さて、今回は昨年12月にはできなかったヴァンガード3作品連続投稿をさせていただきます!そして、お待たせいたしました!ようやく新右衛門編が完成しましたので、そちらのほうはReLiveで投稿しますよ!
それでは、2つ目は鋼と宇宙の正義です!
どうぞ!
どこかの建物の屋上、ここまで残った使徒たちを率いるアガレスは深夜の風景を見下ろしていた。
「ついにこの時が来た・・・我らが主、ギーゼ様復活の時・・・。ギアクロニクルの特異点、新導クロノを器とし、ギーゼ様を、この世に降臨せしめるのだ」
アガレスがギーゼ復活の野望を語った瞬間、ダークフェイスは興奮状態になる。
「復讐の時というわけだぁ!!!にっくきチームQ4に泣いて許しを請わせてやるぅ・・・!!!」
ダークフェイスはIパッドを取り出し、地方マップを表示させ、使徒出現場所の誤認情報を与えていく。
「んっふふふふぅ・・・これで奴らを撹乱し、そのすきに、特異点を我らが手に!!」
「それもいいけどさぁ・・・もっと面白いやり方もあるんじゃない?」
ダークフェイスの考えた作戦に、カオスブレイカーは異を唱えた。
「例えば・・・新導クロノが自分から僕たちの前に出てこざるをえなくなるような・・・さぁ・・・?」
その時のカオスブレイカーの笑みは、不敵且つ、不気味な印象を与えるのだった。
TURN232「ギーゼの器」
ヴァンガード普及協会本部の会議室、ここに呼び出されたチームストライダーズは伊吹たちから今現在の状況をモニターを使って説明を行っている。
「数日前から、全世界規模で使徒に関する情報が大量に報告されている。拠点の所在や目撃情報、行動経路等・・・内容は多岐にわたる。現在、その真偽を確認するため、動いてもらっているが・・・」
「多分だが、これは陽動作戦だな。こっちを手薄にさせて・・・クロノ、お前を狙うためのな」
「・・・今は何ともないけど・・・あの時は、確かに現れたんです」
魂の牢獄レリクスでギーゼになりかけたクロノの脳裏には、その時の光景が今も鮮明に覚えている。
「僕たちも見ました」
「ガスティールの言葉からしても、使徒たちがお前をギーゼの器にしようとしていることは、間違いがない」
「だがしかし、逆に捉えれば、お前さえを守り通したうえで、残る6人の使徒を惑星クレイに追い返すことができれば、事の次第が収束するだろう」
クロノを使徒から防衛するうえでタイヨウは自分にも何か手伝いをできないか申してきた。
「僕たちにも、何かできることはありませんか?」
「俺だって・・・ただ守られてるだけってわけにもいかねぇ!」
「落ち着いて」
気持ちが少しだけ高ぶってるクロノをマモルが落ち着かせる。
「気持ちはわかるけど、ここは僕たちに任せてほしい。敵の狙いは、クロノ君、君なんだ」
「・・・っ」
使徒たちの狙いが自分にあるというのはわかっているのか、クロノは何も言えなくなる。
「大丈夫。きっとすぐに全部、終わらせてみせるから」
アイチの言葉は、クロノなりに納得しようとしている。そんな様子をカズマはじっと見つめているのだった。
☆
伊吹たちの話を終えて、ストライダーズはいったん別行動をし、カズマは隅田川がよく見える川でカズミと話をしている。
「あんたがあいつの護衛についてくれるなら、安心だな」
「新導君には借りがあるからね。ギーゼの復活など、絶対にさせない」
どうやらシラヌイの件でクロノに借りができたカズミが護衛に回ってくれるらしい。カズマはじっと隅田川を見つめている。
「・・・あいつのおかげなんだ。ヴァンガードをまた始めたのも、諦めないって気持ちを取りもさせてくれたのも・・・あんたを助けられたのだって、あいつがいてくれたからだ。なのに俺はまだ・・・あいつに何も返せてねえ・・・」
「カズマ・・・」
「なんであいつが・・・ギーゼの器なんかに・・・」
