-もう一週間も経つのか-
ロードは部屋の中で少し感心に近いものを感じた。
なのはやフェイトの努力もあり、管理局のお偉いさんからロードの協力の承諾も得られたそうだ。ただし、
「ロード。訓練に遅れるぞ?」
「ああ、シグナムさん。」
どういうわけか、彼も管理局の戦闘訓練を受けることになっているらしくそのまま訓練へと参加している。勿論、呼びに来たシグナムもロードもその訓練を共に受けるフェイトも意味はわからない。
ロードが訓練所に行くとフェイトは既に準備運動を終えており、いつでも戦える。ということを示すためかロードに向けて大きく手を振った。
「んじゃあ、戦ってみるか?」
「うん。実力を測るのも兼ねて・・・ね。」
そう言うとフェイトは自らのデバイスであるバルディッシュを魔力を与え、鎌のようなものへと姿を変貌させた。
「行くよ。バルディッシュ。」
「Yes,sar.」
バルディッシュが答えるとフェイトは一呼吸つき、ロードの変身を待った。
「Ganba driver stand by.」
そうロードのベルトであるガンバドライバーの音声が鳴ると、彼は赤い光をまとって一気に姿を変えた。
そしてガンバライダーとなったロードは空間からかつて仮面ライダーオーズが使っていたとされる「メダガブリュー」を取り出した。
「さあ、準備オッケーだ。」
「じゃあ、行くよ。」
フェイトはそう言うと、魔法陣を一気に開き、ロードへと多数の光弾を放った。
ロードはそれをメダガブリューで弾きかえすも、フェイトは返された光弾を鮮やかに回避しロードへと一気に接近した。
「疾風迅雷!!」
フェイトはバルディッシュを形態をザンバーモードへと変え、その平たい斬馬剣でロードを壁際へと殴り飛ばした。
「チッ!」
ロードは舌打ちをすると、メダガブリューにセルメダルを装填し、フェイトへと照準を向けた。
「プ・ト・ティ・ラノ・ヒッサーツ!」
その音声と共にメダガブリューと銃口から強力なレーザーである「ストレインドゥーム」が放たれた。しかし、フェイトはバルディッシュで受け止め、見事にその一撃を防ぎきった。
「あんた強えんだな!」
「こんなものじゃないよ!」
「sonic form」
バルディッシュのその音声と共にフェイトの後ろに付いていたマントが外れ、高機動に徹する「ソニックフォーム」へと姿を変えた。
「おもしれぇ!」
ロードは空間から仮面ライダー鎧武の力である「火縄大橙DJ銃」を取り出し、マシンガンモードへと形を変えた。
「いくぜ!」
マシンガンモードから何発もの弾丸が飛び散りフェイトへと放つも、高速移動したフェイトに当たるはずもなく、続々と銃弾が避けられていく。
「こいつ・・・!!」
ロードの攻撃が当たらず、フェイトは一瞬にしてロードの背中へと剣を向けた。
「もらった……!!」
フェイトが後ろからバルディッシュで攻撃しようとしたその時だった。
「取った……!」
DJ銃を後ろへと向けてフェイトのバルディッシュの斬撃を見事に防いだ。
「なっ・・・!!」
「一つ俺の方が上・・・だぜ!!」
そのままバルディッシュを押し出すと、ロードはそのままフェイトの腹に重い蹴りを放った。
「くっ…!」
「貰った!」
トドメの一撃を決めるべく火縄大橙DJ銃にエネルギーをチャージしたその時だった。
「もう少し見たいところだが時間切れだ。二人ともご苦労。」
シグナムはタイムウォッチを見せながら、二人の戦闘を止めた。
「痛たた……。最後のは効いたよ。」
フェイトはゆっくりと立ち上がり、ロードにそう言うもロードもまたそれに返した。
「あんたのザンバーもそこそこだったぞ。クソ痛えよホントに。」
二人は笑いながら話すも、シグナムは少し考えるような目でロードを見つめていた。
