カードファイト!!ヴァンガードG 鋼と宇宙の正義   作:先導

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ヴァンガードの情報で来年の1月に発売されるトリドラのキャラクターブースターに、まさかのコマンダーローレルらしきGユニットかもしれないものがあって驚きました。

さらにそこにはギャロップも収録されているようですごくテンションが上がって、発売が今から待ち遠しいです!!・・・財布を確保しておかなくては・・・。

前置きはこれぐらいにしてそろそろ本編を始めましょうか。

それではどうぞ!


ネクステージ

夜の橋で、トライフォーは夜の風景を見ながら夕方に起きたタイヨウとの出来事を思い返していた。

 

『強くなりたいという事が、なぜいけないんですか?』

 

『最初から何もしなくても強い人には、絶対わからない。僕たち、負け犬の気持ちなんて・・・』

 

『間違っているのはクロノさんの方だ!!』

 

タイヨウに言われたことを思い返し、暗い表情になる4人。

 

「・・・どうしたらタイヨウに、ヴァンガードは楽しいものだって、伝えられるんだ?」

 

4人がそのことを考えている内に岩倉が車でシオンを迎えに来た。シオンは車に乗り、残った3人はシオンを見送る。車の中でシオンはこれからどうするべきかを考えている。そこに岩倉が口を開く。

 

「坊ちゃま、手紙が届いております」

 

「手紙?」

 

シオンを見送った後、3人は帰宅の道のりを歩いていく。

 

「クロノー!ユイー!トコハー!」

 

そこに、車から降りてきたシオンが届いた手紙をもって3人に駆け寄ってくる。3人はその手紙を開けてみる。入っていたのはユナイテッド・サンクチュアリ支部のスペシャルマッチの招待状だった。これを見た3人は表情が明るくなり、シオンは首を縦に頷く。

 

 

 

TURN44「ネクステージ」

 

 

 

翌日のカードキャピタル2号店にて、4人はカムイにスペシャルマッチの事を報告していた。どうやら4人はスペシャルマッチでユナサン支部の因縁に決着をつけようと考えていた。

 

「スペシャルマッチで決着をつけるってのは、いい考えだ」

 

カムイの言葉を聞いて4人は明るい表情でお互いの顔を見合わせていた。

 

「ただなぁ・・・ドラゴン・エンパイア支部が支部長総会の準備をしている」

 

「支部長総会?」

 

「あれでしょ?職員会議みたいなやつ。支部長が集まって問題を話し合うみたいな」

 

「ユイのそれであってる。でもすごいわ。滅多に開かれないのに」

 

「議題は、ユナイテッド・サンクチュアリ支部の運営方法ですね」

 

「ああ。行き過ぎが認められりゃ、支部は運営停止、スペシャルマッチも中止だろう。大きな問題だからな。ドラゴン・エンパイアも本腰を入れたってわけだ」

 

支部の運営停止という事を聞いて4人は驚愕の表情をする。当然だ。今支部の運営を停止させられ、スペシャルマッチの中止でもされたらユナサン支部の決着も、タイヨウにヴァンガードの楽しさをもう1度教えるチャンスがなくなってしまうからだ。

 

「それでも俺たちは、俺たちの手で思いをぶつけたいんです」

 

「なら、そいつをお前らで伝えてこい!」

 

カムイの言葉に4人は首を縦に頷き、すぐさまドラゴン・エンパイア支部に向かうのであった。

 

 

ドラゴン・エンパイア支部の会議室、支部長やマモルを含むクランリーダーたちは支部長総会の準備を進めていた。

 

「支部長総会開催に必要な他の支部の賛同、及び動議案件、全て揃いました。普及協会本部に提出すれば、すぐにでも開催されることになるでしょう」

 

「奴らの悪事、白日のもとにさらしてやる!」

 

「だがなぜ今だ本部の者は動かぬ?」

 

「本部から派遣された伊吹は、何をしているのだ?」

 

伊吹の名前が出てきた時マモルは少しだけ顔を俯かせる。

 