「お前の友達は、俺が必ず守ってやる」
自分なりにクロノを思っているカズマは、借りを返せていない自分に不甲斐なさを感じている。そんなカズマを思って、カズミがそう一言言った。
「・・・いい友達を持ったんだな、カズマ」
「え・・・」
カズミの言葉にカズマは多少は反応したが、すぐにまた隅田川を見つめるのだった。
☆
カードキャピタル2号店では、クロノはタイヨウと護衛は誰かとかいった話をしながら、アルバイトとしての仕事をこなしている。そんな時に、カズマが入店してきた。
「いらっしゃいませー・・・て、あれ?俺の護衛って・・・まさかお前?」
「俺じゃねぇよ。護衛はこっち」
カズマがそう言うと、カズマに続いて、カズミが入店してきた。
「!!?お・・・鬼丸カズミ・・・さん・・・?」
「よろしく頼むよ」
カズミが入店したとわかったとたん、周りにいた客は反応を示した。
「あれ鬼丸カズミじゃねぇか⁉」
「なんでこんなとこに⁉」
「すげぇ!!」
「あの!ファイトお願いしてもいいですか⁉」
「おい抜け駆けずるいぞ!」
「俺とファイトをお願いします!」
周りの客はみんなカズミのファンで興奮したようにカズミにファイトをお願いしてきた。
「あーあ、あれじゃあ護衛しに来たのかどうかわっかんねぇなぁ」
周りがカズミに集中している中、カズマはクロノを気にかける。
「面倒なことになってっけどさ・・・もうちょっとの辛抱だぜ。使徒共が全部いなくなりゃ、それで終わりだ」
「ああ・・・そうだな。早くファイトしたいよな~。なーんも余計なこと抜きで、頭空っぽにしてさ」
「ま、そん時は俺が勝つけどな」
「む・・・なんだと」
大変な時だが、クロノとカズマの何気ない平穏な会話を聞いて、タイヨウは少し微笑ましく感じた。
☆
クロノの護衛をカズミに任せた後、タイヨウとカズマはカレー屋アジャンテで昼食をとっている。だが、タイヨウの表情には少し悔しさを感じさせていた。
「なんか・・・悔しいです。レリクスには一緒にいたのに・・・なんでクロノさんだけ・・・」
同じレリクスに囚われておきながら、狙いはクロノ1人、そしてそんなクロノに負担をかけさせてることにタイヨウは悔しく感じているようだ。
「何かないですか?僕たちにできること・・・」
タイヨウの言葉に、ぼんやりとしていたカズマが口を開いた。
「・・・俺も同じこと考えてた。要は、俺たちが倒しちまえばいいんだろ。使徒の奴らを」
☆
昼食を食べ終えた後、タイヨウとカズマは使徒の動向について話し合っていた。
「新導にはあいつがついてる。使徒たちもそう簡単に手を出せないはずだ」
「無理やり連れだせないのなら・・・何か罠になるようなものを仕掛ける、とか?」
「新導が自分から奴らのところに行くよう仕向けるとか・・・。例えば・・・」
使徒について話していると、カズマはふと背後に気配を感じ、振り向いてみた。そこには、柱に寄りかかっているカオスブレイカーがいた。それを見たカズマは目が鋭くなる。
☆
カズミに護衛されながらカードキャピタル2号店でアルバイトをするクロノは伊吹からもらった終焉のゼロスドラゴンダストを見つめながら考え事をしていた。
(俺がここにいて、ギーゼの器にさえならなければ、使徒たちの目的は達成できねぇ・・・後はみんなが使徒を倒してくれるのを待てばいい・・・。でも・・・)
クロノの脳裏には、ガスティールが放った言葉が深く焼き付いていた。
『ところが、何という運命のいたずらか、この世界は結ばれたのだ。ギアクロニクルの特異点によって!』
クロノがそんな言葉を思い返していると、カズミが声をかけてきた。
「ゼロスドラゴン・・・ダークゾーンのか?」
「あ・・・はい。俺・・・本当にここで守られてばかりでいいのかなって・・・。元はといえば・・・俺が片をつけるつけるべきなんじゃないかって・・・」
