カードファイト!!ヴァンガードG 鋼と宇宙の正義   作:先導

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今回は決戦前の日常回です。

そしていよいよ次回からGガーディアン解放です!

という訳で、前書きは単純でよいとして、本編に入ります。

それではどうぞ!


決戦前夜

Gクエスト表彰式会場には、様々なファイターたちが集まっていた。この表彰式の進行を任されているのはラミーラビリンスである。

 

「3か月にわたり長かったジェネレーションクエストも、今日でついに、堂々のフィナーレを迎えます!」

 

「参加してくれたたーくさんのファイターの皆さん、本当にありがとう!」

 

『うおおおおおおお!!』

 

「長い激闘を駆け抜け、50点ものポイントを獲得したファイターたちに、ジェネレーションマスターの称号が、送られます!」

 

「「おめでとうございーす!!」

 

ジェネレーションマスターとなったチームは各支部長からジェネレーションマスターの証のメダルが授与される。トライフォーもメダルが授与された。

 

「そして、全参加者の頂点に立ったのは、全てのクエストで優勝し、スタンプ満点の偉業を成し遂げた唯一のチーム、トライフォー!」

 

『うおおおおおおおおおお!!』

 

会場内は大興奮の声が広がっていた。

 

「ここまでの成績を収めたトライフォーには、私たちから花束を贈呈させていただきます!」

 

「本当に本当にすごかったですー!おめでとう!」

 

「ありがとう」

 

花束を受け取ったトライフォーは少々照れくさそうな表情をしている。

 

「ねえみんな、このままGクエストが終わっちゃうの、寂しくない?」

 

「せっかく全勝優勝したトライフォーにも、もっとスペシャルな時間を過ごしてほしいよね?」

 

「そこで、Gクエスト最後のお祭り、チームトライフォーと、普及協会が用意するドリームチームの、スペシャルマッチをご用意させていただきました!」

 

スペシャルマッチが用意されている聞いた瞬間、会場内はざわめきだした。

 

「ドリームチームの顔触れは当日まで秘密です!」

 

「開催は2週間後、この普及協会本部ステージになります!」

 

「トライフォーさーん、私たちからの最後の挑戦、受けてくれますかー?」

 

この最後の挑戦にトライフォーはお互いの顔を見合わせる。そして答えは・・・

 

「もちろん、受けます!!」

 

挑戦する声が上がった瞬間、会場内は大きな歓声が聞こえてきたのであった。

 

 

 

TURN79「決戦前夜」

 

 

 

時がたち、スペシャルマッチ開催日はいよいよ明日になった。そんな中トライフォーは現在、釣り堀にまでやってきた。

 

「相州の東京湾はカレイが旬!メインターゲットはマコガレイ!産卵のために浅瀬に集まったところを狙い撃つ!今日は釣るぞーー!!」

 

トライフォーの中で1番テンションが上がっているのはトコハだった。

 

「あいつ本当にこういうの好きだよな」

 

「ドラエン支部の血かな?」

 

「さすがお祭り上等のトコハ・・・」

 

「シオン!晩御飯いっぱい釣ってあげるからね!」

 

「その気遣いいらないよ」

 

「ていうか、そこまで食には困ってないでしょシオンは・・・」

 

他の3人はトコハのテンションに苦笑いを浮かべている。

 

「さ、始めるわよ!あんたたちも餌つけて!」

 

「餌って・・・これか?」

 

クロノは釣りの餌が入っている木箱を開けてみる。シオンとユイも餌を確認してみる。

 

「うわ、気持ち悪!!餌がいっぱいうねうねしてる!!」

 

「ほ・・・本格的すぎだろ・・・」

 

「ステルス・ミリピード・・・?」

 

「ケチケチしないで、たっぷりつけなさいよ!」

 

トコハは餌をつけ終えた釣り針を海に向かって投げ入れる。3人もトコハに言われた通りに釣りを開始する。トライフォーは魚が釣り上げるまで釣竿をジーっと見ている。

 

「・・・釣れねぇなぁ・・・」

 

「まだ始めたばっかでしょ?カレイ釣りは待ちが基本なの」

 

「大公房だね・・・」

 

「そう言われてもねぇ・・・」

 

