カードファイト!!ヴァンガードG 鋼と宇宙の正義   作:先導

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今回はクランリーダー・マモルにオリジナルを加えてみました。

そして次回からは新章のチーム結成編に移ります!

カードプールも解禁する予定なのでお楽しみに!

それではどうぞ!


クランリーダー

ドラゴン・エンパイア支部の支部長室、マモルはドラエン支部長こと大山リュウタロウとともにイベントのスケジュールを確認しあっていた。

 

「またイベントですか?今月は毎週やってますよ?」

 

「いいか、マモル君。ヴァンガードは人と人との交流なくして、成り立たないゲームだ。イベントで大勢の人が集まるのはとても大切なことなんだよ」

 

「もっともらしいことを仰いますが、ただお祭りがお好きなんでしょう?」

 

「うん♪でもマモル君も本当はうれしいんでしょう?なにせ君が提案したメガラニカ支部と合同イベントなんだから」

 

今回のイベントは祭りをメインに、そこにメガラニカ支部の者が数名手を加えるといったものだ。

 

「ああ、そうそう。メガラニカからの責任者は一条君だから、君と一条君で仕切りよろしく♪」

 

「はい、わかりました」

 

 

 

TURN16「クランリーダー」

 

 

 

学校の廊下、シオンとユイは次の授業は音楽の授業のため、教室を移動している。

 

「私音楽の授業好き♪あのヒゲと違ってあそこの先生優しいし、楽器が使えるから♪」

 

「あはは。佐倉さんは音楽の時だけマジメだからね」

 

2人がそんな会話をしているとトコハが話しかけてきた。

 

「あっいたいた。おーい、綺場にユイちゃん」

 

「あっ、トコハちゃんだ」

 

「安城さん、僕らに何か用かい?」

 

「今度ドラエン支部とメガラニカ支部の合同祭りがあるでしょ?そこにあるお祭りクエストで一緒に盛り上げる企画をやるとポイントがもらえるんだけど一緒にやらない?」

 

合同祭りで盛り上がる企画をやるとポイントがもらえるお祭りクエストに2人を誘うトコハ。

 

「お祭りクエスト?そういえばパパたちもそれに参加するって言ってたっけ」

 

「それでなにをするんだい?」

 

「それは何でもいいらしいから、放課後にカードキャピタルで会議をするの。当然来るでしょ?なんてったって参加者には全員、兄さんか一条さんのどちらかとファイトできるからね」

 

「えっ⁉マモルさんと一条さんとファイト⁉」

 

「それは・・・またとないチャンスだね」

 

マモルとキョウヤのどちらかとファイトできることに驚愕するユイと武者震いするシオン。

 

「やる気満々ね。じゃあ申し込んでおくからね。用はそれだけだから、放課後ちゃんと来てよ?」

 

「ちょ・・・まだ詳しい話が・・・」

 

「いいじゃん。きっと楽しい会議になるぞ♪」

 

トコハはそう言って自分の教室に戻る。半分無理やり参加させらえたシオンとものすごく楽観的なユイは音楽室に向かった。

 

 

放課後、ユイは一度家に戻り、ちょっとした準備をしてからカードキャピタルに向かった。その際にシオンと鉢合わせにになった。

 

「あっ佐倉さんも今来たんだ。・・・?佐倉さん、それはなんだい?」

 

「ああ、これ?せっかくの会議だからクッキーを作ってみたんだ!おいしそうでしょ?」

 

ユイが持っていたのはユイの手作りクッキーだ。準備とはクッキーを作ることだったのだ。

 

「わあ、おいしそうだね。みんな喜ぶと思うよ」

 

「うん!じゃあさっそく入ろう!」

 

2人はカードキャピタルに入った。そこにはすでにトコハやクミ、トリニティドラゴン、クロノなどいつものメンバーが集まっていた。

 

「遅くなってごめん」

 

「平気平気。今始まったばかりだから」

 

「お前らも参加するのかよ?」

 