幼かったとはいえ自分が招いた事に責任を感じているクロノは今の立場に甘んじていることにいろいろと考えていたようだ。
「・・・ギアクロニクルの特異点・・・か・・・」
「!」
「シラヌイが残していった記憶にね、そんな話があった」
「・・・」
「カズマがずいぶん君のことを心配していた。タイヨウ君も、君の仲間たちみんなが、同じ思いをしていたよ。1人で背負わないでくれ。今度は俺が・・・俺たちが、君を助ける番だ」
「鬼丸さん・・・」
「なーに、すぐに片がつくさ。これだけの人間が、動いているんだから」
カズミに励まされ、クロノは心なしか、少しだけ荷が下りたような安心した顔をしている。
☆
カオスブレイカーを見つけたカズマとタイヨウはすぐにカオスブレイカーを追って、ビルの中へと入っていった。
「いるのはわかってんだ!出て来いよ!」
カズマとタイヨウがカオスブレイカーを探してあたりを見回していると・・・
「久しぶり~。
この時を狙ってか、カオスブレイカーが自ら姿を現した。
「カオスブレイカー・ドラゴン・・・」
「思った通りだぜ・・・!」
「こんなところでお散歩?ならもっと楽しい場所があるんだけど・・・ちょっとこっちに来てみない?」
「そうやって僕たちを人質に・・・クロノさんを呼び出そうってわけですか」
自分たちの考えにカオスブレイカーは否定することなく首を縦に頷いた。そこでカズマは自分のデッキをカオスブレイカーに突きつける。
「ファイトだ!あいつには指1本触れさせねぇ!」
「・・・」
「お前をぶっ倒して、惑星クレイに送り返してやる!」
カズマの言葉に、カオスブレイカーは不敵な笑みを浮かべ、デッキを取り出し、ファイト台を出現させる。ファイト台にデッキを設置し、お互いにファイトの準備をし、カズマにとって負けられない戦いが始まった。
「「スタンドアップ・(Z・)ヴァンガード!!」」
「
「
「俺の先攻だ!ドロー!ライド!
R ニーズ R
R R ルート カズマの手札5枚 山札43枚
「僕のターン。ドロー。ライド。
ヘリオポーズ メトンアクス R
プランク R R
「メトンアクスでヴァンガードをアタック」
「ノーガード!」
「ドライブチェック『
「ダメージチェック『
「プランクのブースト、ヘリオポーズでヴァンガードにアタック」
「ガード!『黒翼のソードブレイカー』」
「ターンエンド」
PW7000➡PW7000
PW11000➡PW7000+SH5000=12000 カオスブレイカーの手札5枚 山札42枚 カズマのダメージ1枚
「俺のターンだ!ドロー!ライド!
R リア・ファル モルフェッサ
R R ルート
「リア・ファルでヴァンガードにアタック!」
「ノーガード」
「ドライブチェック『アビサルオウル』」
「ダメージチェック『抗戦の
「ルートのブースト、モルフェッサでヴァンガードにアタック!」
「ノーガード。ダメージチェック『猛攻の
「ターンエンド!」
PW9000➡PW7000
PW14000➡PW7000 カズマの手札4枚 山札40枚 カオスブレイカーのダメージ2枚
「僕のターン。スタンド&ドロー。ライド。
混濁の
ヘリオポーズ ストレンジ アイアン
プランク R R
「アイアンでヴァンガードにアタック」
「ガード!『黒翼のソードブレイカー』」
「ストレンジでヴァンガードにアタック」
「ノーガード!」
「ドライブチェック『
「ダメージチェック『
「プランクのブースト、ヘリオポーズでヴァンガードにアタック」
「ガード!『
「ターンエンド」
PW9000➡PW9000+SH5000=14000
PW9000➡PW9000
PW11000➡PW9000+SH5000=14000 カオスブレイカーの手札6枚 山札37枚 カズマのダメージ2枚
(負けねぇ・・・絶対に勝つ!勝って、こいつを惑星クレイに送り返してやる!)
