10×40   作:作者B

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そしてライダーもいなくなる

――現代――

 

『ショッカーの世界征服を邪魔する愚かな人間ども、そして反逆者のライダーどもを殲滅するのだ!』

 

「「「「「イーッ!」」」」」

 

現代では、ショッカーによる人間狩りが始まっていた。

 

「うにゅー!」

「イーッ!」

「「えいっ!」」

「イィーッ!」

「笑いのツボ!」

「イッ!?イーッイッイッイッイッイッイッ―――」

 

比奈、夏美と子供達はコンクリートできた大きな壁を境にして、第2アジトに侵入してくる戦闘員たちを撃退していた。

 

【クワガタ!カマキリ!バッタ!―――ガータ ガータガタキリーバ ガタキリバ】

 

「うおぉぉぉぉぉっ!」

「「「イィーッ!」」」

 

壁の向こう側ではオーズ・ガタキリバコンボが何体にも分身して、戦闘員達を次々と倒す。

 

 

ファァァァァン!

 

 

すると突然、上空で汽笛が鳴り響く。

 

「ッ!?デンライナーが!」

 

オーズが空を見上げると、そこには至るところから火花が散り、今にも墜ちそうなデンライナーが走っていた。

 

「大変だッ!」

 

オーズは急いでベルトのメダルを差し替えた。

 

【タカ!クジャク!コンドル!―――タージャードルー!】

 

オーズはタジャドルコンボへとコンボチェンジする。

 

「はあっ!」

 

そしてタジャドルコンボの固有スキルにより、オーズは空高く飛翔した。

 

「皆っ!」

「オーズ!ちょうど良かった!ミツル君を頼む!」

「わかった!」

 

デンライナーに近づいたオーズは、幸太郎からミツルを受け取り、下降しようと離れた。

次の瞬間―――

 

「うわぁぁぁっ!」

 

デンライナーから爆発が起こり、幸太郎とアンクが投げ出され、オーズも爆風に巻き込まれた。

 

「うわっ!ぐぅッ!」

 

オーズは自分を下にすることでミツルを守る。しかし、変身は解けてしまい、ベルトは遠くへ放り出されてしまった。

 

「わぁぁぁぁぁッ!」

 

幸太郎は幸いにも木の上に落ちたことで衝撃を和らげたが、こちらもベルトを手放してしまった。

 

「いててて……ミツル君、大丈夫?」

「うん…………あっ!」

 

ミツルが空を指差す。その先には、空中分解をしたデンライナーが、そのまま跡形もなく爆発した。

 

「デンライナーが……」

「オーナー……ナオミ……」

『小僧!亀!熊公!くそぉ、なんてこった…………ってあれ?』

 

モモタロスが自身の異変に気付く。

 

『俺、左腕だけになってるじゃねえか!』

『フッフッフッ、いい格好だな』(右腕)

『何だと!?てめぇ!』(左腕)

「……!そうだ!幸太郎、歴史の修復は!?」

 

右腕(アンク)左腕(モモタロス)をよそに、映司は幸太郎に質問する。

 

「……失敗した」

「そんな!」

「……それに、デンライナーが無いからやり直しも効かない」

 

幸太郎の言葉を聞き、映司は絶望の淵に追いやられる。

 

「つまりは最後の手段を失ったという訳だな」

 

その言葉を聞いたのか、向こうからジェネラルシャドウが戦闘員を連れて歩いてきた。

 

「ジェネラルシャドウ!」

「ッ!ベルトをっ!」

「もう遅い」

 

2人はベルトを拾おうと走り出すも、ジャーク将軍とアポロガイストによって2人のベルトは奪われてしまった。

 

「終わりだ。引っ捕らえよ!」

「「「イーッ!」」」

「くっ、ミツル君だけでも逃がさないと!モモタロス、頼む!」

『応よ!ミツル、こっちだ!』

 

映司と幸太郎が戦闘員たちを足止めをしている間に、モモタロスはミツルの襟元を掴んでアジトの方へ誘導する。

 

『これは返して貰うぞ』

「イーッ!?」

 

そんな中、アンクはどさくさに紛れて、戦闘員に渡されていたオーズのベルトを奪い取る。

 

『おらぁーーー!』

「うわぁっ!」

 

