カードファイト!!ヴァンガードG 鋼と宇宙の正義   作:先導

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突然ですが皆さんはバミューダの新しいカードはどんな子をデッキを入れたいですか?私は当然ながらカノンちゃんを入れたいです。だから発売が今から待ち遠しいです。

さて、いよいよ今回でレリクス・クライシスが始まりますよ。

それではどうぞ!


レリクス・クライシス

ギーゼの使徒によってレリクスに落とされたクロノたちは脱出のためにあちこちと回ってはいるが、一向に出口らしいものは見つからず、それどころか同じ部屋に何度も来たり、長い道のりを歩かされたりと難航している。

 

「あーもー!いったいどこにあるの!ここの出口は!」

 

「使徒の話では、この魂の牢獄レリクスからは脱出不可能ってことですけど・・・」

 

「唯一出る方法が自害するか、ギーゼにディフライドするかの最悪の方法ですし・・・」

 

「入れた以上、出る方法は必ずある!」

 

「お~い!出口やーい!どこだーい!」

 

「出るわけないでしょ、バーカ」

 

ツネトは出口が出るようにそう叫ぶが、その様子に毒を吐くアリス。

 

「はぁ・・・疲れた」

 

「は、はい、ただいま!」

 

リンの言葉にマサトはすぐ近くにあった段差に福原高校のブレザーを敷き、リンはその段差に座る。

 

「・・・て、怖!俺はまた羽島先輩の言うことに従順に・・・!はっ!まさかこれも、レリクスに入れられたことの悪影響か⁉怖え!」

 

「んなわけあるか!」

 

「いてえ!」

 

『ははは』

 

マサトの畏怖を込めた言葉にリンはマサトにげんこつ。その様子に非常事態ながらもいつも通りに笑う。すると・・・

 

『ぐっ・・・!』

 

ツネトとマサト以外のメンバーの利き手に熱が出る。利き手を見ると、またギーゼの紋章が出ていた。しかも全員に柱に1つ光が増えた。

 

「4本・・・4また増えた・・・」

 

ギーゼの紋章にある6つの柱。その全てが揃った時、その人間はギーゼにディフライドされるという爆弾のカウントダウン。クロノは4本、ユイ、タイヨウ、リン、アンは3本、カズマとアリスは2本となっている。

 

(残り2本・・・俺もみんなも、それほど時間は残っていない・・・特異点の俺が全ての原因なら、こいつらだけでも助けたい!でも・・・どうすれば・・・!!)

 

出口は一向に見つからない、猶予も残りわずか、最悪の事態にクロノは頭を抱えてしまう。

 

 

 

TURN220「レリクス・クライシス」

 

 

 

どこかの孤島にある使徒たちの拠点であるきれいな洋館。そこの一室でガスティール、イフディエルはコーヒーを入れ、でめとりあは大量のお菓子を頬張り、アガレスとヴァレオスはクロノたちの様子をモニターで見ている。

 

「いい香りですね。ですが・・・それだけです。人間とは奇妙なものです。肉体に必要な栄養素を得ようとするなら、もっとふさわしい食物があるにも関わらず、これを摂取しようとするのですから」

 

「そうかしら?人間は嫌いだけれど・・・これは好きよ、私は」

 

「私も人間のお菓子は大好き♪とっても甘い♪」

 

そう言ってでめとりあはチョコやらクッキーなどを頬張り、イフディエルはおいしそうにコーヒーをすする。

 

「・・・あちらも動き出しているようだ。構わないのか?」

 

「ふっ・・・待つことですよ。今、我々が必要なのは時間です。候補者の器化を待ち・・・そして・・・」

 

「くだらぬ小言をいうなよ、ヴァレオス。我々はただ、猊下に従えばよいのだ。全ては、ギーゼ様のために」

 

ヴァレオスの問いに、ガスティールが答え、アガレスがヴァレオスにそう念を押すのだった。

 

 

普及協会本部の会議室、ここに集まっているのは、大山支部長、レン、テツ、アサカ、エリカ、そしてアイチとカズヤだった。他のメンバーや海外で使徒を追っている仲間たちはモニターでアイチたちの話を聞く。

 

「聞いてください!使徒たちから入手したデータを解析してわかりました!クロノ君たちは、魂の牢獄レリクスに囚われているみたいです!」

 