カズマはクロノのために、カオスブレイカーに勝ってクレイに返す気でいる。その様子にカオスブレイカーは不敵な笑みを浮かべる。
☆
一方、クロノはカードキャピタル2号店でストライダーズのラインを確認しているが、何のメッセージもないので少しうなっている。
「う~ん・・・」
「どうしたんだい?」
「いや・・・なんか、タイヨウもカズマもメッセージが返ってこなくて・・・どっかでファイトでもしてんのかな・・・?」
クロノはメッセージが届かないことにたいして、少し心配になっているようだ。最も、クロノの予想は、ある意味では当たってはいるが・・・。
☆
一方、カズマとカオスブレイカーのファイト
「ライド!
R ルアード モルフェッサ
R R ルート
「今までさんざん好き勝手やってくれたな。けどこれで・・・終わりだ!ルアードでヴァンガードにアタック!」
「ノーガード」
「ツインドライブ!ファーストチェック『ハウルオウル(引)』ドロートリガー!パワーはモルフェッサに!1枚ドロー!セカンドチェック『ベリアルオウル(☆)』クリティカルトリガー!パワーはモルフェッサ、クリティカルはヴァンガードに!」
ルアード(カズマ)はストレンジに近づき、魔力を込めた竜の腕を振るい、斬撃を与えた。
「ダメージチェック『猛攻の
「お前らのディフライドを解除して、二度とこっちに来れねぇようにしてやるぜ!!」
「・・・その威きり、どこまで続くかな?じっくり教えてあげるよ。君たちがどれだけ・・・無力な存在なのかをね」
ファイトが進む中、このファイトを隠れてみている者が複数人いた。
「あの者・・・なかなかに強いが、あの娘と比べれば、覇気が物足りんな」
その正体は、残りの使徒たち5人だった。
「人質か・・・ふん、いかにも奴が好きそうな手口だ」
「ゼロスドラゴンの覚醒はすでに果たしている。後は新導クロノを手に入れるだけ。そのための手段は問わん」
「奴さえ下せば事は有利に進む。ゼロスドラゴンに叩きのめされ、絶望し、抵抗の意思も失われるだろう」
ダークフェイスはカオスブレイカーの趣向を軽蔑し、ヴァレオスとアガレスは特に気にした様子はなかった。
(楽しそうだなぁ・・・カオスブレイカー・・・いずれ貴様もデリートしてやろう・・・)
グレイヱンドは不敵な笑みを浮かべながら、カオスブレイカーを見据えている。
「俺たちは散々ディフライダーに振り回されてきた。やっと片が付いたと思ったら・・・冗談じゃねぇぞ!ルートのブースト、モルフェッサでヴァンガードにアタック!」
「ノーガード。ダメージチェック『
「ターンエンド!」
PW11000➡PW9000
PW24000➡PW9000 カズマの手札4枚 山札35枚 カオスブレイカーのダメージ5枚
「新導は絶対に、お前らなんかに渡さねぇ!!」
「・・・スタンド&ドロー。ライド。
「ストライドジェネレーション。
ジェネレーションゾーン コスト『
「カオスユニバース・アルサーニ・・・⁉」
「
アルサーニのスキル発動。ハーツがカオスなら、ソウルブラスト『
「くっ・・・!ルートを
「2体
プランク・ドラコキッドのスキル。カウンターブラスト。自身を退却。山札の上から7枚見て、カオスの名を含むカードを1枚手札に。カオスブレイカー・クローズを手札に」
「!ゼロスドラゴンのコスト・・・!」
「ヘリオポーズ・ドラゴンの
「くっ・・・」
「さらにヘリオポーズにパワープラス3000。ヘリオポーズは移動。さらにストレンジ・ドラゴンをコール」
ストレンジ アルサーニ アイアン
ヘリオポーズ R R
「どう足掻いたところで、君たちは僕に負けて、新導クロノを釣り上げるための餌となる。そして知るといい・・・。アイアンでヴァンガードにアタック。
アイアンのスキル発動。カオスのヴァンガードがいればパワープラス2000」
「ガード!『
「全ての希望を砕く・・・それが我だ。残るのは絶望のみ。アルサーニでヴァンガードにアタック」
「ノーガード」
「トリプルドライブ。ファーストチェック『
アルサーニはルアード(カズマ)に狙いを定めて、両肩に装備しているビームガンを放った。ビームをまともにくらったルアード(カズマ)は何とか粘る。
「ダメージチェック『争奪の騎士エデルン』『ハウルオウル(引)』ドロートリガー!パワーはヴァンガードに!1枚ドロー!」
「ヘリオポーズのブースト、ストレンジ・ドラゴンでヴァンガードにアタック。
ストレンジのスキル発動。ヴァンガードがカオスであれば、リアガード1体を
「絶望なんてしねぇ・・・俺が勝てば、この戦いは終わる!!ジェネレーションガード!!
