カードファイト!!ヴァンガードG 鋼と宇宙の正義   作:先導

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キャプテン☆レインボーというwiiのゲームをやっていたら遅くなってしまいました。

本当に申し訳ありません。

今回からアニメでやっていた次回予告を後書きでウチでもやっていこうと思います。

ファイトの描写は割愛しましたがアニメとは多少異なっておりますのでご了承ください。

あっそれからオリキャラのサスケの設定を書きましたので設定をご覧いただければと思います。

さて、少し長くなりましたが本編です。

相変わらず長いですがどうぞ!


トコハの宝箱

これはトコハの幼い頃の記憶

 

『おねぃちゃん、これがタイムカプセルになるの?』

 

『そうよ。2人とも大人になったら、開けようね』

 

『うん!これ、みらいのおねぃちゃんにあげるプレゼント!』

 

『私も』

 

『ねぇねぇ、おねぃちゃんはなにをいれたの?』

 

『だから内緒♪』

 

『え~~?はやくおとなにならないかなぁ?』

 

『お~~い!姉ちゃ~ん』

 

『あ、さすけおにぃちゃん』

 

『おう、トコハちゃん。これはタイムカプセルかい?』

 

『うん!さすけおにぃちゃんもいれようよ!』

 

『俺は遠慮しておくよ。こういうの柄じゃねぇし』

 

『とか言ってあんたは入れるもんなんか何もないでしょ?』

 

『うるせぇよ姉ちゃん!』

 

 

 

TURN9「トコハの宝箱」

 

 

 

ドラゴン・エンパイア支部にて、ちびっこヴァンガード大会というイベントが開催予定されている中、トコハとユイはそのイベントに手伝っている。ちなみにこのイベントでは子供たちもイベントを手伝っている姿がある。

 

「ちょっとそれは上過ぎるかな?もうちょっと下」

 

「あ、あとガがもうちょっと右だといい感じに仕上がるよ」

 

トコハとユイは子供たちに看板の文字をどこに配置するかをトコハは的確に、ユイは完成図を見ながら指示を出した。

 

「この辺?」

 

「OK!バッチリだよ」

 

「おい安城、これどこに持っていけばいいんだ?」

 

クロノが備品を持ちながらトコハに問いかける。クロノもイベントの手伝いをしていたらしい。目的は主にポイント稼ぎなのだが。

 

「ああそれ、そこの机に置いといて」

 

「でも新導君も手伝ってくれるなんて意外だな~。ね?トコハちゃん」

 

「そうね。本当に意外ね」

 

「ポイントを稼ぐためだよ」

 

クロノがそっけなくそう答えて次の仕事に取り掛かる。そこにマモルがトコハとユイに話しかけてきた。

 

「彼ってさ、小さな子たちから人気あるんだよね」

 

二人の視線には、子供に囲まれているクロノの姿が映る。クロノは段ボールの中の花を看板などにはっつけてこいと言うと、子供たちはそっちに向かっていった。

 

「本当に意外だな~。新導君が子供に人気があるなんて」

 

ユイがそう呟くと、別の方角からガラガラという音が聞こえる。2人がそこに向けると一人の女性スタッフと一人の男性がこちらに向かっていることがわかる。

 

「あれ?あれって・・・アカネさんにサスケさん?」

 

そう、向かってきている2人は清州アカネと清州サスケの姉弟だ。

 

「え?あっ!本当だ!アカネさーん!」

 

「あっ!ちょっと待ってよトコハちゃーん!」

 

トコハとユイは清州姉弟のところへ向かう。クロノは清州姉弟を見ている。

 

「女性の方は清州アカネ君だ。僕の同僚なんだ。男性の方はアカネ君の弟の清州サスケ君。ユイちゃんの家である八百屋のアルバイトをしているってトコハから聞いたことがあるよ。トコハは昔から、あの二人を本当の姉や兄のように慕っているんだ」

 

そんなクロノに清州姉弟の説明を入れるマモル。

 

