カードファイト!!ヴァンガードG 鋼と宇宙の正義   作:先導

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花粉が辛すぎてマジやばいです・・・。そろそろ目が本格的にかゆくなってきました。あ、今もかゆくなって・・・ああ、かゆい!

こ、今回はディフライダーの秘密が明らかになる回です。

それではどうぞ!・・・ほんとかゆい!


異世界からの憑依者(ディフライダー)

とある財閥家が所有している屋敷の1室、メトロノームの鳴り響いていた。メトロノームの音に合わせ、髪で片目が隠れている薄緑の長髪の青年がピアノを奏でている。

 

「ノーム様」

 

青年は奏でていたピアノを止める。部屋に屋敷の使用人のメイドが入ってくる。

 

「間もなく、ご来客のお時間でございます」

 

「ああ・・・もうそんな時間か」

 

青年はピアノの椅子から立ち、屋敷の窓の外を見つめる。

 

「運命が動き出すな、ようやく」

 

この青年こそが、この屋敷の主にして、立凪財閥の現当主、立凪ノームである。

 

 

 

TURN175「異世界からの憑依者(ディフライダー)

 

 

 

伊吹は夢を見ていた。地球と惑星クレイのが見える宇宙空間の夢を。

 

『こ、ここは・・・』

 

何事かと思っていると、伊吹の前には神々しき大きな存在がいた。その存在は伊吹にとってよく知っている姿だ。

 

『ハーモニクス・・・メサイア・・・』

 

その存在は調和と再生を司る神、救世主とも呼ばれる存在、ハーモニクス・メサイアだった。伊吹が驚いていると、惑星クレイからいくつもの青い輝きが地球へと繋がっていく。

 

『あれは・・・』

 

『彼らは、我らが庇護せん魂たち。祈りと絆に結ばれし、先導者たちの元へ旅する冒険者たち』

 

『旅する・・・惑星クレイから・・・?』

 

『されどただ1つ・・・我が目に隠れ、彼の地へ渡りし魂がある。我が先導者たちよ、心せよ。我が目を逃れし、邪悪なる魂に』

 

 

「・・・ぶき君?伊吹君!」

 

「おい伊吹。起きろ」

 

「!!」

 

伊吹が目を覚ますとそこは本部長室。伊吹が顔を起こすと、そこにはマモルとキョウヤがいた。

 

「ずいぶんうなされていたが・・・大丈夫か?」

 

「・・・あ、ああ・・・」

 

起きた伊吹は慌てて平常心を装う。

 

「開会式の段取りとファーストステージのレギュレーション、だいたいまとまったからチェックお願いできるかな?」

 

「すまない、わざわざこっちから呼びつけたのに、居眠りなど・・・」

 

「それは構わないのだけれど・・・ちゃんと寝てる?」

 

「その言葉、そっくりそのまま帰ってくるな」

 

「はは、確かにね」

 

「!!」

 

伊吹は机にあった前回優勝者である鬼丸カズミの写真を見て、何か驚いた表情になる。というのも、穏やかな笑みの後ろで、邪悪な存在の胎動を感じ取ったのだから。これが、U20(アンダートゥエンティ)が始まる前の出来事だった。

 

 

「はぁ⁉夢⁉マジ⁉U20(アンダートゥエンティ)の脅威って、お前の夢とただの勘⁉」

 

立凪財閥の屋敷に車で移動している中、伊吹は夢で見たことを一同に話す。一部笑っている者もいるが、クロノは当然の反応を示す。

 

「ちょっ・・・ちょ、お前!ただの夢にこんな!アイチさんやカズヤさんやカムイさん、櫂さんやリンさんを引っ張り出しておいて!」

 

「なら降りろ。今すぐ」

 

「いやあ・・・だってねぇ・・・」

 

クロノはアイチに同意を求めて視線を向ける。

 

「うん・・・確かに、夢は夢なんだけどね。気になるでしょ?」

 

「そりゃ・・・でも夢っすよ?」

 

「僕もね、何度かあったんだ。そういうの」

 

「えっ⁉」

 

まさかのアイチも同じ経験をしてたとは思わなかったクロノは驚愕の表情になる。

 

「そ、そうなんですか・・・?アイチさんがそう言うなら・・・」

 

「お前だってやばい気配感じたんだろ?星崎ノアのファイトの時、それから、ユイちゃんの相手、黒峰イツキのあの雰囲気」

 

「うっ・・・」

 

実際に本当に不穏な空気を感じたことがあるため、反論できないクロノ。

 

