其の八極に   作:世嗣

23 / 28


少し遅くなってしまいましたね。
それもこれもFGOって奴のせいです。
魔性の女オフェリアのせいです。
うそです。面白かったです。

では、本編どーぞ。



魔拳邂逅

 

 

誰かが、呼んだ気がした。

 

でも、誰かはわからない。

 

なら別にいいんじゃないか。

 

だって、なんだかとっても疲れてしまった。

 

もう、いいや。

 

 

────其れで、いいのか。

 

 

別に、いいよ。

 

だって、もうどうにもならないんだから。

 

敵わない。

 

頑張ったけど、敵わない。

 

今までいっぱい、頑張ったんだ。

 

したくないこともしたし、嫌なこともした。

 

でも、どうにもならなかった。

 

どうにもできなかったんだ。力不足だ。

 

いや、力はあったのかもしれない。

 

でも、アイツらとの出会いでなりなくなってしまった。

 

甘く、温く、なってしまった。

 

きっと、本当は出会うべきでは、なかった。

 

 

────本当に?

 

 

そうさ。そのせいで、何も残らなかった。

 

手からは全部零れ落ちた。

 

もう、何もない。

 

 

────其れでも、オレは立つべきだと思う。

 

 

立つって、一体何のために。

 

あの人の想いは叶えられない。

 

 

────オレの約束の為ではない。

 

 

え?

 

 

────お前は、お前の手の中に残ったもののために、戦うべきだ。

 

 

そんなもの、もう……。

 

 

────目で見るな、心で見ろ。

 

 

────それに、拳はいつも、その為にあったはずだ。

 

 

────オレも、お前も、()()()()()()、皆。

 

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

血だらけのエデル。それを見て最も早く対処できたのはファビアだった。

現在結界内にいる記憶転生者の中で最も記憶をはっきり持っていたファビアは、先ほどのナハトヴァールの言動から、魔力暴走を誘発されたのだと瞬時に理解する。

 

故に行動は迅速だった。デビルズを数体召喚すると、悪魔合身(デビルユナイト)と呼ばれる使い魔と身体を擬似的に融合させ操る技術を応用してぐちゃぐちゃになった体を繋ぎ合わせていく。千切れてしまった毛細魔力回路(マジックサーキット)は戻らないだろうが、もう残っているかもわからない命をつなぐ為に、必死に処置を行う。

 

そして次に動いたのはジークとアインハルト。

クラウスの記憶があり戦慣れしているアインハルトと、エレミアの戦闘経験継承のあるジークは、これ以上ここに居てもできる事はないと判断。アインハルトは治癒の補佐のためアスティオンをファビアに託して、ジークとともにナハトヴァールに向かって駆け出した。

 

最後に残ったのは、良くも悪くも普通なヴィヴィオだった。受け継いだ記憶も、特別な技術もない彼女は、ただ今の状況に対応できて居なかった。

 

「ファビアさん、エデルは……」

「煩い」

「え、でも……」

「気が、散る」

 

不安げに話しかけたヴィヴィオをファビアは言葉少なげにぶった切った。ヴィヴィオは一瞬ショックを受けそうになったが、ファビアの額に玉のような汗がいくつも浮かんでいるのを見て黙り込んだ。

 

毛細魔力回路は、肉体と一体化するもの。つまり、それが魔力暴走を起こして引きちぎれたという事は、肉体が内側から引きちぎれた事と同義。

そして、ファビアはそんな神経の下まで潜り込み引きちぎれたものを必死に治していた。一方間違えればそれだけでもう二度とエデルは目を覚まさないかもしれないという綱渡り。そんな恐ろしい難易度の処置をファビアはしていた。

 

命を、しかもかけがいのない人物の命をその手に握っている。緊張しないはずがない。

 

そして、ヴィヴィオもその事を遅まきながら概ね察した。

 

ならば、次考えるのはヴィヴィオが一体何ができるのかという事。

 

ヴィヴィオの目線が、アインハルト達へと向く。

 

そこではアインハルトとジークという一線級の武芸者と、ナハトヴァールという常識はずれの武芸者による絶え間ない戦闘が行われて居た。

牽制一つとっても確実に音の速さを超え、ナハトヴァールの非殺傷設定など微塵も感じさせぬ威力の黒腕が容赦なく二人の体を削っている。また、フェイント、不意をつくような砲撃、魔力弾、視線誘導などの技術が惜しげも無く使われ、目まぐるしく攻防も変化していく。

ヴィヴィオの目をもってしても、そんな攻撃を追うのが精一杯で、そこに割り込めるとは到底思えない。

 

ならば、かといってファビアの治療を手伝うこともできない。ヴィヴィオも治癒魔法が使えないわけではないが、それも素人の領域を出ない。体が引きちぎれた傷など、治せるはずもない。