「お久しぶり、トコハお姉さん♪ユイちゃんも久しぶりね」

 

「はい!お久しぶりです!サスケさんも来てたんですね!」

 

「俺は姉ちゃんの付き添いだよ。トコハちゃんもユイちゃんも手伝いかい?」

 

「えへへ、兄さんに大会のお仕事頼まれちゃって。ユイちゃんは私の助手として手伝ってもらってるんです」

 

「すごいじゃない!責任ある仕事、任されたのね。あんたも2人に見習ってみたらどうなのよサスケ」

 

「うるせえな!余計なお世話だっつーの!」

 

「「あははは!」」

 

トコハとユイ、清州姉弟はそんな会話で盛り上がっていた。

 

「・・・へぇ、ちびっこヴァンガード大会か」

 

「はい。小さな子たちにも、このイベントでヴァンガードの楽しさを知ってもらえたらいいと思いませんか?」

 

「だな」

 

ユイの言葉に賛同するサスケ。それはトコハやアカネも同じ意見だ。

 

「でも本番は今週末なんですけど、いろいろ準備が間に合ってなくて・・・」

 

「そう・・・忙しいのね」

 

「そう言うアカネさんは海外でお仕事してたんですか?」

 

ユイの視線にはアカネが持っているスーツケースに映っている。これを見る限り海外で働いていたのは明らかだった。

 

「ええ。今ロンドンから帰ってきたの」

 

「この間はパリにも行ってましたよね?」

 

「そうだよ。まったく・・・。こっちはバイトが忙しいって時に帰ってくるんだからしんどいったらありゃしねぇよ」

 

「あんたの方が何倍かマシよ。もうこっちは大忙しで嫌になっちゃう」

 

「もう、アカネさんは私の憧れのお姉さんなんだから、お仕事が嫌だなんて言わないでください!」

 

「言われたな。アカネお姉さん」

 

「・・・その生意気な口を言うのは一体誰かしらね?」

 

「いでででで!悪かったから離してくれよ姉ちゃん!」

 

トコハの言葉を聞き、サスケはアカネをからかう。アカネはそれが癪に障ったのかサスケの頬をつねる。それを微笑ましく見ているユイ。すると向こう側で物の取り合いでケンカをしている子供の姿があった。

 

「あー!あの子たち!ごめんトコハちゃんちょっと待ってて。こらーー!!何やってるの!!」

 

ユイは子供たちの仲裁に向かった。

 

「・・・何だか懐かしいわね」

 

「ええ、私も小さい頃、こういうイベントの時、よくファイトの仕方、教わりました。正直、昔は兄さんに教えてもらうより楽しかったんですよ?」

 

「おいおい・・・。それじゃあマモルさんがかわいそうじゃねぇか?」

 

「だって、兄さんはヴァンガードのことになるとすっごく厳しいんだもん!」

 

3人はおかしくなって笑いあう。するとアカネとサスケは真剣な表情に変わる。

 

「あのな、姉ちゃんがトコハちゃんに言いたいことをあるんだけどさ・・・」

 

「はい?」

 

「実はね・・・」

 

「すみませーん。トコハお姉さーん」

 

アカネが何かを言おうとすると子供がトコハを呼ぶ声が上がりそれを遮る。

 

「はーい!今行くねー!すみません、アカネさん」

 

「忙しいのね、トコハお姉さん?さ、行ってあげて。がんばってね」

 

「はい!」

 

トコハは子供たちのところへ向かう。サスケははぁ、とため息こぼし、頭をかいた。

 

「トコハちゃんが忙しいのはわかるけど今言わなくてどうすんだよ」

 

「別に旅立つのは明日じゃないんだからいいじゃない」

 

 

『どうだトコハちゃん!姉ちゃんがメダルを取ったぞ!』

 

『わああ!いいないいな』

 

『あんたが威張ることじゃないでしょ?ほら、返しなさい』

 

『いてぇ!何も叩くことねぇだろ?』

 

