ここはどこだろう。暗く果てない闇の中。
少年はそこで一人立ち止まっていた。
「戦いは…どうなった?」
少年はそこで出会った仲間とともにその世界の危機を救った。彼女たちの援護がなければ不可能だっただろう。だが、彼には立ち上がる意思も見えない。
「立てねぇ……。このまま倒れんのかよ……!」
少年が上を見上げると、少女が一人手を伸ばしていた。その手は見覚えがあり、温かい光を感じた。
「さあ、行こう?チヒロ。」
チヒロは目を覚まし、上を見上げると医務室の天井。あの時と同じベッドだ。
「やっと目ぇ覚ましたか?」
チヒロはその声の方向に首を傾けると、ヴィータが眠そうにこちらを見ていた。
「ヴィータ……俺。」
「お前もなのはも無事でよかったよ。あの距離なら死んでてもおかしくない。」
チヒロは無言で上を向き、暫く上を眺めた。それを不思議そうに思ったヴィータはチヒロの手を強く叩いた。
「ってぇな!何すんだよ!」
「生きてる感触を持て!お前は今生きてんだ!だったら、生きてるなりの反応しろ!」
チヒロは一瞬その言葉にのけぞるも、ロードからも声が聞こえてきた。
「チヒロ、ヴィータの言う通りだ。僕らは生きてる。その感触は持とう。」
チヒロは手を強く握り、ゆっくりと立ち上がった。
「フェイトは?」
チヒロの質問にヴィータは顔を背けた。
「シャマルが頑張ってる。それしか言えない。」
ヴィータは寂しそうに外へと出て行った。チヒロはそれを見送り、ロードへと問いかけた。
「俺たちも帰るか。」
「……そうだね。」
ロードはチヒロの返答に答え、少しずつ歩みを進めた。しかし、ドアの先にいたのはクロノだった。クロノはチヒロにデュランダルを向け、鋭い目で見ていた。
「……あの擬態した敵はどうなったんだ?クロノさん。」
「逃げたさ。アクート共に。」
ロードは少しため息をつくも、仕方ない。と一言で済ました。
「帰るのか?元いた場所へ。」
「……あぁ。」
クロノはデュランダルの矛を首へと近づけ、さらに問い詰めた。
「フェイトが死に物狂いで守った命に礼も言わずにか?」
チヒロはその矛を持ち、クロノへと鋭い視線を向けた。
「確かにフェイトが守ってくれたこの命には礼を言いたい。だが、俺がするべきことはそれじゃない。あいつみたいに…アクートのせいで傷つく人を減らすことが第一だ!」
クロノはハッとしたようにデュランダルの矛先を少し退けた。
「多分…あいつがギリギリの状態でもそれを選ぶだろうよ。」
チヒロはクロノの横を通り過ぎ、去ろうとした。しかし、クロノは足を止めるように手を握った。
「名だけでも聞いておこうか…。君たち二人の名を。」
「!!?」
チヒロは二重人格をわかっていたことに動揺するが、すぐに冷静さを取り戻し答えた。
「俺がチヒロ、んで。」
「僕がロード。よろしくね。クロノさん。」
クロノは少し笑みを浮かべ、ロードの肩を叩いた。そして彼らの横を通り過ぎて行った。
「はぁ…。いるんだろ?なのはさん、はやてさん。」
チヒロは影に問いをかけると、そこからなのはとはやてが隅からこちらへと歩いた。その歩みは少しこれまでより軽く感じた。
「行くんやな。チヒロ、ロード。」
ロードは少し頷くと、なのはからユニゾンブレスを渡された。
「これ……!!」
「私たち全員の願いが宿ってる。頑張れって祈りが詰まってるからね。」
ロードはそれを受け取り、自らの腕につける。彼女たちの願いが伝わるかのように彼らに暖かみを与えた。
「ありがとうございます。なのはさん、はやてさん。」
なのはとはやてが去ろうとするその際にチヒロが少しだけ顔を出した。
「フェイトを頼みます!!」
彼が初めて頭を下げた。なのはやはやてはそれを見て少しだけ去る足を止めた。
「フェイトちゃんは任せて。あなたはこれからも戦って。」
「いつかの世界でまた会おうな。チヒロ、ロード。」
なのはとはやての励ましに彼は大きく頷き、二人は次元の壁へと姿を消していった。
「はやてちゃん。良かったんだよね。これで…。」
「良かったんとちゃうかな?少し寂しくなるけどな。」
彼女たちは次元の壁が閉まるまでその壁を見つめていた。
チヒロが研究所へと戻ると、研究員たちは残念そうな目でこちらを見つめる。そして、白衣の男が目の前へと来る。
「お前の失態のおかげでこちらは信頼を失ってるんだ。わかってもらいたいものだ。」
ロードはその言葉を無視し、もう一度レイシフトする機械の前へと立った。だが、白衣の男は少し自慢げに目の前へと立った。
「お前のような失態を起こさぬよう、もう一人のガンバライダーを用意した。」
「はぁ!?」
チヒロは研究員へと大きく荒い声を出した。無論、彼は失態を起こしたつもりもない。
「ふざけんな!!仕留めきれないくらいでそれがあってたまるかよ!!」
白衣の男はそれを無視し、そのガンバライダーの元へと向かった。そしてそこにいたのは白衣を着た研究員だった。
「僕はガンバライダーノヴェム。よろしくね。」
「お…おう。」
チヒロはいきなり来た研究員に名乗られ、困惑するも彼はすぐさま彼の横に立ち、レイシフトの準備をするよう話した。
「レイシフト開始!」
チヒロとノヴェムの周囲は光へと包まれた。
チヒロは不安だった。ロードのこと。フェイトのこと。そして…この白衣の男。
作「ということでガンバライダーロード一章!なのは編が終了しました!」
ユ「衝撃すぎるよ!フェイト生き返ってないじゃん!!」
作「まだいたのかい?」
ユ「僕の扱いだけ完全におかしいよね!?ねぇ!?おかしいよね!」
作「まあ、フェイトは生き返ってないですが、ユニゾンを得てずっと彼の元には居続けるわけです。」
ユ「でも、フェイト生き返ってないってことはこれから出てこないの?」
作「それは……。」
ユ「ワンチャンあるんだね……。」
作「管理局の皆が頑張ってる間、ロードとチヒロは戦い続けるわけですよえぇ。」
ユ「良い話になるといいんだけどなぁ。」
作「では、ここでユーノ君とはお別れです。」
ユ「え?」
作「別世界のゲストとまたお会いしましょう!さよなら〜♪」