G4を打ち倒したチヒロとエメラルドはミシロタウンへと戻り、ルビーの家へと入る。その道中も崖があり悪走路だったからか二人ともふらついて戻り、果てにはエメラルドが床に寝転ぶ始末だ。
「ったくあんな悪走路とは思いもしなかった・・・ん?」
後ろからいびきが聞こえてチヒロがふと振り向くとエメラルドが寝転がってやかましく寝ている。その寝方を見て相当疲れていたことがチヒロとロードにも伺えた。少年ながらあの悪走路を一人で歩ききっていたのだから無理もないかとチヒロも椅子へと座る。
部屋の様々な場所を散策していると一枚の写真に目が留まった。
「これは・・・?」
そこに映っていたのは肩を抱き合う男女の二人だ。その背の高さや場所からルビーの父母であることはすぐに察した。二人とも眩いという言葉が似合うほど明るい笑顔で映っている。
「アイツもいい父親とと母親に恵まれてるんだな・・・。」
父親や母親という存在を知らないチヒロからしてみれば実際の父母というのは分からないが、旅を重ねてユキカゼとダルキアン、ヴィンセントとブラッドといった兄弟や家族という言葉が顔に浮かぶ。ルビーと彼らもそういう関係なのだろうかとふと興味と感情がわいてくる。
「それにしても・・・。」
部屋に入ったはいいものの烈火やルビー、サファイアの姿が見当たらない。買出しにでも行ったのかそれとも何か手掛かりを探すべく自分たちと同じくどこかへ向かったのかは分からないがやはりいないならいないで連絡ぐらいよこしてほしいものだ。
辺りを散策していると、チヒロは机に目を向けた。
「何だこれ?」
そこに置いてあったのは置手紙のようなものだ。そこに書いてある内容から見るに烈火たちはどこかへ行ったと判断するべきだろう。チヒロはその文章に目を向ける。
”二人へ”
恐らくあなた方が戻るころ、僕たちはここにいないでしょう。二人には迷惑をかけますが私たちはとある調査でトウカの森へと向かいます。
森には僕の父であるジムリーダー”センリ”がいます。彼に今世界で起こっていることを聞き出そうと思っているだけなので心配しないで下さい。
僕たちが戻るまでに下の地図に記してある船へと向かってほしいのです。そこはかつて僕らが世界の命運を分けたアイテムが隠されていた場所、そこにも何かあるかもしれません。
既にこちらから仲間をそちらに向かわせているのでともに行動してくれると思います。では
ルビーより
「・・・まるでフラグだねこれ。」
大体こういうやつってピンチになって死ぬのでは・・・。ロードは些か不安を感じるがその地図に目を向ける。
「ここは・・・?」
そこに記されていたのはミシロタウンから南にある海を出たところからすぐそこの場所”すてられ船”と記されていた。
寝ているエメラルドを見たが、これは起きそうにないとチヒロはすぐにドアを開けてルビーの言うすてられぶねへと足を進めた。
トウカの森へと向かっていた三人はミシロタウンから徒歩で悪走路を歩いていた。
「ここほんとにデコボコだね・・・。」
道の舗装がされているとはいえやはりポケモンと共存する街、草木が生えて小石も大小ながら転がっていた。ポケモンたちも烈火の足元を通り過ぎ、サファイアたちを見るように寄ったり散ったりしていた。
「ここばポケモンも暮らしとるばい。そこらへんは仕方なか。」
烈火とサファイアがそう話している中、ルビーは具合が悪そうにげんなりしていた。
「ルビー君ずっとあんな感じだけどどうしたの?」
烈火は心配そうにサファイアへと寄ってそう聞く。ルビーに聞こえぬよう聞こえるか聞こえないかのはざまくらいのトーンだ。
「ルビー、昔お父さんと仲悪かったから多分それを引きずっとるんよ。」