『トコハもそれほしい!ねぇ、ちょうだい!』

 

『だーめ。これはね、一番強い人がもらうもの』

 

『え~?じゃあわたしがアカネおねぇちゃんよりつよくなったらくれる?』

 

『いいわよ?じゃあ私に、ファイトに勝ったらね』

 

『ホント?!じゃあファイトする!おねぃちゃん勝つまで何度でも!」

 

『おっ?それじゃあ俺もワンチャンあるってことかな?俺、姉ちゃんに勝ったことあるし』

 

『そーなの?』

 

『あの時の1回だけでしょ?あのあと何回も負けてるじゃない』

 

『つっ次こそは勝つんだよ!』

 

 

「明日までにはちゃんと言うんだぞ?後悔してからじゃ遅いからな」

 

そう言ってサスケはドラゴン・エンパイア支部を後にする。アカネはトコハの方に顔をあわせている。

 

「・・・覚えてないか・・・」

 

アカネはそう呟きその場を後にする。

 

 

翌日、トコハが歩いていると、工事現場を発見する。その場所はアカネとタイムカプセルを埋めた思い出の場所だった。さらにトコハの視線にはユイも映っていた。

 

「あれ?ユイちゃん?それにあの場所って・・・」

 

トコハは急いで工事現場に向かう。一方ユイは工事員に何かを問い詰めている様子だ。

 

「ここにクッキーの箱が埋まってありませんでしたか!?私の友達の宝物が入ってるんです!」

 

「宝物?あったか?そんなの」

 

「さぁ?」

 

「そう・・・ですか・・・」

 

「ユイちゃーん!」

 

「あっトコハちゃん!」

 

「こんな所で何やってるの?」

 

トコハはユイと合流し、何をやっていたのか問いだす。

 

「昨日サスケさんに頼まれたの。ここにトコハちゃんの思い出の宝物があるから取りに来て欲しいって。だから私、持ってきてトコハちゃんに届けようと思ったの」

 

「そうだったの・・・」

 

「でもごめん。宝箱・・・見つかんなかった・・・」

 

「いいの。ありがとうユイちゃん」

 

ユイはいかにも涙を流しそうな雰囲気でトコハはユイを慰めてその場後にしようとする。すると工事員が何かを思い出して2人を呼び止めた。

 

「あっそういえば・・・ちょっと待ってお嬢さん達。昨日ショベルカーを入れる前に、木の下から誰かが掘り出して持ってったよ」

 

「「え?」」

 

「確か男の子だったな」

 

「ああ。ちょうど君たちぐらいで・・・ほら」

 

「そーそー。髪がぐるぐるの・・・なあ?」

 

トコハやユイと同い年で髪の毛がぐるぐる・・・。そんな人物は2人が知る中じゃ1人しか思い浮かばなかった。

 

 

カードキャピタル2号店にてクロノは持ってきたであろうクッキーの箱についてる土を拭きとっていた。

 

「・・・中々落ちねー」

 

「おい、んなの食う気か?腹壊すぞ」

 

「違いますよ。これタイムカプセルらしいんです」

 

「タイムカプセル?」

 

「ええほら、あそこの川沿えの公園の」

 

「ああ、この間から工事してるな」

 

「あそこの木の下から掘り出したんです。見つけるの大変だったんですよ」

 

クロノとカムイがそんな会話をしていると誰かが入ってきた。トコハとユイだ。その表情はかなり険しい。

 

「ああ、トコハちゃんとユイちゃん。いらっしゃい」

 

「なんだ、佐倉と安城か」

 

トコハとユイはずんずんとクロノのところに向かう。

 

「これ、何で新導が持ってるの?」

 

「はあ?」

 

「トコハちゃんに返してもらうからね!」

 

「お前らふざけんな、何言ってんだよ」

 

「あのね、これは私にとって大事なものなの!」

 

「冗談じゃねぇ。俺だってこいつ届けてポイントもらうんだよ」

 

「「え?ポイント?」」

 