「うん。安城さんに強引に誘われてやることにね」

 

「そういう新導君だって参加してるじゃん」

 

「安城に無理やり誘われたんだよ・・・」

 

クロノもトコハに無理やり誘われたらしく、不本意ながらも参加することになったのだ。

 

「ねえみんな、お腹すかない?せっかくの会議だからこれ食べながら進めようよ!」

 

ユイはそう言って持っていたクッキーの袋を見せる。

 

「わあ、クッキーだ~」

 

「これ、ユイちゃんが作ったの?」

 

「ひゃあ~うまそうだな!」

 

「今から一人ずつ配るからみんなで一緒に食べようよ!」

 

ユイは一人一人にクッキーを配る。食べようとする際には「まだ食べちゃダメ」と釘をさす。

 

「はい!綺場君も新導君もどうぞ!」

 

「ありがとう」

 

「・・・確かにうまそうだな」

 

「よし。全員とったねじゃあ・・・」

 

『いただきまーす』

 

一同はクッキーを一斉に食べた。その際に、メンバー全員の顔が苦くなる。作った本人のユイも同じ顔だ。

 

「・・・何?これ・・・」

 

「・・・ユイちゃん・・・このクッキー・・・」

 

「私も今初めて知ったよ・・・。何この味・・・」

 

苦い顔の原因はやはりクッキーの味にあった。

 

「・・・クッキーってサクサク食感に甘い味のはずでしたよね・・・?」

 

「いや・・・サクサク食感はあるんだけど味が・・・」

 

「・・・おいしくない・・・」

 

「これは・・・なんというか・・・おふを生でかじったような・・・」

 

「つうか、味そのものがねえじゃねえか!!」

 

そう、ユイの作ったクッキーに味が全くなく、まさに無に等しいものだ。

 

「うう・・・こんなはずじゃないのにーー!!」

 

「ユイちゃん、これ作る際に何入れたの?」

 

「え?えーと、クッキーの材料に砂糖とバニラエッセンス、それとチョコフレーバー・・・」

 

「OKわかった・・・。つまりは何でも入れたってわけね・・・」

 

「甘味料をやたら入れて味がねえって・・・ある意味才能だな」

 

ありとあらゆる甘味料を使い、なおかつ味がないことに変な方向で感心するクロノ。

 

「・・・ま・・・まあ、クッキーは置いといて、2人は何か案はない?」

 

「それなら、オークションはどうかな?」

 

「?何出品するんだ?」

 

「ほら、仕舞い込んでいて使わないものだよ。みんなの家にもあるだろ?アンティーク品とか、彫刻とか」

 

「そんな高価なもの普通はないよ?」

 

「えっ?そうなの?」

 

やはり生きている世界が違うのであろう。シオンと普通の人の価値観がまるで違う。ユイが高価な品は普通はないというとシオンは若干ショックを受ける。

 

「ユイちゃんは?」

 

「う~ん、私は子供でも遊べる触れ合いコーナーとかはどう?小さい子供たちにいろんな遊びで触れ合うの。そして子供たちと仲良くなるの」

 

「触れ合いコーナーか・・・。一応2つとも候補に入れとくね。みんな他には?」

 

「べたですが、お化け屋敷ってのはどうでしょう」

 

いろいろと候補が上がっていくがいまいちピンとこない。

 

「あと他には・・・」

 

「なんだっていいだろ?さっさと決めろよ」

 

「口でそう言ってるけど新導君、ちっとも案出してないよね?なんか企画出してよ」

 

みんな様々な候補を出してる中、クロノだけが一つも提案してないからユイがクロノの提案をクロノに要求する。

 

「はあ?・・・じゃあたこ焼き屋」

 

『たこ焼き屋?』

 

「いや・・・言えっていうから・・・」

 

『いいじゃん!』

 

「・・・え?」

 

「いたって普通!だがそれがいい!」

 

「案は出し尽くしちゃったからね」

 

