でもって少し早いですが水着回でございます。ドリームハーツの水着を紹介しようと思います。
ユイちゃんは赤のチェック柄のフリフリのバンドゥ水着。
アンちゃんは青のワンピース水着。
アリスちゃんはドクロ柄のハイネック水着。
これらの名前を調べてのせました。どうです、イメージできそうですか?
それでは本編を始めましょう。どうぞ!
「な、なんとぉ!サードステージ、キャッスルロワイヤルを制することができたのは・・・僅か4チーム!」
4チームのみが到達でき、他のチームが上がってこれないという事は、この4チーム以外すべてのチームは脱落したといえるだろう。そして頂上に辿り着いたのは・・・
チームディフライダー、鬼丸カズミ
福原高校ヴァンガード部、早尾アンリ、羽島リン
ドリームハーツ、日下部アン
ストライダーズ、新導クロノ
「ファイナルステージ、進出決定!!」
残ったチームがいない今、頂上に辿り着いたこの4チームは、ポイントあるなし関係なく、ファイナルステージの進出が決定された。そこで、会場のライトは一か所以外すべて消え、そのライトの先にて、伊吹が入場してくる。そして、ファイナルステージの重要なことを説明する。
「
そして、敗退者にとって、とてもうれしいことが説明される。
「よって、規定により、残り1チームを敗者復活戦にて選出する!!」
『おおおお!!』
敗者復活戦ということは、1度敗れたチームが、その試合に勝つことができれば、ファイナルステージに進むことができる。敗退チーム、特にハイメフラワーズにとってはまたとない絶好のチャンスとなった。
TURN187「この空の先に」
「怒涛のサードステージ、お疲れサマー!!青い海ー!白い砂浜ー!みんな水着でリフレーーッシュ!ハイメの~・・・南の島ツアーへよーこそー!!イエー!!」
パリから日本に戻ってきたハイメが、ストライダーズ、福原高校ヴァンガード部、ドリームハーツ、ハイメフラワーズ、そして
「ここ、無人島ですけど、セレブ向けのリゾート施設で何でも揃ってるんです!」
「ふ~ん」
「クロノ君たちと、1度来たことがあるんですよ」
「へぇ~」
「今回もマスターレオンのご好意で貸しきり!でもってぜーんぶ、俺が仕切らせてもらうからー!」
「でも何で、ファイナルステージ前のこんな時に?お前らだって、敗者復活戦があるんだから、遊んでる場合じゃないだろ?マモルさんやキョウヤさん、伊吹まで・・・」
クロノの疑問に悪い笑みを浮かべて、このツアーの本当の目的に入るハイメ。
「ふっ・・・夏休み満喫南の島ツアーとは仮の姿ー!!話してもらうよ!ディフライダーの秘密を全て!!」
『!!』
「ディフライダーの・・・秘密?」
そう、この南の島ツアーで全員を呼び集めて、クロノが持っているディフライダーの情報を話す機会をハイメはつくっていたのだ。クロノはどうしようかと迷っていると、伊吹の方に顔を向ける。
「貴様もだ。俺たちに黙って裏で行動しているのはわかっている」
伊吹の方もマモルやキョウヤにそのことを問い詰められている。
「隠し事は、なしで頼む」
「・・・ああ。その約束でここに来たんだ」
伊吹も全員にディフライダーのことを話すようだ。
「どういうことですか?」
唯一蚊帳の外である福原高校ヴァンガード部はどういう事かわからないでいた。
「俺たちが知ってることも、みーんな話すよ♪」
ハイメフラワーズが持ってきた情報も話し合うようだ。
「よし!それぞれが持っている情報を共有しよう!」
ここにいる全員は、それぞれが持っているディフライダーの情報を話し合い、共有しあう。唯一知らなかった福原高校ヴァンガード部のメンバーは少なくとも驚愕はしていた。
「そんな・・・チームディフライダーの人たちに、惑星クレイから来たユニットが憑りついてるなんて・・・」
「その目的は、運命の解放・・・そのために、ヴァンガードを破壊する・・・」
「ああ。鬼丸カズミ・・・いや、忍竜シラヌイがそう言ったんだ。ヴァンガードを破壊し、俺たちのイメージが届かないようにするって」
その事実を知っているストライダーズと伊吹以外は全員息をのんでいる。