「そうだよ。ほれ、アカネさんからのクエストだよ」

 

そう言ってクロノは自分のファイカを2人に見せる。そこに書かれていたのは確かにアカネからのクエストだった。

 

 

ドラゴン・エンパイア支部クロノはアカネにタイムカプセルを届け、アカネからクエストを達成のポイントをもらっていた。トコハとユイもついてきていた。

 

「ありがとうございました」

 

「ううん、こっちこそありがとう。わざわざ3人で届けてくれて」

 

「いえ、こいつらは勝手についてきただけで・・・」

 

「アカネさん、どうして私たちのタイムカプセルをクエストやサスケさんを使って探させたんですか?私に言ってくれればいいだけじゃないですか!」

 

「トコハちゃん落ち着いて」

 

少しだけ興奮しているトコハをなだめるユイ。トコハの言葉を聞き、申し訳なさそうな表情でトコハに謝る。

 

「ごめんね。でもトコハちゃん、イベントの準備で忙しそうだったし、それに昨日工事のこと知って、私もサスケも慌てちゃって」

 

「!そうだったんですか。私も同じです。通りかかった時にビックリしちゃって。その前にユイちゃんもいたのもビックリしたし」

 

「そうね、帰ったらサスケに言っておかなきゃね」

 

「それよりアカネさん、中は無事ですか?」

 

ユイがそう言うとアカネはタイムカプセルの中身を確認する。きれいなピンクの手提げ袋が入っていた。どうやら無事みたいだ。

 

「懐かしい~」

 

「袋の中は何なんですか?」

 

「お互いに秘密なの。大人になったら開ける約束だったし」

 

「へ~ロマンチック~」

 

「そうか?」

 

袋の中身をクロノが聞いてみたが、大人になったら開けるという事で中身は知らないらしい。

 

「でも、もう掘り起こしたんだからもらっていい?」

 

「だーめ。トコハちゃんまだ大人とはいえないでしょ?」

 

「え~?」

 

トコハは残念そうな声を上げる。するとアカネはある提案をする。

 

「・・・じゃあねぇ、久々にファイトしない?私に勝ったらあげてもいいわ」

 

「いいですよ。じゃあ明日のイベントが終わったらぜひ!」

 

「!・・・明日?」

 

アカネは明日という単語を聞いて昨日サスケが言っていたことを思い出す。

 

『後悔してからじゃ遅いからな』

 

「・・・トコハちゃん・・・実はね、私・・・」

 

「アカネさーん。ちょっといいですか?」

 

アカネが何かを言おうとした時、ドラエンスタッフに呼び出される。

 

「あ、はい!ごめんね、行かなきゃ」

 

「いえ、こちらこそ忙しい時に来ちゃって」

 

「アカネさん!お仕事がんばってくださいね!」

 

アカネはスタッフのところに向かい、ユイはエールを送る。

 

「おい、俺たちも急がねぇと・・・」

 

「いっけない!集合時間に遅れちゃう!」

 

「あっトコハちゃん待ってー!」

 

トコハはイベントの準備の集合場所に急いで向かい、ユイが追いかける。クロノも2人に後からついていった。

 

 

安城家、トコハはマモルの仕事の手伝いとして資料などを整理していた。

 

「悪いな。忙しいのにこっちまで手伝わせて」

 

「いいのいいの!支部の仕事楽しいし」

 

「助かるよ。・・・イベントの後半、忙しくなりそうなんだ。やっぱり痛手だな。アカネ君がいなくなるなんて」

 

「・・・え?」

 

トコハはアカネがいなくなるということに大きく反応した。

 

「彼女の海外赴任が決まってからは、引き継ぐ仕事の量も本当に多くてね」

 

アカネは海外赴任でドラゴン・エンパイア支部から、日本から離れることになる。サスケが気にかけていたのはこのことなのだ。

 

「アカネさんが・・・いなくなる・・・?どういうこと?アカネさんが海外赴任って何!?」

 

「トコハ・・・知らなかったのか?」

 