なるほどと烈火は相槌を打つ。その事情まで聞くつもりはないがどうやら多大なる因縁があってよほど会いたくない人間なんだろうとうかがえる。
「大丈夫かい?」
「お気遣いどうも。僕は大丈夫なので・・・。」
そうは言うが横にいるキルリアが背筋を撫でている。感情を読み取れるキルリアがそこまで気にするほど彼は弱り果てていた。無理に帰すものでもないと思い烈火も止めずにそうか。と返した。
気にしないわけはないが割と本気で二人の間にある溝だけは気にしないといけないかもしれない。
トウカの森
環境や隠れ家、そして餌までそろっていてポケモンたちの住みかとして最適な場所であり、ジムリーダーであるセンリもここでポケモンたちを育てている。
「センリさん。」
「ご無沙汰しています。ベルリッツ博士。」
ベルリッツとセンリはとある実験からの長い付き合いではあるが、今回呼び出されたのはベルリッツである。センリは一礼してベルリッツへと歩み寄る。
「どうなさいました?トウカの森に呼んで。」
「最近この森に異変が起きているので本日は来ていただいた次第です。」
ベルリッツはポケモン研究者の権威、ここに呼ぶことも自然だったわけだ。なるほどとベルリッツは頷く。
「ところで異変とは?」
「この森で見たこともない焼け跡や傷が大量についているのです。これは明らかにポケモンの仕業ではないとうかがえます。」
ベルリッツは木の傷を見た。そこには削れた跡が出来ていて、人為的な傷であることは明らかだ。何者の仕業なのか。そう調査を進めようとした時だ。
「誰だ!!」
センリが出したケッキングの一撃は木を砕いて吹き飛ばした。木々が倒れて煙が舞う中、出てきたのは一人の男だ。男は拍手をしながらセンリたちに近づく。ケッキングの一撃をものともせず歩いてくる。
「いやぁ・・・さすがはジムリーダーだ。隠していた気配をすぐに察知するとは。」
センリはベルリッツを後ろにそっと下げた。その余裕っぷりから見るにこいつがこの傷を付けた犯人とみて間違いないだろう。
男はケッキングに走り出して懐にとびかかった。ケッキングも応戦しようとするがその時にはもう遅い。
「ケッキング!!!!」
ケッキングは殴り飛ばしてそのまま吹き飛ばした。ケッキングは木にたたきつけられてそのまま木にもたれこんで倒れた。
男はにやけながらセンリたちに近づく。ベルリッツを庇うセンリの額に汗が流れる。男がとどめを刺そうとしたその時だ。
「待てっての!!」
突然殴り飛ばされて地面にひれ伏した男はそのまま肘を地面につけながら立ち上がる。。センリの前に立ったのは一人の女性だった。
「間に合ったばい!!」
「父さん!」
センリはサファイアとルビーの加勢に頭が追い付かない。女性は男を殴り飛ばして森の奥へと殴り飛ばした
「あなたは・・・?」
「私は切風烈火、ルビーとサファイアの友人さ。」
烈火は走って敵を追う。ルビーとサファイアもまた烈火を追うように走り出した。
森の奥へと進んだ男と烈火は激しい殴り合いを繰り広げていた。烈火の拳は重く相手をよろつかせるが相手も負けじと立ち上がって殴り返す。
「お前は何者だ?」
男は烈火を蹴飛ばして余裕の表情を浮かべる。その不敵な笑みは烈火の警戒心を高めた。
「俺は一回死んだ財団の人間、そして俺はその最強核。」
”エターナル”
男はロストドライバーを巻いてガイアメモリを装填した。
「変身。」
男は白いアーマーを纏った仮面ライダーエターナルへと変身した。
エターナルはナイフをふるい烈火へと襲い掛かる。烈火はそれを避けて襲い掛かるエターナルに打撃を加える。
「お前と私じゃスペックが違うみたいだな!!」
烈火の攻撃はエターナルに直撃して後ろへ退く。
「いけRURU!!」
「お願いとろろ!!」