「ただの夢ならそれでいい。万が一そうでなかった時のために、手を打っておくんだ」

 

「その立凪なんとかって奴に聞けば、わかるのか?」

 

伊吹はこれから会う人物、立凪ノームの説明をする。

 

「立凪ノーム。立凪財閥の総帥だ。立凪家は先代の時にゴタゴタがあってな。今年になってようやく、先代の兄であるノームが総帥につくことになり、一族の宿命も引き継がれた」

 

「宿命?」

 

「惑星クレイとこの世界、2つの世界を繋ぐ運命の力。その観測者としての役目を立凪の当主は代々務めてきたという話だ」

 

 

立凪財閥の屋敷の前で車を止め、一同は屋敷の中へと入っていく。

 

「シオンとこみてぇ」

 

「立凪はアジアでも有数の巨大財閥だからな」

 

一同は立凪家のメイドのものにノームのいる部屋してもらい、その部屋に入っていく。

 

「ノーム様。お見えになられました」

 

パンッ!

 

クラッカーの音に一同はクラッカーの音の発生元に視線を向ける。そこには立凪ノームが笑顔で出迎えていた。

 

「ようこそ、僕の観測室へ。オールスター勢揃いだねぇ。メサイアの先導者に祈り聞く者たちと、その盟友たち。そして・・・ギアクロニクルの特異点」

 

「!!」

 

自分を特異点と呼ばれることに驚きを隠せないクロノ。

 

パチンッ!

 

ノームが指を鳴らすと、部屋の電気が消え、窓のシャッターが下ろされ、扉までも閉じられてしまう。そして、プロジェクターなる装置が現れ、光りだすとあっという間に部屋は宇宙空間のようになった。

 

「さあ、質問をどうぞ。僕が知る限りのことは何でも答えよう」

 

 

ドラゴンエンパイア支部のファイトコーナー、ストライダーズのカズマとタイヨウはどういう訳かトリニティドラゴンに捕まり、特訓のファイトを行っている。

 

「ヴァンガードにアタック!」

 

ツネトは枢機の征討神カムスサノオでカズマの覚醒を待つ竜(ドラグハート)ルアードに攻撃をする。

 

「さすがツネトさん!ナイスアタックです!」

 

「今日は徹底的にお前らを鍛え直してやるぜ!俺たち、トリニティドラゴンがな!1番負けた奴はラーメンおごり、それが今日のルールだ」

 

「えぇ?」

 

「僕、湯麵大盛り!」

 

「僕味噌ラーメンがいいでーす!」

 

「たく・・・面倒なのに捕まっちまったぜ・・・」

 

「ラーメンはともかく、サードステージに向けて、これもいい練習になりますから」

 

平常運転ともいえるトリニティドラゴンにカズマは呆れ、タイヨウがなだめる。

 

「お前らは俺たちに勝って、U20(アンダートゥエンティ)に出場してるんだからな!情けないファイトだけは絶対に許さないぜ!」

 

ツネトの言葉にタイヨウとカズマに大きくのし上がる。

 

(クロノさんを支えたい・・・僕たち3人で未来を掴みたい。それが今の僕の目標。でもそれだけじゃない。U20(アンダートゥエンティ)を実際に戦ってみて、もっと試したくなった。僕の力がどこまで通用するのか、どこまで強くなれるのか。今の自分を超えて、その先へ!)

 

(セカンドステージも顔も見ずに終わっちまったが、次のステージではきっと来る!やってやるさ!俺だっていつまでも、あの時の俺じゃねぇ!!)

 

ファイトを進めていくうちに、カルがクロノがいないことに気付く。

 

「そういや、クロノはどうしたんです?」

 

「今日は用事があるとかで・・・」

 

「何ぃ⁉サードステージ前にたるんでるなぁ・・・。よし!次に会ったらあいつがラーメンおごりだ!」

 

この光景を遠くで見ていたドリームハーツ。

 

「・・・あのさ」

 

「なんですか?すごく嫌な予感がするのですが・・・」

 

「おごりでラーメン食べたい」

 

「あぁ、やっぱりですか・・・」

 

アリスの一声でアンは少し呆れていた。

 

「じゃあだいぶ遅くなったけど、お昼にしようか。私の叔母さん、実はラーメン屋さんでアルバイトをしててね、叔母さんに頼んでおごってもらおうよ」

 

「マジで⁉太っ腹じゃん!」

 

「あのスバルさんが快くおごってくれるなんて到底思えないんですけど・・・」

 

