10×40   作:作者B

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変わる運命

「「「「「「…………」」」」」」

「……ほら、アンク謝れって」

「ふんっ」

 

アンクと映司はモモタロス達に囲まれて、責め立てるような視線を向けられていた。

 

「それでは、帰りましょう」

 

険悪な雰囲気の中、オーナーがその場を促し、一行は映司達の時代へと戻って行った。

 

 

 

 

 

――現代――

「時の列車、デンライナーかぁ……すごいなぁ」

 

映司は空に走り去っていくデンライナーを見ながら、思わず言葉をこぼす。

 

「アンク!俺たち時間旅行したんだぞ……ってどうしたんだ?」

 

一方のアンクは、しかめっ面をしながら辺りを見ていた。

 

「……気に入らないな」

「?お前が何かを気に入ることなんてないだろ?」

「……静か過ぎるんだよ。得体の知れない欲望が、他の欲望を抑えつけている」

「?」

 

そこは、街とは思えないほどの静寂に包まれていた。

 

 

 

 

 

――デンライナー車内――

「まったく、人騒がせな野郎だったぜ!」

「まあまあ、何事もなくて良かったじゃない」

 

苛ついているモモタロスをウラタロスが宥める。

 

「それはそうと……お前ら何時まで居座る気だ!」

 

モモタロスは、我が物顔で居座っている士に向かって怒鳴り散らす。

 

「しょうがないだろ。家がここにくっついてるんだ」

 

士はカードを整理しながら、面倒くさそうに返事をする。

 

「お邪魔してしまってすいません」

「いやいや、夏美ちゃんが謝ることはないよ」

 

すまなそうにする夏美に優しくフォローするウラタロス。この辺り、女性に対しての配慮が抜かりないのは流石というべきか。

 

「……」

「どうした?幸太郎」

 

しかし、皆が安堵の表情を浮かべる中、ただ一人表情の優れない幸太郎。そんな姿を見かねたのか、テディが声をかける。

 

「え?ああ、いや。何でもない」

「そうか?なら良いのだが……」

 

テディに対して生返事で返す幸太郎。しかし。幸太郎の表情は一向に晴れる様子はない。

 

(何だ?この胸騒ぎは……嫌な予感がする)

 

その瞬間―――

 

「うわっ!」

「な、何やっ!何事や!?」

 

デンライナーに激しい衝撃が襲った。

 

「うわ~揺れる~!」

「ちょっと、リョウタ押さないで!」

「皆、落ち着け!」

「手すりか机に掴まるんだ!」

 

突然の揺れに動揺しながらも、皆は近くの柱や机に掴まり、身体を固定して揺れをしのぐ。

 

 

 

――――――

――――

――

 

 

 

そしてしばらく揺れた後、揺れは次第に収まっていった。

 

「ふぅ、もう大丈夫みてぇだな」

「それにしても……今の揺れは何やったんや?」

 

皆は揺れが落ち着いたのを確認すると、周りの様子を確認しながら動き出す。

 

「つ、士君!」

「いてて……なんだ?夏みかん」

「これ、見て下さい!」

 

先ほどの揺れで椅子から転げ落ちた士の肩を夏美が揺らす。夏美が指刺した方向には、士が先ほどまで整理していたライダーのカードが散らばっていた。

 

「一体どうしたって―――ッ!?」

 

カードを見た士はその瞬間、驚きのあまり目を見開きながら、慌てて散らばったカードを手に取った。

 

「あん?どうしたんだよ?」

「なになにー?」

 

モモタロス達も、士の騒ぎを聞きつけて集まってくる。

 

「これは……」

「ライダー達の絵が……消えてる?」

「はぁ?!なんだって?!」

 

そう。手に持った士のカードからは、ディケイド以外のほぼすべてのライダー達の絵が消えていたのだ。

 

「どういうことだ?一体なにが―――」

「どうやら、大変なことになってしまったようですねぇ」

 

士達が唖然としていると、奥からオーナーがやってきた。

 

「大変なこと?」

「どういうことですか?オーナー!」

 

幸太郎とテディが、タイミングよく現れたオーナーに質問する。すると次の瞬間、オーナーの口から衝撃的な言葉が放たれた。

 

「おそらく……仮面ライダーが、歴史から消滅してしまったのでしょう」

「何だと!?」

 

 

 

 

 

――現代――

Amigo(アミーゴ)?そんな……ここはCous Coussier(クスクシエ)だったはず……」

 

一度帰路に着いた映司とアンクの二人。しかし、そこにあったのはCous Coussier(クスクシエ)ではなく、Amigo(アミーゴ)と看板に書かれている廃墟だった。

 

「……」

 

しかしアンクは、遠慮せずにずかずかと中へ入って行ってしまった。

 

「あっ、ちょっと待てよアンク!」

 

映司は慌ててその後を追う。

 

 

 

 

 

ギイィッという音を鳴らしながら扉を開け、中に入っていく二人。そこには、散乱した机と瓦礫の山で埋め尽くされていた。

 

「比奈ちゃーん、知世子さーん。居ませんかー?」

 

映司がCous Coussier(クスクシエ)に居るはずの二人に呼び掛ける。だが、二人の声は返ってこない。

 

「一体何がどうなってるんだ……」

 

まるで状況が飲み込めず、映司は思わず言葉を洩らす。

 

「!」

 

すると突然、アンクが瓦礫の奥の方へ目を向ける。

 

「どうしたんだ?アンク」

「そこに誰か居る」

「え!?」

 

すると、アンクの言葉が聞こえたのか、瓦礫の奥から一人の子供が出てきた。

 

「お兄さん達、誰?」

 

そして、それを皮切りに奥から一人、また一人と子供が出てきた。

 

「君達、こんなところでどうしたの?学校は?」

「学校?あんなショッカーみたいな悪い奴らが作ったところ、行けるわけないよ!」

 

映司の言葉に、子供たちは大きな声で反論する。

 

「ショッ、カー?」

「そうさ、ショッカーに選ばれたエリートだけが学校に行くんだ。ショッカーの戦闘員になる為に。40年前に日本が支配されてから、ずっと……」

 

子供たちからの言葉に唖然とする映司。

 

「どういうことだ?40年前……俺達が時間旅行から帰ってくるとき、別の世界に来たっていうのか?」

「……お兄さん達何なの?こんなこと誰でも知ってるのに―――」

 

《ビーッビーッビーッ》

 

子供たちの内の一人が映司達に尋ねようとしたとき、突然何処からか機械音が聞こえてきた。

 

《これより、国連でショッカーの決定が放送される。愚かな人間どもよ、テレビの前に集合しろ。繰り返す―――》

 

「国連がショッカーの決定を?この世界、本当にどうなってるんだ?」

「シゲル」

「うん」

 

子供たちは映司の疑問を余所に、灯りを持って家の奥へ歩いて行く。

 

「ミツル、この人達にも見せてあげたら?」

「……」

 

子供たちの一人にそう言われ、ミツルと呼ばれた少年は少し考える。

 

「……来いよ」

 

ミツルは映司達に向かってぶっきらぼうに言う。どうやら連れて行くことにしたようだ。

そして一同はテレビの前に並び、電源を入れた。

 

 

 

 

 

 

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