カードファイト!!ヴァンガードG 鋼と宇宙の正義   作:先導

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正直言って・・・原作のこの話あんまり好きじゃないんですよね・・・。

でも書かないと話が進まない。

皆さんはファイトをする際に、ルールはちゃんと守って遊びましょう。

それではどうぞ。


偽りのファイト

4人がチーム結成してから翌日、4人はカードキャピタル2号店であと1ヶ月と迫る大会に向けての会議をしていた。

 

「・・・とにかくだ!君たちがまずグレード3にならなければ何も始まらない!」

 

「・・・焦んなくてもすぐなれるっつーの」

 

「すぐっていつ?何月何日何曜日?」

 

「・・・小学生かよ」

 

「私も早いところグレード3になりたいんだけど・・・まだポイントは半分くらいなんだ」

 

クロノとユイはファイカをシオンとトコハに見せる。ユイのポイントはグレード2の半分ちょいといったところだ。クロノのポイントはあと一つのクエストをクリアすればグレード3になれるくらいまできている。

 

「だったら新導はさっさとグレードアップしちゃいなさいよ!」

 

「だったらさっさとクエスト行かせてくれよ!」

 

「じゃあさっさとクエスト探しなさいよ!」

 

「お前らが行かせてくれないんだろ!」

 

クロノとトコハはすぐに口喧嘩を始めてしまう。その光景をシンは微笑ましく、カムイは笑って見守っていた。

 

「地区大会までにクリアしておきたいことは山ほどあるからね。君たち2人にはミニ大会で一気にグレード3になってもらうよ」

 

シオンはそう言ってスマホで調べたものをクロノとユイに見せる。その内容はユナイテッド・サンクチュアリ支部主催のグレードアップミニ大会のお知らせだ。上位入賞者にはポイントを大幅ゲットでき、そして何よりも大きいのは優勝者には一気にグレード3になれるといったものだ。

 

「ユナイテッド・サンクチュアリ・・・他所の支部主催のイベントは初めてだな」

 

「ここなら地下鉄一本で行けるし、そんなに遠くない!」

 

「これでグレード3になれるんなら、参加一択だね!」

 

「じゃあ、参加登録しておくよ」

 

クロノとユイがグレード3になるためにミニ大会に参加することに決めた4人。シオンはさっそくスマホで参加申し込みをする。

 

「チーム名は・・・ラ・ヴィクトワール」

 

「「「ちょっと待て!!」」」

 

シオンがチーム名登録をしようとすると3人が異を唱える。

 

「なんだよそれ?!」

 

「フランス語で勝利って意味だけど・・・」

 

「勝手に決めんな。俺だって考えてきたんだ。チーム名は乾坤一擲!」

 

「かっこよく決めてるみたいだけどそれダサいよ。それなら私が考えた、ギャラクシースチルでいこう!」

 

「ユイちゃんだってダサいじゃない!やっぱ私が考えてきたシャイニングフラワーズで決まりね!」

 

「「「それだけはない」」」

 

4人はチーム名で、激しい口論が始まった。

 

 

 

TURN20「偽りのファイト」

 

 

 

ミニ大会当日、3人は浅草駅来て、切符を買いに来ているのだがシオンは電車事態に乗ることがあまりにも少ないため切符を買うのに手間取っている。

 

「いつも車ばっかりだからね。綺場君、手伝ってあげようか?」

 

「じ、自分でできるよ!」

 

シオンはそう言って千円札を入れようとするが、入れている場所が定期券を入れる場所と間違えている。

 

「あ・・・あれ?」

 

「そこ、カード入れるところ」

 

「カード・・・?」

 

シオンが戸惑っているとクロノが遅れて来た。

 

「悪い。遅くなった」

 

クロノは切符販売機に定期券を入れ、手慣れた動きで入金をチャージし、定期券を取り出す。

 

「よし。急ごうぜ」

 

クロノはさっさと改札口に向かう。シオンは少し唖然とし、ユイとトコハは必死に笑いをこらえる。

 

 

電車に乗り、目的の駅に着き、4人は少し歩いてユナイテッド・サンクチュアリ支部についた。4人はさっそくユナイテッド・サンクチュアリ支部に入り、ミニ大会の参加手続きをする。