「・・・けどそれはともかく、トコハたちがディフライダーたちのことを知ってたなんて驚いたよ。それに、ミゲルさんのことも・・・」
ハイメフラワーズはパリで経験したこと、ハイメが調べていたことを含めたこともあって、ディフライダーたちのことを知ることができた。
「!・・・ユイも兄さんたちも気づいていたのね。
「ああ。伊吹君の動きが明らかに怪しかったからね」
「まぁ、私の場合、セカンドステージから怪しいとは思ってたけどね」
ユイがその時の脳裏に浮かんでいたのは、イツキとのファイトで感じた不穏な感覚だった。
「俺たちも立凪ノームにあったぞ。独自のルートでな」
「!」
キョウヤの言う独自のルートは三獣士のワタルの実家、櫻井インフォメーションの協力の元でできたことだったりする。
「私は一応普及協会所属だからね、マモルさんたちについていって、ディフライダーのことを知ったよ。2人にはその後に情報を共有したよ」
「最初は何言ってんだこいつって思ったけど、フィー・・・シルフィの不自然な発言を考えてたら、ありえない話じゃないね」
アリスが言っているのは、従姉妹であるはずのシルフィがまったく知らないといっていることだ。記憶が消えてるならともかく、昔何度もあっているのに知らないというのは確かに不自然だ。
「こっちもサトるんるんのおかげでね、ノームにいきついたよ」
「支部長や、カンパニーの一員だった人脈が、こんな形で役に立つとはな」
「ディフライダー・・・そして鬼丸カズミ・・・」
シオンの脳裏に浮かんだのは、カズミとファイトした時のあのイメージ力だった。
「でも!忘れないでほしいの!ディフライダーの中には、純粋に、ヴァンガードが好きなユニットもいるって!」
「ミゲルはまさにそうだったよ。彼は素晴らしいファイターで、今でも、俺やトコハのアミーゴだ!」
トコハとハイメの言葉に、クロノ、シオン、ユイは首を縦に頷く。
「ファイナルステージでディフライダーの動向を見定める」
「だが、これだけは言っておく。奴らが何を企もうと、
伊吹の言葉にキョウヤとマモルは首を縦に頷く。
「君たちは君たちのヴァンガードをしてほしい。それぞれが持つ目標に向かって、全力で!」
「
この場にいる者たち全員は、己の信じるヴァンガードを胸に秘めながら、
「ファイターとして鬼丸カズミを倒す!あいつには二度もやられた!今度こそ、借りを返す!!」
全員の意思が固まったところで、トコハが1番疑問に思っていたことをクロノに尋ねる。
「ところでクロノ、1つ確認したいんだけど、あんたディフライダーのこと、いつから知ってたの?」
「え⁉セカンドステージが終わったくらいかな・・・?」
「なるほどね・・・」
「ふーん?へ~?」
トコハはクロノの右手、シオンは左手、ユイは両足をがっしりと固定させて、クロノの身動きをとれなくさせる。
「え⁉え⁉お、おいなんだよ⁉待てったらああああ!!?」
「「「せーの」」」
バッシャーーーン!!
3人は海辺までクロノを運び、そのまま勢いよく海へと叩き落した。
「ぶはっ!」
「また私たちに内緒で、1人で勝手に抱え込んで・・・」
「あの時と全っ然変わってない!進歩なし!」
「どうして君はいつもそうなんだ?」
「わ・・・悪かったよ・・・」
「ダメだね」
「許さない」
「これはお仕置きが必要だね」
3人はお互いに顔を合わせ・・・
「「「よっ!」」」
バシャーン!
勢いよく海に入り、クロノを追いかけまわす。
「あいつら、完全に遊んでんだろ?」
「堅苦しい話は終わりだ!レーッツエンジョーイ!!」
「僕も!」
「えい!」
そこにさらにハイメ、タイヨウ、クミが海に入ってくる。
「しつこいぞ!」
クロノが振り向くと、水鉄砲の水をかけられる。水鉄砲を持っているのはトコハだ。その後ろではバケツ一杯の水を持ったユイがいる。
「こら!逃げるな!」
「おとなしく罰を受けろー!」
「助けてくれー!」
助けを求めているクロノにカズマが手を差し伸べる。
「!カズマ!」
クロノは救いの手だと思い、カズマの手を握る。
「サンキュー、カズマ!」
「ふっ」
助けたかと思えば、カズマはクロノの手を放した。手のひら返しとはまさにこのことだ。
「あああああ!!?」
バシャーン!