スペシャルマッチは明日だというのに釣りをやっていることに対してクロノはため息をつく。

 

「・・・はぁ、こんなんでいいのか俺ら?明日だぞ本番は」

 

「ここまで来ておいて文句はなしだよ、クロノ」

 

「たまには何も考えずに遊ぶのもいいでしょ?」

 

「今さらじたばたしても何も始まらないさ」

 

「ま、そうだけどさ・・・」

 

トライフォーは先日のダークゾーン支部のクエスト終了後の伊吹の話を思い返していた。クロノは少し複雑な表情をしている。

 

 

『明神リューズはこのアルティメットステージのファイトを利用して、おそらく最後のユニットをクレイから召喚しようとしている』

 

『最後のユニットって、どうしてわかるんですか?』

 

『俺が確認している限り、ディペンドカードは全部で12枚存在している。我々の手元に4枚、明神リューズの元に8枚。ただし、そのうちの1枚についてはGクエストより以前に、召喚が行われていることが確認されている。明神は残る7枚の内6枚をGクエストを使って覚醒させてきた。アルティメットステージはその総仕上げという訳だ。だが、その瞬間こそが奴の居所を突き止めるチャンスでもある。アルティメットステージのファイトを俺たちも利用する。プランGの参加者の総力を持って、奴の隠れた巣穴を暴き出す。ギアースクライシスだ』

 

 

とある場所にて、プランGの参加者全員が集まっていた。海外にいる者はモニター越しとなっている。

 

「みんなの結論を聞きたい。この先、トライフォーに全てを託せるか否か」

 

伊吹の問いに最初に答えたのはリンだった。

 

「・・・ハッキリと申し上げて、あの子たちは経験が浅い。実力的に言えば、ここに集まっている私たちの方が遥かに上でしょう」

 

「・・・だが、だからこそ、賭ける価値はある。この短い期間で俺たちの想定している以上の成長を遂げた。彼らの可能性と、それを現実にする意思を感じる」

 

櫂の言葉に一同は口元に笑みを浮かべる。

 

「あいつらならやれるさ。昔の俺らより、チームワークは抜群だしな」

 

三和の一言により、櫂、リン、カムイ、ミサキの4人は苦い表情を浮かべている。

 

「ではトライフォーには、最後の関門に挑んでもらう事と、アルティメットステージの開催と同時に、ギアースクライシスを発動する」

 

伊吹の言葉に一同は首を縦に頷いた。

 

 

釣り堀にて、トライフォーはカレイが釣竿に引く瞬間をずっと待っていた。

 

「・・・今日は・・・」

 

「待ちだから釣りは。この時間こそが醍醐味だから」

 

「・・・まだ何も言ってないけどね」

 

「・・・明日のことなんだけどさ」

 

「何よ?あんたもグダグダ言う気?」

 

「いや、話しておかないといけないことがあって」

 

3人はお互いに顔を見合わせる。そして、クロノは話し始める。

 

「俺の親父な、俺が4つの時に死んだんだけど、ヴァンガードファイターだったらしいんだ。で、どうも明神リューズと関わりがあったらしい」

 

「それは、なんとなくは気づいてはいた。スターゲート支部の時だったかな?」

 

「親父は明神の研究に参加して、そこで事故に巻き込まれたことになってる。でも・・・そこで何が起きたのか、本当のことは親父と明神にしかわからない」

 

「それって・・・」

 

「事故ではなく、明神がクロノのお父さんを排除した可能性があると?」

 

「シオン!」

 

シオンの言葉をクロノは否定する気はない。

 

「シオンの言う通りなんだ。そもそもの因縁は、俺の親父と明神の間にあったのかもしれない。だとしたら、俺はお前たちを、俺たち親子の話に巻き込んだことになる」

 

「それは私も同じことだよ」

 

クロノの話にユイが口が開く。

 

「前にパパから盗み聞いた事故って話、最初は何のことかはわからなかったけど、クロノの話を聞いて、なんとなく確信がついちゃった。あれ、明神とクロノのパパの事故のことだと思う」

 

「それって、ゲンゾウさんが明神の研究に加担していたってこと⁉」

 

「これを聞いたのは、ユイの親父さんからだったから、十分にあり得るんだ」

 

