カードファイト!!ヴァンガードG 鋼と宇宙の正義   作:先導

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2話目です。

それではどうぞ!


超越する力

ユナイテッド・サンクチュアリ支部の全ての因縁に決着をつけるため、ユイは神崎にファイトを申し込んだ。ダメージの差は現在、ユイと神崎、共にダメージ5枚。お互いに1ダメージを受ければ終わりというなかまで迫りこんでいた。神崎のターンとなり、神崎は最後の切り札にして、相手を恐怖のどん底へと叩き落す象徴、覇道黒竜オーラガイザー・ダムドを繰り出した。

 

そして現在のお互いの状況はこうなっている。

 

ユイの盤面

 

グランサブ  シンバスター×ウルバスター ウルバスター

グランシード   グランチョッパー     ローレル    手札7枚 山札17枚 ダメージ5枚(裏2枚)

 

神崎の盤面

 

  グロヌ   オーラガイザー・ダムド R

ダーククォーツ   ナイトスカイ    R  手札3枚 山札19枚  ダメージ5枚(裏3枚)

 

覇道黒竜オーラガイザー・ダムド  PW26000  ハーツ『覇道竜クラレットソード・ドラゴン』

 

「あのユニットは!」

 

「切り札を温存していたんだ!」

 

ディマイズ側の控室にいるタイヨウと、トライフォー側にいるクロノ、シオン、トコハはオーラガイザー・ダムドに戦慄していた。

 

『見た者を敗北に突き落とす。恐怖と絶望の象徴が今!我々の目の前に!』

 

「神崎支部長が、あのユニットにストライドしたターン、生き延びられた者は1人もいないっていう、伝説の・・・」

 

「は、ははは。もう勝ったも同然だ」

 

「ゆ、ユナサン支部、万歳!!」

 

「神崎支部長に栄光あれ!!」

 

『栄光あれ!栄光あれ!』

 

ユナサンファイターたちはオーラガイザー・ダムドの登場により、神崎の勝利は確定したものと断定された。

 

「ユイさん・・・せっかくここまで持ちこたえたのに・・・。やっぱり神崎支部長に敵う人なんて・・・」

 

 

 

TURN50「超越する力」

 

 

 

「敗者が絶対的強者の前に立つ愚かしさ、惨めさ、醜さ・・・その身をもって思い知るがいい」

 

そう言って神崎は自らのターンを進めていく。

 

「クラレットソード・ドラゴンの超越(ストライド)スキル!カウンターブラストを払い、黒翼のソードブレイカーをスペリオルコール!屈強の騎士グロヌのGB(ジェネレーションブレイク)!グレード1以下のリアガードがコールされた時、パワープラス3000!黒翼のソードブレイカーのスキル!ソウルブラストで1枚ドロー!さらにグロヌをコール!」

 

黒翼のソードブレイカー  PW6000

 

「オーラガイザー・ダムドのスキル!カウンターブラスト!Gゾーン裏のオーラガイザー・ドラゴンを1枚表に!そして、リアガード3体を生贄に!」

 

オーラガイザー・ダムドは生贄にダーククォーツ、ナイトスカイ・イーグル、ソードブレイカーを選んだ。オーラガイザー・ダムドの刃は伸び、生贄に1体ずつ突き刺していった。

 

「山札から2枚めくり、グレード1以下のカード1枚につき、相手リアガードを1体退却!」

 

「手札を補強しつつ退却・・・」

 

「オーラガイザー・ドラゴンと違って、こいつは盤面に直接干渉するのか・・・」

 

「くそ!粘れよユイ!」

 

神崎がめくったカードは哀慕の騎士ブランウェン2枚。つまりはグレード1が2枚となる。

 

「弱き者に存在する価値はない!蹴散らせ!!」

 

オーラガイザー・ダムドの愛馬はグランサブ、コマンダーローレルに狙いを定めて、その足で踏みつぶした。

 

「さらに、表のオーラガイザー・ドラゴン3枚によって、クリティカルプラス1!哀慕の騎士ブランウェンを3体コール!スキルにより、グロヌはさらにパワープラス9000!」

 

「強ぇ。相手リアガードを退却しただけじゃねぇ」

 

「相手盤面を元通り埋め、前列のリアガードをパワーアップ」

 

「しかも、アタック時にはブーストされて、パワーはさらに跳ね上がる」

 