モモタロスはミツルの服を掴み上げながら、アジトの皆が防衛戦を張っていた高い壁を飛び越える。

 

「ミツル!」

「ミツル君!」

「シゲル!比奈さん!」

『皆、逃げるぞ!』

 

モモタロスの言葉を合図に、皆は一斉にアジトの奥へ走り出した。

 

 

 

――――――

――――

――

 

 

 

 

ミツル達はひとまず安全そうな廃墟のビルの中に隠れ、一息ついていた。

 

「モモタロス、ナオキ達はどうなったの?」

『さあな、俺にもわからねえ』

 

すると突然、奥から足音が聞こえてきた。

 

『……お前は』

「テディって奴ならさっき見つけた」

 

奥から出てきたのは、憑依状態のアンクだった。

 

「着いてこい」

 

皆がアンクの後を追って中庭らしきところに出ると、そこには剣の状態のテディが地面に突き刺さっていた。

 

『おぉ!テンドン!無事だったのか!』

 

しかし、モモタロスの声に反応しないテディ。よく見るとその身体は、至るところが錆び付いていた。

 

『おいっ、嘘だろ!?テンドンッ!返事をしろッ!くそおぉっ、何でお前まで……』

 

モモタロスと皆が悲しみに暮れているなか、アンクはその剣を引き抜く。その時、アンクは地面に埋まっている固い物を見つけた。

 

「おい、下に何か埋まってるぞ」

「「「!」」」

 

モモタロスとミツル達は急いで剣が刺さっていたところを掘り返す。するとそこから、お菓子が入っているようなアルミで出来た箱が出てきた。

 

「タイムカプセル?」

 

ミツルはその箱を開けると、中から少年仮面ライダー隊の制服とペンダント、そして1枚の手紙が出てきた。

 

「……!ナオキからだ!」

 

ミツルの言葉に皆が注目する。ミツルは、皆にも聞こえるように声に出して、ナオキからの手紙を読み上げる。

 

「40年後のミツルへ。あの後―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――あの後結局、1号、2号はショッカーグリードに敗れ、僕と少年仮面ライダー隊は追われる身となってしまった。

 

テディも僕らを守ってくれたんだけど、深い傷を負って、僕に1枚のカードを託して、そのまま…………

 

やっとの思いで僕達は、40年後にアジトになるところを見つけて、身を隠す為に少年仮面ライダー隊の制服をタイムカプセルを埋めたんだ。

 

僕達が―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――僕達がっ……伝えたいっ、想いはっ……ただ1つっ……」

 

ミツルはぼろぼろと涙を流しながら手紙を読み上げる。

刹那、ミツル達の周りに銃撃が放たれた。

 

「ッ!」

『な、なんだ!』

 

向こうから現れたのは、先程撒いたショッカーの戦闘員だった。

 

『こうなったら仕方ねえ!』

「なっ!」

 

そう言うと、モモタロスはアンクが憑依している身体に入りこんだ。

 

「ふっふっふっ……俺、参上!」

 

そして、アンクの髪に一筋の赤いラインが入りオールバックとなった、アンク・モモタロス憑依verとなった。

 

『おい!この身体は俺のだ!返せ!』

「うるせぇうるせぇうるせぇ!」

 

どうやら主導権はモモタロスにあるらしく、右腕が騒がしいのを無理やり抑えつける。

 

「ミツル!こいつを持って逃げろ!」

「うん!」

「皆、こっちに!」

 

モモタロスはベルトをミツルに託し、(テディ)を持って戦闘員達に向かって行く。

 

「てめぇら……ひとり残らずたたき切ってやる!おらぁっ!」

 

そして、モモタロスは襲い掛かってくる戦闘員を切りふせ、無謀とも言える戦いに臨むのだった。

 

「「「「「イィーッ!」」」」」

「があぁぁぁぁぁッ!」

 

 

 

――――――

――――

――

 

 

 

 

捕らえられた映司、幸太郎、モモタロス(&アンク)は上半身をロープで縛られ、怪人達に引かれていた。

 

「……俺、このベルトを絶対に届けて見せる」

 

ミツルの言葉に、周りにいた他の子供達が力強く頷いた。

 

 

 

 

 

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