 

「新導クロノさん、綺場シオンさん、安城トコハさん、佐倉ユイさん、チーム名は?」

 

受付の人にチーム名を聞かれ、3人はクロノをジト目で見る。

 

「・・・名前はまだない」

 

「・・・はい?」

 

 

ミニ大会会場に向かうとそこにはクロノやユイたちと同じようにグレードアップを狙っているファイターたちが集まっていた。

 

「結構人多いね」

 

「大会に向けて、みんなグレードアップを狙ってるんだね」

 

「あんたたちと一緒」

 

「・・・今日で一気に決めてやらぁ」

 

シオンはモニターにジト目で見ている。それに気づいた3人はどうしたのか聞いてみる。

 

「どうしたの?」

 

シオンはモニターに映っているものに指を指す。そこには出場者の立派なチーム名がたくさんあった。その中で場違いなチーム名が4人のチームの名前はまだないであった。

 

「・・・早くチーム名考えないとね・・・」

 

トコハの言葉でクロノとユイはガクッとなる。そんなこんなでミニ大会の開会式が始まり、現在はルールの説明を執り行っているところだ。

 

「ファイトに勝利すると、ポイントを獲得できます。チームメンバーの合計ポイントが高いチームが決勝トーナメントに進出。決勝トーナメントを勝ち抜いたチームが優勝となります。皆さん、優勝目指して、正々堂々と、全力でファイトしてください!」

 

説明を終えると開始の合図を始める。

 

「それでは始めます!」

 

『スタンドアップ・ヴァンガード!!』

 

 

順調に勝ち進んでいき、現在、シオンのファイトが終了した。結果はシオンの勝利だ。ファイトが終わったと同時に3人が声をかける。4人は合流した時、他のチームを見るとハイタッチをするものがいる。

 

「・・・やらないぞ僕は」

 

「まだ何も言ってねぇだろ!別に俺だって・・・」

 

「シオンじゃないか」

 

クロノがそう言いかけると別の誰かが声をかけてきた。メガネをかけた青年であった。

 

「小牧さん!」

 

青年の名は小牧、かつてシオンを自分のチームに誘おうとした青年だ。

 

「来てたんですか」

 

「ああ。地区大会へ向けての肩慣らしにはちょうどいいだろう?」

 

小牧がそう言うと3人の方に顔を向ける。

 

「・・・チームに入ったんだな。残念だよ。君には俺と共に戦ってほしかった」

 

「すみません」

 

「そっちの2人は・・・まだグレード2?」

 

「ええ。でも、この2人はグレード以上の実力がありますから」

 

シオンの言葉に3人と小牧は目を見開く。

 

「この大会が終わる時には、僕がこのチームを選んだ理由がわかるはずです」

 

「・・・そうか。楽しみにしてるぜ」

 

そう言って小牧は次の試合に向かう。シオンから称賛を得たクロノとユイは照れくさそうにしている。

 

 

次はトコハの試合。トコハはシオンの言った言葉を思い返していた。

 

「・・・グレード以上の実力がある・・・か・・・」

 

トコハは少し考えるがすぐにファイトの方に集中する。

 

「輝く蕾よ、今こそ花開け!ライド!ラナンキュラスの花乙女アーシャ!見せてあげる!私の力がどれほどのものか!」

 

3人はまだ時間があるのでトコハのファイトの観戦をしていた。

 

「少し、変わった気がするね」

 

「?安城が?」

 

「うん。前も彼女は強かった。でも、それは遊びの強さというか・・・今は違う。本気で挑んでるって感じだ」

 

「トコハちゃんも自分のファイトを始めたからね」

 

今のトコハは今までのトコハとは違うことを語り合う3人。

 

「・・・よかったのか?さっきのチーム、誘われてたんだろ?」

 

「・・・君こそ、どうしてこのチームを選んだんだい?」

 

「それはカムイさんが強引に・・・」

 

「断ることだってできたんじゃない?それともあの幼稚園生と組む?」

 

「あのなぁ・・・」

 

ユイがクロノをからかうとクロノは異を唱えようとする。それを遮るようにシオンが語る。

 

「・・・結果がね、予想つくんだよ」

 

「「!」」

 