 

ぎり、とヴィヴィオが唇をかんだ。

 

もっと格闘技を学んでおけば。アインハルトに匹敵するほどに実践的な格闘技であれば。

もっといろいろな魔法に精通していれば。治癒魔法もその道のプロに近づくほどに卓越したものであれば。

 

そう、思わずにいられない。

 

母を守る為に覚えた格闘技(ストライク・アーツ)。そんな力も、今は大切な人たちを守る為には使えない。いつか、この力が守るのに役に立つと信じて鍛えてきた。だから、自分に才能がないのがわかっても、それでも必死に戦う道を模索してきたのだ。

 

そんな力も、今はヴィヴィオの本当に欲しい力にはなってくれない。

 

ヴィヴィオが、思わず俯きそうになって、その視界の端に大きく歪曲しながら飛んでいく黒い砲撃魔法を見つけた。

 

それは、ナハトヴァールからの治療し続けるファビアに向けての攻撃だった。魔力暴走を起こし、最早死に体のエデルを治療するファビアを煩わしく思ったナハトヴァールが、魔力弾の流れ弾に紛れ込ませて砲撃を撃ったのだった。

 

そして、其れは拳撃の応酬をするアインハルトとジークには気づかれない。さらに言えば、エデルの治療に手一杯のファビア自身も気がつかない。

 

ただ、何もしていないヴィヴィオだけが気がつけた。

 

考えるよりも早くヴィヴィオの体は動いた。

 

「ーーー」

 

瞬時に高速移動(ジェットステップ)で、ファビアと砲撃の間に割り込むと、瞬時にシールドを展開し砲撃を受け止める。

 

しかし、()()()()()

 

「うぐっ」

「ヴィヴィオ、あなた……」

「ファビアさんは、エデルの治療、をっ!」

 

虹色のシールドがみしみしと軋んでいく。通常の砲撃では、ヴィヴィオの堅固なシールドをこれほどまでに傷つける事はない。しかし、『無銘』たる、ナハトヴァールの肉体は『黒のエレミア』、ヴィルフリッド。こと、イレイザーを操ることに関して右に出るものはいない、一族の体である。

 

砲撃魔法にイレイザーを混ぜ込む事は造作もなかった。

 

ヴィヴィオのシールドが端から少しずつ、砕けていく。そして、ヴィヴィオの心も砲撃魔法のあまりの威力に折れそうになる────

 

 

────自分と、友達になってくれないか。

 

 

────事はなく、思い出した言葉を糧に、強く踏ん張った。

 

「まだ、まだ、こんなの私の全力全開じゃない──!」

 

ヴィヴィオが、大人モードを解除して、浮いた分の魔力リソース()()()防御魔法に費やした。

身体強化も無くし、ただシールドの強度のみに力を注ぎ、地面を格闘技(ストライク・アーツ)の技術のみを使って踏ん張ってみせる。

 

どれほどの困難でも諦めない。

 

其れこそが、血の繋がらぬ母からもらった不屈の心(レイジング・ハート)で、ヴィヴィオの何物にも侵されない心(セイクリッド・ハート)

 

ヴィヴィオのシールドが、黒い砲撃を受け止める。

 

「これ以上後ろには攻撃はやらないっ! 私に任せてくださいっ!」

 

そして、ヴィヴィオは背後のファビアと、ナハトヴァールと殴り合う二人に向けてそういった。

 

ヴィヴィオ以外の三人が、口を揃えた。

 

「「「 任せた! 」」」

 

ヴィヴィオがにっと唇の端を吊り上げて、笑ってみせる。

 

「任されました!」

 

そして、兎型デバイス、セイクリッド・ハートと並んで虹色の盾を展開した。

 

「今度こそ、私がちゃんと守ってみせる!」

 

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

真っ白い世界だった。

 

さっきまで誰かと話していた気もするが、それも今ひとつ記憶がはっきりしない。

 

「ええと、どうなったのだ……?」

 

とんとん、とこめかみを叩いて記憶を整理する。

 

確かナハトヴァールと一度戦って、負けて、逃げて、追いかけて、ミッドチルダでまた見つけて、結界に圏境で入って。

 

「嗚呼、負けたんだったな、自分」

 

そして、負けたのだ。今度こそ跡形もなく、ボロボロに、負けたのだった。

 

无二打も猛虎硬爬山も、効かなくて、しまいには毛細魔力回路すらもズタズタに切り裂かれた、圧倒的な負けを食らったのだった。

 

そして、多分死んだ。

 

毛細魔力回路による魔力暴走。死なないはずがない。ならば、ここはいわゆる死後の世界なのだろうか。

 

「残念だが、お前にまだ死んでもらうわけにはいかん」

 

