「「「「「「…………」」」」」」
「……ほら、アンク謝れって」
「ふんっ」
アンクと映司はモモタロス達に囲まれて、責め立てるような視線を向けられていた。
「それでは、帰りましょう」
険悪な雰囲気の中、オーナーがその場を促し、一行は映司達の時代へと戻って行った。
――現代――
「時の列車、デンライナーかぁ……すごいなぁ」
映司は空に走り去っていくデンライナーを見ながら、思わず言葉をこぼす。
「アンク!俺たち時間旅行したんだぞ……ってどうしたんだ?」
一方のアンクは、しかめっ面をしながら辺りを見ていた。
「……気に入らないな」
「?お前が何かを気に入ることなんてないだろ?」
「……静か過ぎるんだよ。得体の知れない欲望が、他の欲望を抑えつけている」
「?」
そこは、街とは思えないほどの静寂に包まれていた。
――デンライナー車内――
「まったく、人騒がせな野郎だったぜ!」
「まあまあ、何事もなくて良かったじゃない」
苛ついているモモタロスをウラタロスが宥める。
「それはそうと……お前ら何時まで居座る気だ!」
モモタロスは、我が物顔で居座っている士に向かって怒鳴り散らす。
「しょうがないだろ。家がここにくっついてるんだ」
士はカードを整理しながら、面倒くさそうに返事をする。
「お邪魔してしまってすいません」
「いやいや、夏美ちゃんが謝ることはないよ」
すまなそうにする夏美に優しくフォローするウラタロス。この辺り、女性に対しての配慮が抜かりないのは流石というべきか。
「……」
「どうした?幸太郎」
しかし、皆が安堵の表情を浮かべる中、ただ一人表情の優れない幸太郎。そんな姿を見かねたのか、テディが声をかける。
「え?ああ、いや。何でもない」
「そうか?なら良いのだが……」
テディに対して生返事で返す幸太郎。しかし。幸太郎の表情は一向に晴れる様子はない。
(何だ?この胸騒ぎは……嫌な予感がする)
その瞬間―――
「うわっ!」
「な、何やっ!何事や!?」
デンライナーに激しい衝撃が襲った。
「うわ~揺れる~!」
「ちょっと、リョウタ押さないで!」
「皆、落ち着け!」
「手すりか机に掴まるんだ!」
突然の揺れに動揺しながらも、皆は近くの柱や机に掴まり、身体を固定して揺れをしのぐ。
――――――
――――
――
そしてしばらく揺れた後、揺れは次第に収まっていった。
「ふぅ、もう大丈夫みてぇだな」
「それにしても……今の揺れは何やったんや?」
皆は揺れが落ち着いたのを確認すると、周りの様子を確認しながら動き出す。
「つ、士君!」
「いてて……なんだ?夏みかん」
「これ、見て下さい!」
先ほどの揺れで椅子から転げ落ちた士の肩を夏美が揺らす。夏美が指刺した方向には、士が先ほどまで整理していたライダーのカードが散らばっていた。
「一体どうしたって―――ッ!?」
カードを見た士はその瞬間、驚きのあまり目を見開きながら、慌てて散らばったカードを手に取った。
「あん?どうしたんだよ?」
「なになにー?」
モモタロス達も、士の騒ぎを聞きつけて集まってくる。
「これは……」
「ライダー達の絵が……消えてる?」
「はぁ?!なんだって?!」
そう。手に持った士のカードからは、ディケイド以外のほぼすべてのライダー達の絵が消えていたのだ。
「どういうことだ?一体なにが―――」
「どうやら、大変なことになってしまったようですねぇ」
士達が唖然としていると、奥からオーナーがやってきた。
「大変なこと?」
「どういうことですか?オーナー!」
幸太郎とテディが、タイミングよく現れたオーナーに質問する。すると次の瞬間、オーナーの口から衝撃的な言葉が放たれた。
「おそらく……仮面ライダーが、歴史から消滅してしまったのでしょう」
「何だと!?」
――現代――
「
一度帰路に着いた映司とアンクの二人。しかし、そこにあったのは
「……」
しかしアンクは、遠慮せずにずかずかと中へ入って行ってしまった。
「あっ、ちょっと待てよアンク!」
映司は慌ててその後を追う。
ギイィッという音を鳴らしながら扉を開け、中に入っていく二人。そこには、散乱した机と瓦礫の山で埋め尽くされていた。
「比奈ちゃーん、知世子さーん。居ませんかー?」
映司が
「一体何がどうなってるんだ……」
まるで状況が飲み込めず、映司は思わず言葉を洩らす。
「!」
すると突然、アンクが瓦礫の奥の方へ目を向ける。
「どうしたんだ?アンク」
「そこに誰か居る」
「え!?」
すると、アンクの言葉が聞こえたのか、瓦礫の奥から一人の子供が出てきた。
「お兄さん達、誰?」
そして、それを皮切りに奥から一人、また一人と子供が出てきた。
「君達、こんなところでどうしたの?学校は?」
「学校?あんなショッカーみたいな悪い奴らが作ったところ、行けるわけないよ!」
映司の言葉に、子供たちは大きな声で反論する。
「ショッ、カー?」
「そうさ、ショッカーに選ばれたエリートだけが学校に行くんだ。ショッカーの戦闘員になる為に。40年前に日本が支配されてから、ずっと……」
子供たちからの言葉に唖然とする映司。
「どういうことだ?40年前……俺達が時間旅行から帰ってくるとき、別の世界に来たっていうのか?」
「……お兄さん達何なの?こんなこと誰でも知ってるのに―――」
《ビーッビーッビーッ》
子供たちの内の一人が映司達に尋ねようとしたとき、突然何処からか機械音が聞こえてきた。
《これより、国連でショッカーの決定が放送される。愚かな人間どもよ、テレビの前に集合しろ。繰り返す―――》
「国連がショッカーの決定を?この世界、本当にどうなってるんだ?」
「シゲル」
「うん」
子供たちは映司の疑問を余所に、灯りを持って家の奥へ歩いて行く。
「ミツル、この人達にも見せてあげたら?」
「……」
子供たちの一人にそう言われ、ミツルと呼ばれた少年は少し考える。
「……来いよ」
ミツルは映司達に向かってぶっきらぼうに言う。どうやら連れて行くことにしたようだ。
そして一同はテレビの前に並び、電源を入れた。