「小牧さんのチームに入った僕が、どのくらい強くなれるか、どこまで勝ち抜けるか、すぐにイメージできる。でも、ここは違う。どこまで行けるのか、まったく検討がつかない。僕は常に挑戦者でありたい。あえて厳しい環境で自分を鍛えたいのさ」

 

「私たちが厳しい環境ってこと?」

 

「そう。まだ誰も足を踏み入れたことのない、フロティアだ」

 

3人は誰も足を踏み入れてないフロンティアをイメージする。

 

「ここには無限の可能性がある」

 

「「無限の・・・可能性・・・」」

 

「未来は一つじゃない。今ある別の可能性を、僕自身の手で選ぶことができる。ヴァンガードが教えてくれたんだ!」

 

「・・・俺もわかる気がする」

 

「私もわかる。昨日と違う自分になれる。自分を信じてみたいって思える。ヴァンガードがくれた可能性」

 

ヴァンガードによってもたらせてくれた可能性。それらを信じるがゆえに、この4人でチームを組む最大の理由なのであった。

 

 

さらに次はクロノとユイ、それぞれ別々の試合でファイトをする。トコハとシオンはそれを観戦する。

 

「「ジェネレーションゾーン・・・解放!!!!」」

 

「今こそ示せ!!我が真に望む世界を!!」

 

「今こそ交われ!!二つの信ずる未来を!!」

 

「「ストライド・・・ジェネレーション!!!!」」

 

クロノとユイはそれぞれGユニットにストライドし、ファイトを圧倒する。

 

「・・・もう初心者なんて呼べないね」

 

「ああ。うかうかしてると置いてかれるよ。君も僕も」

 

「あんたがそんなこと言うなんて意外ね」

 

「事実だ。あの二人には才能がある。もちろん、彼や彼女なりに努力はしているだろう。でも何より、あの二人には強烈なイメージ力と勝利をもぎ取る運がある。それは天性のものだ」

 

「だったら私たちはあの二人の倍、頑張らなきゃね」

 

「ああ、そうだね」

 

シオンとトコハがそんな会話をしたところで、クロノとユイのファイトは終了し、途中経過を発表された。その中には当然4人のチームの名前が挙がっている。

 

「ベスト8のチームが決定したところで、お昼休みに入ります」

 

こうしてミニ大会の初戦を勝ち抜き、お昼休憩に入るのであった。

 

 

4人は、ユナサン支部の近くにあるバーガーショップで昼食をとることにする。

 

「ここまでは順調ね」

 

「問題ないね。僕たちなら」

 

「うん!絶対優勝しようね!」

 

「当たり前だ」

 

4人はミニ大会の優勝を目標に掲げる。

 

「そうだ。新導君、さっきの試合、もう1ターン早く決着をつけられた」

 

シオンの指摘にクロノはバーガーをのどに詰まらせ、飲み物で流し込む。

 

「んだよ?!勝ったんだからいいだろ⁉」

 

「あー、私も少し見てたんだけど、あれ私も気になったんだよね。あれはフェイトライダーでリアガードを入れ替えて叩いた方がよかったかも」

 

「佐倉まで・・・」

 

「ユイちゃんのファイトに私、気になってたんだけど、相手が完全ガードがないとはいえ、エクスファルコンのスキルの為にヴァンガード側にパワーを上げ過ぎるのはどうかと思ったわ。後のことを考えてリアガードにもパワーを上げとけばよかったかもね」

 

「トコハちゃん?!」

 

「安城さんも」

 

「え?」

 

「状況によってはリアガードに攻撃したのはいいよ。ダメージ重視なのはわかるけど、全体的に、せっかちなプレイングになってる気がする」

 

「ちょ・・・私には私のやり方があるんだから余計なお世話です!」

 

「なら俺も、お前さっきのファイト、何でストライドしなかったんだよ?」

 

「それは僕なりの戦略だから」

 

「人に言っといて自分はそれか?!」

 

自分のファイトスタイルに指摘され、口論が始まる4人。

 

「あったまきた!デッキ出しなさい!その鼻っ柱、へし折ってあげる!」

 

「へえ?へし折られるのはどっちかな?」

 

「待て!最初にファイトするのは俺だ!」

 