手を離されたクロノはそのまま海に落ちていく。微笑ましい光景を見て伊吹は自然と笑みを浮かべる。
「貴様も沈められてくるといい」
「そうだね。その方がいいかもね」
「!!?」
キョウヤとマモルの何気ない一言に伊吹は思わず身構える。
別のところで一同が海で泳いでいる姿を微笑ましく眺めるアン。そこに江西と浮き輪を持ったアリスが近づく。
「?どうしたんだ?泳がないのか?」
「え、いえ。お気遣いなく。あはは」
「まさか、泳げないのかい?」
ギクッ
「い、いえ!そんなことは・・・あ、あはは」
明らかに目を泳がせているアンにアリスは悪魔のような憎たらしい笑みを浮かべ、どんっとアンの背中を押す。
「なっ・・・」
「えっ・・・きゃあああああ!!?」
バシャーン!
背中を押されたアンはそのまま海に落ち、アリスはすかさず持ってきていた浮き輪をアンが落ちた場所に落とす。海から上がってきたアンは必死でぎこちない泳ぎで浮き輪の元にまで泳ぎ、しがみつく。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・い、いきなり何するんですか、アリスちゃん、江西さん!」
「え・・・俺も・・・?」
何もしていないのに完全にとばっちりを喰らう江西は目を点にさせる。
「やー、ごめんごめん。その立派に育った果実で浮くと考えた僕が浅はかだった」
アリスは悪びれた様子は一切なく、わざとらしい笑みを浮かべる。
「もう!!」
一方別の場所で、リンはシーツに寝転がり、日向ぼっこをしている。その隣ではアンリはただ1人、グラスに入ったオレンジジュースを飲んでいる。
「・・・あんた何してんの?」
「俺、泳げないんです」
「え・・・ダッサ・・・」
アンと同じくカナヅチだと発覚したアンリに対して、リンは辛辣な言葉を述べる。
だいぶ時間が経ち、海で遊んでいたメンバーはハイメにスイカがないかと尋ねる。
「ハイメ、スイカってある?」
「スイカ割りしたいんです!」
「えっ・・・スイカ・・・ほすいか・・・?」
珍しく歯切れの悪いハイメに何事かと思い始める一同。
☆
ここに集まっているメンバー全員を呼び出し、非常事態が発生したことをハイメは伝える。
「食料が届かない⁉」
そう、先ほどハイメの歯切れの悪い態度はここに食料が届かなったことだったのだ。
「頼んでた飛行機が機体トラブルで飛べないって・・・」
「代わりの飛行機は?」
「それも難しいみたいで・・・」
「じゃあ食べ物が全然ないってことか⁉」
「そのとーり!なので・・・チームに分かれて、食料をゲットしてきてもらいまーす!!」
非常事態・・・というよりこれが狙いだったハイメは一同全員にそう告げたのだ。
「何が何でも揃ってるだ!いきなりサバイバルじゃねぇか!」
サバイバルに近くなったことにカズマは苛立ちを隠せずにいた。
「無人島にサバイバル基本・・・ゲーム感覚を味わえるし、いいことじゃないか」
「ええ⁉本気ですか⁉」
それとは対照的にアリスは乗り気な様子だ。
「海の幸、山の幸、何をとってくるかは、グレードジャンケンの結果次第!代表者、出てこいやー!」
無人島のどこで何をとってくるかはグレードジャンケン次第だ。ここにいるチーム数は執行委員を含めて5、カード全てをスリーブで隠せば問題なくグレードジャンケンができる。ストライダーズからクロノ、福原高校ヴァンガード部からはアンリ、ドリームハーツからはユイ、ハイメフラワーズからはトコハ、そして執行委員の伊吹が代表として出ている。出てくるグレードによって、その難易度が変わってくる。
「じゃ、いくよ!グレードジャンケンジャンケンポーン!!」
代表者5名はカードを引き、そのカードに書かれているグレードを確認する。グレードはチームメンバーには伏せておいてある。
☆
ストライダーズが引いたのは最高難易度のグレード4。ストライダーズは山での山菜や果物などを担当する。ストライダーズは食材を求めて、山の中を歩く。
「足元気をつけろよ?」
ぐにゅ