「ブーストされれば、どちらも20000以上。ヴァンガードは30000超えのクリティカル2。おまけに、トリプルドライブがくる!」

 

「これでトリガーまでのったら、勝てるわけない・・・。やっぱり・・・」

 

 グロヌ   オーラガイザー・ダムド  グロヌ

ブランウェン   ブランウェン    ブランウェン

 

『これぞまさしく強さの極み!伝説のユニット!勝利への進撃!』

 

「オーラガイザー・ダムドでヴァンガードにアタック!!激破業滅波!!!!」

 

オーラガイザー・ダムドは刃に闇を包み込ませて、刃を振るい、まるで怨念のような邪をシンバスター目掛けて放て、大爆発を起こした。

 

「「「ユイーーーーーー!!」」」

 

タイヨウはその光景に目を逸らす。そして、恐る恐る目を開けてみると・・・

 

 

 

 

「完全ガード『宇宙勇機(うちゅうヒーロー)グランガード』(コスト『大宇宙勇機(だいうちゅうヒーロー)グランギャロップ』)」

 

 

 

 

グランガードのエネルギーシールドがシンバスターを守っている姿がある。この光景にはタイヨウは目を見開く。

 

『凌いだ!!』

 

「やったな、ユイちゃん!!」

 

一同が安堵する中、ユナサンファイターたちは明らかに動揺を隠せないでいた。

 

「マジかよ⁉」

 

「あの伝説のユニットの攻撃を防ぐなんて・・・」

 

「ふぃ~・・・危ない危ない。これで終わったのかと思っちゃったよ。やっぱり楽しいな。これだからやめられないんだよ、ヴァンガードは!」

 

ユイはオーラガイザー・ダムドの攻撃を防いで、いや、このファイト自体を楽しんで笑っていた。

 

「わ・・・笑ってる⁉こんな絶望的な状況でどうして・・・⁉どうしてあんなに楽しそうなんだ、ユイさんは⁉」

 

このような状況で笑っているユイにタイヨウはかなり困惑している。

 

「・・・我がターン、いまだ終いにあらず。トリプルドライブ『アビス・ヒーラー(治)』ヒールトリガー!パワーは左前列のグロヌへ、ダメージを1回復!『禁忌の魔道士カファー(☆)』クリティカルトリガー!左前列のグロヌにパワーとクリティカル!『グリム・リーパー(☆)』クリティカルトリガー!右前列のグロヌにパワーとクリティカル!」

 

「トリプルトリガー!!」

 

「さすがは神崎支部長!!」

 

「まさに神のごとき引き!!」

 

トリプルトリガー、それに加えてダブルクリティカルとヒールにユナサンファイターたちは歓喜の声を上げる。

 

「ダメージ回復、リアガードにパワーとクリティカルが・・・」

 

「ユイのダメージは5・・・」

 

「残りの攻撃、どちらか一方でも通ればそこで終わりってわけか・・・」

 

未だに危機的状況にユイは楽しみながら声を上げて神崎の攻撃に挑む。

 

「さあ!!バッチコーーーーイ!!」

 

「ブランウェンのブースト、左前列のグロヌでヴァンガードにアタック!「完全ガード!『宇宙勇機(うちゅうヒーロー)グランガード』(コスト『大宇宙勇機(だいうちゅうヒーロー)グランバズーカ』)」

 

グロヌの大剣を再びグランガードが現れ、シンバスターを大剣から守る。

 

「おい、ウソだろ⁉」

 

「ディマイズとの3連戦といい、ホント何なんだ⁉あのトライフォーって奴らは⁉」

 

「心などという弱いものにすがる弱者に、明日はない!!ブランウェンのブースト、右前列のグロヌでヴァンガードにアタック!!弱者が何をしょうと、未来は変えられぬ!!奇跡は起こらぬ!!弱さは罪!!」

 

「いい加減そのセリフ、聞き飽きたよ!!ガード!!『鋼闘機(メタルボーグ)グラスカッター(☆)』『宇宙勇機(うちゅうヒーロー)グランレスキュー(治)」

 

「・・・ターンエンドだ」

 

PW33000➡PW11000(完全ガード)

PW38000➡PW11000(完全ガード)

PW30000➡PW11000+SH20000=31000  神崎の手札5枚 山札14枚  ユイのダメージ5枚

 

「「「凌ぎ切った!!」」」

 