クロノの提案したたこ焼き屋はみんな好評だったがクロノが問題点を指摘する。

 

「おいちょっと待てよ!たこ焼き屋、結構金かかるぞ!」

 

「粉ものって安くやれるんじゃないですか?」

 

「問題はタコだ!タコが安く仕入れられないと赤字に赤字になるぞ!」

 

「・・・本気になってきたわね、新導」

 

「・・・!赤字が出たら困るだろ。予算は割り勘だろ?」

 

クロノが問題と思っているのはタコの予算で赤字が出ることだ。

 

「いきなり金の話かよ。みみちい」

 

「堅実といえ」

 

「うちで出そうか?出資って形で」

 

「お前に借りをつくる気はない」

 

シオンは出資を提案するがクロノはシオンに借りをつくるのが嫌なのか頑なに拒む。

 

「じゃあさ、いっそのことタコはやめて、別の具にしてみたらどうかな?チョコとかクリームとかいろんな種類を使って、おみくじみたいにするの!」

 

「おお!ユイちゃんそれいいよ!かなり冴えてる!」

 

「激辛ソース入りとかどうでしょう?」

 

「名前もいっそ、うちの地域にちなんで、"ドラゴン・エンパイア焼き"ってのにしたらどうよ?」

 

「おお~。多度君にしてはナイスアイデア~」

 

「そうだね~。ツネト君にしてはいいよね~」

 

「2人して褒めてんの⁉貶してんの⁉」

 

「いいじゃんいいじゃん。じゃあ、ドラゴン・エンパイア焼き、それでいこう!」

 

こうしてたこ焼きとは違った食べ物、ドラゴン・エンパイア焼きで屋台を出すことに決定した。

 

 

ドラエン支部とメガラニカ支部、合同祭り当日、一同のメンバーたちはドラゴン・エンパイア焼きの準備を進めていた。トコハはマモルの様子を見に席を外している。クロノとカルはドラゴン・エンパイア焼きの生地の制作をしている。

 

「すご~い。新導君上手~」

 

「はあ・・・終わりました」

 

「・・・おい、小麦粉のダマが残ってんだろ?」

 

「ダマ?ダマとは・・・」

 

「・・・いい、俺がやる!」

 

ユイとシオンは焼きを担当する。

 

「お~、いい感じの熱が出てきた~」

 

「そろそろ焼き始めるよ」

 

「もう少し待て!まだ油がなじんでない!」

 

「そうなんだ・・・」

 

「ていうか新導君、気合入り過ぎ?」

 

クミはお釣りの小銭の仕分けを担当。

 

「お釣りの小銭これでいい~?」

 

「ちゃんと分けて!後で面倒だぞ!」

 

「お前、案外細けえな~」

 

「うるせえ!」

 

カルの生地制作を変わったり、鉄板の油のなじみ具合、小銭の仕分けの注意など、かなり本気になっているクロノ。その光景を今着いたであろうマモルとトコハが見ていた。

 

「へえ、意外だね、クロノ君」

 

「そうなのよ、案外マジになっちゃって」

 

「楽しんでもらえてうれしいよ」

 

「兄さん、相当忙しいんでしょ?大丈夫?ちゃんと寝てる?」

 

「はは、心配いらないよ。それに、今日は一条君がパートナーとしているから大丈夫だ」

 

「そう、マモルは強い子だから、大丈夫だ」

 

どこから割り込んできたのか支部長が話の会話に交ざっている。

 

「あなたに言われたくありません!ぶらぶらしてないで、働いて下さい!」

 

「は、は~い・・・」

 

支部長は渋々と仕事に戻っていった。マモルの通話機からキョウヤのコール音が鳴り響く。

 

「一条君?」

 

≪安城、すまないがBブロックに来て手伝ってくれ。手が足りなくてな≫

 

「わかった、すぐそっちに向かうよ。それじゃあトコハ、ドラエン焼き、頑張ってくれ」

 

「うん、また後でね、兄さん」

 