「マモル君、手続きを進めてくれ」

 

「待ってください!!」

 

『!!』

 

支部長がマモルに指示を出すと同時にクロノ、ユイ、シオン、トコハが会議室に入り込んだ。

 

「トコハ!クロノ君にシオン君にユイちゃんも!会議中だぞ!」

 

「だから来たの」

 

「お願いです!支部長総会、開くのもう少し待ってください!」

 

ユイの支部長総会の開催を待ってほしいという言葉にクランリーダーたちは反応する。

 

「・・・何を言っているのか、わかっているのかい?」

 

「はい。週末にユナサン支部で開催される、スペシャルマッチが終わるまででいいんです」

 

「タイヨウや他のファイターたちに伝えたいんです!俺たちの信じるヴァンガードを、楽しいヴァンガードを伝えたいんです!その機会は、スペシャルマッチだけなんです!!」

 

クロノはクランリーダーたちにそう力説するがクランリーダーたちは採り合わない。

 

「帰んな。子供の出る幕じゃないんだよ」

 

「わかっています。しかしこれは」

 

「私たちの問題でもあるんです!」

 

「責任を取るのが大人の役目」

 

「左様。故に我々がいる」

 

「大人の責任があるのはわかっています!でも、私たちだって、譲れないものがあるんです!!」

 

「俺たち、本気なんです!!」

 

そう言ってクロノはファイカを取り出す。どうやらファイトでそれを証明させるという考えだ。

 

「ファイトで証明しようってのかい?それが子供なんだよ」

 

「君たちの気持ちはわかった。でも、この件は僕たちに任せて・・・」

 

マモルが自分たちにまかせて帰ってほしいと言おうとした時、支部長がクロノたちの前に立つ。

 

「・・・君たちの本気、見せてもらおう」

 

そう言って支部長は自分のファイカを取り出す。どうやらファイトの申し込みを受けるようだ。

 

「支部長!」

 

「この支部の責任者は私だ」

 

「・・・ご勝手に」

 

クランリーダーたちは渋々と支部長の考えに従う。

 

「なら、俺が審判やるよ」

 

会議室のやり取りを聞いていたハイメが会議室に入り、審判の役目を担う。ファイトテーブルを用意し、支部長とクロノはファイトの態勢になる。

 

「「スタンドアップ・ヴァンガード!!」」

 

「ガンナーギア・ドラコキッド!」

 

「バーブリンガー・ドラコキッド!」

 

クロノと支部長はそれぞれのファーストヴァンガードにライドする。

 

「ライド!メーザーギア・ドラゴン!」

 

クロノはメーザーギアにライドして、ターンを終了する。

 

「サンダーシャウト・ドラゴンへライド!アタック!」

 

支部長はサンダーシャウトにライドをし、メーザーギアにアタックする。

 

「ライド!スモークギア・ドラゴン!アタック!」

 

クロノはスモークギアにライドし、そのままアタックフェイズに入り、サンダーシャウトにアタックする。

 

「ライド!ワイバーンストライクバーグス!アタック!ドライブトリガーチェック!ゲット、クリティカルトリガー!」

 

支部長はドライブチェックで引いたクリティカルトリガーの効果を全てバーグスに与え、クロノのダメージは最初のダメージと合わせて3となった。支部長の表情は真剣そのものだ。

 

「あの支部長が笑っていない。初めて見た」

 

いつもの支部長なら本当にファイトを楽しみながら笑っているのだが今は違う。状況が状況なので無理はないが。ファイトは着々と進み、支部長の2回目のストライドを行う。

 

「ジェネレーションゾーン・・・解放!!!!」

 

コストに支払ったのはドラゴニック・ヴァンキッシャー、グレード3だ。

 

「天と地、その和をもって未来を拓け!! ストライド・・・ジェネレーション!!!!征天覇竜 コンクエスト・ドラゴン!!!!」

 

支部長はコンクエストドラゴンにストライドする。ハーツはドラゴニック・ヴァンキッシャーだ。ヴァンキッシャーには超越(ストライド)スキルを持ち合わせている。となると当然・・・

