こまめな塩分補給と水分補給をして、体調を整えましょう。
さてと、前置きはこれぐらいにして、さっそく本編に移りましょうか。
それではどうぞ!
カードキャピタル、ユイとトコハはクエストボードでポイントが溜まりそうなクエストを探していた。ちなみにトコハはユイのグレードを上げるためにユイに全力で協力するためにいる。そんな2人の目に止まったクエストが見つかった。
クエストレベル2 依頼人:緒川ジョウジ
内容:1ヶ月前にあった女の子がカードを落としていったのでカードを届けたいのです。詳しい話はカードキャピタル2号店で話します。
「あれ?カードキャピタル2号店って・・・ここじゃん」
「っていうことはこのクエストの依頼人がここにいるってことね」
「ああ、そのクエスト出した奴はほれ、あそこにいるぜ」
2人が受けたクエストを見たカムイは現在店内にいるクエストの依頼主に指を指す。依頼主は見るからに冴えなさそうな高校生ぐらいの男だ。
「探す手間が省けたわね。いこ、ユイちゃん」
「うん!カムイさん、ありがとうございます」
ユイとトコハは依頼主のところに向かう。
「ねえ、このクエスト受けてきたんだけど、あなただよね?このクエスト出したの」
「え?あ、うん。確かにそれを出したのは俺だよ。まぁ・・・立って話すのもなんだから座りなよ」
ユイとトコハは言われた通りにテーブルの椅子に座り、依頼人の話を聞く。
TURN18「うずまきキューピット」
依頼人、緒川ジョウジの話はこうだ。1ヶ月前、ジョウジはいつものようにファイトの対戦相手が声をかけてくれる人を待っていた。その時に声をかけてくれたのが女子高生のファイターだった。そのファイトが終わった後、何やら用事があったらしく、急いで帰っていったそうだ。そして気づいたら、
「きゃーー!それ完全に一目惚れだよ!恋ってロマンチックーー!」
「ちょ///ちょっと///そんな大声で///」
そう、ジョウジは一度ファイトしただけの女子高生ファイターに一目惚れしているのだ。
「・・・トコハちゃん・・・このクエスト目的、わかってるよね?」
「ええ、当然!今回のクエストはカードを届けるのと同時に、2人の仲を取り持つのが目的ね!」
「「すごく燃えてきたーー!!」」
「え・・・えーと・・・」
ジョウジの話を聞き、やる気を見せるユイとトコハ。2人の勢いに戸惑うジョウジ。
「トコハちゃん!このクエスト受けよう!私たちで恋のキューピットになろう!」
「当然!このクエストを達成して、ユイちゃんのポイントを上げてやるんだから!」
「2人には悪いけど、そうはいかないよ」
燃え上がる2人に、シオンが話に割り込んでくる。
「「綺場(君)!」」
「僕もこのクエストを受けるんだ。先に達成するのは僕だ」
シオンもジョウジのクエストを受けたことを知ると、ユイとトコハはジョウジの方を見る。
「え・・・えーと・・・実は・・・もう一人ほどクエストを受けてくれる人がいるらしいんだ・・・」
「「「え?」」」
☆
その後クロノが来て、クロノもユイ達が聞いたジョウジの話を聞き、クエストを受けることしたらしい。ただクロノはクエストの目的は間違ってはいないが方向性は少し間違えている。
「要はこのカード、持ち主を探して返せばいいんだろ?」
「え?あ、いや・・・そ、そうなんだけど・・・」
「そういうことじゃない!」
遠くから見ていた3人はクロノの前に現れる。
「!お前ら⁉」
「まったく、鈍いわね、新導」
「話を聞いてたら、だいたいわかるだろ?」
「何がだよ?」
「だーかーらー、この人、えーと・・・」
「緒川です・・・」
「そうそう!緒川さんはたった一度ファイトした彼女に一目惚れして、また会いたいって言ってるんだよ!」
「ちょ///また大声で///」
ユイの発言でクロノや他の客がジョウジを見て、ジョウジの顔は真っ赤になった。
「一枚のカードから始まる恋・・・ヴァンガードが2人を出会わせ、導いたって、かなりロマンチックだと思わない?」
「・・・わかんねぇ」
「こういう時こそイメージよ、新導!」
トコハにそう言われてイメージしてみるクロノ。イメージ内でクロノが立っている場所はスパイクブラザーズのギャロウズボールの試合会場。その会場に空からノキエルが舞い降りた。ノキエルはクロノに向かって光のハートの矢を放つ。それを喰らってよろめいたクロノ。
「・・・中々のアタックだな!」