声が、聞こえた。思わず振り返ると、そこには自分とは似ても似つかない顔つきの男が立っていた。

 

「まあ最もクロの子孫がお前を易々と死なせるつもりはないようだがな」

 

「其方は、まさか……」

 

だが、自分と同じところが一つだけある。

 

「ああ、察しの通りだ、()()()

 

男が、自分と同じ『赤い髪』をかきあげながら、自分を見つめた。

 

「オレが、所謂初代。お前の毛細魔力回路(マジックサーキット)に住み着いていた、ただの亡霊だ」

 

亡霊。

 

目の前の赤髪の男、初代は自身のことをそういった。それは、きっと今死人であるという意味だけではないのだろう。

 

毛細魔力回路(マジックサーキット)に住み着いていた…………?」

「ああ、如何にも」

「それは、オレの毛細魔力回路(マジックサーキット)に、意思が宿っていた、そういうことか?」

「理解が早くて助かるな」

 

初代が、笑みも浮かべずただただ無表情で答えていく。

 

「そんな事、自分は感じた事など……」

「果たして本当にそうか? 心の声を聞いたことが、たった一度もないとは言わせぬぞ」

「心の声、だと……?」

「勝ち得ぬと思った時、お前(オレ)は常に心へと答えを求めたはずだ」

 

初代が自分の下までやってきて、自分の胸の中心に拳を当てた。

 

「そして、オレはその答えに答えてきた。それがオレの責務だったからだ」

 

言われて、記憶が蘇る。

 

 

 

────

 

 

息を小さく吐くと、視界から色が一つ一つ抜け落ちていく。

 

「──────は」

 

──履き違えるな。

 

──オレに出来るのは、一撃だけだ。

 

──我が拳は一撃必殺。

 

──殴り合いではなく、必殺、ただ此れを極めろ。

 

嗚呼、わかっている。

 

そんな事は百も承知だ。一撃に魂を込めて、ただ目の前の敵を打ち砕く。

 

 

────

 

 

確かに、自分が迷った時、覚悟を決めた時、負けられぬと信じた時、何時も心には声があった。

 

「其れが、其方だと、そういうのか」

「そうだ」

「ならば、あの闘いは、自分のものではなかったという事、なのか……」

「否、其れは違う」

 

あの心滾るような、あの闘い。互いの命と魂を削り合うような、あの体験も全て初代による誘導であり、自分は操り人形に過ぎなかったのか。

 

その疑問を察したかのように、初代が首を振って、自分の胸に添えたままの拳で軽く自分を叩いてみせる。

 

「お前も、オレも、厳密には別個体。しかし、その意思には連続性がある。故に、エデル(お前)は、オレで、同時にエデル(オレ)は、お前であるという事だ。わかるな?」

「微塵たりともわからぬ」

「ならばわかる必要はない」

 

初代は淡々と受け答えをしていく。その姿には、どこか定型文のみをやり取りする、旧世代の機械のような冷たさを感じる。

いや、暗殺者として育った、オレであるならばそれも当然の事なのかもしれない。

 

「重要なのは、お前の経験はお前だけのものであり、その命もお前のものだという事だ」

 

そう言うと、初代が自分から離れていき、止まった。すると今度は、どこか遠いところを見るように目を細めた。

 

「……時間がないな」

 

初代が首だけをこちらに向ける。

 

「エデルよ、早く立て。ナハトヴァールはお前の友だけでは抑えられぬ」

「ま、待て。今、外は一体どうなっているのだ?」

 

自分の記憶が正しければ、魔力暴走が引き起こした爆発は身体の隅々を引きちぎった。

それは自分の生命という灯火を吹き消すには充分な強さで、故に自分は死んでいると判断していた。

そんな状況で、一体どこに立てと言うのだろうか。

 

初代は自分の問いを聞いても何をするでもなくしばらく黙りこくっていたが、やがて瞳を閉じ、開いた。

 

「お前は現実では眠っている。脳味噌があまりの痛みに意識を切り取ったのだろうな。そして、ナハトヴァールは、クラウスの子孫とリッドの子孫が抑えている」

「そうか、彼女たちが……」

 

緑髪と黒髪の少女の顔が脳裏にうつり、まだ戦えるのかと思わず安堵の息を吐く。やもするとナハトヴァールに打ち勝てるのではないか、とも。

 

「死ぬぞ、彼奴ら」

 

しかし、そんな考えを砕くように初代は断言した。

 

「意外な話でもあるまい。手加減してくれる相手ではないし、そもそも奴の当初の目的はクラウスやオリヴィエの確保だ。そりゃ殺すだろうさ」

 

それに、と初代が付け加える。

 