 

「ドラゴニック・ヴァンキッシャーの超越(ストライド)スキル!スチームファイターアンバーを退却!そしてバインド!」

 

イメージ内ではハーツのヴァンキッシャーがコンクエストに通じて、雷を放ち、その雷がアンバーに降り注いだ。盤面では支部長がカウンターブラストを払い、前列のアンバーを退却させてバインドゾーンへと送られた。

 

「コンクエスト・ドラゴンのスキル!グリマーブレスを退却!さらに、前列ユニットにパワープラス10000!」

 

「インターセプトをできなくしたうえに、パワーアップまで・・・」

 

「真の強さは弱き者のため!薙ぎ払え、コンクエスト・ドラゴン!!」

 

イメージ内ではコンクエストはクロノジェットに一太刀の斬撃を与える。それによってクロノのダメージは5枚となった。

 

「ダメージ5⁉」

 

「強い・・・支部長の座は伊達じゃないってことか・・・」

 

「あの支部長が・・・」

 

クロノがダメージ5に追い込まれたことにより、観戦している3人は戦慄している。マモルは普段見せない支部長の姿に驚きを隠せないでいる。

 

「君の本気はそんなものか?」

 

「くっ・・・!」

 

不利的状況の中クロノはクロノジェットを見つめる。

 

(力を貸してくれ、クロノジェット!)

 

クロノは心の中でクロノジェットと対話をしている。

 

『俺はお前たちに会って、俺は心から楽しむってことを知った。タイヨウも知っているはずだ。だから思い出させてやりたい。楽しいってことを!俺とお前で、そいつをぶつけるんだ!!』

 

クロノジェットはクロノの想いに応えるかのように目が一瞬だけ輝きだした。そしてクロノは、ストライドの為にコストを、スチームブレスを支払う。

 

「ジェネレーションゾーン・・・解放!!!!今こそ輝け!!我が未来!!その可能性!!ストライド・・・ジェネレーション!!!!クロノドラゴン・ネクステージ!!!!」

 

クロノジェット・ドラゴンは未来の自分の姿、クロノドラゴン・ネクステージへと進化する。

 

「いくぜ!クロノドラゴン・ネクステージ!!」

 

「ガード!」

 

ネクステージの時空砲はヴァンキッシャーに向けて放たれたがドラゴンダンサーアナスタシアによって防がれてしまった。

 

「これも防がれた⁉」

 

「くっ!」

 

(クロノ君の思いに応えるため、そして自らの思いを示すため、これほどまで厳しく・・・)

 

「まだだ!俺たちは止まらない!何度でも立ち上がる!思いが伝わるその時まで!!」

 

クロノはそう言って笑みを浮かべた。どんな状況でも楽しんでいる証拠でもある。

 

「・・・その笑みだ」

 

「!」

 

「今ここで楽しまなければ、彼にもその気持ちが届くはずもない」

 

支部長の言葉にクロノは少し唖然としていた。

 

「ファイトはここまでだ。君たちの本気はわかった」

 

「じゃあ・・・!」

 

「だが・・・待つわけにはいかない。困っている人がいるにもかかわらず、君たちの都合で遅らせるわけにはいかない」

 

「でも、こんな時だからこそ伝えたいんです!」

 

「では聞こう。スペシャルマッチで君たちの思いが伝わらなかったら、どうする?」

 

支部長の問いにクロノは言葉を詰まらせる。

 

「タイヨウ君ばかりか、他のファイターにも理解してもらえなかったら?万が一君たちが危険な目にあったとしたら?」

 

支部長の言葉にクロノだけでなくトコハやシオン、ユイも言葉を詰まらせる。

 

「我々が最優先に考えるのは君たち。そして、ユナイテッド・サンクチュアリ支部の善良なファイターを守ることだよ」

 

支部長の言葉に4人はそのことに対して考えたことがなかったため、何も言えなかった。

 