レリクスの詳細をデータを解析したクリス本人がモニター越しで説明する。

 

≪レリクスは亜空間に作られた巨大な牢獄で、クレイと地球の技術の融合による特殊な存在だから、レリクスの出入りは使徒にしかできない。ただし、その亜空間はジェネレーターによって作り出されている。ジェネレーターが発生させた時空の歪みを重ね合わせることで、レリクスは保たれているんだ≫

 

「つまり、クロノたちは助け出すには、世界中に設置されたジェネレーターを全部破壊すりゃいいってわけだ!」

 

クリスやカズヤの説明を聞き、一同のやるべき方針はただ1つ、レリクスを保つジェネレーターを破壊すること。

 

「こっちの準備は完了だ!お前ら、気をつけろよ!」

 

≪了解!!≫

 

モニターに映っているメンバーはジェネレーターが存在している施設の中に入り、作戦を始める。

 

 

クロノたちの救出作戦に参加しているのは、日本側からは伊吹、シオン、トコハ、カズミ、シルフィ、アンリ、江西、ハイメ、クミ、マモル、キョウヤ、スバル、ヒロキ、ケイスケ、カル、ケイ。海外側からは櫂、日下部リン、カムイ、ミサキ、アラタ、マコト、ヤイバ、カエデとなっている。

 

「よし、今から救出作戦を実行する。いくぞ!」

 

≪はい!!≫

 

伊吹の号令に合わせて、クロノたちの救出作戦が決行された。伊吹がジェネレーターに近づくと、光の門が現れ、伊吹を包み込む。光が晴れ、伊吹の目の前に現れたのは・・・なんと5年前の伊吹だった。

 

いや、伊吹だけではない。別のジェネレーターにいるシオンにはヴァレオスが、トコハには今は亡きミゲルが立ちふさがっていた。

 

≪気を付けて!レリクスは運命の力を捻じ曲げ、ユニットとファイターの絆を断ち切り、ギーゼをディフライドできるようにするもの。運命の力が強く歪んで作用しているから、そのファイターと関わりのある幻影が敵として出現するんだ!≫

 

「ということは、こいつらに勝てば、レリクスが消滅するということか!」

 

「ならばこのファイトに勝って・・・」

 

「みんなを・・・」

 

『助ける!!』

 

救出作戦に参加するメンバーは目の前の幻影にファイトで立ち向かい、ジェネレーターの破壊を目指す。

 

『スタンドアップ・(ザ・)ヴァンガード!!』

 

 

一方レリクスで出口を探しているクロノたちは何かの音が聞こえた。

 

「タイヨウ、カズマ!」

 

「はい!何か聞こえたような・・・」

 

「使徒か⁉いや・・・もっと別な・・・」

 

すると、クロノたちがいる場所に光が一瞬だけ光が晴れるとクロノたちを助けようとするみんなの姿が映し出された。

 

「!シオン、トコハ、伊吹!」

 

「これは幻でしょうか・・・?」

 

「いや・・・これは現実だ!」

 

「もしかして、レリクスの外から私たちを助けようと・・・?」

 

「「おお!」」

 

伊吹たちは助けようとしてくれる姿に希望が持ち始める一同。すると、1人1人が光に包み込まれる。

 

『うわあ!!』

 

光が晴れるとそこには、一同の目の前には、関わりのあるファイターの幻影が映し出される。マサトにはアンが、アンには日下部リンが、タイヨウにはクロノが、羽島リンにはトコハが、カズマにはカズミが、アリスにはシルフィが、ユイにはイフディエルが、クロノには伊吹が。

 

「えええええ!!?トライフォー!!?」

 

そしてツネトにはなぜかトライフォーのメンバーが。

 

「慌てないで!」

 

「これは偽物だ!」

 

「レリクスに放り込まれたきっかけがファイトだったら、ファイトの可能性もある!なら・・・」

 

『当然ここは・・・!』

 

『スタンドアップ・(ザ・)(ル・)ヴァンガード!!』

 

クロノたちも幻影を倒し、脱出のために、ファイトを挑むのだった。

 

 

ハイメが担当している幻影の相手は、アクアフォースのクランマスター、蒼龍財団の総帥、蒼龍レオンだった。

 