「何言ってんの?!新導君の相手は私だよ!」

 

4人は完全に頭に血が上って激しい言い合いが始まった。

 

「お前はすっこんでろ!」

 

「へえ?逃げるの新導君?」

 

「一からレクチャーしてあげるよ」

 

「へえ?電車の切符も買えなかったのに?」

 

「うぐ・・・」

 

「そうだったのかお前・・・」

 

4人の言い合いは店員が止めに来るまで続いていた。

 

 

4人はユナサン支部に戻り、決勝トーナメントを始める。シオンはファイトの途中でクロノとユイはファイトに勝利をし、休憩に入る。すると、ファイトが終わったトコハが駆け寄ってくる。

 

「どう?」

 

「勝ったぜ」

 

「トコハちゃんは?」

 

ユイの問いにトコハは親指をグッと上げる。どうやらトコハも勝利したようだ。

 

「トコハちゃんじゃない」

 

「片桐さん!ごめんちょっと挨拶してくる」

 

「おう」

 

「いってらっしゃ~い」

 

トコハは知り合いのユナサン支部のスタッフに挨拶をする。2人になったクロノとユイの視線にあるチームの男を見る。2人の視線に男は何やら肩に何かを操作しているように見えた。そして男のドライブチェックの時に男の上着の袖口からカードを取り出したように見える。スタッフは男のチームメイトによってそれは確認できていない。

 

「勝者、チームトリックトリック」

 

「やったぜ!」

 

「お疲れさま。いいファイトでしたよ」

 

「・・・気のせい・・・なのかな・・・」

 

ユイがそう呟くとチームトリックトリックからこんな会話が聞こえてくる。

 

「この調子で、決勝まで頼みますよ」

 

「楽勝っすよ!誰も気づいてない。こんなうまくいくとは思わなかったなぁ」

 

「なぁに、堂々としていれば、客にばれないもんさ」

 

2人は確信した。チームトリックトリックの先ほどのトリガーチェックはイカサマ行為をしていたのだと。これには2人は怒りが湧いてくる。2人はチームトリックトリックに問い詰める。

 

「ちょっとあんたたち!今のファイトで何やってたの?!」

 

「な・・・なんだよ?」

 

2人の表情は怒りに満ちていた。

 

「僕たちに何か御用ですか?次の準備がありますから、手短にお願いしますよ」

 

「次?あんたたちまたさっきのイカサマをやるつもり?」

 

「「ギクッ!」」

 

「イカサマ・・・とは?」

 

「とぼけんな!俺たちは見たんだ!さっきそいつが袖口からトリガー出したの!」

 

「これはこれは・・・証拠はおありですか?動画でも撮影していたとか・・・」

 

「うぐ・・・それは・・・」

 

トリックトリックのチームリーダーらしき男の言葉にユイは言葉を詰まらせる。

 

「佐倉!なにひるんでんだよ!いいから、そいつの袖口めくってみろよ!」

 

メガネの男は言われるがまま、袖口のをめくる。そこにはカードらしきものは入っていなかった。

 

「⁉そんな⁉私たちは確かに・・・」

 

「気が済みましたか?では失礼・・・」

 

クロノは納得いかないのかチームリーダーの男の肩を掴む。

 

「待てよ!まだ話は終わってねぇ!」

 

これには周りのファイターの視線はクロノたちに集まる。当然シオンやトコハもクロノたちに視線が移る。

 

「ちょ・・・やめなよ新導君!いくらなんでもそれは・・・」

 

「お前はそれでいいのか⁉俺たちは確かに見たんだ!あんなイカサマ許されると思ってんのか?!」

 

「痛い!乱暴はやめてくださーい」

 

クロノは頭に血が上っていてユイの静止を聞かない。周りのファイターたちはクロノたちの方に集まる。

 

「もう一度ちゃんと見せろよ!どうせまだ隠してんだろ?!」

 

「言いがかりはやめてくれませんかねぇ?僕たちの試合を妨害するつもりですか?」

 

「まだファイト続けるつもりかよ?!させねぇぞ絶対!!」

 

「新導君!もうやめようよ!周りの人たちが集まってるよ!」

 

