10×40   作:作者B

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繋がる過去

――デンライナー車内――

「はい、コーヒーどうぞ」

「わーい、やったー!」

 

デンライナーの客室乗務員、ナオミがコーヒーを配っていき、それを紫のイマジン"リュウタロス"が最初に受けとる。

 

「ありがとう。……あれ?ナオミちゃん、カップが多くない?」

 

次に受け取った青いイマジン"ウラタロス"が、何時もより多いカップを見てナオミに問いかける。

 

「これはですねぇ、あちらのお客さんの分ですよ」

「お客さん?」

 

そう言うと、ナオミは奥に居る乗客にコーヒーを配りに行った。

 

「はい、どうぞ」

「あっ、ありがとうございます。」

 

そのコーヒーを受け取ったのは、先ほど勝手に乗り込んだ映司とアンクだった。

 

「あぁん?何なんだお前ら」

 

その二人を見て、赤いイマジン"モモタロス"が突っ掛かってきた。

 

「あ、いや、アンクが電王の仕事手伝えって言うから……」

「はあ?アンクだかタンクだか知らねぇが、余計なお世話なんだよ!」

「お世話だー」

 

モモタロスの言葉に便乗してリュウタロスが煽る。

 

「それと……」

 

モモタロスはそのまま不機嫌そうに振り返る。

 

「なんでてめぇまで居るんだよ!」

 

その視線の先には、いつの間にか乗り込んでいた士たちが居た。

 

「相変わらず騒がしい奴だ」

「あぁん!?やんのかコラァ!」

「ちょっと、落ち着いて!士君も喧嘩を売らないで下さい!」

 

喧嘩腰の二人を見かねて、夏美が間に入って仲裁する。

 

「落ち着きなよ、先輩。それで……君たちは何で乗ってるの?別に手伝いに来たとかじゃないんでしょう?」

「ああ。そこを開けてみれば解る」

 

士が指したのは、デンライナーの客車の後方の扉だった。

 

「?どういう意味だ、そりゃ?」

 

モモタロスは疑問に思いながらも扉を開けた。すると―――

 

「なんだこりゃあぁぁぁ!!」

 

モモタロスの目の前にはデンライナーの客室ではなく、一軒家の客間のような空間が広がっていた。

 

「どうやら、デンライナーと光写真館が繋がってしまったみたいなんです」

 

夏が補足で説明をする。

 

「ふむ。よく来たな、家臣どもよ」

「あ!手羽野郎!なんでてめぇまでいやがる!」

 

そして、先ほど紛れ込んでいたジークがモモタロスの前に姿を現す。

 

「ああ。そいつ、こっちに紛れ混んでたんだ。引き取ってくれ」

「こっちだって願い下げだ!」

「あはは。何か賑やかだな、アンク」

「映司、あの出来損ないのヤミーを黙らせろ。さっきから煩くてイライラしてくる」

「誰が出来損ないだ!?誰が!」

 

そんなこんなでモモタロス達が騒いでいると、デンライナーの前方車両の扉からオーナーが現れた。

 

「乗ってしまったからには、仕方ありませんねぇ」

 

そう言いながら、持っていたステッキでモモタロス達の言い争いを止める。

 

「しかし、過去への介入は絶対に許しません」

 

オーナーは乗客全員、特にアンクと映司を見ながら話す。

 

「場合によっては、とんでもないことになってしまいます」

「そうなんですか!?」

「ええ。ですから、絶対にデンライナーからは……降りないで下さい」

「……」

 

 

 

 

 

 

――1971年11月11日――

「オォー」

「オオォー」

「見つけた!いくぞ、テディ!」

『ああ』

 

NEW電王に変身した幸太郎と剣になったテディはデンライナーから降り、見つけたイマジンと相対する。

 

『幸太郎、タイムは?』

「そうだな……」

 

そう言いながら、2体のイマジンを見る。

 

「12秒あれば十分だな」

『おもしろい』

「いくぞ!」

『12、11、10……』

 

