カードファイト!!ヴァンガードG 鋼と宇宙の正義   作:先導

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最近古いゲームにハマっています。古いゲームって、久しぶりにやってみると意外と面白いですよね。ちなみに今やっているのは伝説のスタフィーです。

それはそうと、2週間も待たせてしまい、本当に申し訳ございません!苦手故にか、ちょっと駆け足気味な感じになっちゃってます。

今回は学園祭の回となっております。読んでくれると嬉しいです。

それではどうぞ!


未来に向かって

ユイたちの通う学校の学園祭当日の土曜日の朝、ラミーラビリンスはいつもの練習場所で今日行う学園祭ライブの振り付けのチェックを行っていた。復活ライブも兼ねているからか3人の動きはいつも以上にキレがある。練習を終え、私服に着替える。

 

「今日はいつも以上にいい動きだったね、私たち!」

 

「ええ!今の私たちならライブの成功は間違いなしね!」

 

「これも、みんなが協力してくれたおかげ、なのかもね」

 

3人はライブに必要なものを全て入れ、変装用の帽子とメガネをかけて更衣室から出る。

 

「いい、2人とも?練習は本番のように、本番は練習のように、の気持ちでいくわよ!」

 

「うん!」

 

「わかってる」

 

「よし。じゃあ、そろそろ行きましょうか」

 

準備を終えた3人は荷物を持って、ユイたちの学校に向かうのであった。

 

 

 

TURN117「未来へ向かって」

 

 

 

一方その頃、学校はもうすっかり学園祭ムードという雰囲気を出している。生徒たちは各々の出し物の備品や小道具のチェックなどの最終チェックを行っている。ユイたちのクラスの生徒たちは男子は執事服、女子はメイド服姿で備品のチェックを行っている。

 

「みんなかわいい~」

 

「うんうん、これぞ執事&メイド喫茶の名に恥じない素晴らしい服装だね!」

 

「・・・それはいい。それはいいんだけど・・・何で私のカチューシャだけ猫耳ついてんのよ⁉」

 

トコハはそう言いながら文句を上げている。トコハの言う通り他の生徒には猫耳はついていなく、ついているのはトコハだけだ。

 

「・・・・・・」プィッ

 

「・・・」ムカッ

 

トコハから視線をそらすようにユイはそっぽを向き、それに対してトコハは猫耳カチューシャを取り入れたのはユイだと理解できた。

 

「あんたの仕業か!何してくれてんのよ⁉」

 

「わー!ごめん!猫耳それ1個しかなかったからどうせならトコハにって・・・」

 

「だからって私につけさせるっておかしいでしょ⁉私のカチューシャとユイのカチューシャ変えなさいよ!」

 

「えーやだよ!トコハに似合うと思ってるから渡したのに!」

 

「まぁまぁトコハちゃん、ユイちゃんも悪気があったわけじゃないんだし・・・」

 

「クミちゃん、ユイを甘やかしちゃダメ!こういう時こそビシッと言ってやんなきゃ!」

 

トコハとユイが言い合いしているところをクミがなだめる。そこに着替えが手間取ったのか遅れてクロノとシオンが入室してきた。

 

「わりぃ。遅れた」

 

「遅れてごめん。ちょっと着替えに手間取っちゃって」

 

「あ!クロノ!シオン!」

 

「あ、こら!逃げるな!」

 

「トコハちゃん、どうどう」

 

クロノとシオンが入ってきたのを確認したユイはトコハから逃げるように2人に近づく。

 

「2人とも結構様になってるじゃん!似合ってるよ!」

 

ユイは2人の執事姿に純粋な感想を述べ、クロノは少し照れくさそうに、シオンは新鮮味を感じている。

 

「お、おう・・・」

 

「ありがとう。何だか岩倉になっているようで新鮮な気分だよ」

 

「まぁ岩倉さんはいつもシオンの傍にいる執事さんだからねぇ」

 

「それはそうと、調理担当までこれ着せることあんのか?向こうでメニューの料理作るだけだろ?やることって」

 

クロノの疑問にユイが答える。

 

