ガンバライダーロード   作:覇王ライダー

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光が齎す闇

戦闘に入ったロードとブリッツは森の中で激しい攻防を繰り広げる。

ブリッツが召喚したドラグレッダーの攻撃をロードはひとつ、またひとつと撃墜していく。

「意地でも火花を落とさないつもりか?」

ブリッツはガンバブラスターで背後から攻撃するが、それはロードの避けていく木々へと直撃した。

「次W45度、その後N20度の攻撃を撃ち落として!」

「ったく、忙しいやつだな!!」

ロードの指示にチヒロが答え撃ち落としていく。

ツインバーストしている状態とはいえ、二人の撃ち落とせる炎、そして避けきれるだけの余裕はあまり残されていなかった。

一方でブリッツはドラグレッダーを駆使して次々に攻撃を与えていく。変則的な攻撃はロードとチヒロを次々に翻弄する。

小出しの攻撃では埒が開かない。ロードは立ち止まり音撃棒烈火を召喚した。

"Strike Vent"

「音撃打!火炎連打!」

ロードの放った火炎連打はブリッツのドラグクローファイアを打ち消し、そのまま火炎の打撃を飛ばした。

「こんなもの!」

ブリッツは森の木を叩き切った。叩き切られた木はそのままブリッツの目の前に落ちていき、火炎に焼かれた。

炎は燃え移り次第に草木へと焼き移っていく。

「さあどうする?お前のターンはもうないぞ?」

「何が言いたい?」

ブリッツはロードの言葉に返す。

「もうじき俺の部隊が財団Xの基地をガンバライダーカットで叩き斬る。その時がお前の防衛ミッションの失敗さ。」

ブリッツの仮面越しからも分かる不敵な笑みはチヒロたちの焦りを加速させた。

「チヒロ!!」

走り出そうとするチヒロをロードが止めた。恐らくブリッツの仲間を討とうと向かおうとしたのだろう。

しかし今優先するべきはブリッツの足止め。コイツの仲間の相手をすることではないことは明白だった。

しかしチヒロのオフ想いはロードの考える目的とは別にあった。

「ここで俺たちが止まったらクリスタルが死んじまうだろうが!!」

確かにここで自分たちが立ち止まりブリッツの仲間たちに攻撃させれば間違いなくクリスタルや彼女のポケモンたちも亡くなってしまう。

「そんなことは分かってるよ!でも」

ロードだって承知の上だ。それでも被害を最小限に抑える為にコイツを止めることが優先だと言いたいのだ。

恐らく筆頭であるブリッツさえ抑えてしまえば仲間とやらの足も止まる。その間に筆頭さえ討てれば。そう考えたのだ。

二人が策を練る中、ブリッツが口を開いた。

「なら、ゲームをしようか?」

「ゲームだと?」

チヒロは少し苛立ったような口調でブリッツに問いかけた。それに対してブリッツはあぁ、と軽く答えた。

「俺とお前たちが同時にクロックアップし、クロックオーバーするまでの一分間で帰ってこれたら基地もお前たちも見逃してやる。だが」

「帰って来れなかった場合は死・・・か。」

ロードの問いにブリッツは縦に首を振った。

「何、お前たちが制限時間内に帰って来れば良いだけの話。上手い取引だと思うが?」

チヒロはブリッツに向けて剣を投げた。ブリッツは首を傾けてその剣を避けた。

「やってやろうじゃねえか。俺たちがこの勝負に勝てば良いんだろ?」

ブリッツはほくそ笑むと頷いた。

「ならゲームスタートだ。準備はいいな?」

二人は頷き腰部に手を当てた。

「クロックアップ !」

"Clock up!"

デスゲームの合図と共に加速した世界は動き出した。

 

騒々しい爆破音と共にクリスタルは目を覚ました。

クリスタルが起きた時には施設が崩れる音と共に周囲の鉄が音を立てていた。ここはすぐに崩れ落ちて自分ごと瓦礫へとこの地を変えるつもりだろう。

それだけは避けたいとクリスタルは少し手足を動かす。

「脱出しないと・・・。」

クリスタルはそう言い手足の枷を外そうとするが、十一になる少女にはその手枷を外せるほどの剛力は備わっていないし、暫く足掻くことをやめていたからか体に力を入れようとしてもあまり力が入らない。

数秒ほど力を入れて外そうとするが、それは叶わぬ願いだった。

一気に体の力が抜けると、そのまま元の体勢に戻っていく。

「マズイ・・・。」

このままでは自分はおろか連れてきているメガニウムやカラカラの命まで失いかねない。それだけは避けたいと手を伸ばすが、どれだけ手を伸ばしても届くことはなかった。

「はぁ・・・。」

彼女の身長以上の遠さに置かれてあるモンスターボールにどうやっても手が届かない。

「どうすれば・・・。」

彼女には祈ることしかできなかった。彼女を救う救世主-ヒーロー-の存在、自らとこの世界を救う大きな力に。

 

財団Xの基地へと入り込んだロードたちは広い道々を進んでいく。クロックアップでの制限時間は1分ほど。一刻の猶予など許されていない。

「クソッ、この構内広すぎるんだよ!!」

「仕方ないよ。ここを曲がって右、その次の角を左だ。」

ロードの脳内から流れるナビゲートで迷うことなく進むことができているものの、クリスタルのいる地下へはまだまだ先だ。このまま普通に進んでいてもおそらく埒があかない。

「どうする・・・?」

このまま進んでクリスタルたちの元に辿り着かないとすれば自分たちまで死ぬ羽目となり、それこそあのガンバライダーの思う壺だ。

「あの気に入らない面構えした奴に負けたくはないな!」

「だとすればー」

やることはただ一つだ。とロードはメガウルオウダーを召喚し、眼魂を装填した。

"デスローグ オメガウルオウド"