マモルはBブロックに向かい、トコハもドラエン焼き屋に戻っていく。

 

 

『ドラゴン・エンパイアとメガラニカの合同祭り、始まるんだがー!』

 

ヴァンガ郎の始まりの合図で祭りが始まり、屋台も開店する。

 

「ドラゴン・エンパイア焼きはいかがですかー?」

 

「クリーム、カレー、いろんな味が入ってまーす」

 

トコハとクミはドラゴン・エンパイア焼きの宣伝をする。ユイは八百屋直伝の営業モードに入り、販売を担当する。

 

「いらっしゃいませ!屋台自慢の一品、ドラゴン・エンパイア焼きはいかがですかー?」

 

「さすがだね、佐倉さん。ほら、新導君も声出しなよ」

 

「・・・い、いらっしゃいませー」

 

焼き担当のクロノも笑顔で声を出して宣伝するが、その笑顔がかなりぎこちない。

 

「うわっ!全然似合わない笑顔!」

 

「・・・ごめん。僕らが頑張るよ」

 

「・・・いらっしゃいませー!」

 

「ムキにならなくても・・・」

 

「というか、意地っぱり?」

 

クロノにも意地があるのか笑顔で宣伝するがやっぱり笑顔がぎこちない。

 

「おっ!お客さんが並び始めたぞ!」

 

ドラゴン・エンパイア焼きの屋台には行列になっている。

 

「ありがとうございます」

 

シオンは女性客と接客していた。

 

「もう一つ下さい///」

 

「私も一つ///」

 

「私も///」

 

「ありがとうございます!」

 

「むっ・・・」

 

シオンはやはり女性に人気なのか女性客がシオンのところに向かう。ユイはそれが気に入らないのかシオンの足を力強く踏む。

 

「いった⁉何するんだい佐倉さん⁉」

 

「・・・知らない!」

 

ユイは素っ気なく答え、販売に戻る。

 

「大繁盛よ!」

 

「このペースなら、赤字は免れるな」

 

「心配し過ぎ。ちょっと休憩行って来たら?ユイちゃんも」

 

「え?いいの?」

 

「僕が何をしたか知らないけど、さっき機嫌悪そうだったから、行って来たら?新導君、焼きは僕が変わるよ」

 

(誰のせいで機嫌悪くなったと思ってるのさ)

 

「お・・・おう、悪いな。じゃあ頼む」

 

ユイとクロノはエプロンを外し、休憩のために祭りを見て回ることにした。

 

「じゃあ新導君、また後でね」

 

「おう、また後でな」

 

 

ユイはドラゴン・エンパイア焼きを持って、佐倉店が出店しているトロピカルフルーツの屋台に向かう。そこには案の定ゲンゾウとキョウコがいて、アルバイトのサスケとアキもいる。

 

「やっほー、パパ、ママ。サスケさんもアキさんもこんにちわー」

 

「おっ!ユイか。今は休憩中か?」

 

「うん、売り上げの方はどう?」

 

「ボチボチってとこかな。売り上げはいいといえないし、悪いとも言えないな」

 

「あら?それってドラゴン・エンパイア焼き?もしかして差し入れかしら?」

 

「うん。みんな食べてー」

 

「ありがとうございます~。ありがたくいただきます~」

 

ユイはドラゴン・エンパイアを配り、佐倉店メンバーはそれを食べる。

 

「あら、おいしい。これはクリームね。最高に合うわ」

 

「これがカレー味か。おっ、こっちはチーズの味がするぞ!」

 

「一つ一つが味が違うんですね~。面白くておいしいです~」

 

佐倉店のメンバー全員口にあったようでみんなが笑顔になる。すると・・・

 

「ぐおおおおおお!!!辛いぞおおおおおお!!!これに何を入れたあああああ!!?」

 

「あっ。パパのやつに激辛ソース、デスソースが入ってたんだね」

 

運悪くゲンゾウのドラゴン・エンパイア焼きにデスソースが入ったものがあったらしく、それに悶えるゲンゾウ。

 