「そこの彼女の言う通り、周りの人たちに迷惑ですよ。声を謹んでください。困りましたね~。本当に」

 

「おい!マジでふざけんな!!」

 

クロノはだんだんと周りが見えなくなり、ユイの静止も聞こえない。トコハはクロノたちのところへ向かう。シオンもファイトを棄権してまで向かう。

 

「このままじゃ済まさねぇぞ!!お前!もう一回腕出せ!」

 

「やめなさい!落ち着いて!」

 

クロノはメガネの男の胸倉をつかむ。これにはユイも男も止める。

 

「新導君!もうやめて!!このままじゃ・・・」

 

「やめないか!」

 

「うるさいな!邪魔すんな!!」

 

「きゃっ!」

 

ユイはクロノに突き飛ばされ、尻もちを搗く。男も突き飛ばされるが・・・

 

「うわーーー!」

 

わざと狙ってかファイトしているファイトテーブルに倒れる。これによってファイトテーブルにあるカードの盤面がバラバラになり、ファイトを無効にされた。

 

「佐倉さん!大丈夫かい?!」

 

「私は大丈夫・・・。それより新導君を止めて!」

 

シオンはユイに駆け寄り、ユイを起こす。クロノも我に返り、自分が突き飛ばしたチームメイトの心配しようとするが・・・

 

「いったーい!痛い!痛い!痛いよー!」

 

「わわ・・・大丈夫か?」

 

「なんてことするんだ、君?!チームメイトまで巻き込んで」

 

周りのファイターたちがクロノを見る。

 

「いや・・・。お前らわざと・・・!」

 

「新導君!もうやめて!落ち着こうよ!」

 

「あいつだ!あいつわざとやりやがったんだ!!」

 

「いいから、落ち着くんだ!」

 

冷静さを失っているクロノをシオンとユイが止める。

 

「佐倉だって見ただろ?!絶対許さねえ!ヴァンガードを何だと思ってんだよ?!イカサマなんてしやがって!!俺は・・・!!」

 

「わかってるから落ち着いて!!」

 

「どんな理由があったとしても、暴力行為と認められたら、ペナルティを受けることになる!」

 

クロノは我に返り、周りのファイターたちを見る。ファイトを中断されたものたちは悔しさに唸っている。クロノは申し訳なさそうに俯いている。

 

「新導・・・何で・・・」

 

トコハが問いかけようとすると、スタッフがこの騒動に駆け付けた。

 

「これは一体・・・。何が原因ですか?!」

 

「あいつがいきなりリーダーを突き飛ばしたんです!」

 

「君、本当ですか?」

 

スタッフの問いにクロノは黙って俯く。

 

「暴力行為による大会運営の妨害は、ファイター資格剥奪のうえ、公式大会出場禁止のペナルティを受けます!」

 

「!!」

 

スタッフの言葉を聞いたクロノは黙って会場から出ていこうとする。

 

「あ!君、待ちなさい!」

 

「ちょっと新導!待ちなさいよ!」

 

トコハはクロノの後を追った。トリックトリックはニヤニヤと笑っており、ユイは悔しそうにトリックトリックを睨み付けた。

 

 

騒動の後、トコハは知り合いのスタッフに話を聞き、シオンはバラバラになったカードを拾い集め、ユイはトリックトリックと共に事情聴取を受ける。

 

「では君たちは、彼や彼女に言いがかりをつけられ、暴力行為を受けたと?」

 

「はい。幸い、彼女はわかってはくれたんですけど、彼は何が気が障ったのかわかりませんが、まるで話を聞いてくれなくて・・・」

 

「佐倉ユイさん。本当ですか?」

 

「はい・・・。けど、新導君は確かに何を考えているかわからないけど、理由もなく暴れたりするような人間じゃありません!」

 

「そして何よりも、ヴァンガードを汚すような真似は絶対にしない!!」

 

ユイの弁解に、カードを拾い終えたシオンも加わる。

 

「君は彼女たちのチームメイトか。かばいたい気持ちはわかるけどねぇ」

 

「・・・ところで君は、右肩に何を隠しているんだい?」

 

シオンの指摘にメガネの男はビクついた。当然それをかばうチームリーダー。

 

「君も言いがかりかい?好きなだけ確認したまえ」

 