「オレはリッドが惨たらしく殺された様を、見たはずだ。奴が、無慈悲に殺す様を」

 

初代は翌日の天気を話すかのような軽い調子でそう言う。そして、身長のせいで、ほんの少し自分よりも高くなっている視点から、まるで見下ろすようにして、瞳の中を覗き込んできた。

 

自分と似た、擦れ切った、猛禽のような瞳。

 

「故に、もう一度言う。()()()()()

 

初代が、言う。

 

自分を叱咤するように、まるで爺さんや親父がしてくれたように。

 

猛禽の瞳で見据えられて、考える。

 

自分はどうすべきなのか、どうしたいのか、何が、できるのか。

 

「じ、自分は────」

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

「覇王断空拳ッ!」

「ガイスト・クヴァール!」

「ガイスト・クヴァール・ツヴァイドライブ」

 

ジークとアインハルトの挟み込むような拳がナハトヴァールの黒腕に弾かれる。たったそれだけで二人は足を取られて転びそうになるが、アインハルトは軽めの空破断で姿勢を制御、ジークはあえて倒れこむことで体重移動を駆使してそのままバックステップを行う。

 

ナハトヴァールが呆れたように息を吐いた。

 

「何で、抗う? お前たちでは、僕には、勝てない」

 

ナハトヴァールにはわかっていた。アインハルトとジークが既に限界に近く、もう戦えないということを。いや、もし二人とも万全であったとしてもナハトヴァールには敵わないということを。

 

そして、それはアインハルトとジークも承知の上だった。

 

「その、抗うなって、死ねいう意味やろ、ナハトヴァール?」

「ああ、そうだ。でも、お前たちは、僕には、勝てない。遅いか、早いかの、違い」

「例えそうだとしても、ですよ」

「理解、できない。何故、無駄に足掻く?」

 

ナハトヴァールの言葉にアインハルトとジークが笑みをこぼした。

 

ジークが鉄腕を掲げ、その腕に黒い魔力を纏わせた。

 

「だって、(ウチ)まだやりたい事あるから、外に出てなあかん」

 

ジークには、夢がある。

DSAAでもう一度チャンピオンになる事。親友で、ライバルの一人のヴィクターと公式戦でもう一度戦う事。お腹いっぱいご飯を食べる事。

そして、親から子へと、先祖代々合わせて一世紀もの間伝えてきたエレミアン・クラッツを次の世代へ託す事。

…………その為にお嫁さんになる事という夢は胸の中に閉まっておく。流石のジークといえど恥ずかしい。まあジークのライバル二人には口が滑って言ってしまったので意味はないかもしれないが。

 

ジークは、夢想(ユメ)の為に、生きなければならない。

 

だから、ジークは諦めない。

 

アインハルトが深緑の魔力を滾らせ、左手開手左手握手の構えをとった。

 

「私には進むべき道があります。途中で投げ捨てるわけにはいきません」

 

アインハルトには信じた道がある。

通り魔をして、良い大人(ノーヴェ)に諭されて、『覇王流』を生かせる世界に飛び込んだ。その中で、人と出会い、教えを請い、過去と向き合い、前に進み始めた。ぼんやりと自身のしたい事を見え始めた。過去(クラウス)の関わりなどない、アインハルトだけの親友もできた。

信じてくれた人がいる。その期待を、裏切るわけにはいかない。

 

アインハルトは、進むべき未来(みち)がある。

 

だから、アインハルトは折れない。

 

 

二人とも、貫く想いがある。

 

だから、ナハトヴァールに抗い続ける。

 

 

「……想いは、立派。でも、それで何か、変わる?」

 

想いは大切だ。それが動くための原動力になるし、時には勝敗に影響を与えることもある。しかし、それは極々実力の近い相手との戦いに限る。実力が離れすぎている相手には、想いの入る余地はない。

 

「確かに、想いだけでは実力は覆らないかもしれません」

 

そんな事は百も承知だった。アインハルトの祖先、クラウスは失意のうちに死んでいった。身を焦がす程のの想いと、願いと、力をかけた。それでもオリヴィエには敵わなかった。

だからこそ、想いで覆る実力はないと、アインハルトは誰よりも強く知っている。

 

しかし、だからこそ、信じたいものがある。

 

「でも、この胸の想いが誰にも届かないとは思わない。きっと、誰かに通じてるはずなんです」

 

アインハルトは強く、強く拳を握る。これからの一撃一撃、全てに魂を混ぜ込むかのごとく、強く。

 

ほんの一瞬、一秒にも満たぬ一瞬、アインハルトの目が背後に向いた。彼女が、想いが届いて欲しいと、信じる相手の方を。

 

「ジークさん! お付き合い願いますっ!」

 