「いょ・・・しゃああああ!!!」

 

ユイは興奮したように、高らかに声を上げた。

 

「おい・・・この勝負、どうなるかわからなくなってきたぞ」

 

「ああ。次のターン、あのポニテ女がどう出るか・・・」

 

「なあ、今日のファイト、めちゃくちゃすごくねぇか?」

 

「どれも目が離せない。伊吹さんが絶対見ろって言うわけだぜ!」

 

ユナサンファイターたちはこの展開に興奮してユイの次の展開が気になってしょうがない様子になっていった。

 

「なんか・・・会場の雰囲気変わってません?」

 

「みんな夢中でファイトを・・・ううん、ユイちゃんのことを見てる!」

 

「ユイのファイトは、人の心1人1人動かすのよね」

 

「ああ。周りまで巻き込む、強いイメージ力」

 

「1人だけじゃなく、みんなまで楽しませようとするイメージ、それが佐倉ユイだぜ!」

 

今の会場全体は興奮しているファイターたちで埋め尽くされている。

 

「私は確かに神崎より弱いよ。でもさ、諦めたらさ、それこそ試合終了だよね!」

 

「!!」

 

タイヨウはユイの言葉で何かに気付き、そして、決心がつくと控室から出ていき、観客席に続く廊下を走っていった。

 

(そうだ。僕は1人が嫌で・・・負けるのが怖くて・・・弱い自分を見ないようにしていただけだ!そんなので・・・強くなれるはずないじゃないか!僕が欲しかったもの・・・本当の強さは!!)

 

観客席の階段を降りて、タイヨウは声を大にしてユイを応援する。

 

「ユイさーーーん!!がんばれーーーーー!!」

 

「!!タイヨウ君・・・」

 

ユイはタイヨウの応援を聞いて、タイヨウの方に首を向ける。

 

「タイヨウ⁉」

 

「あれって、ディマイズの・・・?何で敵の応援してんだ?」

 

タイヨウがユイに応援していることにユナサンファイターたちは疑問に抱ていた。

 

「見せてください!ユイさんの、皆さんのヴァンガードを!!」

 

そう言ってタイヨウはつけていたユナサンのバングルを外し、それを会場に投げ捨てる。

 

「タイヨウ君・・・」

 

「いけー!!ユイ!!」

 

「ぶっ飛ばしちゃえー!!」

 

「今のお前ならやれるぜ!!」

 

3人も声を大にしてユイを全力で応援する。

 

「くうぅぅ、俺も今すぐファイトしてーー!!」

 

「やっぱりヴァンガードは楽しいです!!」

 

「ヴァンガード最高ーー!!」

 

「やっちまえーー!!ユイちゃん!!」

 

「ハートに・・・キターーーーー!!!」

 

一同もこのファイトに激しく興奮している。

 

「・・・すげぇぞーー!!佐倉ユイ!!」

 

「さっさと片づけちゃってください神崎支部長!!」

 

ユナサンファイターたちもこのファイトに熱く興奮し、ユイを応援する者もあらわれるようになった。

 

「す・・・すげぇ・・・」

 

「こんなにハートにくるファイトを、こんなに立て続けにみせられちゃあね」

 

「こいつらだってヴァンガードファイターなんだ!熱くならない方がおかしいぜ!」

 

会場全体は熱く、激しい歓声で溢れかえっていた。

 

「・・・くだらぬ」

 

「神崎は何も感じないの?こんなに楽しいのに、みんなで熱くなれるのに」

 

「ふん、そんなものに何の価値もない」

 

「あるよ!心は人を強くさせる!見せてあげるよ!私のヴァンガードで!!」

 

ユイは高らかにドローしたカードを掲げながらコストを払っていく。

 

「ジェネレーションゾーン・・・解放!!!!」

 

ジェネレーションゾーン  コスト『鋼闘機(メタルボーグ)シンバスター』グレード3

 

「今こそ轟け!!信ずる正義!!鋼の闘士に従って!!ストライド・・・ジェネレーション!!!!」

 

シンバスターは光に身を包み、その姿をさらなる屈強な体格、鋼に身にまとった別の戦士として未来から現れた。

 

超鋼闘機(ハイパー・メタルボーグ)へヴィデューク!!!!」

 

超鋼闘機(ハイパー・メタルボーグ)へヴィデューク  PW26000  ハーツ『鋼闘機(メタルボーグ)シンバスター』

 