マモルの言葉にトコハは大きく頷いた。

 

「そうか・・・。お前とアカネ君の仲だから、もうてっきり知ってると思ってた・・・」

 

「・・・サスケさんは・・・このこと知ってたの・・・?」

 

「ああ・・・。アカネ君がロンドンから帰ってくる前から聞いてたみたいでね。サスケ君のことだから多分・・・今日はサスケ君はユイちゃんにも話したと思う・・・」

 

「・・・いつ?いつ日本から?」

 

「・・・明日だよ。昼頃の便だって聞いたからな」

 

「え?」

 

明日といえばトコハがアカネとファイトの約束をしようといいかけていた日だ。つまりは明日のイベントが終わるころにはアカネはもう日本にはいないことになる。

 

「アカネ君も忙しかったからな・・・。突然決まったことだし、トコハに話す暇もなかったのかもな」

 

この時、トコハは後悔した。あの時自分がアカネさんを呼び止めていたらと・・・。そして、その後悔を胸にしまったまま、夜が明けていった。

 

 

『もうまたまけちゃった~。くやしい~』

 

『惜しかったなトコハちゃん。あとちょいだったのに』

 

『ふっふっふ~。それじゃあまだこのメダルは渡せないわね~』

 

『でもたのしかった!もういっかい!』

 

『あっ!ずりぃぞトコハちゃん!今度は俺が姉ちゃんとファイトするんだ!』

 

『いいわよ?かかってきなさいな』

 

『さすけおにぃちゃん!トコハのためにまけてよ!』

 

『何でだよ⁉俺だってメダル狙ってんだから勝つに決まってんだろ!』

 

『言うじゃない。この間みたいにあっさり終わらないでよ?』

 

 

ちびっこヴァンガード大会当日、トコハは子供たちを見て幼き思い出を思い返していた。心に大きな傷を抱えながら。

 

「おい、何ボーっとしてんだよ」

 

「!新導・・・ごめん」

 

「・・・にしても佐倉の奴遅えなあ・・・。アカネさんもまだ来てないみてぇだし・・・」

 

「・・・アカネさんなら、今日来ない。っていうか、もう会えないかも・・・」

 

「何で?」

 

「海外赴任だって。今日日本発っちゃうの。ユイちゃんはサスケさんの付き添いで空港に行ってるから来れないの」

 

「ふーん・・・。・・・で、お前ここにいていいのかよ?」

 

「え?」

 

クロノの言葉に少し唖然となるトコハ。

 

「だってお前言ってたじゃねぇか。あの人ともう一度ファイトするって」

 

「!」

 

「もう会えないってことは、ファイトもできなくなるんだろ?」

 

トコハは少し考えた後、そしてトコハの中で意を決した。

 

「新導ごめん!自転車貸してくれる?」

 

「はぁ?」

 

「必ず埋め合わせするから、後は頼むね!」

 

そう言ってトコハは走ってイベント会場を後にする。

 

「お、おい安城!」

 

トコハはクロノの自転車に乗り、空港に急いで向かう。アカネと、もう一度ファイトするために。

 

 

空港、そこにはサスケとユイ、今日海外に旅立つであろうアカネがいる。

 

「これ、ママが作ったお守りです。こっちはパパのスリーブです。よかったら使ってください」

 

「ありがとう、ユイちゃん」

 

ユイはキョウコやゲンゾウの贈り物をアカネに渡す。アカネは笑顔を作っているが、どこが寂しげさも感じられる。贈り物を受け取った後、視線はタイムカプセルに向けられている。

 

「サスケ、あんたの言った通りね。後悔してからじゃ遅いって・・・」

 

「・・・姉ちゃん、その箱に入ってる袋の中身ってもしかして・・・」

 

「アカネさん!」

 

サスケが口を開けると同時にこの場にはいない筈であろう人物がいた。トコハだ。

 

「トコハちゃん・・・」

 

「はあ、はあ・・・アカネさん、遅くなってごめん。約束通り、ファイトしてくれる?」

 