「その時は私がおごるよ。ドリームハーツ2回目の壮行会としてさ」

 

「ラーメン、ラーメン♪」

 

ドリームハーツは一同の邪魔にならず、ばれないようにドラエン支部を出て、ラーメン屋に向かう。

 

 

立凪財閥の屋敷の観測室、伊吹はこれまでに起きた出来事と夢で見た内容をノームに説明をする。

 

「・・・以上が、だいたいの状況だ」

 

「惑星クレイからこの世界に訪れる魂たち・・・なるほどね」

 

状況を理解したノームは現実に起こっている状況の名を口にする。

 

「ディファレントワールドライダー、通称、ディフライダー」

 

『!!』

 

「君の見た夢は今起きている現実そのものだよ、伊吹コウジ。惑星クレイから時空を超えて、この世界を旅するユニットたちが存在しているのも事実だ」

 

ノームはディファレントワールドライダーが起こった原因を説明する。

 

「1年ほど前、2つの世界の間にストライドゲートと呼ばれる時空の通路が穿たれる事態が発生した。君たちも当事者だったから当然知っているね?」

 

ストライドゲートは明神リューズ率いるカンパニーが引き起こし、それを止めた者たちが自分たちのため、ここにいる全員知っている。

 

「君たちの活躍でゲートは消滅した。しかし、1度生じた時空の歪みはそう簡単には戻らない。2つの世界は今、かつてないほどに近くなっている。強くイメージを繋げれば、惑星クレイのユニットたちがこちらの人間の肉体に乗り移る・・・すなわち、ディフライドできてしまうほどに」

 

惑星クレイのユニットが自分たちに乗り移っている・・・チームディフライダーはそれにあてはまるだろう。ノームはディフライドの発生条件を説明する。

 

「イメージの絆・・・君たちが時に分身と呼びならわす強い縁のあるユニットとファイターと共鳴した時のみ、それは起こる。ユニットが時空を超えて、ファイターが呼びかけ、そのファイターが応じれば、ディフライドが発生し、彼らは1つとなる」

 

ノームはディフライドの例として、クロノ、カズヤ、アイチの分身ユニットを述べる。

 

「例えば君なら、クロノジェット・ドラゴン、君なら、破壊竜ダークレックス、君ならブラスター・ブレード以外はディフライドできないって具合さ」

 

「何が目的ですか?」

 

「ん?」

 

「何故クレイのユニットたちが私たちの体を借りてまでこの地に降り立つのですか?」

 

リンの疑問にノームは笑って答える。

 

「さあ?僕は観測者だ。起きてる事象は見てても、彼らの心の中までは覗けない」

 

「・・・っ」

 

「まぁ、多くは心配するようなものではなさそうだけどね。例えば純粋な好奇心、未知なる世界への冒険心」

 

「観光旅行でもしてるってのかぁ?」

 

「ああー、あるかもね」

 

「っ・・・!」

 

ノームの返答にリンもカムイも苛立ちを覚える。

 

「ただし、例外はどこにでもある」

 

「・・・鬼丸カズミ!」

 

「ご明察」

 

ようやく本題に入り、ディフライドの例外を語る。

 

「彼の分身たるユニット、忍竜シラヌイは本人の同意なくディフライドを果たし、鬼丸カズミに成り代わった。そこに鬼丸カズミの意思はない。今の彼は、姿だけ鬼丸の形をしたシラヌイそのものだ」

 

今のカズミが姿だけが鬼丸で、中身は惑星クレイのユニット、忍竜シラヌイと知り、一同は息をのむが、クロノは驚愕の表情になる。

 

「惑星クレイに生きるおよそ全てのユニットたちは創世神たるメサイアの加護を受けている。それは時空を超えてディフライドする旅の中でも同じこと。けれどシラヌイはその加護を断ち切り、何らかの手段を弄してディフライドを果たした」

 

「・・・・・・」

 

「そして先日、シラヌイの手引きによりもう1つ、邪悪なる魂がこの世界のファイターにディフライドした。星輝兵(スターベイダー)カオスブレイカー・ドラゴン。星崎ノアが愛用していたユニットだ」

 

「!!」

 

ノアがカオスブレイカー・ドラゴンにディフライドしていれば、今までのノアの不可解な言動や振る舞いにかなりつじつまが合う。今のノアは、姿がノアの形をしたカオスブレイカー・ドラゴンとなっているのだから。その事実にクロノは驚愕している。

 

「カオスブレイカー・・・」

 

