ロードとフェイトは空中を飛びながら、アクートがいるとされるポイントへと向かっていた。しかし、ロードは妙な気配を感じざるをえなかった。
「フェイト。」
呼びかけられたフェイトは少し首をロードに傾けた。
「どっかおかしくないか?」
フェイトはその言葉にさらに疑問符を増やした。
ロードはそのまま話を続けていく。
「何で魔力を大量生成できるところを管理局はアクートが狙うってわかったんだ?」
「つまり……これが罠だと?」
ロードはフェイトの言葉に小さく頷く。
でも何のために?誰が?そんな疑問が止まぬままそして話を続ける。
「アクートは誰かを呼び寄せようとして、わざと魔力を大量生成できる場所を提示したのか。それも分からないけどな。」
ロードの推測を聞き終えたフェイトはそこで飛行を中止し、はやてたちと連絡を取ることにした。
「こちら管理局フェイト・テスタロッサ。応答願います。」
「やあ…。随分と遅かったねえ?」
「!!」
男の姿二人は驚愕した。そこに映っていたのはロードと同じガンバライダー。しかし色が明らかに違う。青を基調としたガンバライダー。それが誰かはもうロードは察していた。
「お前か?アクートってのは。」
青いガンバライダーは高笑いしにやけて答えた。
「ご明察。だが、もう管理局は我らの支配下に置いた。」
「どういうこと・・・?」
フェイトの疑問符と同時に映像が送られた。そこにあったのは倒れこむなのはたちの姿だった。
「てめぇ・・・!!」
ロードの怒りを表した眼にアクートは微笑を浮かべた。
「友よ。助けに来るなら勝手にしろ。」
「友だと・・・!?」
ロードの疑問をすり抜けアクートは話を続ける。
「だが、そこの怪人集団を倒したあとになぁ!」
通信が切れた途端、灰色の壁から何体もの怪人が湧き出てきた。数百は超えるだろうその数にフェイトとロードは足を後ろに下げた。
「次元の壁・・・か。」
壁を超えてきた怪人たちは少しずつフェイトとロードへと近づいていく。
「逃げるわけにもいかなさそうだね。」
「さっさとぶっ潰すぞ…!!」
ロードとフェイトは互いに背を向け二手に走って行き戦闘は開始された。
ロードはメタガブリューを召喚し、ストレインドゥームで薙ぎはらっていく。一方でフェイトはバルディッシュから放つ黄金色の光弾「サンダースマッシャー」で敵を空中から爆撃した。
大きな攻撃を二人は何度も放つがそれによって敵の数が減っているようにはとても思えなかった。
「こいつらキリがねえぞ!」
「一気に大きな攻撃を撃ち込むしかないみたいね。」
ロードの言葉にフェイトは少し焦りを感じ、自らの魔方陣を解放し、一気に敵を覆い囲った。
「ファイア!!」
フェイトの放った何発もの大きな光線は敵を吹き飛ばし、たちまち消滅させていった。
そして数百といた怪人は一瞬にして消滅し、殲滅されていった。
「やったな!」
「うん。」
その刹那、後ろから撃ち込まれる銃弾にロードは気づき、直撃しそうになったフェイトを押し飛ばした。
撃ち込まれた銃弾はロードの心臓に向かって紫色の四角錐に広がった。
「ロード!?」
「ちっ!!この攻撃・・・デルタか。」
そこにいたのは黒と白の色を基調としたデルタ、そして白と金を基調としたイクサだった。
「シャドウライダーに攻撃を食らうとはな・・・!」
ロードはこの存在を知っていた。ライダーを模擬して作られたシャドウライダー。彼がかつて何度も訓練として使った兵器の一つだ。
シャドウデルタはロードに向かって四角錐へと蹴り込み、相手に攻撃する「ルシファーズハンマー」をロードへと直撃させ、シャドウイクサも同時にロードの腹に斬撃技である「イクサジャッジメント」を直撃させた。
「あぁ・・・。」
「ロード!!」
変身が解けると同時に倒れこむロードの元へと向かおうとするフェイトにデルタとイクサは銃を向けた。ロードはその光景を見たとき、夢で見た光景を思い出した。
彼の脳には一瞬にして血まみれで倒れる少女の残像が見えた。
「ダメだ!!やめろ!!」
デルタとイクサはフェイトに銃撃を撃ち込むも、フェイトは魔力を使ったを張り防御する。だが、通常の実弾で壊れないようなバリアが徐々に崩れていくのがフェイトには見えた。
「この力……魔力!?」
「どういうことだ・・・!?」
ロードは立ち上がろうとするも、先ほどの攻撃が傷口を抉る。立つことすらままならなかった。
「っ!!?」
フェイトのバリアは砕け、フェイトに何発もの銃弾がフェイトへと突き刺さっていく。
「フェイト!!」
ロードは力を振り絞りフェイトの元へと這って行った。
「手を伸ばせ!」
「ロード・・・。」
その伸ばす手はフェイトへと届かず、フェイトの手は静かに落ちていった。
「くそ…!!くそ!!」
ロードはフェイトから赤く垂れた鮮血に絶望した。力があっても守れなかった。自分の大切なもの1つさえも。
彼の脳に走馬灯のようにこれまでの自分の愚かさが描かれていく。
兵器であること、そして何も守れない力を得た自分に何の意味もなかった。
戦うことだけにしか執着しなかった自分を愚かだと嘆き、地面の砂を殴りつけた。
シャドウデルタとシャドウイクサは止めと言わんばかりに何発も魔力を込めた銃弾を放った。
ロードはその銃弾が放たれた瞬間、フェイトを庇うように覆い後ろを向いた。もう死ぬのだと確信した。何も守れぬまま自らも消えるのだと
だが、彼の背中には少しの痛みも感じず弾丸の刺さる音すらしなかった。恐怖混じりでロードはそっと後ろを向いた。
そこにいたのは虹色の羽を纏った少女だった。彼女は魔方陣を展開し、シャドウライダーたちの攻撃を物ともしなかった。そして少女はロードへと問いかけた。
「どうした?我の知っている貴様はそんなものではないぞ?」
はやてに酷似した声と容姿の少女にロードはその言葉に疑問符を浮かべた。
「あんた……誰だ?」
少女は少し笑みを浮かべ答えた。
「我が名は闇統べる王(ロード・ディアーチェ)だ。」