ガンバライダーロード   作:覇王ライダー

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銃口を向け合う二人

百万ドルのネオンが輝く街。

そんな街をチヒロは走って行く。後ろにはティナがおり、その小さな手は強く千尋を握っていた。

「まずいな・・・。」

「どうしたの?」

チヒロは突然足を止めた。後ろにいたティナはそれぶつかり、ぶつけた鼻を抑えた。

「どうしたの?」

何度もチヒロに聞くが、答えようとしない。傍からそっと見ると、そこに立っていたのは一人の男だった。男は巨大な筒を肩にかけて二人の前に立ちはだかった。

「お前・・・。」

「どうやら味方ではないらしいね。」

ロードは男を見てそう言った。男の憤りが手の握り具合でよくわかる。強く握り何かを潰そうとするかのようにどこまでも力が入っていく。

「テメェがガンバライダーってやつか。」

「っ!?」

ロードとチヒロ、そしてティナまでもが驚愕した。チヒロとロードは名前を知ってるただ一つの手段しか思いつくことはなかった。

「テメェ・・・ノヴェムに、俺の仲間に何をした?」

男は筒を下ろし、こちらに銃口を向けた。

「逃げられたさ。だからテメェらで借りを返す。」

その巨大なガトリングの銃口は変わらずこちらを向いている。銀色に輝き、ロードたちよりも遥かに大きく見える。

「こいつ、やる気だな。」

チヒロは後ろのティナを見つめた。今ここで二人がやられるわけにもいかない、かと言ってここでティナが捕まればまた一からのスタートだ。

「僕に考えがある。」

ロードがチヒロにそう言うと、チヒロはその言葉に頷き、ティナの手を離した。

「ティナ。」

そっとティナを後ろに下げると、ガンバドライバーを装填し、ICカードをベルトへと入れた。

「変身・・・!!」

「うぉらあああああああ!!」

男がガトリングから何発もの銃弾を放った。その弾は無数の煙となり彼の視界から何もかもを消し去った。

「これで・・・っ!!?」

爆煙の中から飛ぶように戦士が現れ、男を殴り飛ばした。男は吹き飛ぶとそのままビルに叩きつけられた。

「テメェ・・・!!」

「こっちのセリフだ。名乗りもせず襲いかかって来やがって。」

変身したロードはそのまま殴り飛ばした手を払い、拳を男に向けた。

「俺たちはガンバライダーロード。何を思ってるかは知らねえけど、アンタが思うほど俺らに敵意はないぜ?」

男は笑ってもう一度ガトリングを構えた。

「テメェらに名乗る名なんてねえな!こちとら生活がかかってるんだ。その子供は渡してもらうぜ!」

ロードは拳を強く握りしめ、もう一度構えなおした。

「悪いが人の命を金蔓にしか見てないテメェなんかに渡す命はねえ。さっさとぶっ倒して道を切り拓く!」

ロードはチヒロへと問いかける。

「でも変じゃない?何もしてないティナちゃんが何で・・・?」

チヒロはバッサリとその言葉を切り捨てた。

「どうであれ救うことが先決だ。ケリつけて事情を聞くぞ。」

男はロードへと向かってくる。ロードの目が赤く光ると、ロードもまた走り出した。

 