カオスブレイカーに何らかの因縁を持っている櫂は拳を強く握りしめる。

 

「では黒峰イツキはどうなのですか?あの様子からして、彼もディフライドされているのは明らかです」

 

「ふむ・・・それを話す前に、新導クロノ、君は遊星ブラントを知っているかい?」

 

『!!』

 

「遊星・・・ブラント・・・?」

 

遊星ブラントの話が出て、一同は驚愕の表情になるが、遊星ブラントの存在を知らないクロノはキョトンとなる。

 

「かつて、惑星クレイを滅ぼそうとした異形なる存在、根絶者(デリーター)が住まう星だ。不思議なことに根絶者(デリーター)も、ヴァンガードと繋がっている」

 

「・・・そのブラントとディフライドと、何か関係あるのか・・・?」

 

「普通なら関係はないね。なにせ根絶者(デリーター)はクレイとは無縁な存在であり、メサイアの加護も持っていないどころか、ディフライドの存在も知らない。しかし・・・根絶者(デリーター)の1体はどこからかディフライドの存在を知り、メサイアの目を隠れてクレイに潜み、カオスブレイカーの手引きによって、同じくこの世界のファイターにディフライドを果たした。今のファイターで愛用しているのは、黒峰イツキくらいだろう」

 

「!!!」

 

イツキまでも悪しきユニットにディフライドされていることにクロノは顔を俯かせる。

 

根絶者(デリーター)・・・」

 

「伊吹・・・」

 

「心中ご察しいたします・・・」

 

伊吹はその事実に拳に力を込めている。

 

「そんな連中が観光旅行なんかするわけねぇ!何を企んでるんだ?鬼丸とチーム組んでる奴らも仲間なのかよ⁉」

 

カムイの問いにノームは何も答えず、ただ笑みを浮かべるだけ。まるで他人事みたいに。

 

「・・・なんなんだよあんた⁉さっきからまるで他人事みてぇに!そんな大事なことわかってんなら、早く教えてくれれば・・・!」

 

「聞きに来れば教えたよ。君たちにも、鬼丸カズミにも誰にでも」

 

「っ・・・!」

 

「僕はね、観測者なんだ。誰の味方でもない、誰の敵にもならない、何もしないのが僕の役割。2つの世界を巡る運命の力・・・宇宙の真理・・・あまりに大きすぎて、僕たち矮小な存在では認識すらできない。物理法則にも似た、絶対的な力。ヴァンガードとは、その力を僕たちでも理解可能な次元へ移し、イメージによって真理と運命へ干渉できるように変換したもの・・・」

 

ノームはアイチとカズヤに視線を向ける。

 

「先導アイチ、橘カズヤ、君たちはその類まれなるイメージによって、ヴァンガードを通じ、ユニットたちの祈りを聞き、運命を導く力を持つ者・・・そして新導クロノ」

 

ノームは今度はクロノに視線を向ける。

 

「君自身には特別な力は何もない。けれど、ユニットたちと育んだ絆によって、特異点となりえた存在。僕たち立凪はコンサートマスター・・・運命を奏でる君たちに、その導となる、(アー)の音を伝える、それだけが使命。先代の当主・・・弟はそれに甘んずることができなかった」

 

ノームの脳裏に浮かんだのは、今どこにいるかもわからない弟の存在の背中だった。

 

「彼はとても能力が高く、そして優しすぎた。それがために、結果としてより大きな混乱をこの世界に招いた。運命を変えることができるのは、君たちヴァンガードファイターだけだ。ディフライダーたちの目的が知りたいのなら、自分で突き止めるしかない」

 

ノームはU20(アンダートゥエンティ)でサードステージに勝ち進んだチーム表を映し出す。

 

「とりあえず、サードステージに出るファイターたちとファイターたちと縁あるユニットたちには、邪悪な影は感じられないね。今後のU20(アンダートゥエンティ)では、星崎ノアや黒峰イツキのような事態には、まず起こらないとみていい」

 

「そうか・・・」

 

「けれど、シラヌイたちがなぜU20(アンダートゥエンティ)に出場したのか、そこに何かの意図がないとも考えにくい。この先へ進む気があるのなら、どうか気をつけて」

 

ノームが指を鳴らすと、宇宙空間は消え、元の観測室に戻る。

 

 

立凪財閥の屋敷を出た後、一同は車である程度の道まで進み、途中までたどり着くともう夕方ごろだ。クロノと伊吹は途中で降り、アイチたちとそこで別れる。

 

「今日はありがとうございました」

 