ジェネレーションゾーン コスト『アビス・グラール(治)』
「ブロナーハのスキル!山札の上から5枚を公開!」
公開したカード 『デスフェザー・イーグル(☆)』『
「グレード1のカードを全て、ガーディアンサークルにスペリオールコール!新導が望む世界を・・・つまんねぇことを考えず、ただ純粋にファイトを楽しめる世界を、俺たちが、実現してやる!!」
「凌いだ・・・!」
「ターンエンドだ」
PW11000➡PW11000+SH5000=16000
PW28000➡PW11000(+5000)
PW36000➡PW16000+SH25000=41000 カオスブレイカーの手札9枚 山札26枚 カズマのダメージ4枚
「どうだ!!」
カオスブレイカーの攻撃を凌いだ途端・・・
「⁉ぐっ・・・!」
突然カズマの利き手に痛みが生じた。利き手を見てみると・・・なんと、今まで現れなかったギーゼの紋章が、6本の柱が揃いかけている状態で現れたのだ。
「・・・なんで・・・こんな・・・まだ・・・」
「「!!?」」
突然カズマの手に現れたギーゼの紋章にカズマだけでなく、タイヨウもカオスブレイカーも驚いていた。それは当然、隠れていた使徒たちも同様だ。
「あ・・・あれは・・・もしや・・・」
「ギーゼ様の・・・身印が・・・!」
「・・・!ダークフェイス!あれを出してみろ!」
全てに気が付いたアガレスはダークフェイスに指示を出す。ダークフェイスはギーゼの紋章がある透明なカードのようなものを取り出す。
「!反応している・・・!あの男が示したファイトに・・・我がレリクスが!!」
「ほう・・・それは面白い・・・」
重要な意味を持つカードの反応は、使徒たちにとって、喜ばしい現象のようだ。そして、ギーゼの紋章が現れたことによって、カオスブレイカーは不敵に笑う。
「・・・くくく・・・ははははは!!そうかぁ・・・これは何という皮肉!いや、運命の采配という奴かぁ?」
「何がおかしい!!なんなんだこれは!!」
カズマの疑問にカオスブレイカーは答える。
「お前がギーゼ様の器になるんだよ・・・東海林カズマ」
「「!!?」」
先ほどまでクロノを器にしようとしていたのにも関わらず、今度はカズマがギーゼの器になるという事実にカズマとタイヨウは目を見開かせる。
「・・・何・・・言って・・・?お前らの狙いは新導だろ⁉」
「ああ・・・。でもたった今、お前自身が示したのさ・・・お前でもいけるってね」
「カズマさん・・・!」
カズマとタイヨウが戸惑っていると、隠れていた残りの使徒が下りてきた。
「こやつらが必要とするのは、ギーゼを受け入れるに足る力ある者のみ」
「特異点新導クロノは魂の牢獄レリクスの中で最も器に近づいた存在だ」
「だが、貴様のファイトによって、それにこだわる必要もなくなったというわけよ」
「レリクスで得られたデータは全てここに残されている。ユニットとの絆を断ち切り、貴様とギーゼ様を繋ぐ道・・・いわば、極小に圧縮されたレリクスそのもの」
つまりダークフェイスが持っているのは、レリクスのデータが詰め込んである疑似レリクスのようなものである。
「貴様が今示した資質をもってすれば!ギーゼ様を宿す器としては十分!!!」
「ファイトを続けるがよい。貴様が敗北する瞬間こそ、ギーゼ様が齎す破滅の始まりなのだ」
クロノをおびき出すファイトから、カズマをギーゼの器とさせるファイトに変わり、アガレスはカズマにファイトを続けるように促す。
「これが本当に運命をかけたファイトだ。お前がギーゼとなるか、我が惑星クレイに送り返されるか!!」
「・・・・・・」
「カズマさん・・・!」
ギーゼ復活をかけたファイトに、カズマは逃げることはせず、ファイトに集中する。
「スタンド&ドロー!