テディのカウントダウンと共にNEW電王がイマジンへ向かっていく。

 

 

 

 

 

「…………あの、大丈夫だって。俺、ここから動かないから」

 

そして一方の映司はというと、モモタロス達に囲まれていた。

 

「あかん」

 

最初に口を開いたのは、黄色のイマジン――キンタロス――だ。

 

「オーナーから絶対に目ぇ離すなって言われてるんや…………zzZ」

「寝るなバカ!」

 

見張り始めた側から寝落ちしたキンタロスに、モモタロスがツッコミを入れる。

 

「おい」

「お前はともかく、その金髪トサカは信用ならねぇ」

「おいって」

「それを言われると……」

「おいっ!」

「うっせぇ!何だ!」

 

さっきから呼び掛けていた士に、モモタロスが返事をする。

 

「アンクならもう居ないぞ」

「何言ってんだ。此処にしっかり……ん?トサカが黒いぞ?」

「!アンクが居ない!何処行った!?」

 

アンクは現在右腕しか復活して居ない為、人間の肉体を借りて活動している。よって、アンクは腕だけでも動けるのだ。

 

「それならほら、そこだ」

 

士がデンライナーの窓の外を指すと、そこには脱走した片腕のアンクがいた。

 

「あーっ!連れ戻さないと!」

「よし、行ってこい!」

 

モモタロスにそう言われるや否や、映司はアンクを捕まえる為に外へ飛び出す。

 

「あれ?目を離しちゃ不味いんじゃないの?」

「あーっ!しまった!いくぞお前ら!」

 

ウラタロスに指摘されたモモタロスは、他の3人のイマジンを連れ、慌てて2人の後を追うべく走り出した。

 

「士君、私達も言った方がいいのでは……」

「ほっとけほっとけ。あいつらだけで十分だ」

 

そして士はというと、目の前の茶番劇に呆れたのか完全に傍観の姿勢のようだ。

しかし、この出来事が後の大事件を生むとは、誰も想像すらしなかった。

 

 

 

 

 

「はあぁぁぁ!」

「オオォーッ!」

 

NEW電王が走りながらイマジンを切り裂き、イマジンはそのまま爆発する。

 

「ふぅ……ん?1体足らないぞ」

 

 

 

 

 

「見つけたぞアンク!外に出たら駄目ってオーナーに言われただろ!」

 

メダルを持って宙に浮いているアンクを見つけた映司は、両手でアンク掴みかかる。

 

『うるさい!この時代なら、まだ他のグリードは目覚めてない。メダルは取り放題だ!』

「やっぱり、そんなことだろうと思った!さあ帰るぞ!」

 

逃れようとするアンクとそれを止める映司で綱引きの状態になっていた。

 

「オォー!」

「うわっ!」

 

そこへ、NEW電王から逃げてきたイマジンとぶつかり、二人は盛大に転んでしまった。

 

「見つけた!はあぁぁぁ!」

「オォーッ!」

 

追ってきたNEW電王が、イマジンを一刀両断する。そして、そのままイマジンは爆発する。

 

「うわぁぁぁッ!」

 

二人はその爆風で吹き飛ばされ、アンクは地面に落ち、その上に映司も落下した。そのせいで、アンクは思わずメダルを手離してしまった。

 

『映司!邪魔だ、どけ!』

「お前ら、いたぞ!」

 

アンクが映司を退けようと四苦八苦していると、向こうからモモタロス達が追いかけてきた。

 

『不味い!』

「僕に釣られてみる?そらっ!」

 

逃げようとするアンク、だがウラタロスの投げた網によってあっけなく捕まってしまった。

 

『離せ!』

「もう逃げられないよ」

「大人しくしろ!」

 

そうして一行は、暴れるアンクを押さえつけながら、元の時代に戻るべく退散していった。

 

 

 

 

 

「……イーッ?」

 

その場に一枚のメダルを残して―――

 

 

 

 

 

 

 

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