「マスターレオン!かつてあなたは、アクアフォースを解放してくれた!そして・・・私のサヴァスが、1人じゃなくなったんだ。マスターレオン!あなたには感謝しかない!」

 

ハイメは幻影のレオンにそう語りながら、サヴァスの新たな姿、嵐の覇者サヴァスにライドさせる。

 

「導かれし運命よ、その手で切り開け!!ストライドジェネレーション!!!波濤帥将アレクサンドロス!!!」

 

そして、新たなるGユニット、波濤帥将アレクサンドロスにストライドさせる。

 

「嵐の覇者サヴァスの超越(ストライド)スキル!手札から、もう1枚サヴァスをコール!そのサヴァスに抵抗(レジスト)を付与!さらに連波(ウェーブ)を持つため、後列からアタックできる!さらにスキル獲得!」

 

全ての準備を整え、アタックフェイズ。

 

戦場の歌姫(バトルセイレーン)シプラで左のタイダル・アサルトにアタック!」

 

レオンの幻影はこれを受け、タイダルを退却。

 

「サヴァスでタイダル・アサルトにアタック!」

 

これもノーガードで退却。

 

「マスターレオン!あなたのおかげで再び開かれたこのアクアフォースで私は・・・あなたを超える!!感謝を、未来の決意として!刻め!新たな航路!波濤帥将アレクサンドロスでヴァンガードにアタック!」

 

ハイメのアレクサンドロスはレオンの幻影の蒼嵐竜メイルストロームにアタックし、レオンの幻影はノーガードする。

 

「トリプルドライブ!ファーストチェック!セカンドチェック!サードチェック!パワーはサヴァスに!

そして、今のアタックがこのターン3回目!よって、連波(ウェーブ)!リアガードを2枚スタンド!それぞれパワープラス5000!」

 

アレクサンドロスのスキルでサヴァスとシプラがスタンドされる。

 

「今度は、俺があなたのハートを震わせてみせる!」

 

 

スバルが担当している幻影の相手は、ヴァンガード普及協会名誉会長であり、完全なる未来を実現させようとした者、明神リューズ、大人の姿だった。

 

「リューズ会長・・・あたしはあんたのことを、今でも尊敬してるよ。あんたの理想はすげぇ共感できるし、あんたのやったこと全部が間違ってるとも思ってねぇよ」

 

スバルはリューズの幻影に語りながら逸材ライジング・ノヴァにライドさせる。

 

「新たな未来に進め、期待の超新星!!ストライドジェネレーション!!!黒角王ブルパワー・アグリアス!!!」

 

そして、新たなGユニット黒角王ブルパワー・アグリアスにストライドさせる。

 

「レーザー・ブラッガード、巨星ライジング・グレイトスターをコール!」

 

スバルはブラッガード、そしてライジングのアラタな姿、ライジング・グレイトスターを突撃(チャージ‼)状態にせずコールする。そしてアタックフェイズ。

 

「ブラッガードでリワインド・タイガーにアタック!」

 

リューズの幻影はこれを受け、リワインドを退却する。

 

「プロスペクティブ・スターキーのブースト、グレイトスターでヴァンガードにアタック!」

 

グレイトスターのクロノファング・タイガーへの攻撃はギアタビーでガードする。

 

「けどな・・・あたしは決めたんだ!あたしはあたしの意思で物事を決め、今を生きる!もう偽りの幸せはいらねぇ!!立ちふさがる巨悪を打ち砕け!!黒角王ブルパワー・アグリアスでヴァンガードにアタック!

アグリアスのスキル!グレイトスター、ブラッガード、スターキーをバインド!3枚バインドして、1枚ドロー!そしてバインドゾーンからグレイトスター、ブラッガードをスペリオルコール!突撃(チャージ‼)!」

 

ブルパワー・アグリアスのスキルでグレイトスター、ブラッガードを突撃(チャージ‼)状態でコールした。

 

「さらに超越(ストライド)スキル!手札1枚をソウルにおいて、フェイク・ボンバーをスペリオルコール!パワープラス5000!突撃(チャージ‼)

フェイク・ボンバーのスキル!パワープラス5000!スキルを獲得!