これでも全然趣旨がわかっていないクロノ。これにユイはツッコみ、全然理解していないクロノの為にトコハとシオンがクエストの趣旨を説明する。
「ズコッ!恋心ゼロか!」
「だからそうじゃなくて」
「つまり、ただ持ち主を探して、カードを返せばいいってものじゃないんだよ。2人を再会させ、仲を取り持つ・・・それがこのクエストの真の目的ってわけさ」
「・・・めんどくさ。っていうかお前ら何でいるんだよ⁉」
「何よ。最後に来たくせに」
「君で4人目なんだよ。このクエストを受けたのはね」
それをきいて少し唖然となるクロノ。ユイはクロノの持っているノキエルのカードを取る。
「おっおい!」
「どうしたの?クエスト、やめるんじゃなかったの?」
「気が進まないなら、無理しなくても?」
「これは俺のクエストだ!」
そう言ってクロノはユイがとったノキエルのカードを取り上げる。4人はジョウジに向き直る。
「おい、誰に頼むんだよ?」
「いや、俺は正直、彼女に会えれば、誰でもいいっていうか・・・」
「はあ?」
「わわ!じゃ、じゃあ、彼女を見つけて会わせてくれた人がクエスト達成ってことで・・・」
「早いもん勝ちってわけか」
「これもファイトってわけね」
「じゃあ私かトコハちゃんが先に合わせたら、私たち2人でポイントもらうっていうのはどう?」
「別に構わねえよ」
「恨みっこなしだよ」
そんなわけでこのクエストはクロノ、ユイとトコハ、シオンのどちらか女子高生ファイターに会わせてくれた者がクエスト達成という事になった。
☆
4人はまずノキエルのカードという手掛かりを頼りに所有者の特定を図る。ノキエルのクランはエンジェルフェザーだ。しかしやはりというかそれだけで特定するのは不可能だ。いや、それどころか情報が少ない。
「それにしても、エンジェルフェザーを使う同年代の女性ってだけじゃ、あまりにも情報が少なすぎる」
「ねえ、何か他に覚えてることってないの?どんな細かいところでもいいから」
「う~ん・・・。そっ、そういえば・・・」
「「「「そういえば?」」」」
「彼女のバッグに、ユーロリーグのオリビエ・ガイヤールのグッズが」
「「オリビエ・ガイヤール?」」
クロノとユイが首を傾げている。一同は店内に貼られてるポスターのところに向かう。ポスターに写っているのがユーロリーグで活躍するファイター、オリビエ・ガイヤールだ。顔立ちはかなりの清潔だ。
「・・・勝ち目ないだろ」
クロノの一言によってジョウジはショックで膝をつく。
「たく、忘れものを返すだけの簡単なクエストだと思ったのに・・・」
クロノは椅子に座り、ノキエルのカードを見つめる。
「ちょっと新導君。それ唯一の手掛かりなんだから独り占めしないでよ」
「なんか当てでもあるのかよ?」
「あるわけないでしょ?でも、安城トコハはそれくらいじゃビクともしないのよ!」
「さすがトコハちゃん!」
「手ごわいほど燃えるのは、ファイトもクエストも同じだね」
そう言ってシオンは自分のファイカを取り出し、何かを操作する。3人はシオンのファイカを覗く。
「よし、これで終了」
「「「?」」」
「クエストを発注するのさ」
「「「クエスト?」」」
クエストレベル1 依頼人:綺場シオン
内容:高校に通っていてエンジェルフェザー使いの女性の方限定。僕にエンジェルフェザーについて教えてください。
「あ~」
「なるほどね」
「これでその人を特定しやすくなったわけだね!」
☆
クエストを発注して、しばらく待っていると、大勢の女子高生、それもエンジェルフェザー使いの女性がカードキャピタルに集まった。
「わ~爽快だね~。エンジェルフェザー祭りだよ」
「うるさ・・・」
シオンは女子高生たちの前にたち、クエストを進行させる。女子高生たちから歓声が上がる。
「みなさん、今日は集まってくれてありがとうございます!いろいろなエンジェルフェザーのデッキやカードが見て見たくて。よかったらお話を聞かせてくれませんか?」
「まだるっこしい。何でこのカード忘れませんでしたかって言わないんだよ」
遠くから見ているクロノがそう言った。
「新導君、このクエストはカードを落とした人に会いたいっていうのも含まれてるんだよ?」
「それ私のです~って言われたら、その場で返さなきゃいけないじゃない!それじゃあ依頼主に会わせられないでしょ?」
「あ」
「え?まさか気づいてなかったの?」
そんな話が進んでいる間にシオンはクエスト参加者にいろいろと話を聞く。
「どんなカードを入れてるんですか?