「・・・とはいえ、手続きというものは時間がかかる」

 

「「「「!!」」」」

 

「早くても支部長総会は週末以降、スペシャルマッチ開催日の後になるだろう。その間どうするかは・・・君たち次第だ♪」

 

「「「「ありがとうございます!!」」」」

 

支部長の気遣いに4人は心から感謝の言葉を送る。

 

「これだから・・・」

 

「仕方あるまい」

 

「これぞ、我らドラゴン・エンパイア支部長」

 

「大山リュウタロウ」

 

クランリーダーたちは支部長に呆れながらも、心からの尊敬を抱いている。

 

「・・・あーあ、頭使ったらお腹減っちゃった」

 

「・・・あの人には敵わない・・・」

 

 

週末のスペシャルマッチを問題なく参加できるようになった4人はそれぞれ個人で特訓をすることにした。シオンはカードキャピタル2号店でカムイに特訓の付き合いをしてもらった。岩倉もそこに同席している。

 

〈お前らーー!!絶交だーーーー!!!〉

 

1階のお好み焼き屋からツネトの悲痛な叫び声が聞こえたがそれに気づいたのは岩倉だけでシオンとカムイは気にした様子はない。

 

「このデッキでお願いします!」

 

そう言ってシオンはあるデッキをカムイに渡す。そのデッキはシャドウパラディンだった。

 

「シャドウパラディン?こいつは神崎のクラン、お前らの相手はチームディマイズだろ?」

 

「彼らを倒して、神崎を引きづりだすんです!」

 

「なるほど。そして俺は、仮想神崎ってわけ」

 

「はい」

 

どうやらチームディマイズを倒して神崎を引きずり出してファイトを申し込むため、その練習のためにシャドウパラディンのデッキを使ってファイトをお願いするようだ。

 

「でもいいのか?お前の特訓の時間が削られちまうぞ」

 

「構いません。論理的な戦略の構築は僕の得意とするところ。クロノとトコハ、ユイには後で結果を伝えて、一緒に検討するのがいいかと」

 

「・・・おし!始めるか!」

 

そう言ってカムイは4人が神崎とファイトしたデータを元にデッキを考察し、各クランの対する戦略アドバイスを行う。

 

「4人の話を総合すると、奴のデッキはこうだな。ロイヤルパラディンでファイトする時は、できるだけヴァンガードにアタックしていけ。スキルでリアガードをコールできるから、リアガードをこうげきしても、すぐに立て直されてしまう」

 

「次は、ネオネクタールでお願いします!」

 

「奴のグレード3、クラレットソード・ドラゴンは、ジェネレーションブレイクでパワーとクリティカルがあげられる」

 

「まともに喰らわないように、完全ガードを無駄うちしないように・・・」

 

シオンはカムイのアドバイスを全て頭に叩き込ませる。それを静かに見守っている岩倉。

 

(坊ちゃま・・・。どんな難問もお1人で解決なさろうとしていた。しかし今では、本気でぶつけあえる仲間とともに、大切なご友人の為にも、尽力されるようになられた。・・・成長なさいましたね・・・。もはや私がお支えする必要がないほどに・・・)

 

「僕の情熱は、君の剣と共に!ライド!青天の騎士アルトマイル!!」

 

 

夕方、安城家ではトコハと仕事から帰ってきたマモルはファイトの準備を進めていた。

 

「家でファイトするのは久しぶりだな」

 

「せっかく兄さんが家にいるんだから、特訓してもらわなきゃ。超えたい相手がいるんだ」

 

「羽島リン・・・だね?」

 

「知ってたの?」

 

「うん。昔ファイトしたことがあって、その結果、彼女を傷つけてしまったのかもしれない」

 

「だから私に突っかかってきたのか~・・・」

 

マモルの言葉にトコハは納得するようにそう言った。

 

「トコハには、嫌な思いをさせてしまったようだね」

 

「大丈夫。きっかけは兄さんだったのかもしれないけど、羽島リンとファイトするのは、この安城トコハだから」

 