グレイトスターのスキル!手札1枚をソウルにおいて、もう1体フェイク・ボンバーをスペリオルコール!突撃(チャージ‼)状態で自身にパワープラス3000!

フェイク・ボンバーを突撃(チャージ‼)してパワープラス5000!」

 

アグリアスのスキルとライジング・ノヴァのスキル、そしてグレイトスターのスキルでリアガードをパワーアップさせながら場を整える。

 

「トリプルドライブ!ファーストチェック!セカンドチェック!ヒールトリガー!ダメージ1回復、パワーはライジング・グレイトスターに!サードチェック!ドロートリガー!こっちのパワーはブラッガードに!」

 

さらにダブルトリガーによってさらにパワーアップ。

 

「これがあたしなりの、あんたに対する感謝と過去への決別さ!!」

 

 

一方、羽島リンは相手となるトコハの幻影をみて、好戦的な笑みを浮かべている。

 

「安城トコハ・・・私の前にこの先も立ちはだかろうってんなら・・・何度でもぶっ潰してやるよ!!」

 

リンの言葉に鼻で笑うトコハの幻影。そしてリンはガウリールの新たな姿、黒衣の震撼(ブラック・ショック)ガウリール・プリムのスキルを発動させる。

 

黒衣の震撼(ブラック・ショック)ガウリール・プリムのスキル!救援(レスキュー)を持つユニットのストライドコストをカウンターブラストで払える!」

 

カウンターブラスト、それも救援(レスキュー)を持つカードでストライドを行わせる。

 

「愚鈍なりし勇者よ、我が園よりすぐに消え失せろ!!ストライドジェネレーション!!!愛黒熾天使(ファナティック・セラフ)ガウリール・エデン!!!」

 

ストライドさせたユニットは、ガウリールのさらなる未来の可能性、愛黒熾天使(ファナティック・セラフ)ガウリール・エデンだ。

 

「ガウリール・プリムの超越(ストライド)スキル!手札を1枚ダメージゾーンへ!ダメージゾーンから1枚手札へ!さらにダメージゾーンのカードを1枚回復!引き換えにヴァンガードに1枚ダメージ!」

 

救援(レスキュー)の能力により、ダメージ回復と、ダメージチェックを行う。

 

「レスキューチェック!クリティカルトリガー!効果は全部黒衣の爆撃(ブラック・ボンバー)マーリクに!マーリクを移動!

エデンのスキル!救援(レスキュー)!レスキューチェック!」

 

エデンによるレスキューチェックはトリガーなし。

 

「マーリクでヴァンガードにアタック!」

 

マーリクでヴァンガードのアーシャに攻撃し、トコハの幻影はこれをガードする。

 

「白き羽ばたきを持って焼き尽くせ!!ガウリール・エデンでヴァンガードにアタック!

エデンのスキル!ダメージゾーンからGゾーンの表のカードと同じ枚数だけ、ユニットをスペリオルコール!ナース・オブ・ブロークンハート、マーリク、それぞれパワープラス3000!」

 

ダメージゾーンからブロークンハート2体、マーリクがコールされ、山札の上から3枚をダメー裏でダメージに置く。

 

「ブロークンハートのスキル!ダメージゾーンにカードが置かれたので、ヴァンガードとこのユニットのパワープラス2000!3枚置かれたので、3回発動!さらに、右のブロークンハートのスキル!ガウリール・エデンのパワーはトータル、38000!!」

 

攻めの体制は万全の状態となっている。

 

「覚悟しな!!ぶっ潰してやる!!」

 

 

一方ツネトの方は、トライフォーのメンバーの幻影と戦うにあたって、誰にも負けない意地を見せつけようとする。

 

「ええええい!!トライフォー!!今日こそお前らに勝って、俺たちトリニティドラゴンが、世界一になってやるぜ!!」

 

そしてその意地が、心なしかカルとケイが側にいるような光景が出ていたりした。

 

 

そして、レリクスを脱出しようとする他のメンバーも・・・

 

「はっ、さすが俺のライバルだ!けどなぁ・・・この日向マサトは、この程度じゃへこたれねぇぜ!」

 

「へっ・・・いい機会だ!今日こそあんたを、超えてやる!!」

 

「やっぱりお姉ちゃんは強い・・・ですが、私をいつまでも守られてばかりの子供と思わないでくださいね!!」

 