クロノがそう言った瞬間、クロノは何かを踏んづけてしまった。クロノは何だと思い、ふんだものを見てみる。クロノがふんだものは・・・蛇だった。
「シャーーー!!」
「「「うわああああああ!!」」」
蛇はクロノたちを威嚇し、3人は蛇から必死に逃げる。
「新導!お前ハズレ引きやがったな!!」
カズマが言った通り、最高難易度のグレード4なので、ハズレを引いてしまったのである。
☆
ドリームハーツが引いたのはグレード3。ドリームハーツは山の中にある川で魚釣りをする。何でもこの山の川ではウナギが美味らしく、3人はそれを狙っていくのである。
「狙うは絶品のウナギだけ!釣って釣って釣りまくるぞー!」
「やっぱり食事に関わると人が変わりますよね・・・アリスちゃん・・・」
やる気を見せているアリスにアンはちょっとだけ引いていたりする。
「あれ?ウナギを釣るつもりなのにアユが釣れちゃった」
ユイはどういう訳か狙っているウナギではなく、アユが釣れている。
☆
福原高校ヴァンガード部が引いたのはグレード1。福原高校ヴァンガード部は海辺にいる魚の捕獲、そして浜辺にいるカニや貝などの食材集めだ。
「はぁ・・・。優雅にリゾートっていうから来たのに・・・とんだ詐欺ね」
「うわあああああ!!痛い痛い痛い痛い!取れない!カニぃー!い、痛い!」
シオンは海に潜って魚取り、泳げないアンリは貝などをとるのだが、現在鼻にカニのハサミが挟まれて走って悶えているアンリ。リンは日傘をさしてその様子をただ見てため息をこぼす。
☆
ハイメフラワーズが引いたのはグレード0。こちらは食料探しではなく、食事などの準備を行う設営係だった。食器やバーベキューセットの設置などといった簡単なお仕事だ。
「バーベキューの準備なんて、道具は揃ってるし」
「たいした手間ではないな」
「設営係で大当たりだったね~♪」
「でも、みんなちゃんと取ってくるかな?」
これだけのことを設置しても、食材がなければ形無しなので、それだけを心配するトコハ。
☆
執行委員組が引いたのはグレード2。近くにある桟橋で海の魚を釣りで取る係だ。
「なぜこんなことを・・・」
魚釣りを行っていることに対して、伊吹はそんな愚痴をこぼしている。
「緊急用の非常食があるだろ?」
「緊急という程の事態じゃなかったのさ」
「・・・ハイメの自由にさせ過ぎだぞ」
「むぅ・・・」
それを言われて何も言い返せなくなる伊吹。
「いいじゃないか。それより2人とも、どっちが大物を釣るか勝負しよう。伊吹きゅん、一条きゅん」
「きゅ・・・ん・・・⁉・・・わかった。望むところだ」
「ふっ・・・海の申し子である俺に勝てるかな?」
3人はどっちが大物を釣り上げるかという勝負を行うようだ。
☆
山で食材探し係りのストライダーズは大きな洞窟の入り口のところまで来ていた。
「洞窟ですね・・・」
「よし!入ってみようぜ!」
「何でだよ?こんなとこに食いもんなんかねぇだろ?」
「いや、大丈夫だ。何かある。俺の勘がそう言ってる」
洞窟に入ろうとしたクロノだがカズマはそれを止める。それでもクロノは自分の直感を信じ、洞窟の中に入っていく。タイヨウと、渋々ながらカズマは洞窟の中に入る。すると、複数の眼光が3人を見つめられた。
「⁉な、なんだ⁉」
洞窟の中に待ち受けていたのは・・・複数の蝙蝠だった。
「こ、蝙蝠・・・!」
「キシャーーーー!!」
「「うわあああああああ!!」」
「何してんだよてめえはぁ!!」
3人は洞窟から出て蝙蝠から全力で逃げていき、すッ転ぶ。洞窟から出た蝙蝠はそのままどこかに飛んでいってしまった。
「グレードジャンケンといい、クロノさん全然ついてませんね」
「えっ・・・」
「たく・・・こんなんでファイナルステージ大丈夫なのかよ?」
「ちぇ・・・。お前こそ大丈夫なのか、カズマ?」
クロノが言っていたのは、サードステージでカズミにやられ、膝をつくカズマのことだった。
「そんなんで、ファイナルステージ戦えるのか?」
「・・・前にも言ったはずだぜ?