「オペレーターガールレイカをコール!」

 

オペレーターガールレイカ(醒)  PW4000

 

「レイカのGB(ジェネレーションブレイク)!レイカを山札に戻してヴァンガードにパワープラス4000!」

 

  R    へヴィデューク  ウルバスター

グランシード グランチョッパー   R

 

「ウルバスターで左のグロヌにアタック!」

 

「ノーガード」

 

「へヴィデュークでヴァンガードにアタック!!響け!鋼の意思よ!立ちはだかる悪を拳でぶち破れ!!剛拳豪乱撃!!!」

 

拳に電気を宿らせ、へヴィデュークは拳に力を溜めていっている。

 

「山札に戻したスタンドトリガーは今ので最後・・・。スタンドトリガーを外せばユイちゃんはこの攻撃を防がれたら、次のターン、何もできなくなりますね・・・」

 

「実質、これで本当に最後の攻撃というわけか・・・」

 

そう、スタンドトリガーをなくなってしまえばもう1度リアガードで攻撃することはできなくなるため、これで本当に最後の攻撃になりえるという。

 

「ユイさーん!いけえーーーー!!」

 

「ユイー!!あんたに託した!!」

 

「君にはみんながついている!!」

 

「俺たちの力を見せてやれ!!」

 

「やっちゃえー!」

 

「「「「「まけるなーー!!」」」」」

 

「ユイちゃんならクリティカルは引けますよ!!」

 

「決めろー、ユイちゃん!!」

 

「フレー、フレー、アミーゴ!」

 

ユイには一同の応援だけじゃない。今やユナサンファイターたちの応援もある。その全てがユイにとって力となっていく。

 

「・・・心は人を弱くする。無駄なことを・・・。弱者の思いを背負って立つか。無能の衆のイメージなど、いくら束ねても我は倒せぬ!!」

 

「・・・伝わってくるよ。ここにいるみんなのイメージが、私に力を与えてくれる!レイカのスキル!パワーが37000以上だから1枚ドロー!へヴィデュークのスキル発動!カウンターブラスト(2)を払って、ハーツが鋼闘機(メタルボーグ)なら、相手はグレード1以上でガードできない!!」

 

「ならば、グレード0とインターセプトで防ぐまで!!『アビス・ヒーラー(治)』『禁忌の魔道士カファー(☆)』『グリム・リーパー(☆)』『屈強の騎士グロヌ』」

 

へヴィデュークが力を溜め続けている中、攻撃がくるであろうとわかっているため、アビス・ヒーラー、グリム・リーパー、カファーがクラレットソードの盾になる。

 

「だああ!これじゃあトリガーが2枚でなきゃ通らねぇじゃねぇか!」

 

「いや、それはどうかな」

 

マサトはこの展開に愚痴っていたが、ケイスケが異を唱える。

 

「気付いたか。シールドは35000だから合計で46000になる。一方のへヴィデュークのパワーはレイカのスキルを合わせて37000。普通ならトリガーが2枚出れば通る。だがヘヴィデュークの後ろにはグランチョッパーがいる」

 

「!なるほど。グランチョッパーのスキルはパワーが11000になった時、ユニット2体を選んでパワーが4000上がるスキルでしたね。それはヴァンガードもパワーアップできますのでそれも合わせれば・・・」

 

「ブーストも合わせて37000だから、そこに5000と4000上がれば・・・えっと・・・」

 

「合計46000。つまりはトリガー1枚でも出ればヒットできるってことだね」

 

グランチョッパーのスキルさえあればトリガーを2枚引かなくても攻撃がヒットさせることが可能と知った一同はこのファイトの行方を見守る。

 

「トリプルドライブ1枚目『大宇宙勇機(だいうちゅうヒーロー)グランギャロップ』」

 

1枚目はトリガーがでない。

 

「2枚目『宇宙勇機(うちゅうヒーロー)グランザイル』」

 

2枚目もトリガーが出ない。神崎は予想通りといわんばかりに口元に笑みを浮かべる。

 

「私は奇跡なんかに頼らない!!私が信じる思いと、みんなの思いが、私を勝利へと導いてくれるんだ!!サードチェック!!!」

 

そして、運命の3枚目は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宇宙勇機(うちゅうヒーロー)グランビート(☆)』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クリティカルトリガーだった。