「上着を脱いでもらえるかい?」

 

シオンの言葉に初めて動揺するチームリーダー。

 

「君が必要以上に隠しているのは、腕ではなく、その右肩だ!そのオーバーサイズの上着も何かを隠すために着ているんじゃないのか?」

 

シオンの指摘に動揺が激しくなるチームリーダー。

 

「で・・・でたらめを!」

 

「服を脱いで見せてください。今すぐに。確認してくれるんでしょ?」

 

「くだらないねぇ。そんなこと言って、もし間違っていたらどう責任を・・・」

 

「その時は、僕のファイター資格を剥奪してもらって構わない!!」

 

シオンの堂々とした言葉に追い詰められるトリックトリック。メガネの男は逃げ出そうとするがトコハやユイによって阻まれる。

 

「へえ?逃げるの?」

 

「あの時は場のわきまえのために引き下がったけど・・・今度はそうはいかないよ!!」

 

完全に逃げ場のなくなったトリックトリック。

 

「く・・・くそおおおおおお!!」

 

メガネの男は来ていた上着を脱ぎ捨てた。男の右肩にあったのは、カードをしまったケースだ。男がケースを操作するとカードが一気に出てきた。そのカードは全部クリティカルトリガーだった。

 

「全部クリティカルトリガーだ!」

 

「マジかよ・・・」

 

「おいおい、ふざけんなよ!」

 

こうしてトリックトリックのイカサマ行為はシオンの活躍によって暴かれた。

 

 

その後、ユナサン支部で会議を行われていた。その際にチームトリックトリックはイカサマ行為、ならびに審判への虚偽説明によって、ファイター資格の停止と5年間の大会への出場禁止という処分がくだった。イカサマ行為を指摘したユイは暴力行為に至らなかったため、処分は免れているが、クロノはファイター資格を取られはしなかったが、ファイターズポイントを全て剥奪という処分を受ける。それをユナサン支部のスタッフによって聞かされている3人。

 

「そんな・・・じゃあ今新導が持っているポイントは・・・全部剥奪?正しいことを言ったのに、何で新導が罰せられなきゃならないのよ?!こんなの絶対間違ってる!!」

 

トコハは納得がいかず、そう声を荒げる。

 

「片桐さん、案内してください!私が話をつけてくる!」

 

「安城さん・・・もういい・・・」

 

「何言ってんの、あんたまで?!こんな決定納得できると思ってんの?!」

 

「そんなふうにして乗り込んでいったら、君も新導と同じことになってしまう。それよりも今は・・・」

 

シオンはユイの方に顔を合わせる。ユイの表情はかなり暗かった。

 

「・・・私のせいだ・・・。私が・・・勝手な行動をしたばっかりに・・・こんなことに・・・」

 

「違う!ユイちゃんはなにも悪くない!ユイちゃんも正しいことをしたのよ?!」

 

「・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」

 

ユイの表情は今にも泣き出しそうだ。

 

「ごめんなさい・・・ごめんなさい!うわああああああん!!」

 

「・・・どうして・・・こんなことになっちゃうのよ・・・」

 

泣きじゃくるユイをなだめるトコハ。シオンも悔しそうに拳を握る。こうしてミニ大会は大会中止という最悪の形で幕を閉じた。

 

 

メガラニカ支部の室内で、支部の書類業務をこなしていたキョウヤ。そんなキョウヤのスマホが鳴りだす。発信者は伊吹コウジからだ。

 

「伊吹か。どうした?」

 

≪・・・一条、お前に頼みがある≫

 

「何?」

 

果たして伊吹が出したキョウヤの頼みとは・・・

 

to be continued…




トコハ「絶対に理解できない!私、処分を消すように掛け合ってくる!」

シオン「やめたほうがいい。運営側が出した結論だ。今更覆すことなんてできない」

トコハ「だからって、このままでいいの?!せっかくここまで来たのに・・・」

シオン「このままでいいとは思ってない。僕も佐倉さんも悔しいさ。でも、怒りのまま行動しても、事態は悪化するだけさ」

トコハ「・・・そうだよね・・・。ごめん・・・」

ユイ「・・・これからどうなっていっちゃうんだろう・・・」

TURN21「メイルストローム」
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