カズマの脳裏に浮かんだのは、カズミとのファイトで、自分が敗北した光景だった。
「・・・俺は負けた。でも俺がファイトした奴は、俺の知ってるあいつじゃなかった・・・」
そう、今のカズミはカズミの姿に成り代わった忍竜シラヌイゆえに、まったくの別人ともいえる。
「俺には立ちたい場所がある。その思いは変わらない。やることが1つ増えただけだ。シラヌイって奴を追い出して、本当の鬼丸カズミを取り戻す!この前はやられたが、次は必ず、ぶっ潰す!」
「ああ!」
カズマはシラヌイに勝利を収め、本当の鬼丸カズミを取り戻す意思を強める。このチーム、ストライダーズと共に。
☆
川でウナギ釣りをしていたドリームハーツは途中経過を報告し合っている。アリスは結構多くのウナギが取れ、アンは革の靴ばかりが釣れ、ユイはウナギではない魚が複数連れていた。
「うぅ・・・私って、釣りの才能がないのでしょうか・・・」
「ねぇ、革靴ってさ、何らかの方法で食べられるって噂聞いたことない?」
「それがどうしたよ?」
「ちょっと食べてみてよ」
「ふざけんな。お前が食え」
いくら食欲旺盛なアリスでも、革靴を食べるという気にはならなかったらしい。
「でも驚きましたよね、チームディフライダーが惑星クレイのユニットだったなんて」
「私もクレイと関係あるのかなーって思ってたけど、まさかユニットが憑りつくなんて思わなかったよ」
「はい。それに、聞いても実感がわきませんからね」
「・・・・・・」
アンとユイがディフライダーの話をしていると、アリスは少し真剣みな表情になり、2人に話しかける。
「あのさ、2人には聞いてもらいたいことがあるんだ」
「アリス?」
「どうしたんですか?」
「チームディフライダーのシルフィ・フィン・キャメロットは・・・僕の従姉妹なんだ」
「えっ⁉そうなの⁉」
シルフィがアリスの従姉妹だという事に驚きを隠せないユイとアン。
「で、でも、アリスちゃんは静岡出身でしたよね?対してシルフィさんはベルギー出身だとネットで・・・」
「簡単なことさ。僕とフィーは互いに、片方が日本人、片方がベルギー人の親を持ってる・・・つまり僕とシルフィは、ハーフって奴だよ」
「そうだったんですか・・・」
「あいつは昔っから他人を優先して、それでいてそれを自分のためだと言い張るようなかなり損してる性格なんだよ。そんな奴がさ、ヴァンガードを破壊するといってる奴に協力しているなんて、全然思えないんだよ。例え、あいつがクレイのユニットにディフライドされているとしてもだ。だって、ヴァンガードの破壊ってのは、シラヌイだけの目的のはずでしょ?だったら、他の奴らはなんのためにって思うでしょ?」
「アリスちゃんの話が本当なら・・・確かにありえませんね・・・。他のディフライダーは何のためにこの世界に来たのでしょう?それも人間の体に乗り移ってまで・・・」
アンがカズミ以外のディフライダーの目的について真剣に考えていると、ユイが大きく声を上げる。
「あー、もう!2人とも真剣になりすぎ!もっと楽に考えていこうよ!」
「ユイちゃん・・・」
「マモルさんが言ってたでしょ?私たちは私たちのヴァンガードをしてほしいって。難しく考える必要なんて、どこにもないんだよ。シラヌイの目的であれ、他のディフライダーの目的であれ、そんなこと気にしてたら、本来私たちのヴァンガードができなくなっちゃうよ!」
「シラヌイの目的を本人に聞こうとした君が言えたセリフか⁉」
「うっ・・・それは・・・」
「・・・けど、君の言う事も一理あるね」
ユイの言葉を聞いて、正論を言いながらも、笑みを浮かべる。
「シラヌイの目的が何であれ、そんなことはどうでもいい。僕には僕のやりたいことがある。それは、あの日果たせなかった約束・・・約束の地でファイトをして、今の力を持ってフィーを超えること・・・その約束の続きをみることさ」
