10×40   作:作者B

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裏の裏の裏

ミツルとナオキは湖の岸に立っていた。その近くにはデンライナーが停車している。

 

「でも、まさかショッカーの本部がこんなところにあったなんて……」

 

そう。ショッカーの本部は、この湖の地下にあったのだ。多人数では侵入が困難な為、そこへは1号、2号、ディケイド、NEW電王、モモタロスの5人で向かうこととなった。

 

「俺も行きたかったなぁ」

「しょうがないよ」

 

ミツルはそう言いながら、湖を眺めていた。

 

 

 

 

 

――地下――

「こっちだ」

 

ライダー達は発信機の反応を頼りに、地下の洞窟を歩いていた。

 

「あったぞ。此処だ」

 

目の前には、明らかに人の手によって造られた扉があった。

 

「行くぞ」

 

1号と2号がゆっくりと扉を開ける。そして1号、2号に続いて中へ入って行くライダー達。

 

「此処が、ショッカーの本部……」

 

その中は洞窟の中のせいで薄暗く、首領が何時も居るであろう玉座の奥にはショッカーのエンブレムが飾られていた。

 

「……おかしい。もぬけの殻だ」

「おい……どうなってるんだよ」

 

しかし、玉座に腰を掛けている者は居らず、辺りは静寂に包まれていた。

 

『よく来た。仮面ライダー諸君!』

 

すると突然、何処からともなく声が聞こえてきた。ライダー達が再び辺りを見渡すと、玉座の奥から何者かが歩いてきた。

 

「お前がショッカーの首領か!?」

 

目の前にいたのは、赤いマントに頭全体を覆う赤いマスクで顔を隠した、ショッカーの首領その人だった。

 

「まんまと騙されたな、仮面ライダー!」

「ブラック将軍!?」

 

そして、大首領に付き添うように横からブラック将軍が現れる。

 

「メダルを処分したつもりだろうが、本物は此処にある」

 

そう言うと、ブラック将軍は懐からメダルを取り出した。

 

「何だと!?」

「私が落としたメダルは、既に偽物だったのだ」

『そう。全ては、お前達仮面ライダーを一網打尽にする為の罠』

 

そして首領は懐から、ブラック将軍が持つものとは別の、1枚の金色のメダルを取り出す。

 

『現れよ、ショッカーグリード!』

 

宙に投げられたショッカーメダルは、ブラック将軍の持っていたメダルを吸収し、セルメダルを増殖させていく。やがて、メダルは人型を形成していき、1体の怪人の姿へと変化した。

 

「ショーッカー!」

 

雄叫びを上げたその姿は、ショッカーのシンボルでもある鷲の姿を模していた。

 

「それだけでは無い!出でよ、再生怪人諸君!」

 

ブラック将軍の掛け声と共に、過去に1号、2号が倒してきた怪人達がライダー達を取り囲む。

 

「協力者の手を借り復活した怪人を相手に何処までやれるか、見せて貰おう」

「協力者だと?」

 

ディケイドの疑問をよそに、ブラック将軍もヒルカメレオンへと姿を変え、戦闘体勢へと入る。

 

「へっ、要するに全員ぶっ飛ばしちまえばいいんだろ?」

「そういうこと」

「よし、行くぞ!」

 

そうして、ライダー達は怪人達との戦闘員に突入した。

 

 

 

――――――

――――

――

 

 

 

 

「ショーッカー!」

「うわっ!」

「幸太郎―――ぐぁっ!」

 

両腕の翼で飛翔するショッカーグリードが、モモタロスとNEW電王に向かって、すれ違いざまに攻撃する。

 

「ショーッカー!」

 

そして、地上に降りたショッカーグリードは翼を羽ばたかせ、羽根を散弾のようにして2人へ飛ばす。

 

「ぐっ、くそっ!」

 

【attack ride blast】

 

しかし、羽根はモモタロス達に当たる前にディケイドによって撃ち落とされた。

 

「しっかりしろ!」

 

【attack ride illusion】

 

ディケイドは3人に増え、それぞれ拳、剣、銃を構えてショッカーグリードへ向かっていった。

 

 

 

 

 

「はっ!」

「ゲソーッ!」

「でりゃっ!」

「ガラァーッ!」

 

一方、1号と2号は次々と怪人を倒していく。1度倒した相手に2度負けるほど、仮面ライダーは甘くない。

周りにいた全ての再生怪人を倒すと、2人は首領と相対する。

 

「正体を見てやる!」

『させん!』

 

首領はマントの中から火の玉を飛ばす。それを2人は転がりながらかわし、2号はジャンプして、玉座に居座る首領のマスクを剥ぎ取る。

 

『ちっ、ふんっ!』

「ぐぁッ!」

 

しかし、2号は首領に蹴られ、そのまま1号の下へ転がり落ちた。

 

『仮面ライダー……とうとう私の正体を見たな』

 

マスクを剥ぎ取られた大首領の顔、そこには無数の蛇が巻き付き、中心に大きな赤い目玉がひとつ付いている、不気味な姿だった。

 

