ガンバライダーロード   作:覇王ライダー

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終わる世界と新たな危機

荒廃した建物を背に赤いガンバライダーはゆっくりと闇に包まれた獣へと歩み寄っていく。

それに続くようにノヴェムはロードの後ろを歩く。彼は少しずつ歩み寄り、まるで慣れない体に気を使うようだった。

「いいかいロード、君の体はまだ魔術回路が慣れていない。慣れるまでは慎重に」

「かもね。でも僕は。」

そう言ってティナへと一気に近づくと、ブレイラウザーとライドブッカーを召喚して斬りかかった。ティナはそれを双剣で防いだ。

衝撃からかティナの足元の地面が割れ、周囲には石粒と砂塵が舞い上がった。

「・・・。」

「っ!!?」

そのままロードが少しずつ力を込めていくと、ティナの腕が少しずつ引いていく。ロードの力は押し、ティナの双剣は少しずつ押されていく。

「バカな・・・!!」

驚きを隠せないナーベルへと幾つもの弾丸が放たれる。その方向は全く違う方向からであった。

「君の相手は」

「俺たちってわけだ。」

「覚悟しなさい!!」

ノヴェム、ヴィンセント、ファルファラ、ブラッドの四人はそれぞれの武器を構えてナーベルへと向けた。

「相手は僕だけじゃないみたいだけどね?」

ナーベルの視線の先をノヴェムが見ると、そこには黄金の蟹を模したマシンがゆっくりとコチラへと近づいてくる。

「まさか・・・コステロ!?」

「よくも俺をコケにしてくれたなァァァ・・・ヴィンセント!!」

蟹のマシンに乗っていたのヴィンセントの取引先であり彼を裏で牛耳っていたコステロ本人である。

蟹のマシンは大空へと大ジャンプすると、ナーベルの前に着地し砂煙を巻き上げた。

「俺をコケにした全員を"今"ここで叩き殺してやる!!」

ノヴェムは頭に点が浮かぶとファルファラへと視線を向けた。

「ねえ、アイツ誰?」

「今あんな化け物が目の前にいる時にそれ聞く!?」

ノヴェムの声は仮面越しでも分かるような緊張感のない声だった。

「お前マジであの状況で魔術回路のオペした人間かよ・・・。」

「これはギャップ萌えにもならねえな。」

圧倒的な罵倒の多さにノヴェムは三人に首を向けていく。その表情は驚きを超えて呆れに達している顔だった。

「おかしくない!?誰か聞いただけでこうなるの!!?」

「テメエらうるせえ!!」

蟹のマシンは腕のアームを動かして横へと回転した。その腕はノヴェムたちの何倍もあり、彼らへと風圧と脅威が襲う。

「っ!!」

早いスピードで回転したアームを四人は回避して再びコステロの乗る蟹のマシーンを見た。

「僕がこの蟹を相手する!三人はナーベルを!!」

ノヴェムの指示に三人がナーベルへと向かうと蟹のマシンは大きく大ジャンプする。

「テメエの相手はこの俺だァァァ・・・あ?」

下から蟹のマシンが浮き上がる感覚に違和を感じると、慌てふためくように蟹のマシンは腕を上へ下へ振り回した。しかし、真下から持ち上げられているためその腕が届かない。

「友よ・・・新たな力を手にしたか!!」

そう言い真下から蟹のマシンを持ち上げたのは青いボディに真っ赤な目のガンバライダー だった。

「君は・・・!!」

そこにいたのはガンバライダーアクートその人だった。

 

闇に包まれたティナはロードへと何発も打撃の剣を振るうが、それを幾度となく躱していく。ティナはもう一撃ともう一度剣を振るった。

「心のない君じゃ!!」

ロードは空中を一回転しティナの剣を弾き飛ばした。ティナの手元から剣は離れてそのまま地に落ちた。

ロードは回転させた体を翻して着地した。

「僕にその攻撃は届かない。」

チヒロへと人格が変わると、ティナへとゆっくり近づいていく。ティナはまるで牙を無くして怯える小動物のように後ろへと引き下がっていく。

「大丈夫。絶対にお前を救える。」

チヒロは変身を解除してティナを抱きしめた。その温もりに応えるようにティナも自然とロードへと手を伸ばした。

「お前はこんな闇の力を振るって幸せな筈がない。お前の母親も・・・誰もお前の絶望を喜べる筈がない!」

「違うね!彼女は闇を選んだ!そして彼女の闇は加速するのさ。」

焦るように叫ぶナーベルへとアクートが蹴りを入れる。蹴られたナーベルは後ろへと退け、そのまま片膝をついた。

「アクート・・・!?」

「今は君の声に集中しろ。君の全てを彼女へと届けてこい。」

アクートの言葉に頷くとチヒロは目を瞑り彼女を強く抱きしめた。その強さは1秒ごとに強まるがまるで絞め殺すような強さでなく包み込み闇を取り込むような強さだった。

「お前は破壊を求める化け物なんかじゃない。お前は小さくて勝手だ。でもお前の優しさは俺たちが知ってる。全地球の誰かが敵になってもお前の光はここにあるんだ!!」

チヒロの中にあるリンゴロックシードが体内から出てくると錠前が開き、ティナの胸元へと入り込んだ。

「っ!!」

ティナの体から黒い闇が少しずつ消えていき、その闇が完全に消えるとティナは倒れ込んでそのまま眠りに落ちた。

その時にリンゴロックシードが胸元から出てくると再びチヒロの胸元へと入っていった。

「ティナちゃんの闇はどうなったの!?」

ノヴェムは蟹の攻撃を避けながらファルファラへと近づいた。

「闇はあの錠前が全て飲み込んだ。あのロックシードは闇の物質を取り込む性質があるんだ。」

アクートはノヴェムへと放たれた弾丸を弾き飛ばすと、彼の目を見た。

「しかし妙だ。あんな特殊な闇すら吸収できるとは思えないがな。」

ノヴェムは頷いてティナを抱き上げるチヒロを見た。

「そりゃそうさ。あの力を引き上げるために彼の胸の中に「戦極ドライバーのコア」を埋め込んだんだから。」

アクートはチヒロの方をそっと見た。彼がもしこれを望んで行なったとするなら、自分の知る"彼"はもう存在していないのかもしれないと感じた。

 

