「さてと、メダルは何処だ?」
再び1971年の時間に来た士は、1人でメダルを探していた。どうやら、他のメンバーとははぐれてしまったようだ。
「おーい、そこのお前。ここらに銀色のメダルが落ちてなかったか?」
「見てないよ。なあ?」
「うん」
「そうか…………ん?」
士は聞き込みをしていると、白い帽子と白いシャツ、赤いネクタイをし、仮面ライダーのペンダントを付けている子供達を見つけた。
「あれは……少年仮面ライダー隊?」
少年仮面ライダー隊。仮面ライダーをサポートする為に結成された、少年少女達で構成されているチームである。
「ちょうどいい。おい!ちょっといいか?」
士は少年仮面ライダー隊の一人に声をかける。
「?どうかしたの?おじちゃん」
「おじっ……まあいい。お前達、銀色のメダルを見なかったか?あれがショッカーの手に渡ると大変なことになる」
士の言葉を聞いた子供達は、ショッカーという単語を聞いて士に懐疑の目を向ける。
「警戒するな。俺は味方だ」
それに気が付いたのか、懐から1号と2号のカードを取り出し、子供達に見せる。
そう、まだライダーの歴史が変わっていない今の時代なら、1号と2号の力は健在なのだ。
「ねえ、このおじちゃんは大丈夫そうだよ」
「おじちゃんはやめろ……で、どうなんだ?」
「いや、見てないよ。皆は?」
「俺も見てない」
しかし、子供達は誰も目撃していないらしい。
「そうか、弱ったな……」
士が困り果てていると、突然子供達の持っていたスピーカーから音声が流れてきた。
『こちらノッコ。ショッカー発見!』
「なんだって!?」
「大変だ!皆、ノッコを助けに行くぞ!」
「「「おう!」」」
そう言うと、少年仮面ライダー隊は自転車に乗って走り出した。
「あっ!待てお前ら!」
士も慌ててその後を追った。
――――――
――――
――
一方その頃……
「あったぞ!メダルだ!」
モモタロス達は幸太郎達と合流し、転がって行くメダルを追っていた。
「?」
すると、自転車に乗っていた少女の足下にメダルがぶつかった。
「何かしら?これ……」
白い帽子に白いシャツ、赤いネクタイ、そしてペンダントを着けている少女はメダルを拾い上げる。
「おーい!」
少女が拾ったのを見た幸太郎は、彼女に声をかけるため、皆で近付いていく。
「そのメダル、俺達のなんだ」(少年A)
「渡してくれないか?」(見た目青鬼)
『さっさとよこせ!』(赤い手のお化け)
「てめぇは黙ってろ!」(見た目赤鬼)
「……」
すると、幸太郎太達を見た少女は無言のまま自転車に股がり、一目散にその場から離れていった。
「あっ!ちょっと待って!」
逃げていく彼女を見て、幸太郎達は慌てて後を追う。
「こちらノッコ。ショッカー発見!」
「こらーっ!俺達はショッカーなんかじゃねぇーっ!」
そう叫びながら必死に追いかける。
ノッコがある程度幸太郎達と距離を離した時、彼女の目の前にナオキ達が飛び出した。
「「止まれ!」」
二人に前に立たれ、思わずノッコはブレーキをかける。
「そのメダルを渡して」
「……あんた達何なのよ?」
「そう言うお前こそ、その格好何なんだよ」
ノッコの質問に、そのまま質問で返すミツル。
「私は少年仮面ライダー隊よ」
「「少年仮面ライダー隊?」」
ナオキとミツルはそんな馬鹿なとお互いの顔を見ながら唖然とする。それもそのはず、2人にとって仮面ライダーとは悪の改造人間。こういう反応になるのは当然ともいえる。
「や、やっと追いついた……」
「あっ!あのガキども、脱走してやがったのか!」
「げっ!」
「まずっ……」
やっとのことで追いついた幸太郎達に、ナオキとミツルは見つかってしまう。
「「「「やあーっ!」」」」
「うぉっ!危ねっ!」
そこへ、ノッコと同じような格好をした少年達が自転車に乗りながら幸太郎達の行く手を遮った。
「ノッコ、無事か?」
「みんな……」
どうやらノッコのピンチに駆けつけたようだ。
「まったく……ショッカーかと来て見れば、お前らか」
そこへ、ノッコの助太刀に入った少年達に遅れて士がやってきた。
「皆、あの人は?」
「あのおじちゃんは大丈夫だよ」
どうやら士は、先程のやり取りで味方認定されたようだ。
「何でてめぇは大丈夫なんだよ」
「その台詞は鏡を見てから言え。見た目赤鬼」
「こんの野郎……!」(見た目赤鬼)
士に煽られ、モモタロスの怒りのボルテージがどんどん上がっていく。
『いいから渡せ!』
「うぉっ!」
しかし、モモタロスよりも早く痺れを切らしたのか、アンクがモモタロスの手を払い退けてノッコに向かっていく。
「きゃっ!」
そして、ノッコはアンクにぶつかって転び、メダルを落としてしまった。
