《再びライダーが揃って戦う日まで、全ては君たちの力にかかっている》
《頑張るんだ、仮面ライダー!私達は、ずっと見守っているぞ!》
映司達は、先程までライダー達が居た方をじっと眺めていた。
「ライダー!」
「「「仮面ライダー!」」」
後ろを振り向くと、ミツルや子供達が走って来ていた。
「よし、これで一件落着だな!ハッハッハッ―――」
モモタロスが映司の背中を叩きながら喋り出す。
「ん?何か忘れているような……」
「……ッ!ナオキだ!」
幸太郎の言葉に、一同は慌てだす。
「もう一度40年前に戻って、ナオキ君を連れ戻さねば」
「その必要はないよ、テディ」
すると、向こうから白衣を着た眼鏡の男性が歩いてきた。
「え?どうして私の名前を―――」
「…………父さん?」
テディの言葉に被さるようにミツルは声を絞り出した。
「ミツル!」
その男性も、それに答えるようにミツルの名前を呼ぶ。
「……父さん、父さん!」
ミツルは男性に駆け寄って、今まで会えなかった寂しさを埋めるように抱きしめ合う。
ミツルを抱きしめる男性の手の甲には、一筋の古傷があった。
「その傷……あんたまさか!」
男性の傷は、ナオキがノッコを庇って受けたそれに酷似していた。
「そう。ナオキだよ」
「え!?」
その男性――ナオキ――の言葉に、一同は唖然とする。
「ちょっと待てよ。過去に飛んだナオキの息子が、ミツルだってのか!?」
「ああ。驚かせてすまない」
「……父さんが、あのナオキなの?」
「うん」
そしてナオキが皆に向かい合う。
「ミツルも、皆も聞いてくれ。僕は40年前に残ったことで辛い目にもあったけど、ノッコと結ばれ、ミツルを授かり、ショッカーの科学者として1号と2号の洗脳を解き、それも全てかけがえのない時間となった」
そしてナオキは一息おく。
「だから僕は、このままでいい」
ナオキは力を込めた目でそう言った。
「ナオキもまた、ライダーの歴史の一部になった、という訳か」
「彼もまた仮面ライダーを信じる者。うん、素晴らしいお宝だ」
「……あっ!そういえば!士君今まで何処に居たんですか!?こっちは大変だったんですよ!」
突然居なくなったことに文句を言う夏美を、士は面倒くさそうにいなす。
「まあ、僕は目的の物は手に入ったし、何でも構わないけどね」
「お前、いつの間に……」
「あっ!おい、そいつを寄越せ!」
海東が取り出したメダルを見て、呆れる士と未だに文句を言うアンク。
すると、2枚のメダルは光の粒となって消えてしまった。
「僕のお宝が!」
「おそらく、役目を終えて消えたんだろ」
「ちっ!散々苦労して結局無駄働きだったか」
「元はといえばお前が原因だろうが!」
「あぁん?」
「やんのかコラァ!」
言い争うアンクとモモタロスをよそに話を続ける。
「僕は仮面ライダーを信じてきて良かった。そして、そのバトンは君たちに渡された。今度は、君たちの手でバトンを渡して欲しい。次の世代へ」
「重そうなバトンだけどね」
「まあ俺は、新たな旅で新たなライダー達に伝えるさ」
「俺もとりあえず、今を一生懸命戦います」
「それでいい」
ナオキは満足そうにうなずいた。
ファァァァァン!
すると、空にデンライナーの汽笛が鳴り響く。
「出発の時間だ。俺達の時間はもう始まってる」
「また会えるといいな、俺達」
「会えるさ。新しい旅路で」
そう言うと士は、手の平を下にして前に出す。
「未来で」
幸太郎もそれに見習い、自分の手を士の手の上に乗せる。
「俺達の新しい明日で!」
映司も自らの想いを込めて、2人に手を合わせた。
「……ほらよ」
その雰囲気に感化されたのか、アンクに手を差し伸べる。
「……」
しかしアンクは、我関せずといった感じでそっぽを向く。
「てめぇ~~、最初から最後までクライマックスで嫌な野郎だな!」
「落ち着けモモタロス!」
「離せ!テンドンッ!」
デンライナーが士達の脇に停車すると、中から1人の老人が出てきた。
「居た居た。おーい!士くーん!」
「おじいちゃん!?」
その人物は、先程までずっと士のカメラを修理していた栄二郎だった。
「修理が終わって出てきたら、誰も居ないんだもん。びっくりしちゃったよ」
「……おじいちゃん、もしかして気が付かなかったんですか?」
「え?何が?」
どうやら仕事に熱中していたあまり、今回起きた事件も気付かなかったようだ。
「おや?どうしたんだい?こんなに集まって―――あっ!そうだ!」
何か思い付いたように手をポンッと叩く栄二郎。
「これから修理したカメラの試し撮りをしないといけないんだけど、皆さんどうですか?記念に1枚」
栄二郎は皆に提案する。
「いいですねぇ。今日という、かけがえの無い日の思い出を残すのも」
そう言いながら、デンライナーからオーナーが出てきた。
「さあ、時間は有限です。皆さん並んで下さい」
「わーい、格好良く撮ってねー!」
「ちょっとキンちゃん、狭いって」
「しゃーないやろ!」
「家臣ども、苦しゅうない」
「てめえはもう少し詰めやがれ!」
「ほら、アンク。スマイルスマイル」
「……ふんっ!」
「綺麗に取ってくれたまえよ」
「なんだか、士君が撮られる側に居るのも珍しいですね」
「まあな」
「父さん、こっちこっち」
「ああ、分かったよ。ミツル」
「それじゃあ撮りますよー」
ジーーーーーーーーーー
「はいチーズ!」
カシャッ!
「ただいまー……ってあれ?皆どうしたの?そんな疲れたような顔して……」
「あぁ、やっと帰ってきたか。仮面ライダークウキ」
「おいおい!誰が
「ユウスケ、生きてたんですか!?よかった……」
「え、えぇっ!俺が居ない間に何かあったの!?」
「……僕のお宝が」ズズ~ン
「こっちも何があったの!?」
「そっちは何時もの事だ。気にするな」
「はぁ……ん?何だこの写真。モモタロス達が写ってる」
「ほら、散々休んできたんですから、少しは働いて下さい」
「ち、ちょっと夏美ちゃん押さないで―――うわっ!」ガラガラガラッ
「!これは……」
「士君!」
「ああ。どうやら旅は、まだまだ続きそうだな」
仮面ライダーディケイド。幾つもの世界を越えて、その瞳は何を見る!