはシンクとロードが光弾を放ち、まるで彗星のようにユキカゼが大地へと降り立っていった。
「ユキ!」
ダルキアンが駆け寄ると、ユキカゼはダルキアンへと飛びついた。
「ご心配をおかけしました。」
ダルキアンとユキカゼはすぐさま背を向かい合わせにして剣を持った。
「行くぞ。」
「はい!」
二人の獅子は一斉に走り出し、刀を振りかざした。
「俺たちもいくか!」
「はい!」
「シンク!」
ミルヒオーレはシンクに駆け寄った。シンクはそれを心配するように頭を撫でた。
「大丈夫。ヒーローは死なないから。」
ミルヒオーレは少し頷き、後ろへと下がっていく。その姿はチヒロ、ロードにも確認できた。
「なぁ、教えてくれないか?」
「何をですか?」
チヒロはシンクへと問いかけた。
「お前の知ってる仮面ライダーは、どんな道を歩んだ?」
シンクは少し笑いながら話した。
「あなたたちと同じです。ただ目の前にいる大切なものを守るために必死になった。そして彼らはヒーローとして勝利しましたよ。」
そっか。とチヒロは小さく呟いた。
「んじゃあ、その「ヒーロー」とやらになってみせるか。シンク!」
「当然です!なってやりましょう!」
シンクとチヒロは走りだし、アクートへと光を同時に放った。
「紋章砲!烈空一文字!」
同時に放った光はアクートへと直撃し、仰け反らせた。
「会いたかったよ・・・友よ!」
アクートはドラグセイバーを召喚しロードへと走っていった。
「っ!!」
ロードは振りかざされた剣を避けるも、彼の片手に持っていたシャドーセイバーが見事に直撃する。
「ロードさん!」
シンクが駆け寄るも、アクートはシンクへと光弾を放った。
「シンク!」
ロードはすぐさま立ち上がり、光弾を弾いた。そして、ユニゾンブレスを見ると、光り輝いていた。
「ロードさん・・・。それ。」
「シンク、君の力を貸して欲しい。」
シンクは頷き、彼のユニゾンブレスに手を当てた。そこへと暖かな光が入っていく。
「はああああああああああああ!!」
ロードの姿は変わり、シンクの纏っていたマントを羽織り、片手にはパラディオンとアロンダイトを持っていた。
「新たな姿か・・・!!」
シンクユニゾンとなったロードは、アクートに向かってゆっくりと歩いていく。
アクートはドラグセイバーを振りかざすも、ロードはパラディオンで弾き返し、アロンダイトで殴り飛ばした。
「心を合わせてよ?チヒロ。」
「あぁ。当たり前だ!」
チヒロとロードはアクートへと次々に斬撃を加えていく。そしてアクートはそれに合わせるように攻撃した。しかし、
「なっ・・・!?」
「甘いんだよ!!」
チヒロはアクートをパラディオンで殴り飛ばし、さらに高速で唱えた紋章砲の光がアクートを追撃した。
「なぜここまでの力を・・・!!」
「当然だ。」
「俺たちは一人じゃねえからな!!」
怯むアクートへと何度も何度もアロンダイト、そしてパラディオンを叩きつけていく。
「くっ・・・!!」
アクートは一撃を避け、後ろへと下がっていく。
「シンク!」
「はい!」
シンクとチヒロはパラディオンへと紋章砲を込めた。その周囲には烈火とも言える炎が彼らの周囲を明るく照らした。
「炎王剣!」
二人から放たれた炎の剣はアクートを空へと吹き飛ばし、アクートは宙に浮くように吹き飛ばされた。
「まだだ!」
「あぁ!ユキカゼ式体術!」
ロードはすぐさまアクートの着地点へと飛び、彼もまた宙へと飛んだ。
「狐流蓮華昇・斬。」
宙に浮いた刃はアクートを切り裂き、叩き落とした。
「この・・・程度で。」
「チヒロ!」
ノヴェムが息を切らし、こちらまで駆け寄った。彼の後ろの軍勢は随分と言っていいほど消し去られていた。
「世話焼かせたな。」
「全くだよ。」
二人はそう言い合い、アクートへと刀を向けた。彼らの刃には既に紋章砲の光が宿っていた。
「神狼神牙!封魔断滅!」
彼らの刃はアクートを切り裂き、そのまま地面へと叩きつけた。そこには大きな穴が空いており、アクートはその穴の中心で倒れこんだ。
「やった・・・か?」
チヒロは見つめた。そしてアクートは少しずつではあるが、立ち上がった。
「マジかよ・・・。」
ノヴェムは頭を抱え込んだ。確かに大きな一撃は叩き込んだ。それでも尚アクートは立ち続けるのだ。
「面白いよ!別の世界でもっと楽しませておくれ!!」
「待て!」
アクートは次元の壁をすり抜けていく。ロードが手を伸ばした時にはもう壁の姿はなかった。
「仕方ない。あとは残業といくか!」
「その必要はない!」
ノヴェムの呟きに大きな声をあげたのはレオンミシェリだった。彼女の後ろには大きな紋章砲が展開されていた。
「あれ・・・逃げないとやばいやつなんじゃ・・・!!」
「逃げろ!喰らえばひとたまりもない!」
エクレールとチヒロは遠くへとさらに遠くへと走っていく。
「獅子王!炎陣!大爆破!!」
地面からは火を噴き、そして空からは火球の大炎陣が辺りを囲んだ。シャドウライダーたちはそれにぶち当たり消えていく。そう、それが「敵」のみに影響するのなら何の問題もないだろう。
「こんなの聞いてるわけねえだろおおおお!!!」
チヒロと共に逃げたエクレールは、噴いた火炎により戦いで満身創痍のはずのチヒロと共に吹き飛ばされるのだった。