「あ・・・あぶねえ・・・おやっさんみたいにならなくてよかった・・・」

 

「まったく、危ないことするんだから・・・」

 

「でもはらはらで面白かったです~」

 

3人はデスソースが入ってなかったため、事なきをえた。

 

「・・・あっ、そういえばマモルさんと一条さんとファイトできるのっていつだったっけ?」

 

「ひぃ・・・ひぃ・・・、後夜祭らしいぞ。それまではマモルも一条とやらもスタッフとして働いておるから、探してみるのもいいかもしれんのぉ」

 

「あっ、ちなみに私とパパは参加しないわよ。参加するのはアキさんとサスケ君よ」

 

「そうなんですか?」

 

「おう!なんてったってクランリーダーとファイトだからな!こんなチャンスは他にないからな」

 

「今から楽しみですね~」

 

サスケもアキも気合が入っているみたいで、今からでも闘志が沸き上がるのがわかる。

 

「へ~。じゃあ、私もいろいろ見て回りたいからもう行くね」

 

「気をつけていってらっしゃい」

 

ユイは一同に別れて、いろんな屋台を回った。

 

 

「・・・っと、言うわけでー、みんな最後まで、楽しんでいってだがー!」

 

ステージイベントでヴァンガ郎のトークが終わり、ユイはドラゴン・エンパイア焼きを食べながら次に向かおうとすると・・・

 

「佐倉ユイか?こんな所で会うとは・・・」

 

「あっ、一条さん!お久しぶりです!」

 

メガラニカのスタッフの服を着ているキョウヤが話しかけてきた。

 

「ああ、久しいな。ハイメのファイト観戦以来か?」

 

「はい!あっこれ私たちが作ったドラゴン・エンパイア焼きです。よかったらどうぞ」

 

「ほう・・・。一つだけもらうぞ」

 

キョウヤはドラゴン・エンパイア焼きを一つだけ頬張ると、キョウヤの顔が苦しい表情になる。

 

「ぐほぉ⁉貴様ら・・・毒を盛ったな?」

 

「いやだなぁ、ただのデスソースですよ」

 

キョウヤも運悪くデスソースを引いてしまったため口元を抑えるキョウヤ。

 

「あの・・・この祭りって、メガラニカ支部の人たち全員来てるんですか?」

 

「いや、支部長の同意のもと、ドラゴン・エンパイア支部に数名派遣されているだけだ。メガラニカの責任者は俺だ。簡単な話、来るものだけ来ているといったところだ」

 

「・・・変なこと聞きますけど、どうしてマモルさんも一条さんも裏方の仕事を?大会だってもうちょっと増やした方が・・・」

 

ユイの質問を聞いたキョウヤは真剣な表情となり、ユイに問いかけた。

 

「では逆に質問するが、ヴァンガードは一人でやれるものと思っているか?」

 

「それは・・・無理ですね」

 

「つまりはそういうことだ。大会も大事だが、より大事なのはヴァンガードに興味を持つかどうかだ。相手が変われば戦略が変わる。他者の関わるだけファイトの形も変化する。それらが重なればまた世界も変わる」

 

「世界が・・・変わる・・・」

 

「ある一族が俺にヴァンガードを教えてくれたように、俺も様々な人間にヴァンガードを知ってもらいたい。このような祭りのイベントなどで、様々なファイターが生まれ、ファイター同士がつながり、様々なファイトができる。支部の仕事とは、そういったものを支えることだ。安城も同じ気持ちだろうな。佐倉ユイ、お前もヴァンガードに出会って、自分の人生が変わったということはあるか?」

 

「私は・・・あります。ヴァンガードが・・・私を変えてくれました!」

 

「・・・ふっ、そうか・・・」

 

ユイの答えを聞き、キョウヤは微笑み、その場へ立ち去ろうとする。

 

「どこ行くんですか?」

 

「仕事だ。まだやることは山積みだからな」

 