「ノキエル?私は入れてないけど・・・」
「そうですか。誰か使っている方はいませんか?」
「ねえねえ、それよりファイトしよう!」
「あーいいなぁ、私も!」
「私も!」
「いや、ですから、そうじゃなくて・・・あっ・・・話を聞いてくださーい!!」
ノキエルの所有者を探そうにも女子の人気が仇となってしまい、まともに話を聞ける状態でなくなってしまった。
「あいつ・・・」
「策士策に溺れるね」
(・・・あれはクエストの為、あれはクエストの為なんだから・・・)
シオンが女子高生ファイターたちに囲まれている姿を見て、心の中でそう念じているユイ。
☆
少し時間がたち、ユイとトコハは二手に分かれて女子高生ファイターたちに話を聞くついでにカバンについているキーホルダーを見て、所有者を特定しようとしている。負けじとクロノも女子高生ファイターたちに声をかけるがその鋭い眼光から、全員クロノから逃げていく。
「何で逃げるんだよ⁉」
「だったら、もう少し愛想よくしたらどうかな?」
「少しはトコハちゃんを見習いなよ。ほら、あれ見てよ」
シオンとユイがクロノに話しかけ、ユイがトコハにいる場所を指を指す。そこにはガイヤールのポスターを使って所有者の情報を聞き出している姿があった。
「エンジェルフェザーを使っている人で、この人のファン、誰か知りませんか?」
「知らない」
「オリビエ・ガイヤールの・・・?私前にファイトしたことあるかも・・・」
「「「!」」」
有力な情報を持っていそうな女子高生に反応する3人。
「本当ですか⁉」
「ああ、うん。珍しいなって思ったんだよね。ガイヤールと同じゴルパラを使うファンはいるのに、エンジェルフェザーなんだって・・・」
「え~?その子、本当にファンだったの?」
「間違いないって。だってバッグにガイヤールのグッズがついてたもん」
「「「!!」」」
これで確信した。今話に出てきている女子高生はジョウジが探している人物だと。
「そうなんだ。どんな人でした?」
「う~ん・・・確か家が病院だって言ってたような・・・。まあ、会ったのはその一回だけでよく覚えてないんだけど・・・」
何はともあれ、間違いなく有力な情報を手に入れたことは間違いない。トコハは3人に向かってウィンクをしてピースサインをする。
☆
有力な情報を得た4人は女子高生たちが帰った後、町中の病院を調べていた。ユイとトコハは地図を、シオンはパソコンを、クロノは町中の電話帳を使ってそれぞれありとあらゆる病院を調べつくす。その後、シオンは候補となっている病院を訪ねてみることにした。その後ろついていく3人。
「・・・ついてくるのはいいけど、できれば手伝ってくれないかな?」
「その手掛かり、私がゲットしたんですけど~?」
「別に、行く方向が同じなだけだろ」
「・・・君たちが協力するつもりがあるなら、手分けしてと思ったんだけどね」
「?何それ?」
「僕が調べ上げた病院の住所さ。ほら、見てみなよ」
そう言ってシオンは3人に病院の住所を見せる。3人はそれを見てみるがその数が数え切れないほど名前が挙がっている。
「この中のどれかだと思う」
「え~、こんなにあるの⁉」
「こんなの一つ一つ訪ねてたら日が暮れちゃうよ!」
「片っ端から電話すりゃあ・・・」
クロノは一々訪ねずとも電話で聞いた方がいいと提案するが・・・
「"お嬢さん、ヴァンガードをやっていませんか?"、"使用クランは何ですか?"、"1ヶ月前、カードをなくしませんでしたか"って・・・」
「・・・電話代がすごいことになりそうだな・・・」
「・・・電話代だけで家が倒産しそうになっちゃうね・・・」
「・・・そうね・・・」
電話代のことを考えると、この案は却下になる。
「しらみつぶしにあたるしかないか・・・」
「ていうか新導君。いつまで電話帳を持ってるの?まさか持っていくつもりなの?」
「捨てるわけにはいかないだろ」
「とはいえ、このままじゃ効率が悪いな・・・絞り込まないと・・・」
シオンはスマホを使って、病院の家庭の友人を呼び出し、病院に住んでいて、高校生で娘がいる家庭を調べるように依頼する。その後は様々な経営を営んでいる人たちを高級ホテル宿などに呼び出し、話を聞く。それについて言っている3人はシオンとのレベルの違いにかなり引いている。
「大きな病院でそれらしいところはないようだ。これで大分絞り込めたよ」