「メダルが!」
弾かれたメダルは地面をコロコロと転がっていく。そして、黒い足にぶつかる。
「イーッ?」
その黒い足の主、全身黒タイツのショッカー戦闘員が、転がってきたメダルを拾う。
『それは俺のだ。よこせ』
それを見たアンクは、メダルを奪いかえそうと向かって行く。
「イーッ?……イーッ!」
『ぐぁっ!』
しかし、戦闘員に殴られて再びモモタロスのところへ戻ってきてしまった。
「へっ、殴られてやんのバーカ」
『うるさい!』
すると、向こうから他の戦闘員達と共に、黒い軍服をきた一人の男が歩いて来た。戦闘員は軍服の男にメダルを渡す。
「おぉ、これは間違いなく首領が探していたメダルだ」
戦闘員から受け取ったメダルを見ながら、軍服の男『ブラック将軍』は呟く。
「そのメダル、返して貰うぜ」
「絶対にお前達に渡さない!」
士と幸太郎が子供達を庇うように前に出て、ブラック将軍と対峙する。
「ほう、ならばどうする」
「こうするのさ」
幸太郎は取り出したベルトを腰に装着し、パスを握りしめる。
「変身ッ」
【Strike Form】
パスをベルトに翳し、幸太郎は仮面ライダーNEW電王へと変身する。
「「「!?」」」
「今更驚いてんじゃねぇ。こいつも仮面ライダーなんだよ」
「まっ、そういうことだ。変身ッ!」
【kamen rider Decade】
幸太郎に続き、士もディケイドへと変身する。
「君達は早く逃げるんだ!」
「うん!」
「よっしゃ、いくぜいくぜいくぜーっ!」
モモタロスを先頭に、NEW電王とディケイドはブラック将軍に向かっていった。
「はあっ!」
「ぬぅっ!」
NEW電王の攻撃を華麗な剣裁きで食い止めるブラック将軍。しかし、長剣とサーベルという武器の差のせいか、次第にNEW電王が押し始める。
「はっ!」
「ぐッ!し、しまった!」
NEW電王の攻撃がブラック将軍の手をかすめ、持っていたメダルがブラック将軍の後方に弾かれる。
「今だ!」
それを見たナオキが草陰から飛び出し、落ちたメダルを拾いあげた。
「それを持って逃げろ!」
「うん!」
「ナオキ、こっちだ!」
ディケイドに促されたナオキは、メダルを持ってミツルと共に走り出した。
「くっ、追え!逃がすな!」
しかし、そんなことはさせまい、とブラック将軍が指示を飛ばし、戦闘員達がナオキたちに向かって走り出す。
「おっと、お前らの相手はこの俺だ」
しかし、戦闘員たちの前にディケイドが立ち塞がった。
(ちっ……まあいい。既に他の怪人に手を回してある)
ブラック将軍はただ一人、誰にも気付かれないようにほくそ笑んだ。
――――――
――――
――
「急げ!」
「うん!」
ミツルとナオキは、少しでもショッカーから遠ざかる為にただひたすら走っていた。
「そこのガキ、止まれ」
しかし、先程ブラック将軍が手回しした怪人達に行く手を阻まれてしまった。
「くそっ……戻るぞ!」
「イーッ!」
「なッ!?」
慌ててきた道を戻ろうとするも、気が付いた時には、既に後ろにも戦闘員が回り込んでおり、挟み撃ちの状態になってしまった。
「もう逃げられないぞ」
怪人達はナオキたちを捕らえようと、じわじわと距離を積めて行く。
しかし―――
「「「「おぉーーっ!」」」」
少年仮面ライダー隊が自転車で戦闘員達に突っ込んだ。不意打ちをくらった戦闘員達は突然の事態に対応できず、場が混乱に包まれる。
「貴方達、こっちよ!」
その隙に、ノッコは2人を近くの廃工場の中へ誘導した。
「ここまでくれば、もう―――」
中へと逃げ込んだ3人は、工場の入り口の様子を見ながら安堵の息を吐く。
「ふんっ!」
「うわっ!」
しかし、怪人が3人の前方から壁を突き破って入ってきた。
「メダルを渡せ」
「いやよ!誰があんたらなんかに!」
怪人の要求を頑なに拒むノッコ。
「このガキ!」
「きゃっ!」
ノッコの態度に腹を立てた怪人が、ノッコに手を上げる。
「危ない!―――ぐ……ッ!」
それを見たナオキが、ノッコを咄嗟に庇い、怪人の攻撃を受けてしまった。
「大丈夫!?」
「ナオキ!」
ナオキの手の甲には深い切り傷が傷つけられ、そこからは血が流れ出ていた。
「渡せと言っている」
「イーッ!」
怪我をして動揺している子供たちを見て、これ幸いにと怪人達は3人を取り囲み、再びにじり寄っていく。
「……も、もう無理だよ」
ノッコはナオキの肩を揺さぶりながら弱気な声で言う。
「……ま………ちゃ……だっ」
「……ナオキ?」
「最後まで諦めちゃ駄目だ!」
しかしナオキは2人に、そして自分にも言い聞かせるように、大きな声で叫んだ。
「今諦めたら……きっと死ぬほど後悔するからっ!」