トコハの言葉にマモルは笑みを浮かべる。

 

「よし!今日はいつも以上にいくからな!」

 

「負けないから!」

 

そして、ファイトは始まった。結果はマモルの勝利だがトコハは何度もファイトのリベンジを繰り返す。

 

「アタック!」

 

「ああ!また負けた!もう一番!」

 

「アタック!」

 

「まだまだ!」

 

「アタック!」

 

「次は勝つ!」

 

この勢いだとファイトはトコハが勝つまで何度も繰り返すだろう。

 

「・・・いい顔だ」

 

「え?何?」

 

マモルの突然の言葉にきょとんとするトコハ。

 

「・・・もっと厳しくいくぞ!」

 

ファイトは夜まで続き、今はマモルからファイトのアドバイスを聞いているトコハ。

 

「同じ名前のリアガードを呼べるアーシャの超越【ストライド】スキルは、ストライドした時、強いリアガードがいないと生かしきれない。リアガードがアタックされたら、ガードは惜しまずするように!」

 

「わかった!やってみる!煌めく蕾よ、今こそ花開け!ラナンキュラスの花乙女アーシャにライド!」

 

トコハはネオネクタールを選んだきっかけのことを思い返していた。

 

『オススメのクランはかげろうだよ。強いしかっこいい』

 

『ううん。ドラゴンより、かわいいお花がいい!』

 

(すっごい単純な理由でネオネクタールになったんだよね。それで、最初のファイトは・・・)

 

『もおーー!兄さんちっとも手加減してくれないんだからーー!』

 

『ごめんごめん』

 

(・・・そっか。あの時から、ずっと一緒だったんだ。デッキの構成が変わっても、アーシャはずっと傍にいた。何となく選んだんだって、思ってた。でもきっと、運命だったんだね。あれから2人で積み重ねてきた時間、そう、あなたは私の姉妹。1人じゃ敵わないかもしれないけど、2人でなら、兄さんを!)

 

 

八百屋佐倉店のユイの部屋は床や壁紙、服など女の子らしいものがあるが、女の子の部屋に似合わないロボットのプラモデルがたくさん飾ってあった。そんなユイの部屋でユイはユナサン支部のスペシャルマッチに備えて特訓をゲンゾウに付き合ってもらっていた。

 

「銀河の戦士よ、皆の夢を守るため、その力を解き放て!!ライド!大宇宙勇機(だいうちゅうヒーロー)グランギャロップ!!ヴァンガードにアタック!」

 

「ガード!!」

 

ユイの渾身のアタックはガードされてしまう。ファイトは着々と進み、ゲンゾウのターンとなった。

 

「うらあ!!アタックじゃ!!」

 

「あ・・・あああ!!また負けたーー!!悔しい!!もう1回!!」

 

「がはは!!いいぞ、何度でもかかってこい!!」

 

ユイはゲンゾウを倒す気でもう1度ファイトを執り行う。ファイトが進む中、キョウコが部屋に入ってきてた。

 

「ずいぶん長いことやってるわね。夜食、作っておいたから食べてね。それと、あんまり遅くならないようにね」

 

「おう、悪いなキョウコ」

 

「ありがとう、ママ」

 

キョウコは夜食の焼きおにぎりを置いて、部屋から出ていき、ユイとゲンゾウはファイトをしながら焼きおにぎりを食べる。ファイトが終わった。結果はまたゲンゾウの勝ちだ。

 

「またわしの勝ちじゃな」

 

「つ、次こそは絶対勝つ!」

 

次こそはと気合が入っているユイの顔はすごく楽しそうだ。それを見たゲンゾウは少し微笑む。

 

「楽しそうだな、ユイ」

 

「うん!私、ヴァンガードが大好き!!」

 

「・・・その気持ち、ずっと大事にしろよ。決して何があっても取り乱すな。そうすれば、ユニットたちは今まで以上の力を発揮してくれるはずだ」

 

「パパ・・・」

 