シオンの後ろで3人はシオンを無言で見つめる。
「?どうかした?」
「お前・・・何者だよ・・・」
「綺場君がお金持ちなのは知ってたけど・・・ここまでくると自分の家に自信がなくなってくるよ・・・」
☆
4人はその後様々な病院に赴き、高校生の娘がいて、ヴァンガードをやっているかどうかを聞いて回っている。しかし、どこの病院に行ってもそれに該当するところは見つからなかった。そして現在はカードキャピタルで休憩をとっている。
「あ~、何で見つからないんだよ~?」
「本当にね」
「私、病院嫌いになったかも・・・。ていうか好きな人がいるのかって話だけど・・・」
「もう疲れた~・・・」
4人はそれぞれ愚痴をこぼしている。
「なんだおまえら、4人がかりでまだ見つからないのか?」
「この2人と一緒にしないでください」
「どういうわけだか、この3人、僕についてくるんです」
「お前らが邪魔してんだろ?」
「邪魔だなんて心外だなぁもう」
「おいよせよ。腹減ったからってカリカリすんなって」
「「「「減ってません!」」」」
カムイの言葉にシンクロする4人。
「わかったわかった。ほら、これ」
そう言ってカムイが渡したのはお好み焼き屋のサービス券1枚だ。
☆
カードキャピタル2号店のある建物には、お好み焼き屋もある。2階がカードキャピタル2号店で1階がお好み焼き屋となっている。4人は1階にあるお好み焼き屋でサービス券でお好み焼きを注文し、お好み焼きを焼いている。
「・・・何やってんだ俺たち・・・」
「仕方ないでしょ?サービス券、1枚しかないんだから」
クロノは愚痴をこぼしながらお好み焼きを4等分に分け、それぞれの皿にのせる。
「家では食べないんだよね。こういうの」
「本当?じゃあ今度うちに遊びに来なよ。ママの得意料理ってお好み焼きなんだ」
「ありがとう。機会があれば必ず行くよ」
「ちなみに、通はケチャップをかけて食うんだぜ」
「え?そうなの?」
「・・・佐倉さん・・・騙されちゃダメだよ」
そんな会話の後4人はお好み焼きを食べた。4等分にして食べたため、量はかなり少なかったが、十分な休憩にはなった。
「ごちそうさまでした」
「は~、これ食べたらママのお好み焼きが食べたくなっちゃった」
「ていうかお好み焼き1枚じゃ足りねえよ」
「ああもう、ガタガタ言わない」
クロノは畳の上で寝転がって持ってきた電話帳を見る。するとクロノは電話帳の美容院一覧を見て、あることに気付く。3人も覗いてそれに気づく。
「・・・ああ!もしかして・・・」
「うん!あの人が言ってたのはもしかして・・・」
「病院じゃなくて、美容院か!」
☆
その後4人は町中にある美容院を片っ端から赴いていった。いろんな美容院に赴き、現在4人はある美容院の店長に話を聞いている途中だった。
「ヴァンガード?・・・ああ、ヒナコがはまっているカードゲーム」
((((ヒット!))))
「そっか。ごめんね。せっかく来てもらって悪いけど、あの子、チアの大会でいなくて」
「「「「チア?」」」」
「チアリーディング。小学校からずっとね。全国目指して邁進中!」
「ちなみに、1ヶ月前の日曜日なんですけど・・・」
「1ヶ月前?ああ、その日もチアの予選で出かけてたよ」
「場所はわかりますか?」
「えっと・・・確か・・・どこかの学校の体育館だったかな?」
ユイは店主に地図を見せて、場所の特定を図る。
「う~ん、多分ここだよ」
店主は地図の記してある学校のある場所を指す。そこはカードキャピタル2号店の近くである。
☆
4人は美容院の店主に教えてもらった学校の体育館にジョウジを連れてきていた。ジョウジは探し人を隠れて探していた。
「あ!い・・・いいいた・・・」
ジョウジが指に指した人物を4人は見てみる。その女子生徒は茶髪でポニーテールでなんとも美しい雰囲気がある。
「あれが・・・」
「わぁ、きれいな人!私が男の子だったら絶対にアタックしてたよ!」
「でも結構レベル高いわよ?」
「蓼食う虫も好き好きっていうし、まだ可能性は・・・」
「綺場君、全然フォローになってないよ」
ジョウジが再会したい相手、宮前ヒナコを見て、3人は思っていること口に出す。
「わ・・・わかってるよ!釣り合わないって言いたいんだろ⁉もう誰でもいいから渡してきてくれよ!」
そう言ってジョウジはノキエルのカードを4人に渡そうとする。
「え⁉だってこれ、もう一度会いたいんじゃなかったの⁉」