「こんなもんかい?こんなんでフィーをまねようなんて・・・100年早いんだよ!!」

 

「こんなんじゃないですよ・・・クロノさんはもっと・・・強い!!」

 

幻影の強さにのまれず、懸命に挑み、勝利をもぎ取ろうとする。当然、クロノたちを救出しようとする者たちも負けていない。そして、伊吹もそうだ。

 

『来い・・・1度はヴァンガードを滅ぼそうとしたお前が、今度は守るだと?』

 

「ふっ・・・今さらだな。創世竜ハーモニクス・ネオ・メサイアでアタック!!」

 

レリクス脱出組も、救出組も、関わりのあるファイターの幻影との激戦を繰り広げている。

 

 

普及協会本部で救出組の様子をモニターで見守るアイチたち。

 

「暇ですねぇ、見ているだけって」

 

「まぁ、気持ちはわからなくもねぇが・・・」

 

「ここまで派手な行動を起こしているのに、使徒たちは動き出しませんねぇ」

 

「はい・・・」

 

ここまで激闘を繰り広げているにも関わらず、使徒たちが出てこないことに不安を覚えるアイチたち。

 

 

クロノが伊吹の幻影とファイトしている時、突如クロノの利き手に熱が帯びる。

 

「ぐっ・・・!」

 

利き手を見てみると、紋章の柱が1つ増えているのであった。それは、他の場所で戦っている器候補のメンバーたちもそうだった。

 

「さっき増えたばかりなのに・・・!!まさか!早くなってる⁉」

 

そう、クロノたちの絆の破壊の浸食が、どんどんと早くなってきているのだ。すると、クロノの視界が揺らいでいく。

 

『はははは・・・』

 

突如として笑い声が聞こえてきて、視界が安定するとそこには伊吹の幻影はいなくなり、目の前にいるのはガスティールの幻影があった。

 

「お前は・・・!」

 

『世界よ、沈黙せよ』

 

ガスティールの幻影のダークイレギュラーズの紋章が輝くと、ガスティールの幻影は本来の姿、複数の目が宿っているマントを羽織り、仮面をつけた魔王の姿となる。

 

「ガスティール・・・!そうか・・・それがお前の本当の姿か!」

 

『アタック』

 

ガスティールがクロノジェットにアタックしたと同時に、クロノのギーゼの紋章に熱がどんどん熱くなっていく。

 

「ぐっ・・・!まだだ!子の紋章が完成する前にここから・・・俺は・・・絶対に出てやる!!」

 

『くくくく・・・ははははは・・・』

 

クロノの強い思いにガスティールは不気味に笑い出す。

 

 

ヴァレオスの幻影を見て、シオンが思い浮かべられるのは、本物のヴァレオスが操るメギドによってフィデスを破壊された光景だった。

 

「ヴァレオス・・・今度こそお前を倒し、ギーゼ復活を阻止する!そのために僕の力でここを切り抜ける!!」

 

『ふふふ・・・僕の力で、ねぇ・・・』

 

何やら聞き覚えのある声がして、シオンが後ろを振り向く。そこにいたのは、東雲ショウマの幻影だった。

 

「!東雲ショウマ!」

 

『素晴らしい・・・それでこそ勇敢なる綺場シオンだ。綺場家を乗っ取られた時もそう、福原高校ヴァンガード部存続の時もそう、そして今回も・・・。君は気高くまっすぐ突き進む・・・いつも1人で・・・。君が1人で歩もうとする君の道は、どんな未来に続いているのかなぁ?綺場シオン君』

 

東雲の幻影の皮肉ともいえる語りに、シオンは今の自分の気持ちをまっすぐに伝える。

 

「あなたの言うとおりだ。僕は驕っていた」

 

『ほお・・・?』

 

「あの時、自分の力を過信し、ファイトを受けてしまった。誰かに協力を仰げば、ヴァレオスを捕らえることができたかもしれないのに。フィデスを壊されることも。ただ・・・次は間違わない。大切なものを失うのは、これを最後にする!!」

 

『・・・ふっ・・・』

 

シオンの気持ちを聞き、東雲の幻影は笑みを浮かべ、消えていった。

 

「運命を捻じ曲げる空間とはいえ、あなたに指摘されるとはね」

 