「調理しているところをお客さんに見られるわけだから調理担当も同じ服装じゃなきゃ意味ないでしょ?」

 

「いや、さすがにそこまでする必要は・・・」

 

「むー、いちいちうるさいなぁ。それ以上小言を言うなら今すぐにでも余ったメイド服を・・・」

 

「わかった!わかったからそれだけはやめろ!考えるだけでおぞましい!」

 

「不覚にもイメージしてしまってちょっと吐き気が出てきたよ・・・」

 

「おいバカ!イメージすんな!」

 

「いったい何の話をしてんのよ?それはそうとユイ、まだ話は終わってないわよ?」

 

「げっ、トコハまだ怒ってる・・・?」

 

ちょっとだけ会話を聞いていたトコハはユイに近づく。クロノとシオンはトコハの猫耳カチューシャに目を向ける。

 

「・・・お前なんだそれ?そういう趣味あんのか?」

 

「そんなわけないでしょ!ユイに嵌められたのよ!」

 

「ユイ、たしか去年の学園祭でも他の女子に同じようなことやってたよね?」

 

「サ、サァ、ナンノコトデショウ・・・?」

 

「すっげぇ白々しいなこいつ・・・」

 

誤魔化すように口笛を吹いているユイをジト目で見つめる3人。そうしている間に、学園祭開始の合図である校内放送が流れる。

 

『お待たせいたしました。ただいまより学園祭を開始いたします。学園にいる皆様は、生徒たちが用意した出し物にごゆっくりお楽しみください』

 

「さ、さあ!学園祭が始まったことだし、みんな力を合わせて学園祭を盛り上げよう!えい、えい、おー!!」

 

『おーーーー!!』

 

「逃げたな」

 

「逃げたね」

 

ユイは放送に乗じてクラス全員に声を上げ、3人のジト目から逃げた。

 

「ちょっと待って!もしかして私、これ付けてやれってこと⁉」

 

「まぁ、そういう事になるね。ユイは言ったら聞かないし」

 

「なんつーか・・・どんまい」

 

結局トコハはユイの所為によって猫耳カチューシャのままでやることになったのであった。

 

 

学園祭が始まり、学校内ではいろんな人が来ており、賑わいがすさまじかった。そんな中ユイたちのクラスの出し物、執事&メイド喫茶に来ているお客を生徒達が向かい入れられる。

 

「おかえりなさいませ、ご主人様!」

 

「空いている席にご案内いたします」

 

「どうぞゆっくりしていってください、ご主人様」

 

執事やメイドを見られてお客は少しデレデレしている。そんな中ユイは接客を行いながら生徒全員の様子を1人1人チェックしている。みんな問題なく仕事をこなしているが、1つだけ気になる点がある。

 

「クロノさ、調理にひたむきなのはいいんだけどさ、もうちょっと笑顔でいたら?お客さんも見てるわけだし、それに最近は自然に笑顔が増えてきたわけだしさ。ほら、試しに声を出して笑ってみなよ」

 

クロノが調理に集中しているせいかちょっと笑顔が出ていなかったことを指摘するユイ。指摘を受けたクロノは声を出し、笑顔で宣伝しようとするが・・・

 

「・・・い、いらっしゃいませ」

 

やっぱりというかぎこちない笑顔になっている。どうやらクロノは意識するとぎこちない笑顔になってしまうようだ。

 

「うわっ!あの時と同じ全然似合わない笑顔!ご、ごめん!無理難題だったね!私たちが頑張るから調理に集中して!」

 

ユイはそう言ってクロノから離れる。

 

「お待たせしました、お嬢様。こちら、当店の自慢の1品、サンドイッチです」

 

シオンは女性客と接客している。

 

「あ、ありがとう///」

 

「いいなー、私も接客されたいなー」

 

「私も!」

 

「こっち向いてー!」

 

女性客はシオンをうっとりとした表情で見つめていた。やはり今もシオンは女性には人気がある。

 

「むー・・・」

 

それを見ていたユイは気に入らなさそうな表情をしている。それを見ていたトコハとクミはニヤニヤとして表情で見ていた。

 