「パパはあんまり昔起こったことを話したがらないんだけど、今の話を聞いてると、どうして話したくないって思ってたのかがわかったんだよね。自分の子供を、危険な目に合わせたくないからって。でも、パパも明神と関わっているなら、反対されたとしても、それを他人事みたいにするなんてこと、私にはできない。だから、私の敵は何も変わらない。私の家族と明神との因縁を終わらせるためにも、私も明神と戦う!」

 

「だったら僕も同じだ」

 

今度はシオンが口を開いた。

 

「綺場を乗っ取った犯人、エースの背後にいたのは、明神リューズだ。奴の野望を叶える資金源として、綺場財閥が狙われたんだよ」

 

「⁉ど、どうやって調べたの、そんなの⁉」

 

「まぁ、いろいろと。だから、僕の誘く真の敵は明神リューズという事になる。明神は僕たちの想像以上に、強大な力を持っている。そして、思いもよらないところにも手を伸ばしている」

 

「どういうこと?」

 

シオンは3人の顔を見て、言いよどんでいるが、意を決して話す。

 

「エースの正体は、ラミーラビリンスの蝶野アムだったんだ」

 

「「「!!?」」」

 

このことには3人は驚きを隠せなかった。

 

「ウソでしょ⁉何でアムが・・・⁉」

 

「残念だけど事実だよ。間違いない。エースは彼女の裏の顔だったんだ」

 

「ルーナとユキノは?2人はそのこと知ってるの⁉まさか・・・」

 

「いや、僕が調べた限り、彼女たちは加担していない。ただ、水城ユキノは蝶野アムの幼馴染だ。知っていたとしてもおかしくはない。それに、ラミーラビリンスは普及協会が作ったユニットだ。そこに何の思惑がないとは思えない」

 

「何よそれ⁉ラミラビの3人は明神の手先だというの⁉・・・ありえないよ。ルーナは2人のことが大好きで、いつも一生懸命で、ユキノはちゃんと2人のことを見ていて、なんとかまとめようと頑張って、アムは真面目だけど不器用で、2人の思いに中々素直になれなくて」

 

トコハの言葉に3人は少し黙ってしまう。

 

「・・・ごめん、私やっぱり信じられない。アムが本当に明神に従っているなら、何か事情があるんじゃないかと思う」

 

「・・・そうかもしれないね」

 

「だったら、私知りたい。何でそんなことになったのか。もしそれで、アムたちが苦しんでいるのなら」

 

「・・・トコハがそう信じるのなら、それが正解なんだと思うよ。私も、知りたいしさ」

 

「僕らみんな、それぞれ理由がある。もう君1人の問題じゃないんだ、クロノ」

 

3人は笑みを浮かべてクロノに顔を向ける。

 

「・・・そうだな」

 

明神と戦う意思は変わらないことを理解したその時、クロノの釣竿がクイクイと引いている。

 

「クロノ!クイクイ引いてるよ!」

 

「え?おお⁉マジか⁉ど、どうすればいい⁉」

 

「急いで引いて!いや、待って!イメージして、魚の動きを!」

 

「どっちだよ⁉」

 

「また無茶なことを・・・」

 

クロノは釣竿を持って、3人はクロノをフォローする。

 

「だいたいあんた初めてじゃないでしょ⁉ちょっとは自分で考えなさい!」

 

「そういうお前だってなんだよ⁉魚の動きをイメージしろって⁉」

 

「いやそれはあってるんだよ」

 

「だってお前さっき無茶だって・・・」

 

「クロノにはちょっと・・・」

 

「あー、それ言えてる。クロノって、ちょっとテンパるところもあるから」

 

「お前らあ!!」

 

なんだかんだ言ってトライフォーはカレイ釣りを楽しむのであった。

 

 

ユナサン支部のラボ、伊吹たちは明日のアルティメットステージの開催と同時に発動させるギアースクライシスの計画を進めるための準備を行っていた。

 

「ストライドフォースの変換率は92%。この辺りが限界だろう」

 

「このレベルなら実用上問題ない。問題は転送速度の方だが・・・」

 

「今のところ、目標値ギリギリですわね。予想される防壁の突破から、拠点の割り出しからは、まず確実にクリアできますが・・・」

 