「ブチ抜けェェェェェ!!!!!」

地面をぶち抜いた拳は床を撃ち抜いてどんどん下へと進んでいく。しかし

「これじゃ限度があるよ!」

ロードの言葉に「心配すんな」とチヒロが笑う。

「こっからがこの力の本領だ!!」

掌へと集めた光は変形し、一つの大きな剣となり、床を切り裂いた。砕かれた瓦礫はスローモーションで落ちていく。

開いていく瓦礫の穴から一気にダイブした。

ここから進めば辿り着くはずだ。ー待っていてくれーという願いだけを込めた。

 

ブリッツとロードのゲームが開始してから1時間が経とうとしていた。

ブリッツは木に手を置いて確かめる。そこから聴こえる命の鼓動はクロックアップした彼にも感じ取ることはできた。

「良いねぇ。これを折れば命が消えるわけだ。」

命の消える音や風景。それはそれは美しいもので儚くも尊いものだ。

その消える音を是非聞きたいものだ。

そう思っているとクロックアップの時間も迫っていた。

ブリッツは自分の端末で各ガンバライダーたちへと告げる。

「俺だ。これより作戦を開始する。」

各ガンバライダーがそれぞれの反応を示したことを確認すると端末を閉じた。

ブリッツは笑みを浮かべた。その笑みは的中する。

"Clock Over"

ーさあゲームの始まりだー

 

クロックアップが切れた瞬間、ロードたちが降りた地下には大量の瓦礫が落ちてきて一気に砂煙と破片が落ちてきた。

「危ねぇな・・・。」

自分がぶち抜いた床とはいえ、クロックアップした後にこうなるとまでは二人とも予想はしていなかったのだ。

「チヒロ、今はそれより。」

そうだな。とチヒロは頷く。今大事なのはそこではない。今やるべきことは

「無事か!?」

砕けた破片の中からクリスタルを探し始めた。

無論、砕けた破片の中から一人の少女を見つけ出すことは困難だろう。それでも

「おい!どこにいるんだ!!」

砕けた破片の周りを探す。彼女のいる場所がどこかは分からない。それでも探した。探して探して探しまくった。そして、破片の中から一つ見つかるものがあった。

「これは・・・!」

クリスタルの持っていた赤いボールだ。この中には彼女が持っていたメガニウムたちが入っていた。

ロードがそのボールを投げると、大きな赤い犬のようなモンスターが召喚され、召喚された瞬間、大きな咆哮を上げた。

「よし、こいつなら」

「ウィン・・・ぴょん。」

チヒロがその犬を撫でていると、瓦礫から声が聞こえる。それが聞こえるとチヒロは瓦礫を上げるとそこには傷だらけになったクリスタルの姿があった。

「おい!しっかりしろ!」

傷だらけになったクリスタルをゆっくり引きずり出すと、ゆっくり抱きかかえた。

その小さな体はチヒロの腕で楽に抱えることができた。

クリスタルがゆっくり目を開けると、チヒロに微笑みかけて口を開けた。

「私は良いんです。早く逃げてください。」

「バカ!死ぬつもりか!?」

必死に説得するチヒロにクリスタルは首を横に振る。クリスタルは笑顔で話し続ける。

「私はここから一人で逃げられます。だから」

「そんな傷でどうやって逃げるんだよ!!」

その一言で無理して笑っていたクリスタルの顔が曇った。

「私一人で犠牲は充分です!だから」

その先を言おうとした刹那、上空の瓦礫が割れた。上を見ると、上から光の剣が四方から降ってきた。

遅かった。もう間に合わない。チヒロはすぐさまクリスタルを寝かせた。

「ツインバースト!!」

二人は一気にガンバソードを召喚すると、降り注いだ光の剣を防いだ。周囲に爆風が巻き起こり、瓦礫を吹き飛ばした。

二人の足元は砕けて少しずつ沈んでいく。

「ぐっ・・・。」

ロードが押し負けそうになったその瞬間、後ろにいるクリスタルのことを思い出してそっと見た。彼女は怯えた小動物のようにただただ怯えることしか出来ないようだった。

ここで負けるわけにはいかない。自分たちが負けるわけには

「アアアアアアアアアア!!!!」

ロードとチヒロの胸の内から黄金色の光、そして腕から虹色の光が発光すると、辺り一帯を光に包み込んだ。

強い光に包まれたクリスタルは一瞬目を閉じるが、そっと目を開けるとそこには様々な色が交錯して、まるで夢の中にいるかのような光景だった。

ロードたちを切り刻もうとした緑色の光の剣は虹色の光に包み込まれるように吸収され、天高くまで放たれた。

天高くまで放たれた光は漆黒の穴を突き抜けて周囲に流れ星のように降り注いだ。

流れ星はガンバライダーたちの前に落ちて、光から具現化されていく。

"仮面ライダークロニクル"

「君たちは絶版だ。」

"オーバー・ザ・レボリューション"

「俺を呼ぶとは幸運なやつだなァ?」

"ライダータイム"

「何だか・・・行ける気がする。」

これがー悲劇の始まりだったー

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