「恋の病とは恐ろしいですなぁ、トコハさん?」ニヤニヤ

 

「そうですねぇ。いやぁ、ユイさんから見れば妬ましいでしょうねぇ」ニヤニヤ

 

「うるさいなぁ!全部聞こえてるんだよ!この猫耳と、えーと・・・天然!」

 

「猫耳にさせたのはあんたの所為でしょうが!」

 

ユイとトコハはそのまま口喧嘩に発展していく。そうしている間に他の生徒が次に来たお客を出迎えている。そのお客は・・・

 

「いらっしゃいませ、お嬢様!」

 

「わあ、聞いた?お嬢様だって!初めて呼ばれたよ!」

 

「普段はこういった場所には来ないから、ちょっと新鮮な気分」

 

「そうね。外で食事する時はいつもファミレスかちょっとした店くらいだしね」

 

メガネと帽子で変装して正体を隠しているラミーラビリンスだった。それに気づいたユイとトコハは口喧嘩をやめ、視線を向ける。

 

「あっ!やっぱり来てくれたんだ!おーい、るー・・・」

 

「「「しーーー!!」」」

 

名前を言いそうになったユイを3人が止める。

 

(ここで名前呼ばないでよ!周りが大騒ぎになるでしょうが!)

 

(ご、ごめん・・・来てくれたのがうれしくてつい・・・)

 

「まったくもう、ユイは本当にしょうがないんだから・・・」

 

トコハはユイに呆れながらラミラビを空いている席に案内する。トコハはラミラビを案内し終える。ラミラビは料理を注文してからトコハとちょっとだけ会話をする。

 

「結構繁盛してるじゃない。みんな笑顔になってるのがわかる」

 

「今年最後の学園祭だからね。ユイだけじゃなくて、私たちも気合を入れなくちゃって思って、みんな一生懸命頑張ってるの」

 

「そうなんだ!じゃあ私たちも楽しまなくちゃだね!」

 

「そうね。きっとライブに影響が現れるでしょうからね」

 

ライブで思い出したかのようにトコハはライブ開始の時間枠を3人に聞いてみる。

 

「あ、そうだ!3人も体育館のステージでライブやるんでしょ?いつからなの?私たち、絶対に見に行くから!」

 

「ありがとうトコハ。私たちは飛び入り参加っていう事で時間帯は最後ってことになってるよ」

 

「そこで私たちはライブ成功させて復活して、本来の形に戻る。アイドルっていうあるべき原点に」

 

「今まで私たちがストライドゲートでしてきたことはとても許されるようなことではない。だから私たちはその原点に戻って、私たちにできることを何でもやる!今も眠ってる私の両親も、そう望んでると思うから」

 

「・・・そっか。がんばれ」

 

大きな一歩を踏み出そうとしているラミラビにトコハは笑みを浮かべて3人を応援する。ちょっと間が空いていると3人はトコハのカチューシャを見て少し笑ってしまう。

 

「・・・ぷっ。ね、ねぇトコハ、さっきから気になってたんだけど・・・その猫耳何?似合ってて笑うんだけど・・・」

 

「こ、これは・・・」

 

「ふふ・・・みなまで言わなくていいわ。どうせユイのいたずらでしょ?そんなことするのこの中でユイだけだろうし」

 

「でも、かわいくてとても似合ってるよ、トコハ!」

 

「はは・・・ありがとう・・・」

 

ユイのいたずらでつけてるゆえか似合ってるといわれてちょっと複雑な心情を抱くトコハ。

 

「トコハちゃーん、ちょっとこっち手伝ってー!」

 

「う、うん!今行く!じゃあ私、そろそろ・・・」

 

「ええ。喫茶店、がんばってね」

 

トコハはクミに呼ばれてその場を後にする。そこにシオンがラミラビが注文した料理を持ってきて、3人の机に置く。

 

「お待たせしました。ご注文のサンドイッチでございます。それからこれは・・・当店のオーナーメイドからのサービスでございます」

 