アインハルトの呼びかけに、ジークが先輩らしく、年上らしく、チャンピオンらしく、頼り甲斐がある笑顔を浮かべた。

 

「ええで! ハルにゃんと(ウチ)なら負けへん!」

 

二人の間でふっと笑みが交わされ、そして表情が引き締められる。

 

「では──」

 

「──行こか」

 

そしてナハトヴァールへと向かい、踏み込んでいった。

 

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

「無理、だ……」

 

自分がどうすべきか、どうしたいか、何ができるのか考えて、膝をついた。

 

顔をは自然と下を向く。何処まで行っても真っ白な世界の、絵の具の原色を塗りたくったかのような地面に視線が落ちる。

 

「立って、一体何ができる……?」

 

既に、ナハトヴァールに二度も負けた。毛細魔力回路(マジックサーキット)すら最早十分には使えない。

そんな自分がいてどうなるというのか。

 

「立って、何の役に立つ……?」

 

魔法は使えない。

 

強化以外の魔法など学んだことなどない。魔力保有量など雀の涙。なにも役立つことなどない。只の木偶の坊が増えるだけ。

 

唯一上等と言えた、殺すという気概は、日常を過ごす中で錆びついてしまった。

 

それこそ、必殺と定めた『无二打』を心臓に向けて打てず、あろうことかナハトヴァールにすら、殺す気で打てないほど。

 

「立って、何をすればいい……?」

 

もうナハトヴァールと同じステージには立てない。毛細魔力回路(マジックサーキット)があってようやく同等まですがりつけたのに、今はもうどうにも出来ない。

 

鍛えてきた武術だって、全て防がれてしまった。爺さんと、親父と、自分との戦いの中で全て学習されきってしまった。

 

もう戦う術すら持っていない。

 

いいや、何より自分は──

 

「一体、何のために立てばいい……」

 

今、立つべき理由を見つけられない。

 

情けなくへたり込んだまま、唇をかんだ。

 

 

強くなったつもりだった──

 

 

──でも敵わない。

 

 

ナハトヴァールとの壁は厚く、高く、全力の猛虎硬爬山は大したダメージは与えられず、无二打はその魔力盾を抜けなかった。

 

 

あの日の誓いを叶えるはずだった──

 

 

──でも途中で弱くなってしまった

 

 

リッドの為に、ナハトヴァールから彼女の肉体を解放すると誓った。その為に、いつかナハトヴァールを殺すために、殺意の刃を研いできた。

 

しかし、人との交流が自分を甘くした。

 

アインハルトとの、エレミアとの、ファビアとの、ヴィヴィオとの、その他の多くの人との関わりが、自分を『暗殺者』から『人間』に引きずり落とした。

 

それこそ、リッドの顔を殴りたくないなどという感傷を抱いてしまうほど。

 

誇りも、誓いも、怒りも、無念も、全て折れた。

 

「無理、なんだ……。もう、自分には何もないんだ。なにも、なにも……!」

 

無様な自分の姿にも、初代は怒りも悲しみもしない。ただただ、静かに視線を向けてくるだけだ。

 

だが、やがて、小さく、小さく呟いた。

 

「エデル、いいや████。オレたちの拳の意義を、思い出せ」

 

その言葉には、初めて人間らしい、感情(いろ)があった気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

 

命を刈り取る黒腕が振るわれる。

 

その度にジークが同じ性質を持つ鉄腕で相殺、もしくは減衰する事で対応し、アインハルトはその隙を狙う。

しかし、その動きはぎこちなく、互いを意識せずに動けるほど洗練されてもいない。

 

そもそもが急増のコンビネーション。アインハルトはクラウスの記憶を元になるべくジークのエレミアン・クラッツに合わせて動くがそれでも限界はある。

三百年もの間更なる研鑽が積まれたエレミアの技術は、別物とは言わないがそれでも違う部分は多い。

 

些細な歩法、些細な一撃が、アインハルトの記憶と異なりその度に記憶との違いに混乱させられる。

 

それでも、互いを必死に補いナハトヴァールに抗い続ける。

それはまるで強風の吹く崖の間をか細い麻縄でつなぎ合わせその上を逆立ちしながら渡るようなもの。

コインを投げてその都度表を出し続けなければ負けが決まるような、そんな可能性の上で行われる攻防。

 

そして、ついにその綱渡りのような均衡が崩れる。

 

ナハトヴァールがアインハルトの断空拳をかわしながら、奪い取ったリンカーコアと接続、該当のものを見つけると瞬時に魔法式を組み上げていく。

 

高速魔力砲弾(フォトンランサー)一斉掃射(ファランクスシフト)

 

今まで魔力弾程度しか撃たなかったナハトヴァールが、二人に向けて広範囲の殲滅魔法を放った。

 