『だが、私の正体を見た者は死ぬのだ!』

 

そして首領は先程よりも多くの火の玉を1号、2号に向けて飛ばす。

 

「ぬぅっ!」

「ぐはっ!」

 

その圧倒的的な火力に、1号、2号はなす術もなく倒れてしまった。

 

 

 

 

 

「ショーッカー!」

「ぐぁっ!」

 

ショッカーグリードの攻撃により、ディケイドの分身は消えてしまい、本体も後方へ弾き飛ばされてしまった。

 

「くっ、なんてパワーだ!」

「これが、ショッカーグリードの力ってやつか……」

 

その力の前に手が出せないディケイド達。

 

「へっ、グリードがなんだ。俺は最初から最後までグレートだぜ?行くぜ!おらぁっ!」

 

モモタロスが切りかかるが、かわされ、そのまま首もとを掴まれる。

 

「モモタロス!はあっ!」

 

NEW電王が助けに入るが、剣を受け止められ、同じように首もとを掴まれる。

 

「ショーッカー!」

 

そして、ショッカーグリードは2人を掴んだまま洞窟の外に向かって飛んでいった。

 

「あっ、待て!」

 

ディケイドは慌ててその後を追った。

 

 

 

 

 

「ふんっ!」

「うわッ!」

「ぬおッ!」

 

洞窟の天井を突き抜け、外までやってきたショッカーグリードは、2人を地面へ投げ出す。

 

「!?電王!」

 

湖を見ていたナオキ達は、急に現れたNEW電王を見て驚きの声を上げる。

 

「ショーッカーっ!」

「うわぁぁぁッ!」

 

ショッカーグリードの羽の散弾をくらったNEW電王は、その衝撃で変身が解けてしまった。

 

「幸太郎!」

 

モモタロスが幸太郎に近付き安否確認する。幸い意識はあるようだが、既に満身創痍だった。

 

「ショーッカー!」

 

しかしそれも束の間、ショッカーグリードが声を上げると、湖からバズーカを背負った亀の怪人『カメバズーカ』が現れた。

 

「メーガーッ!」

 

そして、カメバズーカは背中のバズーカでデンライナーに向かって砲撃を始めた。

 

 

 

 

 

――デンライナー車内――

「オーナー、攻撃されとるで!」

 

カメバズーカの攻撃により、デンライナーの至るところから火花が散る。

 

「このままでは、デンライナーが危険です。発車するしかありません!」

「えっ!?でも先輩達がまだ!」

「やむを得ません!」

 

 

 

 

 

カメバズーカから攻撃を受けているデンライナーは、砲撃から逃れる為にゆっくりと走り出した。

 

「皆、早く乗って!早く!」

 

出入口からナオミが顔を出し、外にいるモモタロス達に向かって呼びかける。

 

「お前ら、行くぞ!」

 

モモタロス達はデンライナーに向かって走り出す。

 

「ショーッカー!」

 

しかし、その前にショッカーグリードが立ち塞がる。

 

「ちっ!」

「ショーッカーっ!」

 

雄叫びと共に、ショッカーグリードの散弾攻撃が再び幸太郎たちに襲いかかる。

 

「危ない―――がぁっ!」

 

しかし、ショッカーグリードを追ってきた1号と2号が間一髪のところでモモタロス達の盾となった。しかし、そのせいで1号と2号は攻撃をまともに食らってしまった。

 

「1号!2号!」

 

2人はそのままモモタロス達の足元へ吹き飛ばされる。

 

「き、君達は早く逃げるんだ」

 

1号はボロボロになりながらも、力強く立ち上がる。

 

「ショッカーグリードは俺達が倒す!行くぞ!」

「おう!」

「1号!2号!」

 

1号と2号はショッカーグリードに向かって行く。そして、ショッカーグリードに掴みかかり、その動きを止める。

 

「今の内に、早く!ナオキ君達を頼む!」

「1号……わかった!」

 

1号の意思を受け取った幸太郎は、子供達を連れてデンライナーへ走った。

 

「メガ?メーガーッ!」

 

すると、カメバズーカは標的をデンライナーから幸太郎達へと移す。

 

「ぐっ!」

 

吹き荒れる爆風のせいで、思うように進めない幸太郎達。

 

「メーガーッ!」

「はあっ!」

「メガッ!?」

 

しかし、カメバズーカがショッカーグリードを追ってきたディケイドに背後から攻撃され、砲撃が止まった。

 

「ディケイド!」

「お前ら、あの亀は任せて早く行け!」

「でも!」

「心配するな。はあぁぁぁっ!」

 

そう言うと、ディケイドはカメバズーカに相対する。

 

「皆、急ぐんだ!」

 

幸太郎の声で、一斉にデンライナーに向けて走り出す。

 

「ほら、早くしろ!」

 

デンライナーに着いたモモタロスは先に乗り込み、後から来る子供達を抱え上げて中に入れる。

 

「ふう、なんとか間に合ったな……」

「……!ライダーは!?」

 