「「「ぶっ!!?」」」

 

サービスに置かれた1個のジュース自体はいたって普通だ。問題は1つのコップに不格好だがストローを3つ組み合わせてハート型になってのだ。それを見た3人は吹き出す。こんなことをする人物は1人しかいない。

 

「「「こらー!ユイ!」」」

 

「てへぺろ♪」

 

当の本人は特に悪びれた様子はなく、ちょこっと舌を出していた。

 

「はぁ、まったくもう・・・」

 

「それはそうと、シオンさんあまり必要以上のことしゃべらなかったね」

 

「見定めてるんでしょ?私たち・・・ていうかアムをね。アムは私たちよりもやらかしたから仕方ないことなんだけど」

 

「ユキノ、それは・・・」

 

「ルーナ、いいの。本当のことだから。だからこそ、今回のライブは成功させたい。明日に向かって、ちゃんと前を向いているんだって理解してもらうために」

 

「アム・・・」

 

アムの決断を込めた表情を見てルーナとユキノは笑みを浮かべる。

 

「・・・じゃあ、サンドイッチ、食べちゃいましょうか」

 

「そうね」

 

「いただきまーす」

 

3人はサンドイッチを1個ずつ持ち、同時に一口を口の中に入れる。

 

「んー、おいしい!」

 

「確かにおいしいんだけど、これ作ってるのって向こうにいるクロノさんよね?なんだかねぇ・・・」

 

「ユキノ、自分の料理に自信を持ってるから、これほどおいしい料理を出されて複雑な気分を抱いてるでしょうね」

 

「そりゃ、ヴァンガードでもそうだけど、料理でも負けたくないし・・・」

 

「でも私は、ユキノの出す料理が1番好き!」

 

「そうね。なんだかんだ言って私たちにとってはユキノが作った手料理が1番のごちそうだしね。また食べたくなってきたな」

 

「アム・・・ルーナ・・・」

 

ユキノは大好きな親友2人にそう言ってもらえて内心とても喜んでいる。

 

「そんなに褒めたってなにも出てこないわよ?まぁ、何か希望があるなら、作ってあげないこともないけど・・・」

 

「とか言って、照れてるくせに」

 

「ユキノは意外と照れ屋さんだからね~」

 

「て、照れてないわよ!!」

 

アムとルーナはこのやり取りで笑いあい、ユキノは照れた表情をしながら笑っていった。

 

 

ラミラビが喫茶店から出た後、喫茶店のちょっとしたイベントをやり、イベント終了後、お客は満足げな表情で他のクラスの出し物を見に喫茶店から出ていく。朝は嘘でもかというくらいの忙しさであったが今は客足はだいぶ落ち着いて安定している。

 

「だいぶ客足が落ち着いてきたわね」

 

「うちでやる企画も出し尽くしたし、そろそろ休憩に入るにはちょうどいいんじゃないかな?」

 

「もうそんな時間か。時間が経つのは早いね。おーい、クロノ、クミちゃん、そろそろ休憩に入ろうよ」

 

「おう、わかった」

 

ちょうどいい時間帯になるので4人は休憩に入ろうとするが、クミはまだ作業をしている。

 

「ごめん、どうしてもやっておかなくちゃいけない仕事が残ってるから、みんな先に着替えてて」

 

「クミちゃん、私も手伝うよ。人手が多い方が早く終わるでしょ?」

 

「トコハちゃん、ありがと~」

 

「じゃあ私も手伝うよ。そういう訳だからクロノ、シオン、先に着替えててよ」

 

「わかった。じゃあ更衣室で着替えて待ってるね」

 

「あんまし遅れんなよ?せっかくの休憩時間が減っちまうからな」

 

トコハとユイはクミの作業を手伝うために教室に残り、クロノとシオンは制服に着替えるために教室から出て更衣室に向かうのであった。

 

 