シオンは再びヴァレオスの幻影と向き合う。

 

「そう・・・ヴァンガードファイトと同じ!自分の足りない部分は、力を貸してくれ、みんな!!」

 

シオンの揺るがぬ意志に、力強さが感じられる。

 

 

ミゲルの幻影と向き合っているトコハは自分のまっすぐな気持ちと、おのれが進もうとする目標を話す。

 

「ミゲル・・・ずっと、伝えたいことがあったんだ。進む道に悩んでいるとき、私は・・・あなたに出会った。あなたはすぐに、私の前から消えてしまったけれど・・・あの出会いがきっかけで、私は道を掴むことができた。私・・・プロのヴァンガードファイターになるよ!ありがとう・・・」

 

トコハはミゲルの幻影に目標と、感謝の言葉をまっすぐに伝え、笑みを浮かべる。

 

「いくよ!アーシャと共に!」

 

あの日の出会いと、導いてくれた感謝を込め、トコハは全力をファイトでぶつける。

 

 

イフディエルの幻影にユイは大苦戦を強いられている。それだけイフディエルの強さは本物であることがわかる。それが幻影であったとしても。

 

「くっ・・・強すぎる・・・!」

 

ユイのギーゼの紋章の柱は、浸食が早くなってきている影響で、5本も光っている。

 

「あと1本で私は・・・その前に何としても片付ける!でも・・・これだけの強い相手にそれができるのかどうか・・・」

 

ユイが珍しく弱音を口にしていると・・・

 

『弱さは罪だ!!』

 

聞き覚えのある声がユイにそう一喝した。振り返ってみるとそこには、ユナイテッド・サンクチュアリ支部の支部長だった頃の神崎ユウイチロウの幻影がいた。

 

「!!神崎⁉」

 

『貴様自身の弱さこそが、このような無様な結果なのだ!!』

 

「くっ・・・」

 

『貴様はいつだってそうだ。ここぞという肝心な時に負ける。忍竜シラヌイとの戦の時も・・・新導クロノの戦の時も・・・そして、こやつの時も。己が強さを証明できぬ者に、ヴァンガードファイターを名乗る資格などないわああ!!!』

 

「・・・ふっざけるなああああ!!!」

 

神崎の幻影の力強い言葉に、ユイは声を大にして叫ぶ。

 

「ああそうだよ!私は神崎より、イフディエルより弱いよ!弱すぎるよ!だけどね!私には誰にも負けない・・・いや、誰にも負けたくない強さはあるんだ!!」

 

『・・・ほう・・・?』

 

「それは、信念だ!!遥か先の未来の可能性を見つけたい・・・世界のみんなを笑顔にしたい・・・そして・・・大切な仲間たちと共に道を歩みたい!それが私、佐倉ユイの正義、そして、誰にも負けたくない信念!あの時は、それが足りなかっただけ・・・。でも、次こそはそれが強さだと証明してみせる!!」

 

『・・・お前の信念に期待する』

 

ユイの嘘偽りのない力強い回答に神崎の幻影は笑みを浮かべ、消えていく。

 

「まさか神崎に一喝されるとは思わなかったよ。そうだ・・・私の信念と正義にかけて、イフディエルの正義は絶対に認めない!!」

 

ユイはイフディエルの幻影に再び向き合う。

 

「今は弱いかもしれない・・・けどそれでもいい!この信念と、仲間たちの思いがある限り、何度でも、何度でも強くなるんだ!!この絶望的な状況だって、絶対に乗り越えられる!!」

 

ユイの瞳にもう迷いはない。残り僅かの状況でも、最後まで諦めずに戦う。

 

 

クロノはガスティールの幻影と戦っているが、ギーゼの紋章の浸食が早くなっていくせいか、思うような力が出ない。そして、紋章の柱の6本目はもう半分まで光っている。

 

「ぐっ・・・!」

 

クロノはドランと出会った頃の記憶を振り返り、ガスティールの言葉を思い出し、少し悔いる表情をしている。

 

『全ては・・・あなたより始まったこと・・・心よりの感謝を・・・ギアクロニクルの特異点・・・新導クロノ・・・』

 