戻したカード 『
「コストを支払わずにストライドできる!!ストライドジェネレーション!!!!」
ジェネレーションゾーン コストなし
「我を超え目覚めよ!!真なる力は、この手にある!!
「負けなきゃいいってことだろうが!コール!リア・ファル!争奪の騎士エデルン!」
争奪の騎士エデルン PW11000
「リア・ファルの
ベリアルオウル(☆) PW4000
リア・ファル ルアード ○
ベリアル R ●
「新導も・・・俺も・・・誰もギーゼになんかならねぇ!!ベリアルのブースト、リア・ファルでストレンジにアタック!」
「ノーガード」
「俺がてめぇら全員、惑星クレイに送り返してやる!!」
「いけ・・・カズマさん!!」
「
ベリアルオウルのスキル!コストになった時、ヴァンガードがルアードなら、1枚ドロー!消え失せろ!!」
「ジェネレーションガード。創世機神デストハーゲン」
ジェネレーションゾーン コスト『
創世機神デストハーゲン SH15000
「さらにガード『
ルアードは己の力を解放し、カオスブレイカー・クローズに向かって、全魔力を使った攻撃を放とうとしたが、デストハーゲン、そして複数のガーディアンが現れてルアードの攻撃を止める。ルアードは何とか押し返そうとする。
「クワドラプルドライブか・・・全てトリガーなら、このガードはぶち抜ける」
「カズマさん・・・」
「なめんな・・・いくぜ!!ファーストチェック『ベリアルオウル(☆)』クリティカルトリガー!効果は全部ルアードに!」
「1枚」
「セカンドチェック『ハウルオウル(引)』ドロートリガー!パワーはルアードに!1枚ドロー!」
「2枚」
「サードチェック『アビス・グラール(治)』ヒールトリガー!ダメージ1回復、パワーはルアードに!」
「3枚」
「ファイナルチェック!」
1枚でもトリガーが出ればこのガードを突破することができる。運命の最後のドライブチェック。出てきたカードは・・・
『
ノートリガー・・・ガード突破はできなかった。
「・・・っ」
ルアードはガードの突破を押し切ることはできず、後ろへと下がった。そして姿は元のルアード(カズマ)に戻っていく。
「くっ・・・ターンエンド・・・」
PW13000➡PW9000
PW32000(+15000)➡PW11000+SH40000=51000 カズマの手札6枚 山札23枚 カオスブレイカーのダメージ4枚
「・・・素晴らしいなぁ・・・いつ見ても、全ての希望が絶望に転じる、その瞬間というのは・・・!」
「まだだ・・・まだ終わってねぇ!!」
「くくくくく・・・ヒャハハハハハハハハ!!ヴァンガードと同じカードをコストに!!」
ジェネレーションゾーン コスト『
「我が未来の全てを賭けて、深淵なる虚無に挑みし勇者に、甘美なる絶望を」
「・・・っ」
「我が未来を喰らい顕現せよ!!!スターゲートのゼロスドラゴン!!!アルティメットストライド!!!!!」
影の領域の世界で、カオスブレイカー・クローズは白き光に包まれてゆく。光が辺りを照らし出すと、カオスブレイカー・クローズは宇宙を制する禁断の破壊兵器、スタークが現れる。
「星葬のゼロスドラゴンスターク!!!!!」
星葬のゼロスドラゴンスターク PW36000 ハーツ『
「スターゲートのゼロスドラゴン・・・!」
「かつて我が前に立った数多の戦士は皆希望を掲げて戦いに挑んできた・・・我はその全てを刈り取る者・・・。あらゆる希望が潰え、沸き上がる絶望の悲鳴と慟哭こそ、我が最大の悦楽!!