辺りを更地にするには十分すぎる魔力のこもった弾丸が、イレイザーの性質を混ぜ込みながら、目で追うのも困難なスピードで二人に殺到する。

 

そして、そんな未知の状況に対して()()()()()()()()()、瞬時に対応しようとする。

 

アインハルトは、ジークが鉄腕で防御してくれると思って空破断の準備を。

 

ジークは、アインハルトが躱すと予想し、地面を強く蹴って一気に殲滅魔法の範囲外に。

 

そして、そこまでして、アインハルト達が同時に自分たちの食い違いに気がついた。

 

ジークは、腰だめに構えたアインハルトが殺到してくる魔法に無防備なのを見て。

アインハルトは、反撃という選択でなく、回避を選択したジークに。

 

「ハルにゃんっ!」

 

ジークが慌ててアインハルトの元へと殺到していく黒い魚群の様な弾丸に割り込もうとするが、もう既に間に合うタイミングではなかった。

 

アインハルトの元に無数の魔力弾が食いついていく。

 

「──くっ、間に合って!」

 

回避は不可能と判断して、途中まで練り上げていた空破断を破棄する。そして、弾丸が着弾する直前で何とか深緑のシールドを目の前に張ることに成功した。

 

アインハルトが成功した事に小さく息を吐いて、防御の次の算段を立てようとして────その思考ごと跡形なく吹っ飛ばされる。

 

黒い弾丸は、ナハトヴァールの放った『イレイザーの混ぜ込まれた』弾丸が、アインハルトのシールドを少しの抵抗の後、容易く貫通する。

 

「ーーー」

 

ぞり、と防護服を削った後、アインハルトの腹の中を弾丸の一つが通り抜けた。熱して溶かした鉄を腹の中に流し込んでそのままほじくり返した様な、そんな熱さと痛みがアインハルトを襲う。

 

一瞬で意識が遠のいて、その後やってきた無数の弾丸にも同じように体を貫かれながら背後に吹き飛んでいった。

 

「は、るにゃん……」

 

ジークの語尾と重なるように、べしゃりという水っぽい音が響いた。その音が、血だらけのアインハルトが受け身も取れずに落ちた音だと理解するやいなや、ジークが駆け寄ろうとする。

 

「ハルにゃんッ! 今────」

「ようやく、隙らしい、隙」

「しまっ──」

「おしまい」

 

ナハトヴァールが、現れる。

 

ジークがナハトヴァールに向き直るよりも早く、音の速度を超えた蹴りが脇腹に叩き込まれた。

 

めしり、という軋む音の後に、ばきぼきと何か体の中の硬いものをへし折る音が、ジークの耳に聞こえる。そして、そのまま振り抜かれた蹴りの勢いに乗って体が吹き飛んでいった。

 

吹き飛んだジークが、地面をごろごろと転がって、止まった。体はあまりのダメージに指先一つ動かないが、それでも何とかジークが体を動かそうとする。だが、まるで神経が切れたように体は動いてくれない。

 

「く、そ、うご、け……」

 

ナハトヴァールが、血だらけのアインハルトと身動ぎすらしないジークに目を向けて、すぐに興味なさげに目を逸らした。

 

「はあっ、はあ、はあ…………」

「守り、きったのか。驚き、だ」

 

ナハトヴァールがゆっくりと歩みを進めて、未だエデルの治療をするファビアと、その前で虹色の盾を展開したヴィヴィオの前に立った。

 

ヴィヴィオの全魔力を用いて作られた盾は何度もイレイザーの編み込まれた弾丸を防いだせいでヒビだらけの上に、端の方は砕けており、最早盾としての機能は見込めない状態だった。

 

しかし、それでも今までの戦闘を通して後ろに一発も通さなかったということは事実であり、それを為したヴィヴィオをナハトヴァールは興味深そう見つめた。

 

「流石、聖王女。守る事に関しては、一級品」

 

そして、黒腕でその盾を跡形もなく砕いた。硝子の割れるような甲高い音を引き起こして、ヴィヴィオのシールドが跡形もなく消えたて、耐えきれなかったヴィヴィオの体も地面に沈む。

 

ナハトヴァールがそんなヴィヴィオに一瞬だけ目をやって、ファビアの方へと足を進めようとする。

 

ゆっくりと足を進めようとして、片足の踵を何かに掴まれる。ナハトヴァールが、感情をのぞかせない瞳で、下を見れば、金髪の少女がしがみついて歩みを止めようとしていた。

 

「いか、せない……」

「離せ、聖王女。お前は、後」

「私が、狙いなら、私を好きにすればいいです。エデルは、関係ない……!」

「エデルは、邪魔。魔力暴走で、死んだかわからない。だから、確実に殺す」

「そん、なの、許さないっ!」

 