ナオキの言葉に、皆が一斉に外を見る。そこに見えたのは―――

 

『ぬわぁっ!』

『ぐはっ!』

 

ショッカーグリードに一方的にやられる1号、2号の姿だった。

 

『ぐっ!……私達は、決して悪には屈しない!』

『例えどんなにやられようとも、正義は必ず勝つ!』

 

「ライダー……」

 

『がぁっ!』

 

形勢は変わらず、ライダー達はなす術もなくやられていく。

その光景を、幸太郎達はただただ見ていることしか出来なかった。

 

「…………ッ、ライダーッ!」

 

遂に我慢出来なくなり、ナオキがデンライナーから飛び出す。

 

「ナオキ!」

「行っては駄目だっ!」

「オーナー!止めて!」

 

幸太郎がオーナーにデンライナーを止めるように叫ぶ。

 

「無理です!既にデンライナーは、爆発寸前です。もう制御が効きません!」

 

オーナーの言葉を肯定するように、デンライナーの至るところから火花が散り、煙が出る。

 

「ナオキ君!」

 

それを聞いて、ナオキを連れ戻そうと出口へ向かう幸太郎。

 

「待つんだ、幸太郎!」

「テディ!?」

「私が……ナオキ君を助ける!」

「ッ!」

 

テディはそう言うと、幸太郎に代わってデンライナーから降りた。

 

「テディ!」

 

テディはそのまま、ナオキ君が走っていった方向へ向かっていった。

 

「テディ……テディーーーッ!」

 

デンライナーは煙と火花を上げながら、空の彼方へと消えていった。

 

 

 

 

 

「……行ったか」

「メガーッ!」

 

【final attack ride D D D Decade】

 

砲撃を放ってきたカメバズーカに、ディケイドはディメンションブラストを撃つ。そのエネルギー弾は砲撃を飲み込み、そのままカメバズーカに当たる。

 

「メーガーッ!」

 

カメバズーカはその場に倒れ、爆発した。

 

「……テディ!これを持っていけ!」

 

ディケイドは、ジークから受け取っていたカードをテディに向かって投げる。

 

「これは……?」

「それをナオキに渡すんだ。いいな?」

 

テディはその言葉を聞いて1度頷くと、再びナオキの方へ走っていった。

 

「さてと……いい加減出てきたらどうだ?見ているんだろ?」

 

ディケイドが誰も居なくなったはずの草むらに話し掛ける。すると奥から、1人の男が出てきた。

 

「よくわかったな、ディケイド」

「偽物のメダル、再生怪人……話があまりにも出来すぎていたからな。それに、俺の邪魔をするのはどうせお前しか居ない。俺がデンライナーに乗ったら、それごと破壊するつもりだったんだろ?鳴滝(・・)

 

その男の正体は、ディケイドの宿敵『鳴滝』だった。

 

「そこまではしない。私の目的は、お前をこの時代に取り残すこと」

「……俺をショッカーグリードにでも倒させるつもりだったのか?」

「いいや違う。奴には1号、2号を倒して貰う。そして、お前の相手は」

 

話の途中で鳴滝の後ろから銀のオーロラが現れ、奥から人影がひとつ歩いてきた。

 

「……白い、クウガ?」

「お前の相手は、この"白き闇"が務める!」

 

現れた怪人は、色は違えどクウガのそれに酷似していた。

 

「お前はこの白き闇に、1号と2号はショッカーグリードに敗れ、特異点との接触手段を失ったお前はこの世から消えてなくなるのだ!」

 

そこまで言うと、鳴滝は銀のオーロラの中に消えていった。

 

「あっ、待て!」

 

ディケイドが追いかけようとすると、白き闇が攻撃を仕掛けてきた。

 

「ぐっ……やはりこいつから倒さないと駄目らしいな」

 

ディケイドはライドブッカーで白き闇に切りかかる。しかし、それは片手で易々と受け止められてしまった。

 

「何!?」

「あははははは」

「ぐぁっ!」

 

白き闇は再びディケイドに殴りかかる。ディケイドも受け止めようとしたが、その圧倒的なパワーにより吹き飛されてしまった。

 

「くそっ!ケータッチは……やはり使えないか」

 

ディケイドはケータッチを見ながら呟く。他のライダーの力が失われている為、ディケイドはコンプリートフォームへと変身することが出来なくなっていた。

 

「どうしたの?もっと楽しませてよ」

「な―――ぐはッ!」

「あははははははは」

「がぁッ!」

「あはははは」

「ごほッ!」

 

白き闇による一方的な暴力を前に、ただただされるままに攻撃をくらい続けるディケイド。

 

「あはは…………なんかつまらないなぁ」

 

もう立つのもやっとな状態のディケイドに向けて、白き闇が手を伸ばす。

 

「さよなら」

「があぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」

 

突如としてディケイドの身体が炎に包まれ、ディケイドはそのまま崩れるように倒れる。

 

「あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは―――」

 

白き闇は笑いながら、ディケイドに背を向け歩き出した。

 

 

 

 

 

 

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