ユイはゲンゾウの言葉をしっかりと胸に刻んだ。神崎とファイトしていた時のユイは神崎に勝つことにこだわり過ぎていて、楽しいという言葉を忘れかけていた。

 

(・・・そうだよね。この気持ちを大事にしなきゃ、神崎と同じになっちゃうよね。何でこんな単純なことを神崎の対戦でわすれちゃっていたんだろう・・・)

 

ユイは己を恥じ、そして今度は見失わないことを心の奥底から誓う。

 

「さあ、見事ワシに勝って見せろ!ユイ!」

 

「いくよ!不屈の闘志を鋼の剣に込め、正義のために轟かせよ!ライド!鋼闘機(メタルボーグ)シンバスター!!」

 

ユイはファイトを執り行いながらヴァンガードを始めた経緯を思い返す。

 

(シンバスターとグランギャロップがかっこよかったから、ビビッときたからっていう理由でディメンジョンポリスにしたんだっけ。でも、徐々にヴァンガードをやっていくうちに、ディメンジョンポリスに出会ったのは運命なんだなって思い始めてきた。この2人となら、どんな困難だって立ち向かえる!)

 

 

クロノの住むマンション、クロノはハイメを連れてきていた。で、そのハイメはというと現在、クロノの叔母であるミクルに口説いていた。

 

「ああ、運命の出会いがここに!ミクルさん、私だけのプリンセスになってください!」

 

「あ、ありがとう・・・。そ、それよりもうすぐ夕食ができるから、ゆっくりしてってね、ハイメ君」

 

「はい、ミクルさん」

 

ミクルは夕食の準備に取り掛かろうと台所へ向かっていく。

 

「おい、俺の叔母さんだぞ」

 

「ハイメおいたんと呼んでくれ」

 

ハイメの言葉にクロノはガクッとなる。それおいといてクロノはクロノドラゴン・ネクステージのことについてハイメに問い詰める。

 

「ハイメ、誰がくれたんだ?」

 

「それは・・・・・・・・・教えなーい!」

 

ハイメの言葉にクロノはまたガクッとなる。

 

「答えは自分で見つけた方が楽しいだろ?」

 

「なんだよそれ?」

 

「へへ。それじゃあ始めようか!」

 

「「スタンドアップ・ヴァンガード!!」」

 

クロノも自分の特訓を始めることにする。時間が刻々と過ぎていく。すると、ハイメがこんなことを聞いてくる。

 

「楽しいってどういうことだ?」

 

「え?」

 

「言ってたろ?タイヨウにヴァンガードは楽しいんだって伝えたいって。彼は勝つことが楽しいと感じてるんじゃないか?」

 

ハイメの問いにクロノは答えていく。

 

「確かに勝つことは楽しい。けど、俺が伝えたいのは、そういう事じゃない。ユイのティーチングファイトが終わった後、初めてタイヨウとファイトした時、楽しかった。それは勝ったからじゃない。ファイトを通じて、タイヨウを知ることができたから、俺を知ってもらえたから・・・」

 

「2人のここが、震えたんだね?」

 

「あの時のことを、楽しかった理由を思い出してほしい。そしてもう1度、ファイトでタイヨウのあの笑顔を見たいんだ」

 

「俺も見たい!そのためにもクロノ、デッキの完成度をもっと上げなければね!ジェネレーションゾーン・・・解放!!!!」

 

2人はタイヨウの笑顔を見るために、クロノのデッキの完成度を上げるために特訓ファイトを再開する。

 

「進め!!我が導く運命の航路!!ストライド・・・ジェネレーション!!!!」

 

 

夜が明け、太陽が昇り、朝を迎えた。ミクルはリビングのカーテンを開き、テーブルでぐっすりと寝ているクロノとハイメを見る。

 

(・・・クロノが友達を連れてくるなんて初めて。これもヴァンガードのおかげなのかしら、兄さん)

 

 

八百屋佐倉店のユイの部屋でユイとゲンゾウはまだファイトを続けていた。そして、ユイのターンでシンバスターのアタックでゲンゾウのダメージは6枚となった。

 