「でも、今のシルフィさんは・・・」
「わかってる。まずはフィーにディフライドしてる奴からだ。そのためにも、
「アリスちゃん・・・そうですね。
ディフライダーの目的を阻止することは変わらない。だが、それ以上に己のヴァンガードを貫こうという意思が強くなっていく。
「そうだよ!私たちは私たちのヴァンガードをやって、みんなに楽しさを広めていこう!それはファイトしてる人や、見ている人だけじゃない・・・鬼丸カズミ、シラヌイにも教えてあげよう!ヴァンガードはシラヌイが思っているようなものじゃないってことをわからせるんだよ!」
ドリームハーツは己のヴァンガードを貫くため、
「さて、そろそろウナギ釣りを再開しようか。まだまだ時間はたっぷりある」
「うぅ・・・もう釣りは嫌です・・・革靴ばっかり・・・」
「革靴、アリス食べて・・・」
「そんなに食べたいなら食わせてやろうか?釣れたての革靴を」
「やめて、ほんとに」
ドリームハーツは冗談を混じりながらもウナギ釣りを再開するのであった。
☆
海辺の食材探しを担当していた福原高校ヴァンガード部の結果は、シオンの活躍によって、大量の魚を捕ることに成功していた。
「ふ~ん、結構捕れたわね。フェンシングが得意でよかったじゃない」
「関係ないですよ、フェンシングは」
シオンはモリで捕った魚をバケツの中に入れる。
「・・・まだ信じられないよ・・・。惑星クレイのユニットが、人間にディフライドしてるなんて・・・」
「僕も驚いています。鬼丸とファイトした時、普通じゃないって思ったけど・・・まさかこんなことが・・・」
「シオン君・・・」
「ヴァンガードを破壊する・・・いったい鬼丸がどう動くのか、気になります」
「だいたい、クレイが実在してるなんて・・・もう何が何だか・・・」
驚愕の事実の連続でアンリは未だ混乱しているようだ。そんな混乱を破ったのは、リンの一言だった。
「たく・・・だから何だっての?相手が誰だろうと、何をしようと関係ない。全部勝ってトップに立つ。それだけよ」
リンの言葉にシオンは笑みを浮かべ、アンリは唖然としている。
「何?文句ある?」
「羽島先輩の言う通り、僕らの目指すものは何1つ変わりません」
「ビビり過ぎよ。ディフライダーだからって何?あんたシルフィって奴に勝ってるでしょうが」
「あ、ああ!そうでした!」
「何であろうと、立ちはだかるものはすべて倒す。相手が鬼丸カズミ・・・忍竜シラヌイでも」
シオンの決意が強くなると同時に、元気を取り戻したアンリもそれに同意する。
「うん!優勝して、福原高校ヴァンガード部を守り抜くんだ!」
アンリがそう意気込んでいると、リンの足元にカニがいるのを発見する。
「ああ、カニ!今度こそ!」
「ひぇっ・・・⁉」
足元にカニがいることにリンは顔を真っ青にさせる。アンリはカニを捕まえるためにカニを必死に追いかける。
「羽島先輩、そこ、捕まえてください!」
「はぁ⁉無理・・・絶対無理いいいい!!」
意外なことにリンは生きた甲殻類が苦手のようだ。
☆
設営係のハイメフラワーズはもうすぐ食器を並び終えそうになり、後は食材調達組が戻ってくるのを待つだけになりそうだ。
「・・・ミゲルのことを調べてくれて、ありがとう」
トコハはハイメに頭を下げて感謝の言葉を述べた。
「なんだい?急に改まって・・・」
「もう1度、きちんとお礼を言っておきたくって・・・」
「ミゲルがディフライダーの陰謀が関係ないってわかって、よかったよ」
ミゲルは元々ディフライダーということもあって、カズミたちと同じチームを組む予定だったのだが、カズミ、シラヌイの目的とは関係ないことがわかって、ハイメもトコハもホッとしていた。
(あなたが信じてくれた可能性を信じて・・・私はまっすぐ前に進む・・・思いっきり!)