「恐らくほぼ同時に、明神の側は、最後のユニットの召喚が完了する」

 

「ふむ・・・この問題がどうにかできればよいのだが・・・」

 

伊吹とキョウヤが悩んでいると・・・

 

「失礼。邪魔するよ」

 

そこにクリスとマモルが入室してきた。

 

「クリストファー・ロウ?」

 

「来日していたとは聞いていたが、どうしてここに?」

 

「細かいことは後後。ちょっと触らせてもらうよ」

 

そう言ってクリスは装置を操作する。

 

「ふ~ん、中々やるじゃないか。及第点はあげてもいいかな?でも、この転送速度ではねぇ・・・。君たちが明神の拠点を絞り込んでる間に、明神は集めたストライドフォースで最後のユニットの召喚を成し遂げてしまう。グレードアップしてあげるよ」

 

そう言ってクリスは何かのチップを装置に入れる。

 

「ちょっと!何をやってますの⁉」

 

「まあまあ。この天才クリストファー・ロウに任せておきなさい」

 

「勝手なことを!!」

 

「!待てアサカ。これは・・・」

 

ストライドフォースの転送速度を見てみると、さっきの速度よりも数倍以上上がっている。

 

「確かにこれならば、こちらのアタックは数倍・・・いや、数十倍は早くなる」

 

そうしている間にマモルは伊吹とキョウヤと話している。

 

「君たちだけに任せておけないからね。僕も1枚、噛ませてもらうよ」

 

「いいのか?場合によっては、普及協会内の立場だけでなく、身の危険も覚悟しなければならなくなる」

 

「前にもそうやって脅されたな。君は意外と心配性なんだね」

 

伊吹とキョウヤはマモルの顔を見る。

 

「・・・僕たち普及協会の人間には、知らずとはいえ、明神の野望に加担した責任がある。どんな危険があろうと、その始末だけはつけなきゃならないんだ」

 

「・・・なるほどな。覚悟はちゃんとあるようだな」

 

「・・・そうか」

 

「伊吹君とファイトして時々思ったんだ。君ほどヴァンガードに対して真剣に、それこそ命がけで向き合ってる人はいないって、こういう事だったんだね」

 

「・・・買いかぶりすぎだ」

 

「そうかな?」

 

「ふ、そういう事にしておこう」

 

 

ラミーラビリンスのレッスン室、アムは1人自分のスマホでラインを確認していた。

 

{キミへの評価は保留ってとこかな}

 

{今すぐ降りてもらうほどじゃないけど、もう少しレベルをあげてもらわないと使いものにならない}

 

{というのが"カンパニー"の決定}

 

{んまっ、ガンバって( ´,_ゝ`)プッ}

 

(アルティメットステージの日に、最後のユニットが召喚される。準備はすべて整う。私以外の準備は・・・すべて・・・}

 

アムの脳裏に浮かぶのは、病院で寝込んでいるアムの両親の姿だった。

 

(諦めるもんか!絶対に叶えてみせる!私の望みを!)

 

心の中でそう思っているアムの前に1つのガムを持った手が出てきた。アムが顔をあげると、そこにはユキノがいた。

 

「ガム食べる?味は昔よく食べたブドウ味」

 

「・・・ありがとう」

 

アムはユキノからガムを受け取ってそれを口に運ぶ。ユキノは口に含んでいたガムを風船のように膨らます。

 

「・・・なんか、懐かしい」

 

パンッ!

 

アムがそう口にした瞬間、ユキノの膨らませてたガムが割れてしぼんでいった。

 

「は?懐かしいって?」

 

「ほら、こうやってよく2人でガム食べて、ユキノがガムを膨らまそうと頑張ってたじゃない?」

 

「ああ、そういえばそうだったわね」

 

「で、何度やってもガムが膨らまなくて、最後には泣き出したのよね」

 

「・・・まぁ、今はこうやって膨らませるようになったし、ものは考えよう。それも今となってはいい思い出だわ」

 

ユキノは割れたガムを口に含み、よく噛んでからまたガムを膨らます。

 

「・・・本当、今とは全然違う。昔のユキノって甘えん坊だったのに」

 