「・・・あの、マモルさんと一条さん、どっちにファイトできるんですか?」

 

キョウヤは微笑み、質問に答える。

 

「・・・さあな。こればかりは運だからな。まあ、自分の運命を信じろ」

 

 

『みなさーん。お待ちかねの後夜祭の時間が近づいております。ファイトの整理券をもらっていない方は総合受け付けテントまでいらしてください』

 

アナウンスが鳴り響いてる頃、ユイ達は店じまいの片づけをしていた。

 

「いよいよだね」

 

「どっちに当たっても、全力、だね!」

 

「ああ!」

 

「お疲れさま。はい、整理券。みんなの分とってきたよ」

 

トコハはいつものメンバーたちにファイトの整理券を渡していく。

 

 

ドラゴン・エンパイア支部、休憩テントに支部長が入ってくる。

 

「いやあ、一般のお客さんもたくさん来て、ファイカの新規登録もかなり増えたよ。さすがマモル君と一条君!」

 

当のマモルは椅子に座ってどんよりとしており、キョウヤは平然と腕を組み、堂々と立っている。

 

「・・・大丈夫?マモルきゅん。最後に大仕事残ってるけど・・・」

 

「そう思っているなら貴様が変わったらどうだ?ドラゴン・エンパイア支部長」

 

「いや僕だってそうしたいけど、みんな君たちを待ってるからさあ」

 

「じゃあ、ヴァンガ郎の中、よろしくお願いします・・・」

 

「いいの⁉」

 

支部長はよほどヴァンガ郎の中が気に入ってるのかノリノリでヴァンガ郎の着ぐるみを着る。

 

「・・・いつもああなのか?」

 

「うん・・・いつもだよ」

 

 

合同祭りの後夜祭、ファイターたちはステージに集まっている。その中心でヴァンガ郎(支部長)が取り仕切っている。

 

「元気ですかーー?」

 

『おおーーーー!!!』

 

「後夜祭を始めるだがーー!!」

 

『おおーーーー!!!』

 

「まずは安城マモル君と一条キョウヤ君から、みんなにご挨拶があるんだが!!」

 

ヴァンガ郎がそう言うと、マモルとキョウヤがステージに入場してくる。やはり人気があるため、入場の際、大歓声が上がる。

 

「今日はみんなのおかげで、とても楽しいお祭りになった。ありがとう!」

 

『おおーーーー!!!」

 

「今日のファイトは僕らからのお礼だ!」

 

「腕に自信のあるファイターたちよ、俺たちにかかってくるがいい!だがその前に、いくぞ!スタンドアップ」

 

『ヴァンガード!!!』

 

 

ファイターたちの行列、これらは3人一組になって並んでいる。理由はマモルとキョウヤが3人同時にファイトするからだ。2列で前がマモルと、後ろがキョウヤとファイトすることになっている。いつものメンバーと一緒に並んでいるサスケとアキ。ちなみにファイトの相手はサスケはマモルと、アキはキョウヤとだ。そんな中、トコハは並んでいない。

 

「トコハちゃん、ちゃんと並ばないと~」

 

「私はいいよ。整理券もらわなかったし」

 

「何で?」

 

「私は、ほら、いつでも戦えるし、みんなで楽しんで」

 

トコハの顔はどこか寂しそうな表情をしている。そんなこんなで整理番号1番から6番のものはマモルの、キョウヤのファイトテーブルに立つ。

 

「ドラゴニック・ブレードマスターでアタック!」

 

「ゲット!スタンドトリガー!タイダルをスタンドし、とどめだ!」

 

「ルートフレアで相手一列を薙ぎ払え!」

 

「ランブロスでタイダル2体をスタンド!まだまだ攻撃はくるぞ!」

 

ファイターたちは2人の強さに瞬殺される。

 

「みんな瞬殺よ」

 

「瞬殺でもうれしい!」

 

ツネトはここでもミーハーを発揮する。

 

「俺は一条さんと相手か・・・。アクアフォースのファイトの仕方はわかってるぜ!」

 