再会した九重とファルファラは再びサクラハリケーンのアクセルを飛ばしていた。

「聞いてなかったんですけど、何でこの子は狙われてるんですか?」

「それは・・・」

「知りたいか?」

ファルファラが答えようとした瞬間、彼らへと呼びかける声がした。その声は九重もよく知る声だった。

「アクート・・・!!」

九重はバイクを止め男の前に立ちはだかった。そこにいたのは青いガンバライダー「アクート」だった。

「えっ誰?」

「やっぱりお前が黒幕か・・・!!」

九重はガンバドライバーを装填するとそのままノヴェムへと変身した。

「この世界に何をした!!」

ファルファラの質問に答えずにノヴェムは話を続ける。アクートは横に首を振った。

「残念ながら私ではない。来る前から崩壊してた故な。」

「何?」

構え続けていたノヴェムの肩にファルファラが手を置いた。そして一歩前に出る。

「あなたは誰?何が目的なの?」

アクートはフッと笑うと自らの胸に手を置いた。

「我が名はアクート。終末を見守り、進めるもの。とでも言っておこうか。」

「終末を・・・進める?」

ノヴェムがひどく引っかかり困惑の表情を浮かべていると、アクートは少しほくそ笑み話を続ける。

「本来は進めるためにいた。だがこの世界は歪んでいた。何者かの仕業によってな。」

ファルファラは少し顎に手を置くと、すぐさま答えを見つけたように言った。

「まさかティナちゃんが・・・!!」

「ちょっ!!ファルファラさん!!」

そのままファルファラが走り出すと、それを追うようにノヴェムもバイクに跨り追っていく。

「さあ、どんな破滅を見せてくれるのだ?我が友、いや「カナデ」。」

アクートはそっと後ろを向くとそのまま闇夜へと消えていった。

 

チヒロはソニックアローを召喚し、男と激しい銃撃戦を繰り広げていた。

「こいつ・・・!!」

「強い・・・!!」

お互いの攻撃は弾かれては飛ばしての連続だった。距離も詰まらず、ただたた横一線に走り続けるだけだった。

「埒があかねぇ・・・。」

「僕に考えがある。」

そう言うと、目は緑に変わりロードはそのまま高く飛び上がった。

「無駄だ!!」

「読み通り・・・!!」

男が空中に銃を放つも、その銃の照準はずれて当たりすらしない。

「何でだ!!どうして!?」

「悪いが空気抵抗を使った知力の勝ちだ。」

そのまま空中から矢を放った。その矢は一直線に男へと放たれ、男は後ろへと下がった。

「これで・・・っ!?」

「遅いよ。」

ロードはそのまま近づき、綺麗な回し蹴りを腹に見舞いした。男は無言は宙を舞い、そのまま地面に倒れこんだ。

「ふぅ・・・。」

さっきまで近くにいたティナは少し遠いところにいた。周りを確認するとすぐさまティナの元へと駆け寄っていく。

「怪我はなかった?」

「うん。」

ティナが頷いたのを見たのち、ティナを連れて男へと近寄っていく。

「さあ、聞かせてもらおうか?君の目的を。」

「ざ・・・けん・・・な。」

男が立ち上がり銃を持とうとした瞬間、ロードはその手を止めた。

「僕らは別にあなたと喧嘩しに来たわけじゃない。あなたの事情が知りたいんだ。」

「まあ、ふっかけられたのはこっちだしな。」

ロードはチヒロの言い分に頭を掻き、話を進めていく。

「あなたがティナちゃんに執着する理由は他にあるんじゃないですか?」

「あっ、いた。」

ロードたちが後ろを向くと、ノヴェムと女性が立っていた。

「九重?」

「今だ・・・!!」

ロードたちが後ろを見た瞬間に男は走り出し、瞬く間にロードたちの元から姿を消した。

「あれはあの時の!!」

ファルファラは見覚えのある逃げ姿にふと笑みをこぼした。

「あれはブラッド。ここらじゃ有名な傭兵よ。」

チヒロはふーん。とティナを後ろに下げた。九重もそれを見てこちらへの反応に気付いた。

「その子を渡してくれないか?こちらにとって重要な・・・」

「断る。」

やっぱりか。そんな表情でチヒロを見つめた。

「こっちは穏便に事を済ませたいんだけど?」

「知るか。渡せねえもんは渡せねえ。」

九重は大きなため息をつくとICカードを取り出した。それを見てチヒロもまたICカードを取り出した。

「だったら実力行使しかないよね?」

チヒロは一瞬もティナを前に出そうとしなかった。

「チヒロ・・・。」

「安心しろ。得体も知れない奴らに渡したりしねえよ。」

九重とチヒロは同時にガンバドライバーを装填すると、赤と青、互いに光が纏った。

「変身。」

二人は変身すると、そのまま構えた。

ノヴェムの頭にアクートの言葉がよぎる。結末、終末。そんな言葉が頭を何度もループする。

「来い・・・。」

「あぁ・・・。」

ティナとファルファラは一歩二歩後ろへと下がった。二人のガンバライダーの前には賑やかな街に流れない不穏な風が吹いた。

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