「そういうアムは昔と違ってものすごい不器用よね」

 

「なっ!何よ!弱虫ユキノのくせに!」

 

「真面目ちゃんに昔のこと言われたくないですよ~っだ」

 

「「・・・ぷっ、あはははは!」」

 

アムとユキノはおかしくなって笑いあう。

 

「・・・やっぱアムは笑っていた方が1番しっくりくるわね」

 

「え?」

 

「あ、いや、裏の仕事?とかでアム、少し難しい顔してるから、放っておけないんだよね。そういう顔、あんたには似合わないからさ。だからさっきみたいに笑ってほしいなー、なんて考えたりして・・・。・・・あー、今私すごいらしくないこと言ってるような気がするわ」

 

「ユキノ・・・」

 

ユキノの思いにアムは呆気をとられる。

 

「アム、ユキノ、見てみてー」

 

アムとユキノは顔をルーナに向けると・・・

 

「歌って踊れる~、実況シャウト~、YO~」

 

ルーナがサングラスをかけて叫んで踊れる実況シャウトの顔真似をしていた。これにはアムとユキノは呆気にとられる。

 

「あれ⁉外した⁉えっと、じゃあじゃあ・・・お化けのりっく~。えへへ」

 

今度はサングラスを外してお化けのりっくの顔真似をする。

 

「・・・ぷっ、あはは!何それ、モノマネのつもり?」

 

「もう、ルーナったら・・・」

 

アムはルーナを優しく抱きしめる。

 

「・・・ありがとう」

 

「えへへ・・・」

 

ルーナもアムを抱きしめる。

 

「・・・ほら、ユキノも」

 

「え⁉私も⁉・・・何なのよ。あんたからなんて、らしくないわね・・・」

 

アムはユキノも優しく抱きしめる。ユキノは少々照れくさそうな表情をし、アムとルーナを抱きしめるのであった。

 

 

一方釣り堀では、釣りを終えたトライフォーは釣り上げた魚を見せ合っている。

 

「いっちばーん!」

 

「まぁ、こんなものかな」

 

「カレイ釣りに来たのに、何でアジが釣れるのかな?」

 

「・・・・・・」

 

トコハの方が1番多く、シオンはそこそこ、ユイはカレイではなくなぜかアジが釣れた。クロノにいたっては1匹も釣れなかった。

 

「あんだけの群れが来てたのに、まったく釣れてないってのも才能ねぇ」

 

「本当、最初かかってたのに、逃がしちゃうなんて、もったいないよね」

 

「うるせぇ。たまたまだ、たまたま。てかユイにいたってはカレイじゃなくてアジを釣ってただろうが・・・」

 

「これだけあれば4人でもたっぷり食べられるね」

 

「ふふ。からあげでしょ、煮付けでしょ、ムニエルもいいね~♪」

 

「調理なら任せてよ!ようやく2人にも私の実力を見せつける時が来たよ!」

 

「僕らも手伝うよ」

 

「・・・ところでお前ら、魚さばけんのか?」

 

「「「え?」」」

 

 

トライフォーの晩御飯はシオンが住んでいるアパートでとることになった。クロノは釣ってきたカレイとアジをきれいにさばいていく。

 

「さすが」

 

「コツさえ覚えれば、どうってことねぇよ。ほら、やってみろ」

 

「シオン、次は私だからね!」

 

「わ、私はお米をとぐ!得意なの!」

 

そんなこんなでトライフォーは調理を開始していく。少し時間が過ぎ、少々苦戦したが4人の晩御飯が出来上がった。

 

「「「「いただきまーす!」」」」

 

4人は出来上がった料理をそれぞれ口に運ぶ。

 

「・・・にしてもうまいな、ユイの作ったアジのからあげ」

 

「本当、今までのがウソみたいな味ね」

 

「僕も最初は驚いたよ。あのユイがここまで・・・」

 

「ふっふーん、私だってやる時はやるよ!」

 

ユイが作ったアジのからあげを食べた3人は思った事を口にし、ユイは誇らしげな表情になる。

 

「最初に始まったのが、味のなかったクッキーからだったよね」

 

「その後に味がついたけどおいしくないのが続いたよね」

 

「で、その後にくそまずいもんが続いて、散々だったよな」

 