「・・・やった・・・。初めてパパに勝ったーーー!!」

 

今までゲンゾウに敗北続きだったが、初めて勝ったことにユイは大きく喜んでいた。

 

「・・・成長したな、ユイ」

 

ゲンゾウは自分のGゾーンのカードから1枚のカードをユイに渡す。

 

「今のお前ならこいつを使いこなせるはずだ」

 

ユイはゲンゾウからカードを受け取る。そのカードには超鋼闘機(ハイパー・メタルボーグ)ヘヴィデュークが描かれていた。

 

「これ・・・鋼闘機(メタルボーグ)のGユニット⁉」

 

「こいつは、お前と一緒に戦いたがっているはずだ。一緒に戦ってやってくれ」

 

「パパ・・・ありがとう!」

 

ユイはお礼を言った後、力が抜けてその場でぐっすりと眠ってしまう。

 

「zzz・・・」

 

「・・・ま、朝までずっとやってたからな。肩の力が抜けたんだろうな。・・・と、いかん。ワシも眠いわ。自分の部屋に戻って寝るか・・・」

 

そう言ってゲンゾウはユイの部屋から出ていき、自分の部屋に戻っていく。そんな2人を見ていたキョウコはこう呟く。

 

「遅くなるなって言ったのに。まったく、2人ともおバカなんだから・・・」

 

 

綺場家、シオンは朝のフェンシングの練習を岩倉と行っていた。練習を終えて、シオンはヘルメットを外す。

 

「この後、デッキの分析を続けるから、朝食は部屋に運んでくれるかい?」

 

「畏まりました」

 

シオンは自室に戻ろうとしたが、岩倉が呼び止める。

 

「坊ちゃま。今ならこのユニットが、坊ちゃまに相応しいかと・・・」

 

岩倉は1枚のカードをシオンに渡す。シオンはそのカードを受け取る。そのカードには飛天の聖騎士アルトマイルと描かれていた。

 

「これは・・・アルトマイルの未来?」

 

「私が手を回さずとも、いずれ坊ちゃまが自分の力で手に入れられたでしょう」

 

「ありがとう、岩倉。僕にとってこれ以上の贈り物はないよ」

 

「もったいお言葉です」

 

シオンはアルトマイルの未来を手にし、自室に戻っていく。

 

 

安城家で、長く続いたトコハとマモルのファイトの終止符が打たれることになる。

 

「アーシャ、アタック!」

 

アーシャのアタックによってマモルのダメージは6枚となった。

 

「勝ったー!初めて兄さんに勝ったーー!!」

 

マモルに勝利したことによりトコハは喜んでいた。

 

「本気だったんだけどな」

 

マモルはトコハに1枚のカードをトコハに渡す。そのカードには夢紡ぐラナンキュラスアーシャと描かれていた。

 

「勝ったら渡そうと思ってたんだ」

 

「アーシャの未来・・・。ありがとう兄さん!」

 

トコハはマモルに心からの感謝を述べる。

 

「トコハが実力で勝ち取ったんだ」

 

トコハがそう言うとがたんと音がした。マモルはそこを見るとトコハがぐっすりと眠っていた。

 

「トコハ・・・」

 

 

その日の夜のユナイテッド・サンクチュアリ支部のとある特別な部屋に続く廊下にタイヨウはいた。

 

(強くなるんだ。強く・・・僕は強くなる・・・)

 

タイヨウはその思いを胸に秘めて特別な部屋へと向かっていく。

 

 

メガラニカ支部の1室、キョウヤはスマホの電話で話をしていた。電話の相手はマモルだ。

 

≪なぜ伊吹君は神崎に従うのかを、一条君は聞いていないのかい?≫

 

「聞いていない」

 

≪そうか・・・≫

 

「・・・伊吹を信じろ」

 

≪もちろん、伊吹君は信じているんだけどね。今日はそれだけを聞きたかっただけだから、時間を取らせて悪かったね。それじゃあ・・・≫

 

「ああ」

 