トコハがそう決意したところで、敗者復活戦に向けての気合が入る。
「敗者復活戦は絶対勝って、ファイナルステージにいこう!!」
「うん!」
クミも江西もトコハと同じ気持であった。
☆
桟橋での大物釣り勝負をしている執行委員の3人は今回の件について話している。
「僕らを気遣って黙っていたんだろう?でも僕らのためだと思うなら、最初から巻き込むべきじゃないのか?結局は自分たちで調べる羽目になって大忙しだよ」
「それはお前らが勝手に・・・」
「俺たちのことを知っているならこれくらい予測できたはずだ」
「・・・」
キョウヤの正論に伊吹は何も言えなくなる。
「何があろうと、俺たちの仕事は変わらん。たくさんファイターがヴァンガードを楽しめる世界を、この手で守り抜く」
「うん」
「・・・ああ」
そんな会話をしていると、マモルの竿がぐいぐいと喰いついている。
「おっ・・・きたぁ!!」
マモルは竿を引き上げようとするが、かなりの大物らしく、竿事持っていかれそうになるも、何とか粘って魚を引き上げようとする。
「伊吹君!網用意して網!!」
「あ、ああ!網、網・・・」
「いや!そんな余裕はない!安城を補助するぞ!」
「わ、わかった!」
伊吹とキョウヤはマモルを補助し、大物を引き上げるのを手伝う。
「こりゃ大物だぞお!!」
3人で力を合わせ、何とか魚を引き上げることに成功した。大きさはかなりのものだった。
「「「おおおおおおお!!」」」
大物釣り勝負の結果は、マモルの大物によってマモルの勝ちとなった。
☆
山の食材探しをしているストライダーズはようやく食料を発見する。タイヨウは木に実ってあるおいしそうなマンゴーを籠の中に入れる。
「おいしそう!いっぱい持って帰ろう!」
一方のクロノとカズマは葉っぱに止まっている芋虫を見て、こんな話をしている。
「虫ってすっげぇたんぱく源らしいぞ」
「だからどうした?」
「ちょっと食ってみろよ」
「お前が食えよ・・・」
中学生のタイヨウがしっかりしているのに、少し自由すぎる高校生の2人であった。
「このメンバーでファイナルステージに行けるなんて、夢みたいです!最初はどうなるかと・・・」
「いろいろあったよなぁ。シオンやトコハ、ユイと離れて、燃えるもんがなくなって、毎日がつまんなくて・・・」
クロノの脳裏に浮かんだのは、高校生活序盤のつまらなさそうな人生だった。
「お前と重なるな」
「はあ?」
「力はあるのに、何の得があるんだって言って、本気になれねぇ、つまんなそうな顔して・・・」
「てっ、訳わかんねぇぜ」
「わかれよ」
「でもストライダーズはいいチームです!このチームがどこまで強くなれるか、もっと試したいです!どんなにディフライダーが強くたって、今度は必ず!」
「ああ。ヴァンガードは鬼丸が言うようなもんじゃねぇ。俺たちとユニット同士には、思いや絆がある。それを断ち切るなんて絶対許さねぇ!俺たちは俺たちの信じるヴァンガードで、ファイナルステージを駆け抜ける!そして優勝する!」
「はい!」
ストライダーズの気持ちがより一層1つにまとまり、より一層気合が入る。すると、3人の元にかわいらしいウリ坊が数匹近づいてきた。
『ピー、ピー』
「ウリ坊⁉」
「かわいい!」
タイヨウはウリ坊たちを撫でまわしていると、高校生2人はとんでもない発言をする。
「猪って食えるのか?」
「猪鍋?」
「えっ・・・?まさか・・・!!」
タイヨウは嫌な予感をしてクロノとカズマを見ると、空腹からか悪い顔をしている。どうやら本気で捕まえて食べる気らしい。
ドシンッ!
突然の大きい足音にストライダーズはそちらの方を顔を向けると、そこには大きな猪がいた。どうやらウリ坊たちの親らしい。
「お、親猪!!?」
「でけぇ!!」
「グオオオオオオオ!!」
「「「うわあああああああ!!」」」
ストライダーズは親猪に追いかけまわされ、強制下山をする羽目になり、獲得した食料はたくさん取ってきたマンゴーだけとなった。子供の動物を食料としてみるのをやめよう。親がどこで見ているかわからないのだから。
☆
お昼の時間となり、食料調達を終えたメンバーたちはその食材を使って、バーベキューを行った。それだけでなく、お刺身やウナギのかば焼きもあり、全員はこれらの料理を味わって食べている。リンも料理の味にはご満悦のようだ。すると、リンの皿によく焼けたエビが置かれる。
「ちょっと、勝手に置かないで。食べたきゃ自分で・・・」
リンがそう言おうとしたところで言葉が詰まる。なぜならエビを置いたのはマモルだったからだ。
「いい感じに焼けてたから・・・嫌なら・・・」
「・・・っ!い、嫌なんて言ってないでしょ!食べるわよ・・・」