「せ、成長できたんだからいいでしょ⁉ほら、早く食べようよ!」

 

 

食事を終えた4人は皿洗いをした後、明日のアルティメットステージに備えてお互いにファイトしあったり、デッキを調整したりしていた。

 

「飛天の聖騎士アルトマイルでヴァンガードにアタック」

 

「パッションフラワーで完全ガード」

 

「トリプルドライブ。クリティカルトリガー。効果は全てツインソードへ。ツインソードでヴァンガードにアタック」

 

「メイデン・オブ・ディモルフォーセとマイリスでガード」

 

「スレイマンでリアガードにアタック」

 

「ノーガード」

 

「やっぱりうまいね。さすがはシオンだよ」

 

「ああ。このターンで1点とってもシオンの勝ちにはならない。それより、次のターンでトコハがカウンターブラストを使えないよう、あえてダメージを与えなかったんだ」

 

クロノがシオンのファイトを考察していると、そういえばという感じで口を開く。

 

「そういやぁ、明日の対戦相手って、誰なんだろうな?」

 

「結局教えてもらえなかったんだよね?気になるのに」

 

「ドリームチームだからね。普通だったら、つまらないようなメンバーがくる可能性がある」

 

「ま、誰が相手でも、相手でも、勝つけどね」

 

「当然だ。そのための準備もできた」

 

「私たちのGクエストを完全勝利で終わらせる」

 

「それがきっと、俺たちを真実へと導いてくれる道だ!」

 

クロノの言葉に3人は首を縦に頷く。

 

 

翌日のアルティメットステージ開催日、普及協会本部の外でもいろんな人が集まっていた。トライフォーは意気揚々と入っていく。

 

「よお!来たな、トライフォー!」

 

トライフォーを出迎えてくれたのはトリニティドラゴンとコズミックドライブ、クミといった見知った顔ぶれたちだ。

 

「お前ら!」

 

「冷やかしに来てやったぜ」

 

「違うだろ?応援に来たやったんだ」

 

「今日はがんばってください、皆さん!」

 

「はい、トコハちゃん!お約束!」

 

クミはトコハに"がんばれトライフォー!"と書かれたニシベーカリーの袋を渡す。中身は当然コロッケパンだ。

 

「わあ!ありがとうクミちゃん!」

 

「ことあるごとにケンカして、チーム名すら決められなかった4人が、ここまで・・・ううう・・・」

 

「いいか?恥ずかしいファイトするんじゃねぇぞ!」

 

「ったりめぇだろ!」

 

応援に来てくれた7人のおかげで俄然とやる気を出し、笑みを浮かべるトライフォーであった。

 

 

普及協会本部ステージのギアースのあるファイト会場、観客席は満員となっていた。そしてアルティメットステージの開会式が始まろうとしていた。

 

「ヴァンガードを愛する全ての世代に、今送る、夢の舞台、アルティメットステージ!!開幕の幕を開けるのはもちろん!」

 

「「「ラミーラビリンスでーす!!」」」

 

『うおおおおおおおお!!!』

 

ラミーラビリンスの登場により、観客席は歓声で広がっていた。トコハは控室でコロッケパンを食べながら切なそうにラミーラビリンスを見つめる。シオンは観客席の方でアムをじっと見つめていた。そして、そのまま会場へと向かっていく。

 

 

廊下の方では、キョウヤはスマホで誰かと電話していた。

 

「すまないな。海外の方では全面的にお前に任せてもらってしまって」

 

≪気にすんなよ。旅を始めてから、こういうのには慣れてんだ。それに、ヴァンガードのためだ。何もしねぇなんてこと、俺にはできねぇからよ≫

 

「では、合図はこちらに任せてもらおう。お前は合図と同時に、始めておいてくれ」

 

≪おう、任せとけ!旅から戻ってきたら、土産話をたっぷり聞かせてやる!楽しみにしておけよな!≫

 

「ああ。では、作戦が終了したら、いつかまた会おう」

 

キョウヤはスマホの通話を切り、スマホをポケットに入れる。そこにユイが通りかかる。

 

「あ、一条さん」

 

「・・・この作戦は全てお前たちのイメージ力にかかっている。失敗は許されないぞ」

 