 

「クリティカルトリガー!クリティカルはへヴィデュークに、パワーは後ろにいるグランチョッパーに!グランチョッパーのスキル!カウンターブラストを払って、ウルバスターとへヴィデュークにパワープラス4000!これで46000、アタックはヒットされる!!」

 

『うおおおおおお!!』

 

トリガーとグランチョッパーのスキルによってクラレットソードにアタックはヒットできるようになった。これを見た神崎は目を見開く。

 

「みんなの思いや応援が、私に力をくれる!これが、私たちの、ヴァンガードだああああああああ!!!」

 

へヴィデュークの拳に力をが溜まったところでへヴィデュークは拳に纏った雷鳴をアビス・ヒーラー、グリム・リーパー、カファー、グロヌに浴びせる。その後でへヴィデュークはクラレットソードに接近する。クラレットソードは剣でガードするが、へヴィデュークのアッパーで剣は跳ね返され、その剣も折れてしまう。ヘヴィデュークはもう一つの拳を合わせて、無防備になったクラレットソードに向けて拳を振り下ろした。そして、その時・・・

 

ドカンッ!ドカンッ!

 

ギアースのシステムに突然小さな爆発が起き、ギアースの破片がひり注ぐ。それによって会場は暗くなり、さらには煙が立ち込めていた。そしてその煙の先に、ギアースで実体化はなくなったはずのへヴィデュークが神崎に接近している。

 

「なっ⁉」

 

神崎が驚いていると、へヴィデュークは神崎に一発の拳をおみまいする。

 

「ぐおおお!!」

 

へヴィデュークの拳を喰らった神崎はギアースの結晶が入った水に落ちてしまう。

 

「(同じだ・・・。あの日、あの人と同じ、奇跡の超越・・・。この支部を、我が人生をかけても得られなかったあの一瞬が・・・奇跡を望まぬ娘の元に・・・)そうか、そういう事か!佐倉ユイ!」

 

何かに気付いた神崎は口元に笑みを浮かべる。へヴィデュークはその姿を消していった。

 

「何だったんだ?今のは?」

 

「わからない。ギアースの故障?」

 

「それよりファイトは⁉」

 

シオンに言われたクロノとトコハは神崎のダメージをよく見てみる。会場全員がよく目を凝らして見てみる。神崎のダメージには6枚目のカードが置かれていた。

 

PW9000➡PW9000

PW37000(+9000)➡PW11000+SH35000=46000

 

ダメージチェック『ダークプライド・ドラゴン』『覇道竜クラレットソード・ドラゴン』

 

ユイのダメージ5枚 神崎のダメージ6枚  勝者ユイ

 

『ダメージ6・・・勝者、佐倉ユイ選手・・・』

 

「ユイちゃんが勝った!!」

 

『やったー!!』

 

「いやったーーーーーーーーー!!!!」

 

ユイが喜んでいる中会場は大きい歓声で包まれていた。

 

「「「やったな((ね))!!」」」

 

ユイに駆け寄った3人はユイの背中をバシンと叩く。

 

「痛い!!こういうのはクロノの負担でしょうに・・・」

 

3人はユイに向かった笑って見せた。ユイも3人につられて笑った。

 

「すごい・・・本当に勝ったんだ・・・ユイさんが・・・」

 

「ふははははは・・・」

 

神崎は4人に、いや、正確にはユイに向かって清々しい表情で笑っていた。

 

「・・・俺の負けだ」

 

神崎は清々しい表情のまま、潔く自分の負けを認めた。

 

「弱さは罪。塵は塵に還るのが道理」

 

そう言って神崎は自分の両腕につけているバングルを外す。そして、神崎はユナサン所属の者達に向かって堂々と宣言する。

 

「今!この時をもって、ユナイテッド・サンクチュアリ支部長の職を辞する!!」

 

『!!』

 

神崎のユナサン支部の支部長の職を辞任することには4人だけじゃない。会場全員が驚いていた。神崎は支部長の職の辞任を宣言した後、会場から去っていく。

 

「ど、どういうことだよ⁉」

 

「ディマイズに、神崎支部長まで俺たちを捨てた⁉」

 

「ずっと支部長の言葉に信じてついてきたのに、どうすれば・・・⁉」

 

「俺たちがこれまでやってきたものは何だったんだ⁉」

 

ユナサンファイターたちは次々とユナサンのバングルを外していった。その際に1つのバングルがツネトに直撃したのは内緒の話だが・・・。

 

「・・・目が覚めたんだ。ようやく・・・」

 

ようやく目が覚めたユナサンファイターたちを見て4人は自然と笑みを浮かべる。

 

 

ユナサンビルを神崎は愛馬に乗って颯爽と駆けてゆく。

 

(奇跡に値せぬのは、俺自身であったか!ならば、泣くまで!そして必ずや、あの奇跡をわが手に!)

