「せーのっ、はい!」
比奈と夏美がシゲルとミツルを持ち上げると、2人は映司の両手足に着いた拘束具を外す。
「外れた!」
他のところでも、子供達が幸太郎、モモタロスの拘束を解く。
「皆、ありがとう!」
映司はミツル達にお礼を言うと、ショッカーに襲われている人のところへ向かった。
『これをライダーに!』
『ライダーに渡して!』
一方オーズのベルトは、巡り巡って白衣を着た眼鏡の男性に渡さられていた。
『ライダー』
『ライダー!』
「仮面ライダーッ!」
映司は、自分を呼んだ男性の方へ振り向く。
「これを!」
男性は映司にベルトを投げる。受け取った映司はもう一度投げた方を見ると、白衣の男性は力強く頷いていた。
そして映司は、決意を込めた目でベルトを腰に装着した。
「変身ッ!」
【タカ!トラ!バッタ!―――タ・ト・バ タトバ タ・ト・バ】
映司が仮面ライダー
「行くぞ!はあぁっ!」
メダジャリバーを構えたオーズは、そのまま怪人達に向かっていった。
「このっ!」
「ぐっ、離せ!―――うわっ!」
幸太郎は、ジャーク将軍からなんとかベルトを奪い返す。
『幸太郎、大丈夫か!?』
「ああ。テディが40年前で頑張ったのなら、俺は此処で頑張ってみせる。それが、俺とあいつの絆だ!」
幸太郎は、此処には居ないテディを思いながら言った。
「行くぞ!モモタロス!」
『応よ!』
モモタロスが幸太郎の近くに来ると、幸太郎は奪い返したベルトを腰に巻く。
「変身ッ!」
【Strike Form】
電子音が鳴り響くとモモタロスは剣の姿に、そして幸太郎はNEW電王に変身する。
『言っておくが俺は―――』
「最初からクライマックス、だろ?」
『そういうこった。いくぜぇいくぜぇいくぜぇ!』
NEW電王はモモタロスの言葉を合図に、怪人達に向かって走り出した。
「はあぁっ!」
「とうっ!」
「イィーッ!」
1号と2号が怒濤の勢いで戦闘員達を倒していく。
「くそっ!調子に乗るなぁぁぁぁぁっ!」
「ぐぁッ!」
しかし、ショッカーグリードの散弾攻撃により1号と2号は観衆の方へ吹き飛ばされる。
「シャドウ剣!はあっ!」
「ぐわッ!」
「……ふんっ!」
「うわぁッ!」
ジェネラルシャドウのシャドウ剣とシャドームーンのシャドービームが炸裂し、オーズ、NEW電王も1号達のところへ転がっていく。
「フッフッフッ、どうやらこれまでのようだな。皆殺しだッ!構えよッ!」
「「「イーッ!」」」
『―――ライダーを守れッ!』
『守るんだッ!』
満身創痍の状態の仮面ライダー達の前に、人々が次々と両手を広げて壁になっていく。
「たった4人だけでショッカーに歯向かおうとした、自分達の愚かさを憎むのだな」
『そいつはどうかな?』
「何!?」
ジェネラルシャドウの言葉を否定するように、何処からともなく声が聞こえてきた。
『仮面ライダーは4人だけじゃ無いぜ』
【Hyper Clock Over】
電子音と共に現れたのは、過去の世界に取り残されたはずのディケイド・コンプリートフォームだった。
「士さん!?」
「ディケイド!」
『お前、一体どうやって!?』
「時を越えられるのは電王だけじゃ無い、ってことだな」
そう。ディケイドはカブト・ハイパーフォームの力を使い、時を越えてやってきたのだ。
「ディケイド!」
そんな中、ミツルが大声を上げる。
「このカードを……ナオキからの想いを、受け取ってッ!」
そう言うと、ミツルはディケイドに向かってカードを投げる。
「これは……」
ディケイドが受け取ったカードには、既に絵が浮き上がっていた。
「おのれディケイドォォォォォッ!」
そう叫んだのは、いつの間にかショッカーの怪人の中に紛れ混んで立っていた鳴滝だった。
「何故だッ!40年前に1号と2号はショッカーグリードに敗れ、仮面ライダーは歴史から消滅したはず!なのに……何故貴様が生きているッ!」
「それは、想いの力だ!」
「想いだと!?」
士は驚く鳴滝を余所に、言葉を紡ぐ。
「歴史とは想いが紡ぎだすもの。人々の想いがあるからこそ歴史は生まれ、そこから続いていく。いくら歴史を改竄しようとも、人々の"仮面ライダーを愛する気持ち"が消えない限り、"仮面ライダーを望む気持ち"がある限り、俺達は何度でも蘇るッ!お前達の野望を阻止する為になッ!」
【kamen ride ―――】
士はディケイドライバーに、ナオキからミツル、そして士へと託されたカードを挿入する。
「お前は……お前達は一体なんなんだァァァァァッ!」
「俺は―――いや、俺達は仮面ライダーだッ!よく、覚えておけッ!」
【All Riders!】
辺りに電子音が鳴り響くと、ディケイドの背後に銀色のオーロラが現れる。そして、奥から歩いてくる無数の人影が見えてきた。
「おおっ!あれはッ!」
オーロラの向こうから現れたのは、歴史の改変によって消滅したはずのライダー達だった。
「皆、行くぞッ!」
『『『『『応ッ!』』』』』
そして、ディケイドを先頭に、仮面ライダー達はショッカー怪人に向かって走り出した。
――同時刻――
「Happy birthday to you~♪
Happy birthday to you~♪
Happy birthday dear―――」
とあるビルの一室で、1人の男性が歌を歌いながらケーキを作っていた。
「Happy birthday to you~♪」
そして歌い終わると同時に、ケーキが完成する。
「素晴らしいッ!!今此処に、仮面ライダー達が再誕したッ!!こんなめでたい日に、我々が何もしない訳にはいかないだろうッ!!」
その男性があまりの興奮に大声を出していると、突然扉をノックする音が聞こえた。
「ナイスタイミングだ。入りたまえ!」
外に居た人物は扉を開け、部屋の中に入る。
「何か用っすか?」
「ああ。仕事だ、直ちに出動したまえ伊達君!いや……『仮面ライダーバース』よッ!!」
男性が作ったケーキには、チョコレートで"Happy birthday Kamen rider"と書かれていた。