少し時間が経ち、更衣室で制服に着替えたクロノとシオン、手伝いを終えて遅れて更衣室で制服に着替えたトコハ、ユイ、クミの5人は休憩時間を使って学校の学園祭を見て回っている。ちなみに5人の受け持っていた作業は午前中に組んでいるため、午後の作業は片付けだけとなっている。5人は他所のクラス出している食べ物を食べたり、射的などをして遊んだりと、学園祭を満喫している。かなり時間が経ち、廊下を歩いていると、学校に来ている人々はこのような会話が聞こえてくる。

 

「ラミラビの復活ライブ、もうすぐだったよな?すげぇ楽しみなんだけど!」

 

「学校で復活ライブをするなんて、なかなかないよね」

 

「でもここの学校って、ラミラビは通ってないよね。何でうちでやるの?」

 

「体育館のステージで演劇やってる友達から聞いたんだけど、うちらの校長からわざわざ許可をもらったんだってさ」

 

「うちらの校長って本当お人好しよね。ま、そのおかげでライブ見れてラッキーだけど」

 

ほとんどの人々は今ラミラビの話題で持ち切りだ。

 

「ここにいる人たち、みんなラミラビの話ばっかりだね」

 

「うちの学校にも、ラミラビの大ファンの子は少なくないしね」

 

「大人も子供もみんなラミラビ目的で来てるから、アンのポスターが効果覿面だね!」

 

そんな会話をしながら歩いていると・・・

 

『何?自分も欲しいから最後の品は譲れない、だと?貴様それでも商売人か!!商売人なら誇りをもって苦渋ながらも最後の品も売れ!!』

 

何やら聞き覚えのある声が聞こえてきた。その人物の声に聞き覚えがあり、その人物の性格を知っているトライフォーはまさかといった表情をしている。

 

「さっきの声・・・ここから聞こえてきたよな・・・」

 

「まさかとは思うけど・・・」

 

5人が目を向けたのはアイドルショップ店だ。5人がその店に入ると・・・

 

「ええい!わからん奴だ!そもそもアイドルグッズを売る商売人というのはなぁ・・・」

 

案の定というかケイスケがそこにいて、店番の人とかなりもめている。ケイスケの場所から遠い場所にかなり疲れている表情をしているアンとマサトがいた。

 

「さっきのまさかとは思ってたけど、やっぱりこいつか」

 

「・・・お、お前ら・・・。よう・・・遊びに来たぜ・・・はぁ・・・」

 

「はは・・・おじゃましてます・・・」

 

アンとマサトは疲れながらも5人に挨拶をする。ちなみにケイスケは店番とまだ討論しているので全く気付いていない。

 

「マサトたちもラミラビのライブを見に?」

 

「はい。せっかくラミラビがライブをやるんです。見ないわけにはいきませんので」

 

「あ、ちなみ、俺ら以外にトリドラも来てるぜ。どうせラミラビ目的だろうけどな」

 

「あいつらもか・・・」

 

この学校にトリニティドラゴンの3人も来ていることを聞いたクロノは少し苦笑いを浮かべる。

 

「アン、どう楽しんでる?あ、私たちがやってるメイド喫茶もう行った?」

 

「な、なんてことを言うんですか⁉あんな破廉恥な格好をする人たちのところには絶対行きません!たとえユイちゃんのクラスの出し物であろうとも!」

 

「何で?全然破廉恥じゃねぇじゃん。むしろかわいらしぃじゃんか」

 

「それは男子としての意見です!ユイちゃんもよくそんな破廉恥な格好をして接客できましたね・・・」

 

「あー、アン、メイドの服装が苦手なの忘れてた・・・」

 

「あの慌てっぷり、相当だもんね・・・」

 

「なんか、もったいないな・・・」

 

メイドという単語にアンは顔を赤くして慌てている。本人曰く、メイドの格好はあまりにも恥ずかしいとのことだ。

 

「それにしても、アンやケイスケはともかく、マサトも彼女たちのライブに来るなんて意外だね。アイドルあんまり興味ないんじゃあ・・・」

 

「バ、バカ!今その単語出すな!ケイスケに怒られるぞマジで!」

 

失言を放ったシオンはしまったと口を抑え、一同はケイスケの方を見る。未だに討論を続けており、幸いにも聞こえていなかったようで一同はホッとした。

 