へたり込んだヴィヴィオが足にしがみつきながらも尚、力強い目線でナハトヴァールを睨む。

 

──僕は、エデルを信じてるからね。

 

その似ても似つかぬ瞳が、何故か過去のナハトヴァールを形作る肉体(モノ)の死に際と重なった。

 

ナハトヴァールの瞳が細まった。

 

「あぐっ」

「…………なら、望みを聞いて、やる」

 

ナハトヴァールが、ヴィヴィオの長いブロンドの髪を掴んで空中に吊り上げた。根元から髪を引っ張られる痛みに、ヴィヴィオの目の端に僅かな雫が生まれた。

 

「お前は、ここで、食べてやる」

 

ナハトヴァールが、右手をかざす。

 

すると、小型の黒の魔法陣が現れ、その空間の先に虹色に輝く小さな光を映し出した。

 

融合機能の不全のため肉体を捕食できないナハトヴァールが行う、転移魔法の応用による蒐集行為。過去に『湖の癒手』と呼ばれた騎士の使う『旅の鏡』と呼ばれる魔法と酷似した技術。

 

それが、ヴィヴィオに迫る。

 

ヴィヴィオはそれを見ながら、自然と過去のことを思い出していた。

 

大事な二人の母の事、憧れの先輩、大切な学校の友人、競い合えるライバル、聖王教会の面々、管理局のよくしてくれる人たち、格闘技を通して出会った人々、そして、オリヴィエを通して始まった仲間。

 

ヴィヴィオの視界の端に、自分よりも幾らか薄めの色素の金髪と、寝たままの赤い髪を見つける。

 

「……エデル」

 

ぽろり、とヴィヴィオの口から言葉が漏れた。

 

ナハトヴァールはその単語を聞くと、珍しく不快そうに顔を歪めて、拳を握った。

 

「さァ、終わりだ、聖王女」

 

拳が、風をきった。

 

 

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

初代は静かに自分を見つめる。

 

「████、オレ達の拳の意義を思い出せ」

 

その言葉に、自分は顔を上げる。

 

「意義、オレ、たちの……?」

「迷ったなら、心に聞け。オレではなく、████自身の心に」

「████の、こころ……」

 

自然に手が胸へと向かった。それと同時に、チリッ、と額の奥が痛むような感覚が走る。

 

「オレは、何のためにオリヴィエに仕えた」

 

記憶の先に、オリヴィエの微笑みが浮かんだ。

 

痛みが、走る。

 

──█の、拳は██た█の██だ。

 

「オレは、何のためにクラウスと並び立った」

 

記憶の先に、クラウスの不敵な笑みが浮かんだ。

 

痛みが、走る。

 

──█の、拳は█るた█のモ█だ。

 

「オレは、何のためにクロと誓いを立てた」

 

記憶の先に、クロゼルグの悪戯っぽい笑みが浮かんだ。

 

痛みが、走る。

 

──此の、拳は█るためのモノだ。

 

「オレは、何のためにエレミアの────リッドの為に拳を握った」

 

記憶の先に、オレの──いや、()()()の見た、リッドの照れたような微笑みが浮かんだ。

 

 

痛みが、消え失せた。

 

 

此れが、始まりだ。

 

オレが、『魔拳』エデルが、拳を握り続けた理由。

 

それは、酷く簡単で、でも難しくて。

 

オレは、エデルは、唯の殺す為の道具から人間にしてくれた友たちへ、何かを返したかった。

 

唯、笑顔でいて欲しかった。

 

争いのない場所にいて欲しかった。

 

それが、エデルという存在の始まり(オリジン)

 

 

 

遠くから、名前を呼ぶ声が聞こえる。

 

 

 

「……エデル」

 

ヴィヴィオの声が、聞こえる。

いつだって微笑みとともに付き合ってくれた、かけがえのない、友達。

 

「エデル!」

 

エレミアの声が、聞こえる。

名前を呼んでもらえないって拗ねていた、何度も拳を交わした、ライバル。

 

「エデル、起きて!」

 

ファビアの声が、聞こえる。

裏切らないと、捨てないと誓って、そしていつかの未来のことを約束した、相棒。

 

「エデル」

 

アインハルトの声が、聞こえる。

初めて出会った時に引き分け、彼女との出会いから運命が動きだした。まだ、その関係に名前はない。

 

 

きっとそれは、まだ自分の手の中にあったもの。

 

 

エデルではない、ここにいる自分にしかない、自分だけのもの。

 

 

エデルにもあったように、自分にもあった大切なもの。笑顔でいてほしいもの。

 

きっと、ここから始めさせてくれる、そんなもの。

 

いつのまにか、手の中にあったのだ。

 

ただ、必要だったのは、大切だと言うことを認めて、向き合うだけ。

 