 

神崎は変わらずに奇跡を、今度は己自身の力を磨いて手に入れることを決意し、ユナイテッド・サンクチュアリ支部を去っていった。

 

 

スペシャルマッチが終了し、一同はユナサン支部の外にいる。ユナサンファイターたちはユナサン支部から出ていき、自宅へと帰宅する。

 

「ユナサン支部のみんな、どうなっちゃうのかな?」

 

「大丈夫。兄さんたちも動いてくれるし」

 

ユナサンファイターたちを心配するクミにトコハはそう言った。

 

「なんたってユイが、みんなのハートを震わせたしね」

 

「そんなことないよ。ハートを震わせたのは、みんながいたからだよー」

 

ハイメの言葉にユイは謙遜気味でそう言った。

 

「これが目的だったのかな?」

 

「何がですか?」

 

「伊吹の奴が、今回のファイトを見ろって、ユナサン支部のみんなに強制してたのは、みんなの目を覚まさせることじゃねぇかなって」

 

カムイの言葉を聞いたクロノは内心複雑な心情を抱いていた。

 

「クロノさん、ユイさん・・・」

 

「!タイヨウ・・・」

 

そんな中タイヨウがクロノとユイに話しかけてきた。クロノとユイはタイヨウに近寄る。

 

「タイヨウ君。ありがとうね。君の応援にすっごく励まされたよ」

 

「・・・僕は・・・僕は・・・もう1度・・・もう1度2人とファイトが・・・ヴァンガードがしたいんです!!」

 

タイヨウの言葉を聞いたクロノとユイは笑みを浮かべる。

 

「・・・やだよ。1回だけなんてさ」

 

「え?」

 

「どうせやるなら何回も、だよ?」

 

「俺もユイに賛成だ。俺もタイヨウと、もっともっとファイトがしてぇよ!そうだろ?」

 

クロノはタイヨウに頭に手をのせる。タイヨウは嬉しくて思わず涙が出る。

 

「ほら」

 

「・・・はい!」

 

クロノはタイヨウに手を差し出し、タイヨウもその手を握って握手をする。

 

「うんうん♪これで仲直り仲直り♪」

 

「おいおい!俺たちも混ぜろよ!」

 

「私も!」

 

「僕も!」

 

「私も~♪」

 

「私も混ぜてください♪」

 

「俺も!」

 

「仲間ができ~・・・たーーー!!!」

 

一同はクロノたちに駆け寄ってきた。こうしてユナイテッド・サンクチュアリ支部の因縁に幕を閉じたのであった。

 

 

八百屋佐倉店でゲンゾウは今日も精一杯働いていた。そんなゲンゾウの前に伊吹が現れた。

 

「おっ!いらっしゃい!うちは初めてか?だったら安くしておくぜ?」

 

「・・・佐倉ゲンゾウですね」

 

「あん?そうだが?てかゲンさんと呼べ」

 

いきなり名前を尋ねられてゲンゾウは怪訝な顔になる。

 

「・・・あなたにも伝言を預かってきました。・・・新導ライブから」

 

「!!!!」

 

新導ライブの名前を聞いた瞬間、ゲンゾウは大きく目を見開いた。

 

to be continued…




クロノ「想いのこもったすげぇファイトだったぜ、ユイ!」

ユイ「みんなのおかげだよ。1人じゃどうにもならなかったよ。本当にありがとう」

トコハ「私たちチームでしょ?協力するのは当たり前じゃない」

シオン「1人はみんなのために、みんなは1人のためにって奴さ」

トコハ「そういうこと!」

クロノ「さてと、じゃあ帰ろうぜ、ドラエン支部に!」

トコハ「そうだね。みんな待ってる!」

シオン「一緒に行こう、ユイ」

ユイ「うん。じゃあ、帰ろう!」

TURN51「クロノVS伊吹」
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