「んー、まぁそうなんだけどよ、アンやケイスケが来てんのに俺だけ除け者ってなんか嫌じゃねぇか」

 

それにと言ってマサトはさらに口を開く。

 

「俺たち、別々の高校に進学するから、メガラニカに行く機会が多分めっきりと減ると思うんでな。だったら今のうちに思い出作っとけって感じだな」

 

「マサト、お前・・・」

 

そう言っているマサトの表情はどことなく寂しげを感じさせるような笑みを浮かべている。高校に入ればチームとして集まる機会があまりなくるなる。そういう意味ではトライフォーとよく似ていたので、クロノはマサトの言葉に少しだけ思うところはあった。

 

「・・・と、しんみりする話は俺らしくなかったな!すまん、今の忘れてくれや!」

 

すぐにいつも通りの笑みを浮かべる。トライフォーにも思うところはあったが何も言わないことにする。

 

「んなことより、もうそろそろじゃねぇの、ライブの時間って?」

 

「何⁉ライブの時間だと⁉」

 

マサトの言葉にずっと討論していたケイスケは反応する。時計を見てみると残り15分後に始まりそうな時間帯だった。

 

「くっ、俺としたことが討論に夢中になってライブの時間を忘れるとは!だが、今からでも間に合うはずだ!行くぞ、アン、マサト!俺についてこい!!」

 

「おい!ついてこいってお前、俺らの腕を掴みながら走ってんじゃねぇかよ!!」

 

「ケイスケ君、待ってください!走らなくても間に合いますから落ち着いて!」

 

ケイスケは一大事と言わんばかりに焦りだし、マサトとアンを引っ張りながらライブ会場である体育館に走って向かっていった。

 

「和泉君って、意外とおかしな人だったんだね~」

 

「まぁ、普段のあいつを見てれば、そう思うのは無理ねぇよ・・・」

 

5人の中で唯一ケイスケのあの病気みたいなのを知らないクミは一言そう言い、それに4人は苦笑いする。

 

「ていうか、もうそんな時間なんだ。時間が経つの早いわね」

 

「そんじゃまぁ、時間も時間だし、そろそろいこっか」

 

「・・・ああ、そうするとしようか」

 

5人もライブ会場である体育館に歩きながら向かうのであった。

 

 

ライブ開始まであと5分になった頃、5人は体育館についたが、観客が多くて座る場所が1つもなかった。5人はとりあえずステージがよく見える場所を探してちょうどいい場所が見つかったので立って見ることにした。そしてライブ開始の時間になった時、体育館の電気が消え、ステージの方にスポットライトが当てられる。そこに立っていたのは、ライブのメインであるラミーラビリンスだ。

 

「皆さん!お久しぶりです!」

 

「私たちを知らないという方は初めまして!」

 

「私たちは、普及協会公式イメージキャラクター」

 

「「「ラミーラビリンスです!」」」

 

『うおおおおおおおお!!』

 

ラミーラビリンスの登場により、観客は全員歓声を上げる。

 

「夢見る気まぐれバタフライ、蝶野アム!」

 

「神秘の恵みは雪の結晶、水城ユキノ!」

 

「月の光は私の魔法、弓月ルーナ!」

 

「「「今日は、学校側から許可をいただき、この学園祭ステージの最後を締めくくらせていただきます!」」」

 

「ルーナちゃーん!!」

 

「アムちゃーん!!」

 

「ユキノちゃーん!!」

 

観客の歓声が大きくなっていく。

 

「1曲目に入る前に、皆さん、数か月も活動を停止して、迷惑をかけてごめんなさい!」

 

「皆さんに多大な迷惑をかけたにも関わらず、こんなにたくさんの人たちが来てくれて、感謝の気持ちでいっぱいです!」

 

「迷惑をかけてきた分、皆さんの期待に応えて、全力で歌います!」

 

3人の表情は今までにないくらい真剣で、前に進んでいこうという強い思いを込めた笑みを浮かべていた。

 