チヒロがアクートたちの元へと来ると、黄金に輝くカニのマシンを見つめた。

「おいアクート」

「アイツ誰だ?と聞きたいんだろう?」

なんで分かった!?そう顔に書いてあってもうその一言を言うまでもなかった。

「・・・月が綺麗だな。」

それは無理がある!!どんな嘘だよ!!ノヴェムは心の奥底から間髪入れぬツッコミを入れると、再び巨大な蟹を見た。

カニのマシンは先程からノヴェムとアクートで攻撃しているものの輝いて見えないのか喰らっていないのか全く傷口が見えない。

「アイツにダメージが通ってるのかわからないな・・・。」

「無駄無駄無駄ァァァ!!!コイツにダメージを与えようなんざ不可能に決まってんだよ!!」

チヒロはICカードを二枚装填してツインバーストすると、ガンバドライバーは輝きチヒロとロードを分離させた。

「効かねえなら」

「効かせるまでだね。」

はあ。とノヴェムとアクートがため息をついてロードとチヒロから離れると、四角形に囲むように四人は離れていく。

チヒロはファイズポインター

ロードはカイザポインター

アクートはデルタムーバーを蟹に向けて

ノヴェムは仮面ライダーサイガの天の力と仮面ライダーオウガの地の力を纏いオーガストランザーを召喚した。その光はサイガの青、オウガの金へと輝きだした。そして各々が武器を装填した。

"Exceed Charge"

四人からは各々の光が放たれ、四方から押しつぶすように巨大な蟹を吹き飛ばした。

「クリムゾンスマッシュ!」

「ゴルドスマッシュ!」

「ルシファーズハンマー!!」

「コバルトストラッシュ!!」

四人から放たれた攻撃は巨大な黄金を打ち抜き、両腕と足を叩き落とした。

「負けてねぇ・・・負けてねぇぞ!!俺は返すんだ・・・!!そして取り戻すんだ!俺の栄光と力をな!」

「もうあなたは終わりよ・・・。」

コステロの怯える先に見えたのはゆっくり起き上がるティナの姿だった。彼女の体全体から白いオーラを纏い、右手の拳を強く握りしめた。

「あなたにも受けてもらう・・・。私の愛のゲンコツ!!」

そして後ろには銃を向けるファルファラとブラッド、そしてヴィンセントの姿があった。

「テメエら裏切んのか!!誰がテメエらをここまで伸し上げたと思ってんだァァァァァァ!!!!!」

そうコステロが叫び倒れると、ファルファラが銃を向けながら近づいていく。

「そうね。もしかしたらあなたかもしれない。私がこの世界で歌姫を誇れたことも何もかも。あなたがいなければ出来なかったかもね。」

ブラッドとヴィンセントもまたそれに続くように近づいていく。

「だがテメエには愛がなかったんだよコステロ。」

「アンタが俺たちに負けるのは偶然であって必然だ!」

怯え包まるコステロへと四人が近づいていく。

「これで!」

「終わりだ!!」

「やめろォォオオオオオオオ!!!」

マシンの胴体には何発もの弾丸が埋まり、撃ち抜かれる。そしてコックピットが割れた瞬間、ティナがそこへ飛び乗る。

「ま・・・待て、か・・・金ならある!いくらだ?いくら出せばいい?」

ティナはニヤリと笑って拳を向けた。

「そんな端金!!いらないに決まってんだろうがァァァ!!!」

打ち抜いた拳はコックピットを貫通し、黄金の蟹が真っ二つになるのと同時にコステロは地面に叩きつけられ白目になって倒れた。

「終わった・・・のか?」

「いや」

安堵をつくノヴェムの後ろから去ろうとする一枚の蝶の羽が見えた。

「ナーベル!!」

ファルファラが追おうとすると、アクートはそれを制した。

ナーベルは漆黒の蝶となり空を巻い、綺麗な満月へと彷徨い帰っていく。

「君達との因縁はここで終わったわけじゃない。君達とはいずれ決着をつけるとしよう。」

蝶は黒い粒子となって消えていき、その場から消えていった。

全員がその消える様を見届けると、少し街の方を見た。

街は何一つ変わらず夜の闇を綺麗なネオンのライトが照らしていた。

 

全員が去った後、コステロはゆっくりと立ち上がり、血まみれの顔を拭った。

「あ・・・アイツら。次会った時は」

「次なんてない。」

後ろにいたのは明らかに人ではない異形の者だった。

異形の者は腕を剣に変えるとコステロに話す間もなくその剣を突き刺した。

突き刺した剣はコステロの太った体を貫通して突き刺さる。喉元を刺した為声も聞こえず、無音でそのまま串刺しにされた。

「無様だな。」

血を指で触り彼の服へと文字を描く

「soldier stance」の文字は白い服によく映る赤色だった。

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