「でも、相手はハイメとは違う。油断しない方がいい」

 

「ようやくマモルさんにリベンジできる・・・楽しみだよ」

 

3人はそれぞれの想いでファイトに気合が入る。

 

「破邪の炎よ、全てを焼き払え!!」

 

「海は我が聖地、それを汚すものに裁きを!!」

 

そうこうしているうちに次々と連勝していくマモルとキョウヤ。

 

「やっぱりすごいね~」

 

「2人ともクランリーダーですから」

 

「次の方テーブルの前に」

 

「はい!はい!はい!」

 

トリニティドラゴンの番がやってきて、次がクロノたちの番だ。

 

「もうすぐだね~。楽しみ~」

 

「がんばってね」

 

トコハがエールを送ると同時にクミのスマホがなる。クミがスマホに届いたメールを確認する。

 

「やだ、ママが超怒ってる」

 

「クミちゃんどうしたの?」

 

「猫がソファにおしっこしちゃって・・・早く帰らないと・・・」

 

「もう次だよ」

 

「う~ん・・・無念・・・。トコハちゃんお願い!代わりにファイトして」

 

「えええ⁉」

 

クミの対戦相手はマモル。つまりクミがトコハに託すとマモルとファイトするのはトコハという事になる。

 

「・・・私の闘魂、預けたぞい!じゃあ」

 

「ちょ・・・ちょっと⁉」

 

クミは整理券をトコハに託して、クミは急いで家に帰宅する。

 

「次の方、テーブルへ」

 

「よっしゃあ!いくぞ!」

 

「一条さんとファイト、楽しみです~」

 

サスケとアキは意気揚々とステージに上がる。

 

「いくぞ」

 

「よし」

 

「2人とも、ご武運を」

 

クロノとシオンとユイも堂々とステージに上がる。トコハは戸惑っている。

 

「すみません。急いでください」

 

「あっはい・・・」

 

スタッフに急かされ、トコハも戸惑いながらもステージに上がろうとする。マモルとキョウヤはデッキをシャッフルして準備を整えている。

 

「ほう・・・。俺の相手は新導クロノと綺場シオンがいるのか・・・」

 

「よろしくお願いします。一条さん」

 

「ファイトできて光栄です」

 

「いいだろう。貴様らの波、俺が直接見極めてやろう」

 

クロノとシオンはキョウヤに敬意を表し、キョウヤは実力を自分の目で見極めようとする。

 

「僕の相手はユイちゃんがいるのか」

 

「マモルさん、今日はリベンジさせてもらいます!」

 

「僕も手加減はしないよ」

 

マモルはユイにそう言うと、驚いたようにトコハを見る。

 

「トコハ・・・」

 

「いや・・・私はやっぱり・・・」

 

トコハは何か理由をつけてステージに降りようとするが・・・

 

「おーーと!トコハちゃんじゃない!」

 

「うぇ⁉」

 

「ななな、なーんと!マモル君の妹さんが参戦だがーー!滅多に見られない兄妹対決だがーー!」

 

ヴァンガ郎(支部長)によってそれを遮られてしまった。観客はそれを聞いて歓声が大きくなる。

 

「まったくもう・・・」

 

トコハは覚悟を決めてマモルのファイト台に立つ。

 

「久しぶりだな。ファイトするの」

 

「・・・そうだね・・・」

 

覚悟は決めたものの顔の方はあまり優れない。

 

「それじゃあ、始めるよ」

 

「いくぞ、覚悟しろ貴様ら」

 

「「「「「「「「スタンドアップ・(マイ・)ヴァンガード!!」」」」」」」」

 

 

ファイトは着々と進み、トコハとサスケはルートフレアによって、アキはランブロスによって、ダメージ6まいとなった。

 

「あはは・・・やっぱ負けちゃった。敵わないわぁ」

 

「くそおおお!勝てなかったかぁ!」

 

「御見それしました~」

 