リンはマモルからそっぽを向け、顔を少し赤らめている。
「食べ終わったら何します?」
「そんなの決まってんだろ?」
食事が終わった後はやることは決まっている。そう、お待ちかねのヴァンガードだ。
☆
食事を終え、4チームは指定されたファイト台に立ち、ファイトの準備を進める。ファイトの準備を終えたら、いよいよファイト開始だ。
『スタンドアップ・((ザ))(ル)・ヴァンガード!!』
ファイトが始まり、4チームは全員楽しそうにファイトを進める。盤面が進み、タイヨウは黄金の聖剣グルグウィントに、カズマは
「ファイナルステージ、勝つのは、俺だあ!!」
ドリームハーツ側はアンは夢幻の風花シラユキ、アリスはドラゴニック・ブレードマスター"紅焔"、ユイは
「誰が相手であろうと、私が絶対に勝つ!!」
福原高校ヴァンガード部側は、アンリはドラゴニック・ヴァンキッシャー、リンは
「クロノ・・・そしてディフライダー!次は、僕が勝つ!!」
ハイメフラワーズ側はクミはバトルシスターまどれーぬ、江西は罪を灌ぐ者シャルハロート、トコハは胸焦がすラナンキュラスアーシャにライドする。
「クロノとシオン、そしてユイが待つ場所へ、必ず行ってみせる!!」
そして、クロノはクロノジェット・ドラゴン・Gにライドさせる。
「いくぜ!ファイナルステージ!!」
各々がファイナルステージに思いを込めながら、今行っているファイトを全力で楽しんでいる。
☆
夕方ごろ、ようやく落ち着いたところでマモルはコテージで夕方の海を眺めながらのんびりしている。
「はぁ~、落ち着いた」
マモルが落ち着いていると、顔にキュウリパックをつけた伊吹が近づき、デッキを突き付ける。
「どうだ?勝負の続きは」
伊吹が指を指したところは、近くに置いてあったファイト台だ。
「釣りでは勝ちを譲ったが、ファイトでは・・・」
「・・・また勝たせてもらうよ」
「失礼」
2人がファイトをしようと思っていたところに、リンが入室してきた。リンが来たことで伊吹は慌ててキュウリパックを取る。
「なんか面倒なことになってるけど・・・
「それはもちろん!今回も多くのスカウトが来てるよ!」
「ならよかった・・・」
リンは少し顔を赤らめながらマモルに堂々と宣言をする。
「・・・っ、私、プロのファイターになるわ。
リンの宣言にマモルは大喜びでリンに笑顔を向ける。
「・・・そうか!!プロのファイターに!!応援するよ、リン君!!相談に乗るから、何でも言ってね!!」
「・・・っ///と、とにかく!そういう事だから!!」
リンは言いたいことを言ってコテージから出ていく。
「そうか・・・あのリン君が・・・」
マモルは何やら感慨深いものを感じ取っていたりしている。
☆
夕が暮れて夜、海辺に久しぶりにトライフォーが集まって、夜の星を眺めている。
「ファイナルステージも遠慮なくいくぜ」
「サードステージみたいにさせない。覚悟しろ」
「2人とも私を忘れないでよ!いい?ファイナルステージでは絶対に勝つつもりでいくから!」
「何よ、あんたたちだけで楽しそうに!敗者復活戦勝って、ファイナルステージ絶対行くから!!」
「うん!絶対に待ってるからね!」
トライフォーはファイナルステージの話で盛り上がり、星を眺めていると、去年にここに来たことを思い出す。
「前も、ここで星を見たわね」
「いろいろあったな」
「あいつら、どうしてるかな?」
「ドランたちのこと?」
「ユニットがこっちに来て、向こうはどうなったかと思ってさ」
クロノの思いを聞いて、3人は笑みを浮かべる。
「クロノは心配性だなー」
「彼らなら心配ない」
「元気にやってるわよ」
「そうだよな!あいつらならきっと!」
その答えを聞いてクロノは3人と共に笑いあう。
「クロノさーん!キャンプファイヤー、始めますよーー!!」
「わかったーー!!」
タイヨウが4人を呼びに来て、クロノがそう答える。トライフォーは皆のところに戻り、キャンプファイヤーで交流を深め合いながらこの夜空の星を眺めるのであった。
to be continued…
クロノ「食材探しは大変だったけど、いいリフレッシュになったぜ!」
トコハ「レオンさんにハイメに感謝だね!」
シオン「もしよかったら、今度はうちの別荘に来ないか?ここのリゾート施設にも、決して引けは取らないと思うよ?」
ユイ「本当⁉いくいく!その時は絶対行く!!」
リン「綺場家の別荘?いけ好かねぇ」
アンリ「きっとすごいんだろうね!壮行会みたいに!ははっ、楽しみだなぁ。ワクワク、ワクワク」
シオン「最高のおもてなしを約束しますよ」
TURN188「復活の狼煙」