「僕もクロノ君に会えてうれしかったよ。サードステージ、がんばってね」

 

「はい!」

 

アイチたち一同は車でカードキャピタル1号店のある町まで車で向かう。クロノと伊吹はここからの帰り道を歩いていく。

 

「・・・あんたがどうして、俺たちに鬼丸のことを黙ってたのかわかったよ」

 

「サードステージ以降のレギュレーションは鬼丸の件が気付く前に決定したものを使う。一切変更はしない」

 

「そこで鬼丸たちが何をしようとしてんのか調べろってか?」

 

「いや・・・必要なときには遠慮なく力を借りる。それまでは・・・今まで通り、お前たちのヴァンガードをしていろ」

 

「・・・・・・」

 

「まずは決勝戦まで生き残れ。サードステージは楽じゃないぞ?」

 

伊吹はそれを言い残して、その場を去っていく。クロノはカードキャピタル2号店まで向かう事にする。

 

 

車で移動しているカードキャピタル1号店組はアイチの家まで向かっている。

 

「結局、めぼしい情報はあんまなかったっすね」

 

「伊吹の夢の裏付けが取れただけでも、収穫だぜ?」

 

「やっぱ俺も、先のステージに残ればよかったかな?」

 

「残り少ない勝ちぬけ枠を奪いたくないといったのはお前だろう?」

 

「そうだけどよぉ・・・」

 

「自分の言ったことにうじうじ言いません!漢でしょう⁉」

 

「す、すんません!」

 

「クロノ君たちならきっと大丈夫。僕たちは大会の外からできる限りのことをしよう!」

 

アイチの言葉にカムイ、カズヤ、櫂、リンは首を頷き、全力でサポートに徹することを誓う。

 

 

すっかり遅くなったカードキャピタル2号店では、タイヨウとカズマ、トリニティドラゴンがここに移動して、特訓を続けていた。

 

「ファイナルターン!」

 

そこにクロノが帰ってきて、一同がそれに気づく。

 

「あ、クロノさん!」

 

「今までどこに行ってたんだ?」

 

「サードステージ前に余裕ですね」

 

クロノはどう言おうかと思ったが、カズマのまっすぐな顔を見てファイトを持ちかける。

 

「ファイトしようぜ」

 

その後はクロノとカズマでファイトを行う。

 

「ほら行くぞ!ヴァンガードにアタックだ!」

 

「ノーガードだ!こい!」

 

「トリプルドライブ!」

 

クリティカルトリガーの効果でクロノのダメージ5枚となる。

 

「いいぞ!これで一気にダメージ5だ!」

 

「がんばって、クロノさん!」

 

「なんだよ?たるんでんじゃねぇのか?このまま決めちまうぜ?」

 

「うるせぇ」

 

クロノはファイトを楽しむ中で、口元に笑みを浮かべる。

 

(そうだ・・・ディフライダーがどうかなんて関係ねぇ!)

 

『イメージは君の力になる』

 

(俺は・・・俺たちのヴァンガードを・・・俺たちのU20(アンダートゥエンティ)を守るために戦うんだ!)

 

「よし!来やがれ!」

 

「ストライドジェネレーション!!!」

 

クロノはファイトを進む中で、鬼丸カズミとの決着を望んでいた。

 

(決着をつけてやるぜ。お前がディフライダーだからじゃない。お前にあの日の借りを返すためだ!)

 

U20(アンダートゥエンティ)サードステージの開幕は、もう間もなくだ。

 

 

先導家にて、おかえりパーティを楽しんでいたが、時間が経つにつれて、伊吹とチームQ4以外は全員眠りに入っている。今現在は伊吹とカズヤがファイトを行っている。

 

「じゃあ俺たちはそろそろ行く」

 

「皆さん、ファイトをどうぞお楽しみください」

 

「すまない、よろしく頼む」

 

「気をつけてね」

 

「土産よろしくなー」

 

「また後でね、櫂君、リンちゃん」

 

起きているメンバーから見送られ、櫂とリンは先導家を後にする。

 

「じゃあ続けは、俺のターンだな。ストライドジェネレーション!!!絶対王者グラトニー・ドグマ!!!」

 

カズヤはストライドフェイズにて、絶対王者グラトニー・ドグマにストライドする。

 

超越(ストライド)スキル!手札2枚を選んで、スペリオルコール!こいつらが退却された時、場に復活させる能力を与えるぜ!