「あの日ドランに会わなければ・・・お互いの世界が交わることも、ディフライダーがこっちに来ることも、カズマたちを巻き込むこともなかったのか・・・?」

 

『良い方法があります』

 

悔いているクロノにガスティールの幻影はクロノに提案を持ちかける。

 

『その身をギーゼ様に・・・差し出すのです』

 

「!!ギーゼに⁉ふざけんな!!」

 

ガスティールの幻影の提案にクロノは当然ながら拒否する。

 

『なぜです?あなたがギーゼ様を受け入れれば、他の者はレリクスから解放されます。あなた1人だけの犠牲で済むのですよ?それに、受け入れる=破滅とは限りません。あなたが自分の意志で、ギーゼ様を抑え込めばいいのです』

 

「そんな都合よくいくわけ・・・」

 

『彼らの運命を握っているのはあなたです。助けたくはありませんか?』

 

クロノとガスティールの幻影の話が進んでいくと、クロノのギーゼの紋章の柱が全て光りだしたのだ。

 

『くくく・・・おめでとう・・・』

 

「う・・・うわ・・・うわあああああああ!!!」

 

ギーゼの紋章が完成すると、紋章から黒く不気味な力が発生し、それがクロノを包み込んでいく。

 

 

『クロノさん!』

 

『新導!』

 

タイヨウとカズマの声でクロノが目を覚ます。そこに映っていたのは、タイヨウとカズマだったが、すぐにその姿も黒い霧によって消えてしまう。

 

「タイヨウ!カズマ!」

 

真っ暗な空間の中で、クロノが後ろを振り返ってみると、そこには白銀で全てを凌駕するほどの巨体、その巨体のすぐ後ろに、輝く紋章・・・そして瞳は不気味に紅く輝いている。そう、今クロノの目の前にいるのが、使徒たちが復活させようとしている存在、破壊の竜神ギーゼなのだ。

 

「こいつが・・・ギーゼ・・・!」

 

ギーゼが黒いオーラをクロノに放つ。

 

「うわああああ!!」

 

オーラをまともにくらうと、クロノの足元がまるで泥のように柔らかくなり、クロノを飲み込もうとしている。

 

「ぐ・・・う・・・おわあああ・・・!!」

 

クロノは必死に抵抗しようとするが、飲み込まれていくばかり。もうだめかと思われたとき・・・

 

キィィィン!!

 

ギーゼの背後からとてつもなく明るく、温かい光がクロノを包み込む。その光の発生元は、1枚のカード・・・クロノ・ドラン・Gだった。

 

「ドラン・・・!」

 

ギーゼはそのまばゆい光によって去っていっていく。すると、光は複数の手が生成され、クロノに向かって差し伸べる。そして、クロノの大切な仲間たちの声が聞こえてくる。

 

『『『クロノ!!』』』

 

「あれは・・・シオン!!トコハ!!ユイ!!」

 

『『『クロノ!!』』』

 

「みんな・・・」

 

光の手はクロノの手を掴もうとするが、クロノは飲み込まれる。だがその瞬間、暗い空間にさらに光が辺りを包み込み、虚無を打ち払い、クロノを解放する。

 

『『『クロノ!!』』』

 

そして、光の手がクロノの手をつかみ取り、虚無の空間から脱出させるのであった。

 

 

そのきっかけとなったのはやはり、ファイトによる影響だ。

 

「クロノーーーー!!」

 

ユイのシンバスターがイフディエルの幻影に打ち勝つ。

 

「クロノたちを・・・」

 

シオンのアルトマイルがヴァレオスの幻影に打ち勝つ。

 

『元の世界へ・・・』

 

各ファイターたちが因縁のファイターの幻影に打ち勝つ。

 

「取り戻す!!」

 

トコハのアーシャがミゲルの幻影に打ち勝つ。

 

このように、各ファイターたちの勝利によって、各地にあるジェネレーターは次々と破壊していくのだった。

 

 

ジェネレーターを破壊することによって、レリクスを保つ柱が崩れ去っていき、レリクスそのものも徐々に崩れ去っていく。

 

「やったー!」

 

「あいつら、やりやがったぜ!」

 

「ジェネレーターの破壊を確認!レリクスの崩壊が始まった!みんな!」

 

レリクスが崩壊していく姿はモニターでアイチたちも確認できた。

 

 