トコハとアキは苦笑いをし、サスケは悔しそうに唸る。

 

「クロノジェット・ドラゴンでヴァンガードにアタック!」

 

「アルトマイルでヴァンガードにアタック!」

 

「ふん、クロノジェットは20000ガード、アルトマイルは完全ガードだ」

 

「グランギャロップでヴァンガードにアタック!」

 

「それは完全ガード!」

 

クロノとシオンはキョウヤ相手にユイはマモル相手に踏ん張って粘りを見せている。それを見たトコハは自然と微笑みを見せる。

 

「意外な粘りを見せるファイター、出現だがーー!!2人の連勝もここでストップとなるだがーー?」

 

「これで終わりだ。タイダル!スタシア!ランブロス!!スキルでタイダル2体をスタンド!パワープラス10000!2体のタイダルでアタック!スキルによって2体のタイダルを再びスタンドだ!とどめをさせ、タイダルよ!!」

 

2人のタイダルがそれぞれ2体のリアガードに攻撃し、スタシアでクロノジェットとアルトマイルに攻撃し、ランブロスが追撃、今度は2体のタイダルが攻撃し、またタイダルが追撃し、クロノジェットとアルトマイルはタイダルによって切り裂かれた。

 

「ルートフレアよ、相手の一列を薙ぎ払え!とどめだ、ルートフレア!!」

 

ルートフレアは2体のリアガードを焼き払い、巨大な炎の球体をグランギャロップに浴びせる。そして、3人のダメージは6枚となり、マモルとキョウヤの勝利で終わる。

 

「さすがマモルきゅんと一条きゅんの無敵コンビ!!やはり強いだがーー!!けど、ここまでがんばった3人の若いファイターにみんな拍手だがーー!!」

 

観客は盛大な歓声と拍手を3人に送る。

 

 

ドラゴン・エンパイア支部の夜、3人は土手に座り込んでいた。

 

「あ~~リベンジできなかった~~!悔しい~~!」

 

ユイはリベンジを果たせなくて非常に悔しがっている。

 

「・・・一条さんのアタック、タイダルにブーストせずにリアガードにアタックしてきたよな」

 

「終盤でタイダルの連続攻撃で手札を削らせて、とどめにフィニッシュ、なかなか計算されていたよね」

 

「あんな攻撃、ハイメじゃ見られなかったな」

 

「一条さんは、下手をしたらハイメより強いかもしれないね」

 

クロノとシオンはキョウヤのファイトとその実力について語り合っていた。

 

「マモルさんも一条さんも3人相手に、やっぱりすごいなー」

 

「うん」

 

「さすがはクランリーダー、だな」

 

そんな会話をしていると向こうでキャンプファイヤーの火がつけられていた。トコハが3人に駆け寄ってくる。

 

「おお~、綺麗だな~」

 

「ね、キャンプファイヤー始まるよ」

 

「何でキャンプじゃないのにキャンプファイヤーなんだよ」

 

「細かいことはいいの。最後まで付き合いなさいよ。楽しかったでしょ?」

 

「・・・まあな」

 

「ほら、立って、やるよ。フォークダンス」

 

「えっ⁉フォークダンスやるの⁉」

 

「マジかよ・・・」

 

「いいじゃん!ほら、綺場君も立って踊ろうよ!」

 

4人はキャンプファイヤーでフォークダンスを踊り、夜を満喫する。

 

to be continued…




マモル「一条君、お疲れ様。合同イベントはどうだったかな?」

キョウヤ「ああ、十分に楽しめた。突然の話だったが、支部長の許可が取れて本当に助かった」

マモル「ごめんね、急な話を持ってきて」

キョウヤ「気にするな。腕のいいファイターとファイトできてこちらも満足している」

マモル「それは本当によかった。トコハたちの提供するドラゴン・エンパイア焼きも大盛況だったみたいでよかったよかった」

キョウヤ「安城・・・その話はやめてくれ。口が辛くなる」

TURN17「クロノVSトコハ」
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