それが、きっと始まり(オリジン)になる。

 

 

 

何もない世界で、一人息を吸い込んだ。

 

「やっと、行くのか」

 

背後から声がかかった。

 

「……ああ、行くよ」

 

「何のためにか、決まったか?」

 

その質問に、振り返らずに、答える。

 

「答えは、もう手の中にあった。彼女らとの出会いが、教えてくれた」

 

「ーーー」

 

「此の拳は()()ためのモノだ。今は、それを思い出せた」

 

「…………そうか」

 

背後の気配が、薄くなり始めた。きっと、これが、最初で最後の邂逅だ。

 

そして、彼は今度こそ死ぬ。

 

最後の、エデルとの語らい(魔拳邂逅)

 

「なあ、子孫よ」

 

「なんだ、先祖」

 

「彼奴ら、幸せにするがいい。オレには、できなかった」

 

「言われなくても、手を尽くす。彼女たちが、幸せになる為に、普通に生きていけるように」

 

「そうか、それはよかった」

 

背後の声を聞いて、立ち去るべく足を進めようとして、思わず途中で足を止める。

 

「自分は、オレとは違う。守りたいものも、違う」

 

「……ああ」

 

「でも、アンタの無念は、ついでに終わらせてくる。だから、安心しろ」

 

「ーーー」

 

「全部、終わらせる。オレたちの拳が、全部」

 

後ろから酷く安心したような、そんな息が漏れた。

 

「嗚呼、それは…………安心した」

 

そして、気配が消えて、溶ける。今まで異質だったその存在が、ここにあるものと、混ざりあって、一つになって重なっていく。

 

 

世界に、光が広がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぎり、と拳を掴んだ。

 

起きてすぐ走っても、間に合うかは分からなかったのだがどうやら賭けに勝ったらしい。

 

「よう、ナハトヴァール、随分楽しそうだな」

 

目の前には驚愕の表情のナハトヴァール。それを殴り飛ばす為に、右拳に力を込めて、振るった。

 

ナハトヴァールはもちろん其れをガードしようとして、()()()()()()()()()()()()()

針の穴のような、今までは見えていなかった刹那のガードの隙が、今は見えた。

 

「がっ──」

 

ナハトヴァールに自分の拳が炸裂し、吹っ飛ばされていく。その直後で、ヴィヴィオを掴んでいた手を引き剥がして抱き抱えると、そこいらに転がる連中に目を向ける。

 

「ヴィヴィオ、随分と疲れた様子だな?」

 

「え、エデル……!」

 

ヴィヴィオの頰の汚れを拭って、優しく地面におろしてやる。

 

()()()、心配かけたな」

 

「え、今(ウチ)のこと名前で……」

 

「それはこれが終わってからだ」

 

苦笑いを見せてジークの頭に軽くチョップを落とす。

 

「ファビア、まだ手を貸してくれるか? 毛細魔力回路無くなっちまってな」

 

「もう、仕方ないなぁ……」

 

ファビアに悪いと小さく謝ってみせる。

 

「アインハルト」

 

俺が呼びかけると彼女は薄く目を開けた。見慣れた(ラスピラズリ)(サファイア)に、俺の姿が写り込んだ。

 

「今から、全て終わらせてくる」

 

「あな、たを、信じます……」

 

「ありがとう」

 

血だらけのアインハルトの顔を軽く拭って、ナハトヴァールの方へ足を進める。

 

「まだ、終わってないよなナハトヴァール」

 

声をかけると、ナハトヴァールは土煙の中から十全な姿を見せて、自分を睨んだ。その瞳には明らかな困惑と、敵意がある。

 

「お前、()()()()()()()。何者だ?」

 

誰、誰ときたか。

 

そのあまりにも直球な質問に少し可笑しくなる。

 

毛細魔力回路に宿っていたエデル(オレ)も、今まで過去にすがりついていたエデル(自分)も消えた。

 

しかし、どちらも、エデルであることには変わらない。今は、どちらも混ざってこの体に確かにある。

 

「自分は、オレは、いや、()は────」

 

ならば、答える名前は一つ。

 

 

「俺は、()()()()

 

 

其れこそが、俺の真名。親父と母さんがくれたもの。

 

「唯の、シリウス。其れが、俺の、俺だけの名前だ」

 

記憶転生者(エデル)でも、暗殺者(エデル)でもない、本当の名前。

 

「ナハトヴァール、最後の、最後の戦いを始めよう」

 

ナハトヴァールと相対し、高らかに告げる。

 

 

 

「此れが本当の俺だッ!!」

 

 

 

 

本当の、最後が、始まる。

 

 

 

 





『魔拳』と別れ、定めた己の在り方。

これが彼の────シリウスの始まり。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。