さらにダークレックスのスキル!自身をバインド!ヴァンガードにパワープラス3000!さらにコール!」

 

「わぁ!すごい!」

 

「あんた、旅に出てまた腕を磨いたんじゃない?」

 

カズヤはリアガードから先に攻撃させて、グラトニー・ドグマでヴァンガードにアタックさせていく。

 

「グラトニー・ドグマでヴァンガードにアタック!

グラトニー・ドグマの暴喰!リアガード5体を全部退却!パワープラス10000!さらにこいつはスタンドできる!

ベビーカマラのスキルでグレード1スペリオルコール!

さらに超越(ストライド)スキルでさらにコールだ!」

 

「ノーガードだ」

 

ファイトを楽しみながら、今後のことについて話し合う。

 

「僕もアメリカに戻って海外の仲間たちに声をかけます。まずは少しでも情報を集めないと」

 

「俺はここに残って、情報を集めてみるぜ。その辺のことに通な奴らも、いくつか存在してるみてぇだしさ」

 

「すまない。またいろいろと、任せることになるな」

 

「でもその前に、サードステージ、1日だけ観戦させてもらっていいですか?クロノ君や鬼丸カズミのファイトを直接見たくて」

 

「俺も見てぇ!いいだろ、伊吹?」

 

「ふ・・・VIP席を用意しよう」

 

「ええ⁉いいですよそんな!すみっこで!」

 

「バカ、それじゃあ逆に目立つだろ⁉」

 

残ったメンバーはこの後、何回かのファイトを楽しんで、夜を明かしていく。

 

 

高速バス乗り場にて、チーム新ニッポンのアラタとマコトは最後の便のバスに乗るかどうかを迷っていると、急にアラタが立ち上がる。

 

「・・・決めた!」

 

「!」

 

「ノアを探そう!やっぱり、俺たちで帰るなんてできない!あいつに何があったのかわからないけど、このまま放っておけるかよ!」

 

アラタの決断を聞いてマコトは最初はキョトンとしていたが、笑みを浮かべる。

 

「・・・そうだよな。俺たちは運命共同体だもんな」

 

「マコト・・・!」

 

運命共同体といってくれたマコトにアラタはこっそりと涙を浮かべる。そんな時に、2人の前に、櫂が現れる。その姿を見てアラタとマコトは言葉を失う。

 

「星崎ノアを探しに行くぞ」

 

いきなりの櫂の提案は2人にとって願ったりなかったりの事だった。

 

 

夜の駅までは、関西へ帰るための電車をチームヘヴィNEWパンクのヤイバとカエデは顔を俯かせていたが、ヤイバは意を決し、立ち上がる。

 

「カエデ、お前は先に関西に帰れ。俺はイツキを探しに行く!」

 

「ヤイバ、お前・・・」

 

「俺はやっぱあいつを置いて帰ることなんかできへん!あいつに何があったかなんて知らへんけど、このままにしておけるか!例えあいつに嫌われたとしても、俺は俺の信じることを貫くで!」

 

ヤイバの決断を聞いてカエデは立ち上がり、ヤイバの頭にゲンコツを喰らわす。

 

「いったぁ⁉お前こんな時にまで何すんねん!」

 

「お前1人で勝手に決めんな、アホ。うちも一緒にイツキを探すで。あいつと合わせてで、うちらは同士やからな」

 

「カエデ・・・。そうやったな。すまん!・・・俺と一緒にイツキを探してくれるか?」

 

「何を当たり前のことを言うとんねん」

 

ヤイバとカエデがイツキを探す決断をしていると、2人の前に日下部リンが姿を現す。トップファイターを目の前にして、2人は驚愕している。

 

「黒峰イツキを探しに向かいますよ」

 

リンの提案に2人はさらに驚いた表情をする。

 

「まずは櫂先輩と合流を果たしましょう」

 

今ここに、星崎ノアと、黒峰イツキの捜索も、本格的に開始したのであった。

 

to be continued…




ツネト「ふー、食った食った!やっぱ人のおごりで食うラーメンはいっちゃんうめぇなぁ!」

カル「クロノも財布を握りしめて、感動に打ち震えていましたからね~。サボらずに努力する大切さが理解できたんでしょう!」

ケイ「ごちそうさま~」

ツネト「さあて、俺たちは1号店に戻って、もう一勝負と行くか!次のU20(アンダートゥエンティ)は既に始まっている!」

カル「はい!」

ケイ「うん」

ツネト「最後に勝利するのは俺たち」

3人「トリニティドラゴン!!」

ケイ「・・・おっけい」

ツネト「おい」

TURN176「あの日見た輝き」
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