アカネは少し驚いた表情をしていた。サスケの方に顔を向ける。

 

「・・・飛行機が出るのはまだ時間があるし、行って来いよ、姉ちゃん」

 

サスケがそう言った後、アカネはトコハのファイトの申し込みを快く受けた。

 

「・・・もちろん!」

 

「・・・さてユイちゃん、俺たちは姉ちゃんの土産でも買うか」

 

「はい!」

 

 

トコハとアカネのファイトが着々と進み、アカネがグレード3のユニットにライドしたところだ。するとトコハは疑問に思っていたことを口にする。

 

「・・・一つだけ聞いていい?何で教えてくれなかったの?」

 

「・・・ごめんね。忙しかったし、トコハちゃんも忙しかったからね」

 

「・・・子供の時はそうじゃなかった」

 

 

『zzz・・・』

 

『トコハちゃ~ん、もういいでしょ~?』

 

『やだ!ちゃんとおねぇちゃんにかちたいの!早く!もういっかいファイトー!』

 

『ふふ、じゃあこれが最後よ?っとその前に・・・起きなさいよ!』

 

バシンッ!

 

『痛ええええ!何だ⁉何が起きた⁉』

 

『あっおきたー』

 

『何一人ですやすや寝てんのよ!シャキッとしなさい!』

 

『?????』

 

 

「トコハちゃんったら、勝つまで引き下がらなかったんだから。あの時サスケも疲れてぐーすか寝てたしね」

 

「今にして思えば、相当面倒な子だったね」

 

「ううん、そんなことない。本当に妹みたいで甘えてくれて嬉しかった。それに私自身、トコハちゃんとファイトするのが楽しかった」

 

「うん!私も!」

 

そこまで言うと、トコハはまた暗い顔を見せる。

 

「・・・なのに最近は、お互いに話す時間もなかった。変わっちゃったのかな?私たち・・・」

 

「いいえ、何も変わってないよ。だって、私は今こんなに楽しい。あの頃と変わらず」

 

「!・・・はい!」

 

「さあ!本気で行くわよ!」

 

「私だって!」

 

アカネとトコハのファイトは続行された。その2人のファイトを遠くから見てるユイとサスケ。

 

 

さらにファイトが進む。さて、ここからはファイトの様子を移していこう。現在トコハの盤面はこうなっている。

 

グラジオラス(レスト) アルボレア(レスト) グレース

   ディアン        オズ      ディアン

 

「ディアンのブースト、グレースナイトでヴァンガードにアタック!」

 

「まぁるがる、ナイト・オブ・フラッシュでガード!」

 

「ターンエンド」

 

「・・・トコハちゃん、ありがとう」

 

「え?」

 

アカネの突然のお礼に何のことかと思うトコハ。

 

「本当は海外赴任も不安で、自信がなくて、ちょっと気が進まなかったの」

 

「え?アカネさんが?」

 

「ええ。・・・でもね、どこに行こうと、私のヴァンガードを愛する気持ちは変わらない。この思いさえあれば大丈夫。それを思い出させてくれたのが、トコハちゃん、あなたなのよ」

 

「アカネさん・・・」

 

「スタンド&ドロー。・・・だからこそ、最高のファイトで、あなたにこたえる。ストライドジェネレーション!!朧の聖騎士ガブレード!!!」

 

朧の聖騎士ガブレード  PW26000  ハーツ『ナイト・オブ・グレートスピア』

 

「ナイト・オブ・フラグメントをナイト・オブ・グレートスピアに上書きコール!ナイト・オブ・フラグメントのスキル!グレード2のユニットが2体以上でパワープラス2000!さらにスキルを与えるわ!」

 

ナイト・オブ・フラグメント  PW9000

 

 フラグメント  ガブレード  フラグメント

シールドバッシュ   R   シールドバッシュ

 

「右のシールドバッシュのブースト、フラグメントでメイデン・オブ・グラジオラスにアタック!」

 