「・・・どうやらいらぬ心配だったみたいだね」

 

シオンは誰にも聞こえないような小さい声でそう呟いた。

 

「それでは、そろそろ1曲目から始めます!」

 

「まず初めの曲は、私たちのデビュー曲です!」

 

「皆さん、最後までお楽しみください!」

 

ラミーラビリンスのライブが始まり、3人は歌と踊りを披露する。1曲と2曲目をつなげて歌っているため、観客の歓声が最高潮まで上がっていくのであった。

 

 

ライブで1曲目と2曲目を終えた後、5分間の休憩時間が入る。ステージの裏側でラミラビは最後に歌う新曲のため、新衣装を着替えている。着替え終えたラミラビはステージ裏で控えている。

 

「いよいよだね。新衣装と新曲のお披露目」

 

「そうね。新曲も全力でいくわよ!」

 

「・・・そろそろ時間よ。ステージに立ちましょう」

 

休憩時間が終わり、ラミラビはステージの表に立つ。

 

『うおおおおお!新衣装だーーー!!』

 

観客はラミラビの新衣装を見て興奮して歓声を大きく出していく。

 

「さて、皆さん、これから歌う曲は私たちの新しい曲なんですが・・・」

 

「その前に、私たちのパートナー・・・蝶野アムから話したいことがあります」

 

ルーナとユキノが背中を押し、アムは前に立ち、観客に語る。

 

「・・・皆さん、数か月前、私は大切な人のため、ある過ちを犯してしまいました。その過ちによって、私の大切な人と同じくらい大事な人たちを失いかけたことがあります。当時の私は、愚かで、浅はかで、自分のことしか考えていませんでした」

 

アムの語りを観客は静かに固唾を飲んで聞いていた。

 

「でも、大事な人たちのおかげで、気づけたんです。どんなに苦しくても、どんなに悲しくても、明日に向かって、前に進んでいけば、自ずと道は開けると!仲間が支えてくれて、一緒に悩んだり、励まし合って、初めて光が見えて照らし出された!私が皆さんに言いたいのは、明日という名の未来に向かって、明るく、まっすぐな気持ちで、今を生きてください!それが、大事な友達から教えてくれたことです。私からは以上です」

 

アムの語りに会場は静かになったが、間がいた時、観客は拍手をする。

 

「明日という名の未来に向かうために、私たちから新曲を皆さんにお届けします!」

 

「それでは、最後の1曲を、聞いてください!」

 

ラミラビは最後の1曲の新曲の歌と踊りを披露する。観客がライブに夢中になっている間、トライフォーは少しだけ話をする。

 

「明日という未来に向かって・・・か。昔の彼女からは聞けそうにない言葉が出てくるとは思わなかったよ」

 

「アムもいい方向に変わっていっているからね」

 

「私は最初からもう間違えないことはないって思ってたけどね!」

 

「調子いいこと言うなって」

 

トライフォーはライブを見ながら笑みを浮かべている。

 

「なぁ、学園祭が終わったら、ファイトしようぜ。やっぱ締めと言ったらこれだと思うからよ」

 

「お、いいね!ファイトの場所はどこでやる?」

 

「ユイの家はどうだい?あそこが1番安定してると思うからね」

 

「私の家?でもいつでもウェルカム!遠慮なく来ていいよ!」

 

トライフォーは学園祭が終わった後、ユイの家でファイトをしようという約束をしながらライブを見るのであった。こうしてラミラビの学園祭ライブは大成功に収めたのであった。

 

 

夜になったとある屋敷のとある部屋、銀髪の髪に両手の片方だけ手袋をつけた青年は自身のデッキを組みながら呟いている。

 

「・・・そろそろ準備に取り掛かるするか」

 

青年は部屋から出ていき、空に浮かんでいる満月を見る。

 

「さぁ、始めるとしよう。我が使命を果たすために・・・」

 

青年は月を見ながら笑みを浮かべて、静かにそう口にしたのであった。

 

to be continued…




次回・・・NEXTストーリー突入。

TURN118「Welcome to the NEXTSTAGE!!」
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