「ナオキ……」
ナオキは、以前映司が言っていた言葉で自分を奮い起たせた。
「ならば……死ねぇ!」
しかし、無慈悲にも怪人の手が3人に降り下ろされる。
「待てぃ!」
その時、工場の外から2つの黒い影が走ってきた。
「「とうっ!」」
「イーッ!?」
「イィーッ!」
掛け声と共に、2人はショッカーの戦闘員達を蹴散らしていく。その2人は、白い
「仮面ライダー!」
ノッコが嬉しそうな声で彼らの名前を叫ぶ。そして、敵を蹴散らした1号、2号が3人に駆け寄ってくる。
「よく頑張ってくれた」
「後は俺達に任せろ」
そう言うと、1号と2号は再びショッカーの怪人たちに向かって走りだした。
「1号、2号は僕達の味方なの?」
「当たり前よ!仮面ライダーは正義の味方よ!」
「正義の味方……」
ナオキとミツルは期待と不安が入り混じった複雑な表情を浮かべながら、1号と2号を見送った。
「「はあっ!」」
「イーッ!」
2号のパンチが戦闘員達を吹き飛ばす。1号は戦闘員達の反撃を華麗にかわし、自らの攻撃を当てる。そして1号、2号の同時攻撃により、怪人達は工場の外へ弾き出される。
「くそっ、調子に乗るな!」
戦闘員たちが次々とやられていく光景を目の当たりにした怪人は、1号と2号に向かって攻撃を仕掛ける。
「甘い!」
しかし、その攻撃を2号が受け止め、その隙に1号がカウンターを入れる。
「ぐぁっ!」
攻撃をくらった怪人は、戦闘員達が倒れているところまで吹き飛ばされた。
「よし!」
「おう!」
1号と2号は互いに頷くと、怪人に向かってジャンプした。
「ライダーキック!」
「ライダーパンチ!」
1号、2号の必殺技が怪人達に炸裂する。
「ぐあぁぁぁッ!」
2大ライダーの必殺技を食らった怪人達は、そのまま倒れ、爆発した。
――――――
――――
――
「はあぁぁぁ!」
「イーッ!」
ディケイドもようやく、全ての戦闘員を倒した。
「さて……モモタロス達は上手くやってるのか?」
一方のモモタロス達は、NEW電王と共にブラック将軍を追い詰めていた。
「諦めろ。お前に勝ち目は無い」
「……それはどうかな」
するとブラック将軍は、その姿をヒルカメレオンへと変えた。
「へっ、だからなんだってんだ!おらぁ!」
モモタロスが攻撃しようと近付く。すると、ヒルカメレオンは突如としてその姿を消した。
「何!?」
「何処へ行った!?」
モモタロスとNEW電王は、互いに背を合わせ周りを警戒する。そして、辺りは静寂に包まれる。
「うわっ!」
「!幸太郎!」
突然、衝撃がNEW電王に襲いかかる。
「くそ!出てこい、この野郎―――ぐぁっ!」
「モモタロス!」
姿が見えない敵を前に、2人はなす術も無くやられていく。
「電王!」
そこへ、先程1号と2号に助けられたナオキ達がやってきた。
「バカ野郎!来るんじゃねぇ!」
「来ちゃ危険だ!」
『おい、メダルはどうした?』
3人に危険を知らせようと、近付かないように必死に言うモモタロスとNEW電王。しかし、そんなこともお構いなしに、アンクはメダルの安否を確認する。
「ちゃんと持ってる」
アンクに言われ、ナオキはメダルを持って見せる。
「貰った!」
「あっ!」
しかし、その隙を逃さず、ヒルカメレオンはナオキの持っていたメダルを奪い取った。
「メダルは確かに頂いた。さらばだ!」
「あっ、待て!」
NEW電王の静止を聞かず、ヒルカメレオンはその場を去っていった。
「まずいぜ……」
「これじゃあ、元の木阿弥だ」
「おい、どうした!」
そこへ、戦闘員を倒し終えたディケイドも合流する。
「ああ、実はメダルがショッカーの手に……」
「それなら大丈夫だ」
「1号!2号!」
NEW電王が事の顛末を話そうとすると、1号と2号が遅れてやってきた。
「話は全て、ナオキ君から聞いた」
「本物のメダルは此処にある」
そう言って2号が取り出したのは、先程ヒルカメレオンに取られたはずのメダルだった。
「どうしてそれを!?」
「ヒルカメレオンが持っていったのは、発信機が付いた偽物だ」
「偽物?」
どうやらナオキはメダルを見せることで、ヒルカメレオンにわざと奪わせたようだ。
「成る程な。その発信機を追って行けば、ショッカーの本部が分かるってことか」
「ああ」
「流石だな。でも、その前にこれを……」
NEW電王は2号からメダルを受け取り、宙に投げる。
「はっ!」
『あっ!お前なんてことを!』
そして、NEW電王はメダルを撃ち抜いて破壊した。
「これで、ショッカーにメダルが渡ることはなくなったな」
「よし、ショッカーを殲滅しに行くぞ!」
「おう!」
1号と2号と共に、仮面ライダー達はショッカーの本部を目指した。