「わかってます。私たちの持てる力を全てぶつけていくつもりです」

 

「・・・ふっ、期待しているぞ」

 

キョウヤは笑みを浮かべてその場を去っていく。ユイも急いで会場に向かっていく。

 

 

別の廊下で、クロノは会場に向かって歩いていく。そんな時、伊吹とバッタリ出くわす。

 

「・・・こんなとこにいていいのかよ?もうすぐ始まるんだろ?」

 

「準備は済んでいる。お前に言われるまでもない」

 

「ふ~ん・・・」

 

クロノは伊吹を通り過ぎ、そのまま会場へと向かっていく。

 

「・・・頼んだぞ」

 

「!」

 

伊吹がそう呟くのを聞いたクロノは思わず後ろを振り向く。伊吹はそれだけを言い残し、そのまま立ち去っていく。

 

「・・・任せろよ」

 

クロノは笑みを浮かべて会場へと向かっていく。

 

 

この時を持って、いよいよ作戦、ギアースクライシスが始まろうとしていた。

 

「システム、オールグリーン!」

 

「ギアースクライシス、始動!」

 

 

そして、リューズ側も最後のユニットの召喚しようとしていた。

 

『ストライドフォース、インジェクション。ビルドアップ、スピード。6、6.7、7、7.2、7.8、8、8.8・・・』

 

「ゴホッゴホッ!!」

 

リューズは突然咳ごむ。その席と同時に、血反吐も吐いていた。

 

「・・・ふっふっふっふ。これですべてが始まる。新たな世界、ヴァンガードが導く、完全なる未来が、ようやく・・・。どうしてお前たちは理解しなかったのだろうな?ライブ、ゲン・・・」

 

 

とある1室で伊吹は誰かと電話をしていた。

 

「留学中だったのにすまないな。結局、海外のことは任せてしまった」

 

≪ヴァンガードのためだもん。問題は全てクリアしたよ。後は君がゴーサインをくれれば、一斉に始める。こっちも1人じゃない。みんなが協力してくれたからできたんだ≫

 

「すまない。感謝する」

 

伊吹は通話を切り、モニターに目を移す。

 

 

(世界中のファイターたちから放たれるイメージ力。それはファイカによってストライドフォースに変換される。ギアースを通じて、世界中を生きがい続けている)

 

(ギアースシステムは24時間、常に稼働されており、停止されることはない)

 

(管理システムは明神の支配下にあり、手を出すことができなかった)

 

(だから僕たちはギアースを破壊することにした)

 

(通常ではありえないほどのストライドフォースを収束し、増幅させ、一気にギアースに流し込む)

 

(過負荷となったギアースがクラッシュし、完全に停止したその時・・・)

 

(召喚されたストライドフォースだけが観測できる。それこそが、明神リューズの拠点)

 

プランGに参加しているメンバーはそれぞれ所定の位置につき、合図を待つ。

 

 

そしてトライフォーは会場へと続くリフトに乗っていく。リフトが会場までたどり着き、トライフォーに明かりがつく。

 

「いくぞ!!」

 

この時を持って、ギアースクライシスが始まった。トライフォーが入場した同時に、観客側が興奮のような声をあげている。

 

「彼らがGクエスト全勝優勝を誇る、チームトライフォー!対する、数々のファイトを戦い抜き、レジェンドの名を持つに相応しいファイターたち!」

 

対戦相手となるチームがリフトによって入場してきた。対戦チームにも明かりがつく。その相手とは・・・

 

「チームクアドリフォリオ!チームQ4!」

 

戸倉ミサキ、葛城カムイ、日下部リン、そして櫂トシキだった。それぞれに因縁があるトライフォーは驚愕の表情をしていたのであった。

 

to be continued…




トコハ「とうとうここまで来たわね。心の準備はできてる?」

クロノ「バッチリだぜ!・・・と、言いたいところだが、まさかこんなファイトが待ってるとはな」

シオン「心憎い演出だよね」

ユイ「うん。でも、私たちにできることはただ1つ!」

シオン「全力でぶつかることだけ!」

クロノ「いくぞ!!」

3人「了解!」

TURN80「決戦!チームQ4 トコハVSミサキ」
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