ジェネレーターを破壊したハイメフラワーズはクロノたちの無事を確認するために、指定の場所に向かう。

 

「クロノたちは⁉」

 

≪全ては特異点に収束される。おそらく、クロノが消えた場所だ≫

 

クロノが消えた場所は、カオスブレイカーとファイトを行った河川敷だ。トコハ達が到着したころには、クロノたちが気を失った状態で倒れていた。

 

「いた!クロノ!みんな!」

 

「大丈夫⁉みんな無事だった⁉」

 

気を失っているだけで全員無事の様子だ。

 

「こちらトコハ。全員の生存を確認」

 

トコハのこの報告を受け、救出作戦に参加していたものも、普及協会本部にいる一同も喜びに浸った。

 

 

とある場所で、カオスブレイカーはただ1人、座り込んで楽しげな表情をしている。

 

「レリクス消滅・・・ギーゼの器候補の解放か・・・。ようやく面白くなってきたようだな・・・」

 

別の場所にて、グレイヱンドは空を眺めながら狂気の笑みを浮かべる。

 

「くくく・・・いいぞ・・・そうこなくてはな・・・やはりデリートし甲斐があるというものだ、この星は」

 

さらに別の場所にて、ZANGEKI(ザンゲキ)と呼ばれるディフライダーは静かに街の景色を眺める。

 

「強いな・・・奴らは・・・。奴らならば・・・この拙者の欲望を・・・満たしてくれるか・・・?」

 

ZANGEKI(ザンゲキ)と呼ばれるディフライダーはそう呟き、むらくものクランマークを輝かせる。

 

 

使徒たちの拠点の洋館。使徒たちはこの様子に特に慌てた様子は何1つなかった。1名を除いては。

 

「な・・・なんとお!!??レリクスが・・・崩壊したあ!!??」

 

そう、取り乱しているのは、レリクスを造った張本人、グレドーラの買い物に付き合っていたダークフェイスだった。

 

「嘘だ・・・嘘だあ!!レリクスは完璧な頭脳による完璧なプログラム・・・完璧なシステムだったはず!!」

 

ダークフェイスは端末を操作するが、その端末に煙が出始めている。

 

「ああああああ!!!へ、陛下あああああ!!!」

 

「よしよし、敵はとってやろう」

 

そしてすぐさまにグレドーラに泣きつく。グレドーラは泣きつくダークフェイスをあやす。

 

「壊れてもねー、直せばいいと思うんだけど。イフディエル、直せる?」

 

イフディエルはレリクスの端末を操作して、直せるかどうか確認する。

 

「・・・無理ね。完全にジェネレーターを破壊されてる。よっぽどのことが起きない限り、修復不可能よ」

 

つまりはどうやったとしても、今のレリクスを直すことはできないようだ。

 

「これでよかったのか?」

 

「ああ。多勢に無勢、1つや2つのジェネレーターを守ったところで、レリクスを維持することはできませんでした」

 

ヴァレオスの問いにガスティールは淡々とそう答える。そして、アガレスがダークフェイスに問いかける。

 

「おいダークフェイス。奴らのデータは残っているな?」

 

「!あ、ああ!もちろんです!バックアップをいくつもとって、しつこさにかけても、俺様の右に出るものはいませんからね!」

 

「だ、そうだ。これで我々の計画に支障はなくなった」

 

その答えを聞いて、ガスティールは笑みを浮かべる。

 

「よくやった」

 

「陛下あああああ!!!」

 

グレドーラに褒められ、ダークフェイスは再び泣き出した。

 

「そう・・・本当によくやりましたね・・・」

 

残ったデータの中に、クロノたちが映し出されている。どうやら使徒たちにはまだ秘策が残っているようだった。

 

to be continued…




伊吹「誰1人欠けることなく、救出作戦成功。みんなよくやってくれた」

アイチ「クロノ君たちも大きなけがもないなくてよかった」

レン「気に入りませんね。最後まで使徒は動きませんでしたけど、ひょっとしたら、彼らの計画は順調なのかもしれませんねぇ」

カズヤ「次はいったい何を仕掛けてきやがるんだ?」

伊吹「敵の出方がわからない以上、全ての事態に備えるしかないな」

TURN221「私たちがつかんだ未来」
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