手札からドロップゾーンに置かれたクローズのスキル。ソウルブラスト『
「くっ・・・!手札を1枚
「スタークのスキル。カウンターブラスト(2)。ドライブマイナス2。このユニットはレストさせずに3回攻撃できる」
「3回も攻撃⁉」
「コール。混濁の
相手に
ストレンジ アルサーニ アイアン
ヘリオポーズ メトンアクス R
「アイアンでヴァンガードにアタック」
「ガード!『ハウルオウル(引)』」
「ゼロスドラゴンスタークでヴァンガードにアタック」
「諦めてたまるかよ・・・あいつが教えてくれたんだ!!」
「ファーストアタック」
「ノーガード!」
「ドライブチェック『
「ダメージチェック『デスフェザー・イーグル(☆)』クリティカルトリガー!効果は全部ヴァンガードに!セカンドチェック『デスフェザー・イーグル(☆)』クリティカルトリガー!効果は全部ヴァンガードに!最後まで粘れば、そこに未来が開ける!!」
「セカンドアタック」
「ジェネレーションガード!!暗黒竜プロットメイカー・ドラゴン!!」
ジェネレーションゾーン コスト『アビス・グラール(治)』
暗黒竜プロットメイカー・ドラゴン SH15000
「
「ドライブチェック『
スタークはルアード(カズマ)に近づき、拳で1打撃、さらに追撃として2打撃目を放とうとした時、プロッとメイカーがスタークの攻撃を凌いだ。
「俺は誓ったんだ・・・!」
カズマの頭に浮かんだのは、クロノが何気なく言った言葉だ。
『早くファイトしたいよな~。なーんも余計なこと抜きで、頭空っぽにしてさ』
「純粋にファイトを楽しめる世界を取り戻してやる!!それまでは、絶対に諦めねぇ!!!」
「・・・メトンアクスのブースト、スターク、ファイナルアタック。
メトンアクスの
「カズマさん・・・!」
「俺は・・・新導にもらったもんをまだ何1つ返せてねぇ!!ジェネレーションガード!!暗黒竜プロットメイカー・ドラゴン!!」
ジェネレーションゾーン コスト『アビス・グラール(治)』
「
「ドライブチェック」
パワー52000と56000。トリガーが1つでも通ればこの攻撃は防げる。シールドカオスブレイカーの最後に引いたドライブチェック。その結果は・・・
『
クリティカルトリガー・・・振るのは当然・・・
「効果は全てスタークに」
「・・・っ!」
「そんな・・・」
ルアード(カズマ)を守ろうとプロットメイカーとベリアルオウルがスタークの前に立ちふさがった。だが、スタークは胸に装填されている電磁砲を最大火力で放った。その威力の前に、プロットメイカーとベリアルオウルは成す術もなく砲撃に包まれ、ルアード(カズマ)もそれに包まれる。
「俺は・・・負けない・・・!新導の・・・ために・・・!」
PW11000➡PW11000+SH5000=16000
PW36000(+5000)➡PW11000(+20000)
PW41000➡PW21000+SH25000=46000
PW52000(+5000)➡PW21000+SH35000=56000
ダメージチェック『
カズマのダメージ6枚 カオスブレイカーのダメージ4枚 勝者カオスブレイカー
「カズマさん・・・!」
カオスブレイカーはスタークのカードを手に持ち、掲げる。
「世界よ、沈黙せよ・・・星葬のゼロスドラゴンスターク!!」
カードから星のような輝きを放ち、ゼロスドラゴンスタークが現実のものとして現れる。スタークが現れたことにより、建物は崩壊していった。
☆