「ノーガード!」

 

「ガブレードでヴァンガードにアタック!」

 

「完全ガード!『メイデン・オブ・パッションフラワー』(コスト『メイデン・オブ・ディモルフォーセ(☆)』)」

 

「トリプルドライブ!『ナイト・オブ・ツインソード』『ぽーんがる』『ソウルセイバー・ドラゴン』左のシールドバッシュのブースト、フラグメントでヴァンガードにアタック!」

 

「ガード!『ファアリーライト・ドラゴン(治)』」

 

「ターンエンド。・・・強くなったわね、トコハちゃん」

 

PW19000➡PW9000

PW26000➡PW11000(完全ガード)

PW19000➡PW11000+SH10000=21000

 

トコハのターン、ドローする手が止まる。その表情も寂しげな顔だ。

 

「どうしたの?」

 

「・・・終わっちゃうんだなって。もっと、こんな楽しい時間が続けばいいのに。終わってなんて欲しくないのに・・・なのに・・・」

 

トコハの手をアカネの手が優しく包む。

 

「これは終わりじゃない。次への始まりよ。」

 

「アカネさん・・・。・・・わかった。これが私からのはなむけのファイト・・・受け取って!」

 

トコハはそう言ってアカネへの敬意を評し、全力でファイトで思いを込める。

 

「ジェネレーションゾーン・・・解放!!!!」

 

ジェネレーションゾーン  コスト『ベジタブルアバター・ドラゴン』

 

「今こそ咲き誇れ!!我が輝ける未来に!!ストライド・・・ジェネレーション!!!!」

 

イメージ内でその竜は自然を纏いて、その姿を現した。

 

「聖樹竜ジングルフラワードラゴン!!!」

 

聖樹竜ジングルフラワードラゴン  PW26000  ハーツ『ラナンキュラスの花乙女アーシャ』

 

「アーシャの超越(ストライド)スキル!ディアンを選択してディアンをスペリオルコール!さらにメイデン・オブ・グラジオラスをコール!ジングルフラワー・ドラゴンのスキル!Gゾーン裏のジングルフラワー・ドラゴンを表にしてGゾーン表のカードが2枚以上だからディアンを選択して、ディアンが1体につき全部のユニットにパワープラス2000!つまりはディアン3体分、全てのユニットにパワープラス6000!」

 

グラジオラス ジングルフラワー グラジオラス

 ディアン    ディアン    ディアン

 

「ディアンのブースト、ジングルフラワー・ドラゴンでヴァンガードにアタック!」

 

イメージ内でジングルフラワーはその手から桜の光線をグレートスピア(アカネ)に放つ。そして現実でアカネのダメージは6枚。トコハの勝ちだ。

 

「・・・勝った・・・。私が・・・アカネさんに・・・」

 

「・・・見事だった。受け取ったよ。あなたからの花」

 

「アカネさん・・・」

 

アカネはポケットから何かを取り出し、トコハに差し出した。タイムカプセルに入ってた手提げ袋だ。

 

「約束通り、これはあなたの物よ」

 

「・・・!これって・・・」

 

トコハは手提げ袋に入っていたものを取り出す。中身はなんとアカネが持っていた幼き思い出のメダルだった。メダルを見た瞬間トコハから涙が溢れ出ていた。

 

「どうしたの?勝ったんだから、胸を張りなさい」

 

「・・・はい!」

 

トコハは涙を流しながらも満面の笑みを浮かべていた。すると遠くから見ていたユイがトコハに近づき、抱きしめる。

 

「トコハちゃーーん!」

 

「わあ⁉ユッユイちゃん⁉」

 

「よかったねー!よかったねー!」

 

「わっわかったから離れてよ・・・てかどさくさに紛れてどこ触ってんの⁉」

 

トコハとユイがじゃれあう姿を見て、アカネはにっこり微笑んだ。するとアカネの肩をポンッと置いたのはサスケだった。

 

「お疲れ、姉ちゃん」

 