「たった1枚のカードを返すために、クエストまで使って探したなんてわかったら、きもーいって思われるに決まってる!」
「最初に気づけよ」
クロノの一言で何も言い返せないジョウジ。
「と・・・とにかく代わりに返してくれたら、クエスト達成にするから、それで文句ないだろ?」
「それはできません」
「本人が返さなきゃ意味ないでしょ?」
「君が返さなくちゃ、君の今の想いも告げられないよ?」
「・・・それができたらこんな苦労は・・・」
ジョウジは頑なに自分から渡したがろうとはしない。
「・・・わかったよ」
そう言ってクロノはジョウジの持っているノキエルのカードを取る。
「ちょ⁉新導⁉」
「まさか新導君が返しに行く気なの⁉そんなのひどいよ!」
「呆れたな。君はクエストさえ達成できれば何でもいいのか?」
クロノはポケットの中から数枚のカードを取り出し、ノキエルのカードと一緒にシャッフルさせる。そしてクロノは裏向けの5枚のカードをジョウジに出す。
「引けよ」
「え?」
「あのカードを引いたら、あんたがこのカードを返しにいけ。もしそれ以外だったら俺が代わりにいってやる」
「で・・・でも・・・」
「・・・好きなんだろ?」
「!」
「カードは引くまで、何がでるかわからない。だからって、ファイトしないで諦めるのかよ?」
ジョウジはトコハや、ユイや、シオンに目を向ける。3人は同じ気持ちなのか首を縦に頷く。
「・・・わかった」
ジョウジは意を決してカードを引く決意をした。ジョウジは目をつむって5枚のうちの1枚のカードを引く。引き当てたのは
「お・・・俺、返してくる!」
そう言ってジョウジはヒナコの元に行き、カードを返しに行った。4人はそれを見届ける。見た感じでは中々良好な雰囲気が漂っていた。
「いい感じだね」
「うまくいくといいなぁ」
「それはあの人次第かな?でもうまくいくよ」
「ふっ・・・」
☆
見事クエストを達成し、4人は帰宅する途中だった。クエストのポイントは4人分きっちりもらっている。
「納得いかねぇ。何でポイント4等分なんだよ」
「もらえただけマシでしょ?大したことしてないくせに」
「・・・言い間違いに気づいたのは俺だけどな」
「偶然だろ?悪いけど、僕には最初から勝算があったんだ」
「勝算?」
「・・・なんだいその目は?」
「はいはい、喧嘩しないの。4人ともポイントもらえたし、結果オーライだよ」
4人はそんな会話をしている。
「でも、私は新導君が意外に恋のキューピットに見えたよ。綺場君もそう思うでしょ?」
「うん。意外にやるね」
「はぁ?」
「隠さなくてもいいさ。あれ全部同じカードだったんだろ?彼がどのカードを引いてもいいように」
「なんだ、意外と気が利くじゃない!」
トコハはクロノの背中を軽く叩く。
「何言ってんだ?」
「「「え?」」」
「そんなめんどくさいことするかよ。ほら」
そういってクロノは残り4枚のカードを見せる。それは全部ノキエルのカードではなかった。
「ちょ⁉なにこれ⁉これ全部ギアクロニクルのカードじゃん!」
「そんな・・・」
「ちょっと⁉もし外れたらどうするつもりだったのよ⁉」
「その時はその時だろ。諦めろって言ってやったさ」
クロノの全然気が利いていない考えに3人は呆れてため息をつく。そしてクロノを置いてそのまま歩き出す。
「ちょ・・・おい!」
「買いかぶり過ぎてたよ」
「一瞬でも感心した私がバカみたい」
「トコハちゃんはバカじゃないよ。バカなのは新導君の方だよ」
「おいちょっと待て佐倉!バカって何だよ!ていうか悪いか⁉結果オーライだったよな⁉」
「少しはその軽い頭をどうにか整理してからいいなよ。鈍ちん」
「なんだよそれ⁉お・・・おい!話を聞けーーー!!」
クロノはそう言ってさっさと歩き出す3人を追いかけていった。
to be continued…
クロノ「今回のクエスト、なんかめんどくさかったな」
ユイ「そう?ロマンチックでいいクエストだったけど。新導君だって気になる人くらいはいるでしょ?」
クロノ「はあ?興味ないし、ていうかそういう柄じゃない」
ユイ「いやいや、いるでしょ?一人くらい」
クロノ「だいたい、そんな俺イメージできないだろ」
ユイ「よし!じゃあさっそくイメージしてみるよ。恋に燃える新導君。恋に燃える新導君。恋に燃える新導君」
クロノ「や・・・やめろーーーー!!」
TURN19「まだない名前」