嫌な予感がしてカズマとタイヨウを探しに来ているクロノとカズミも、たった今、ゼロスドラゴンスタークが現れるその瞬間を目撃した。
「あれは・・・!」
「ゼロスドラゴン!!」
クロノとカズミは急いでスタークが現れた場所へと急いで駆け付ける。
☆
破壊の限りを尽くしたスタークはカードに戻り、カオスブレイカーの手元へと戻る。そして、その瞬間、倒壊したビルの周辺に、禍々しき光が辺りを包んでいく。
「おお・・・!ついにこの時が・・・!」
「この日をどれほど待ち望んだことか・・・!我らの宿願が果たされる・・・!」
「破壊の竜神ギーゼ様が降臨される!!!」
ギーゼ復活の瞬間・・・それに立ちあっているヴァレオス、アガレス、ダークフェイスは興奮したような顔つきになっていた。
☆
「凄まじい時空の歪みを確認!!」
「この現象は・・・⁉いったい何が起きているんだ⁉」
海外の研究所にいるクリスたちも、モニターの映っている時空の歪みの異様な変わりように戸惑いを隠せないでいる。
☆
禍々しい光が立ち込める中、カズマが上を見上げてみると、白銀で全てを凌駕する巨大な存在・・・破壊の竜神ギーゼがカズマを見下ろしている。ギーゼは体の一部を伸ばし、カズマを捕らえ、自分の身まで引き寄せる。
(俺の体を奪っても・・・お前は・・・あいつには絶対に勝てねぇ。な・・・そうだよな・・・楽勝だろ・・・クロノ・・・)
カズマはクロノがギーゼに勝つという希望を持ち・・・ギーゼによってその身を支配されてしまった。
☆
クロノとカズミがビルにたどり着いたころにはビルはまがまがしい光に包まれていた。
「なんだこれは⁉」
この不可思議な現象にカズミが戸惑っていると、クロノはふとカズマの気配をこのビルから感じ取る。
「!カズマ?・・・っつ!」
突然クロノの利き手に痛みが生じると、浮かび出ていたギーゼの紋章が砕け散った。それを見たクロノはカズマが何かあったのではと思い、光の中へと入ろうとする。中に入る際、ゼロスドラゴンダストが反応し、招き入れるかのようにクロノを光の中へと通した。
「待て!新導君!」
カズミがクロノを止めようと手を伸ばすが、不思議な力によって拒まれ、カズミは光の中に入ることができなかった。
☆
「カズマー!!カズマ!!」
光を通り抜け、ビルに入ったクロノはカズマを探し、あたりを見回す。すると、奥の方で、倒れているタイヨウを発見する。
「!タイヨウ!」
クロノは急いで倒れているタイヨウに駆け寄る。
「タイヨウ!大丈夫かタイヨウ!」
「・・・クロノさん・・・カズマさんが・・・」
タイヨウが口を開くと同時に、背後に人気配を感じ取るクロノ。後ろを振り返ってみると、そこには、ギーゼに体を乗っ取られたカズマがいた。その瞳に光はなく、ただただ、虚空を見つめる・・・ギーゼはそんな風に思わせるような雰囲気を纏っていたのだった。
to be continued…
アガレス「素晴らしい・・・素晴らしいぞ・・・!!我々が長くして待ち望んだ、我らが主、破壊の竜神ギーゼ様の降臨が果たされた!!」
カオスブレイカー「器になったのが特異点のあいつじゃなかったっていうのは、面白かったなぁ・・・」
ダークフェイス「器は誰でもいい!!今こそ俺様をこけにしてくれた生意気なチームQ4のクズ共に、煮え湯を飲ませてくれるわ!!!」
カオスブレイカー「どうでもいいんだけどさぁ・・・君、そればっかりだね」
ダークフェイス「おおお!!?お黙りなさあい!!!」
TURN233「終わりの始まり」