「ええ、ありがとう、サスケ」

 

 

こうして時間は過ぎていき、そして、とうとう別れの時がやってきた。

 

「ユイちゃん、これからもトコハちゃんと仲良くね」

 

「はい!任せてください!」

 

「それからサスケ、私が帰ってくるまで、私の部屋散らかさないでよ?」

 

「何で俺だけそれなんだよ⁉」

 

アカネはユイとサスケにそう言い、ユイは気合の入った声を出す。サスケはアカネの発言にツッコミを入れる。

 

「・・・お姉ちゃん!また・・・ファイトできるよね?」

 

「・・・ええ!きっと!」

 

トコハの問いに満面の笑みでそう答えるアカネ。その答えにトコハも満面の笑みを浮かべる。ユイもサスケも少し微笑んでいる。そして、飛行機は出発した。

 

 

飛行機の中にて、アカネはトコハの手提げ袋を開けてみる。中に入っていたのは子供の頃にトコハが作ったカードだ。そのカードには『さいきょうのかーど』とアカネの似顔絵だ。それを見てアカネは少し微笑んだ。

 

「?まだ何か入ってるわね」

 

さらに入っていたのは手紙と一枚のカードだった。手紙の内容は

 

『姉ちゃんへ あの時、姉ちゃんとトコハちゃんが家に帰った後、俺はこっそり掘り返してトコハちゃんのプレゼントと一緒に入れてみました。姉ちゃんがビックリするかと思って。俺、難しいこととかよくわかんないけど、これだけは未来の姉ちゃん言いたいです。俺は姉ちゃんの弟で本当によかったです。どんな時でも、変わらない姉ちゃんのままでいてください。 姉ちゃんの弟サスケより』

 

カードに描かれていたのはアカネの分身、ハイドッグブリーダー アカネであった。トコハのカード、サプライズのサスケの贈り物にアカネは微笑みながら涙を流す。

 

 

空港にて、トコハとユイは先にイベント会場に向かっている中、サスケはまだ空港にいた。海外に旅立ったであろう姉の乗った飛行機を見ているかのように空を見ていた。

 

「・・・いつか絶対に帰って来いよな、姉ちゃん」

 

サスケは少し涙を流しながら微笑み、そう呟いた。

 

 

ドラゴン・エンパイア支部、ちびっこヴァンガード大会は終わり、現在片づけに移っていた。

 

「ごめんね、兄さん」

 

「急に消えたからビックリしたよ。でもよかったな、間に合って」

 

「うん!」

 

「それでマモルさん、私たちがいない間イベントどうでした?」

 

「イベントは大成功だよ」

 

「「よかったー」」

 

トコハとユイは安心したのかそう言ったが水を差すかのようにクロノが口を挟む。

 

「よかったじゃねえよ。こっちは大変だったんだからな。それと佐倉は遅すぎなんだよ」

 

トコハとユイはクロノのに向かう。

 

「新導、ありがとう、自転車」

 

「お前が勝手に乗ってっただけだろ。いいから手伝えよ。佐倉はサボった分キッチリ手伝ってもらうからな」

 

「もう、わかってるよー。いこ、トコハちゃん!」

 

「うん!」

 

ユイはトコハに手を伸ばし、トコハはその手を掴む。そしてそのまま後片付けを始めるのであった。

 

to be continued…




ユイ「行っちゃいましたね、アカネさん」

サスケ「家も寂しくなるぜ。姉ちゃんには必要のことなのはわかってんだけどな」

ユイ「でもだからといってお仕事サボらないでくださいよ?サスケさんはうちの稼ぎ頭みたいなものですから!」

サスケ「っておい!それはユイちゃんのほうだろ?俺はこんなことじゃめげねえのは知ってんだろ?」

ユイ「一応ですよ一応。サスケさんは本当にアカネさんが大好きですからね~」ニヤニヤ

サスケ「この野郎・・・知っててそんなこと言いやがったな・・・」

TURN10「一条キョウヤ」
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