ルビーとサファイアもすぐポケモンを出して応戦する。攻撃を加えるが二匹のポケモンの攻撃をものともしない。エターナルはガイアメモリを腰元に差し込んで炎を纏う。
”ヒート マキシマムドライブ”
烈火へと放たれた炎は爆風を生み、周囲を炎に包んだ。
「烈火さん!!」
煙が消えたその場所には烈火の姿がなかった。ルビーとサファイアは愕然として膝をつく。高笑いするエターナルは二人へと近づく。
「過去の人間たちはこうやって滅ぶ・・・お前たちも同じところへと送ってやろう。」
「待て。」
エターナルが後ろを向くと、そこには紅い鎧を纏う戦士の姿があった。一瞬にしてエターナルの姿に回ったというのか。男は戦士を前に構えをとる。
「俺の名はガンバライダーブレイズ。お前はここで狩り落とす。」
魏木々に炎が燃え移る中、二人の拳は交わった。
ブレイズとエターナルは戦いを繰り広げ、お互いに炎の拳をふるった。
”ユニコーン ヒート マキシマムドライブ”
”ジョーカー マキシマムドライブ”
エターナルの拳を貫いてブレイズのライダーパンチが直撃する。エターナルはそのまま木々の奥に殴り飛ばされて倒れ込む。それを追うようにブレイズも走っていく。
「逃がすかよ!!!」
エターナルは立ち上がってもう一度腰元にガイアメモリを差し込む。
”エレクトリック マキシマムドライブ”
「くっ・・・。」
周囲に放った電撃はブレイズに直撃してブレイズの膝を崩した。エターナルはすぐ立ち上がり追撃を加える。ブレイズの顔にニーキックが直撃する。ブレイズはその一撃に頭から後ろに倒れた。さらに一撃を加えようとした時だ。
「RURU!!サイコキネシスだ!」
「とろろ!かぜおこし!」
「こんな子供だまし!!」
一瞬の動きを止められたエターナルはすぐにブレイズに追撃を加えようとした。
「どこ見てんだ?こっちだぞ。」
エターナルが後ろを見ると立ち上がったブレイズが足にエネルギーをためて一気に飛翔する。エターナルも攻撃をするべくガイアメモリを装填しようとするが間に合わない。
「ライジングマイティキック!!」
炎を纏った一撃はエターナルに直撃、、煙ごと白い仮面ライダーを吹き飛ばした。
エターナルが吹き飛んでから数分後、烈火は二人のもとへと戻ってきた。
「もう!どこ行っとったとね?」
「悪い悪い。さっきの爆風で吹っ飛んじゃって。」
苦笑いをする烈火に呆れに近いため息が漏れる。ライジングマイティキックの一撃で周囲の木々が吹き飛んだのだから烈火の苦し紛れの言い訳はサファイアに通ったようだ。ルビーとセンリは奥で話をつけてくれているらしく、ベルリッツ博士もその事情を聴いていた。
「つまりあの悪者のような存在がホウエンで悪さしているということだね。」
「はい。僕らは奴らと戦うために情報を集めているんです。」
センリは首を傾げてルビーに耳打ちする。ルビーは分かったと頷いてサファイアたちのもとに向かう。
「父さんからもう一つ有力な情報を得たからそちらに向かってみよう。」
ルビーはランニングシューズで一気に駆けていく。
烈火も向かおうとしたとき、センリに待てと止められる。烈火は足を止めて後ろを向く。
「ルビーをお願いします。」
「えぇ、任せてください。」
烈火はサファイアを連れて歩き出した。サファイアは烈火へと近づいて彼女に呟く。
「烈火さんばあのブレイズってやつの正体でしょ?」
「えっ?」
烈火の額に汗が流れる。どこでバレた?エターナルでさえ追えなかった煙の中など見えるはずがない。言い訳を考えてるうちにサファイアがにこやかに笑う。
「わたしば耳も鼻も利くんよ。されば分かったばい!!」
烈火はやれやれと苦笑いする。どうやらこの子は野生児の中でもトップクラスなのかもしれない