スマホの通話が切れた。キョウヤは誰もいない1室の椅子に座り込む。

 

「・・・いよいよだ。もうすぐユナイテッド・サンクチュアリの革命が始まる・・・」

 

 

ユナサン支部の支部長室、伊吹は支部長総会のことについて神崎に報告する。

 

「報告します。ドラゴン・エンパイア支部が支部長総会の開催を本部に訴えでました。遅くとも月曜に承認されることでしょう」

 

「そうか。対応は任せた」

 

「はい。報告は以上です。失礼します」

 

そう言って伊吹は支部長室から立ち去ろうとした時、神崎が口を開く。

 

「お前に目的があることは知っている」

 

神崎の言葉に伊吹は立ち止まる。

 

「だが、俺にとってはどうでもいい。お前は強い。だからここに置いている」

 

「・・・俺も、あなたの存在に価値を見出した。だからここにいる」

 

伊吹はそう言って、支部長室から退室する。

 

 

時が過ぎ、ついにユナサン支部のスペシャルマッチ開催日。トライフォーはユナサン支部の門の前にいる。

 

「シオン、トコハ、ユイ」

 

3人は首を縦に頷く。

 

「ヴァンガードを楽しもう!」

 

4人は意気揚々と、ユナサン支部へと入っていく。

 

 

ユナサン支部のスペシャルマッチ会場の観客席には、ユナサン支部所属のファイターたちが観戦に来ていた。しかし全員スペシャルマッチに興味を示した様子は全くない。むしろ文句が聞こえてくる。

 

「何で全員観戦なんだ?」

 

「伊吹さん直々の命令らしいぜ」

 

「ちっ!この時間も訓練にあてれりゃ、それだけ強くなれるのに」

 

会場の中央にトライフォーはいる。

 

「ここまでアウェーだと逆に気持ちいいわね」

 

「だね。みんなあっと驚かせてやるんだからね」

 

「ま、俺たちにだって、応援団はいるぜ」

 

クロノの向く方向の観客席には、コズミックドライブ、ハイメ、岩倉を含んだいつものカードキャピタルのメンバーたちが応援に来ていた。

 

「俺たち、トリニティドラゴン以外の奴に負けんじゃねぇぞ!」

 

「トコハちゃーん!ギッタンギッタンにしちゃえーー!」

 

「そういえば、クロノ君とユイちゃんの相手は誰になるんでしょう?」

 

「あそこだけ、カードキャピタルだ」

 

クロノがそう言った直後、会場の光が消える。

 

『これより、ユナイテッド・サンクチュアリ支部、スペシャルマッチを行います!我が支部の誇りにして最強の、チームディマイズの登場です!』

 

スペシャルマッチの開催と同時に会場にはチームディマイズの東雲ショウマと羽島リンがいた。

 

「東雲ショウマ・・・!」

 

「羽島リン・・・!」

 

シオンは東雲に、トコハはリンに対して、闘争心が芽生えてきたのであった。

 

 

ユナサン支部の特別な部屋から、タイヨウが出てきた。タイヨウの髪の1部の色が落ちて、白くなっているのがわかる。

 

「強く・・・強くなる・・・。そして・・・新導クロノと佐倉ユイを・・・超え・・・る・・・」

 

そのまま倒れるタイヨウを伊吹が支えるのであった。

 

to be continued…




ユイ「よーし!神崎対策はバッチリだよ!」

トコハ「あのねぇ、それを考えたのはほとんどシオンでしょ?」

クロノ「あんま細けぇことは言ってやるなよ。勢いがそがれちまうだろ?」

シオン「まあまあ、決戦を前にもめないもめない」

トコハ「シオンがいいなら、それでいいけど・・・。とにかく、いよいよ決戦ね!シオン、ユイ、クロノ、それぞれ意気込みを聞かせて!」

シオン「今回は、絶対勝つ!」

ユイ「ヴァンガードを楽しもう!」

クロノ「時は来た!それだけだ!」

TURN45「トコハVSリン」
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