というのも、シグナムはシャマルからはこんなことを告げられていた。
「彼には二つの人格があって、恐らく今のロードくんじゃない方が本来の姿なの。なのはちゃんも会った時と少し違うって言ってたから、片方を保つのは今だと時間がかかるのかも。」
その言葉を胸に留めていたシグナムはロードの本当の姿、そして今とは違う片方の姿を見たいと思い、この場を設けたようなのだが、残念ながら見ることは出来なかった。
「どうしたの?シグナム。」
「どうしたんだ?」
二人のその言葉にシグナムは「なんでもない。」と一言だけ返したのだった。
訓練が終わり部屋に戻ったロードはベッドに寝転がった。
この短い間に自分自身に大きな展開がいくつも転がった。
兵器としてアクートを追う中でなのはやフェイトと出会い、この力を使う理由を考えるということにすらあった。
「俺は・・・。」
しかし、彼の中の葛藤はあった。
自分自身が兵器であること、つまり自分自身の人間が存在していいのか?ということである。
記憶も何も無い自分はこれまで破壊することが戦うことだと信じて戦ってきた。しかし、それは少し違っていて守ることも戦うことだということをここにいる人々彼は知った。
しかし、時折フェイトたちですら手に負えないほどの破壊衝動が模擬戦で現れるのも事実であり、この意思が邪魔してしまう時もあるのだ。
かといってこの想いや守りたいという意思を捨てることが全て。ということが間違いとも思えない。
「俺は・・・」
ただ、一人ベッドから天井を見上げる。そこには白い壁に蛍光灯の光が反射して少し眩しかった。
「・・・寝よ。」
こんなことを考えてたって仕方ないんだ。
守ることや兵器であること、きっと答えを導いてくれると勝手な決めつけをした瞬間全てが晴れた。
きっと今の俺なら・・・寝れる。そう感じた。
管理局の上官である八神はやてに召集されたロードとフェイトはこれからの任務についての説明を受けていた。
そこには守護騎士やなのはたち上官も説明を受けていた。
「恐らく次のポイントはここになる。二人にはここに向かってもらって、その「アクート」とやらと戦ってもらう。」
「でも、そこに現れなかったとしたら?」
フェイトのその問いにはやての横にいたヴィータがその質問に答えた。
「ここには大きな魔力反応がある。恐らく奴らはこれを狙ってくるだろう。」
なるほど。と二人は首を縦に頷けた。
「つまりここに現れた瞬間」
「アクートを叩く。ということだね。」
はやては軽く頷き、再度大きなモニターへと目を移した。
「でも、この任務はかなり危険やし、罠もあるかもせえへん。気い引き締めてかかって欲しい。」
シャマルははやてからの視線を合図に一歩前に出た。
「では、作戦の説明を終了します!」
ロードとフェイトはシャマルのその言葉を聞き、一礼して部屋を去った。
「フェイトはいい部隊に恵まれたんだな。」
「えっ?」
ロードの突然の言葉にフェイトは動揺を隠しきることが出来なかった。
「きっと、どこの部隊もこんな感じじゃないかな?ロードは違ったの?」
ロードは頷き話を始めた。
「俺はずっと研究施設みたいなところで兵士みたいに扱われてさ、俺以外のガンバライダーを殺すためだけに色んなことを聞かされた。でも、ここは人を守るために戦って、自分の命を省みない。ホントにすげえよ。」
フェイトはそれを聞いてロードの頭を撫でた。
「きっと、ロードの中の人間が言ってるんだよ。ここにある幸せを守りたい。って。」
「俺の中の人間が・・・」
ロードは少し照れながら、フェイト共に歩いて行った。
「フェイトとロード。いい感じやね。」
「うん。きっとあの二人なら今回は大丈夫そうだね。」
なのはだけ気付いていた。ロードが付けていたブレスレットの光が、二人の絆に応えるように強い光を放っていたことを。