トニー・スターク が あらわれた ! 作:クレイジー松本キヨシ
タイトルの「つかの間」っていうの、漢字にしたら「束の間」ってなるんですけど、そのキャラが出てきてややこしくなりそうなので平仮名にしておきました。
久しぶりにあのキャラが出ますよ。
鈴音を無事、IS学園に送った後。
トニーはすぐさま自身の自宅であるアメリカへと飛んだ。
千冬にはクラス対抗戦までには戻ると伝えてある。
アメリカへと帰国する理由としては、今回の謎の襲撃者の件を束達と詳しく調べる為。それと、ついでに会社でしかできない業務を済ませてしまおうという考えもあった。
今回の件、鈴音には誰にも喋らないように、と伝えてある。
クラス対抗戦が控えている中、無駄な混乱を与えたくないからだ。
その意図を汲み取った鈴音はすぐに了承した。
○○○
会社に戻るなり、トニーは社長室に篭もり始め、2時間が経つ。
社員達は突然帰ってきたトニーにビックリしていたが、トニーの性格を概ね理解している為、すぐに自分達の仕事へと戻った。
部下に必要な書類を部屋に持ってこさせ、トニーも自分の業務を行っていた。
「もう、帰ってくるなら電話の1本下さいよ」
そう言いながら、部屋に入ってきたのはナタルであった。
「久しぶりだな、ナタル。サプライズだよ、サプライズ」
笑いながらトニーは言うが、ナタルは不満気な表情をしている。
「急に用意出来ないモノだってあるんですよ?それに、女性社員の1人なんかスタークさんが急に来るもんだから何かあったのかと思ってちょっと泣いてましたし」
「以後気をつけよう……」
まさか間接的とはいえ、女性を泣かせることになるとは 思っていなかったトニーは少々バツの悪い表情をする。
「でも、ちょうど良かったです」
ナタルはそう言うと、1枚の書類をトニーに渡す。
それを受け取り、トニーは書類に目を通す。
「……専用機開発の依頼、か」
トニーがそう呟いたように、その書類は政府からの専用機開発の申請だった。
書類の下の方には、代表候補生の顔写真と簡単なプロフィールも書かれている。
「流石に社長代理の私がそれに返事をするのはどうかと思いまして」
ナタルはトニーが会社にいない間、社長代理の職務に就いている。というのも、トニーの仕事を間近で見ていたのはナタルだけなので、ナタルに任せるしかないのだ。
「……これは一度持ち帰って決めることにするよ。結果は後で報告する」
「了解。なら私はこれで」
そう言ってナタルは部屋から退出した。
「F.R.I.D.A.Y.」
『お呼びでしょうか』
「念のためだ。アメリカ政府の役員を洗いざらい調べてくれ。この代表候補生もだ」
『かしこまりました』
「よし、では僕もこの仕事を終わらせるか」
トニーはその後暫くしてから仕事を終え、帰宅した。
○○○
「お帰りなさいませ、トニー様」
「元気にしてたか、クロエ?」
「はい!」
トニーの養子であるクロエが出迎えた。
クロエの頭を撫でると、くすぐったそうに身体を縮こめる。
「束は下か?」
「はい。
「そうか。今日の夕飯の分、僕のも用意しておいてくれ」
「本日はこちらでお召し上がりになるのですか?」
「あぁ。そのくらいの時間はあるさ」
「久しぶりにトニー様と食事を共にできるのですね!?今日は腕によりをかけて頑張りましょう、W.E.D.N.E.S.D.A.Y.!」
『勿論です、クロエ様』
クロエはそう言うと、キッチンの方へと姿を消した。
「しっかりとサポートできているようだな」
サポートAIである"W.E.D.N.E.S.D.A.Y."とのやり取りを見て、安心すると、トニーは下へと降りた。
下へ降りると、そこは研究室のような造りの部屋になっていた。
電気も点けず、そんな暗がりの中で唯一光を発しているモニターと睨み合いをしている束に、トニーは近くにあったコーヒーメーカーでコーヒーを作り、それを束の頬に当てた。
「熱ッ!?!?」
突然、頬に熱いモノを当てられてビックリしたのか、その勢いで椅子から転がり落ちた。
「いてて……。もぅー!酷いじゃないかー!」
束は頬を膨らませながらトニーを見上げた。
「ハハ、ブレイクタイムの合図にはちょうど良いと思ってね」
トニーはコーヒーを束に渡す。
「目処が立ってきた頃だしちょうど良かったかな〜」
束は立ち上がり、モニターに接続されているキーボードを片手で操作する。
「ほい」と束がモニターに調査結果を映し出した。
コーヒーを一口飲んでそれをテーブルに置くと、束は説明を始めた。
「まず、やっぱりあのunknown2機の追跡は無理だったよ。だけど、やっぱり
束はモニターに手を掛けると、2枚の調査報告書と思われる物を拡大してトニーに見せた。大方、ハッキングして手に入れたのだろう。
1枚は韓国語、もう1枚はロシア語で書かれていた。
「何て書いてあるんだ?」
「ざっくり言うと、"ISが何者かによって1機盗まれましたー"っていう報告書」
「なるほど。そして、その何者かっていうのが……」
「そう、
そう言って次に見せてきたのは画像だった。
そこには粗い画質であったものの、蜘蛛のような形をしたISが確認できる。
「何時ぞやのお淑やかな女性か……」
それを見て、そのISに乗っている女性の顔を思い出す。
「まだ居場所がわからないけどね」
「いや、今はこれくらいで充分だろ」
『トニー様、先の件について調べ終わりました』
「モニターに映してくれ」
束が何のことかわからないからか、首を傾げている。
「アメリカ政府に専用機を開発してくれと頼まれてね。一応、
「なるほど〜」
トニーの説明に束は納得した。
『こちらが結果となります』
顔写真と共に表示されるのは、"
「意外な結果だね〜?」
『アメリカ政府はどうやら定期的に内部調査を実施しているようです』
「しかし、可能性は極めて低い、ってだけだ。今後も注意深く探らないとな」
『そうですね。それと、代表候補生についてなのですが……。この方は現在、IS学園に在籍中との事です』
そう言って映し出したのは1人の代表候補生。
「……ふむ、2組か。彼女には僕が接触してみよう。返事を返すのはそれからでも遅くないだろ」
トニーはそう言うと、F.R.I.D.A.Y.にモニターの結果を消すよう指示した。
そして、思い出したかのようにトニーは束に訊いた。
「そういえば、束は箒の為のISを造ってるのか?」
「まだ造ってないよ〜。設計図は出来てるけど」
「そうか。出来るなら、箒が代表候補生か企業のテストパイロットになったら専用機は与えてやれ。そっちの方が周りからの風評も少ないだろうしな」
「えぇー!?別に良いじゃーん!何なら、箒ちゃんの悪口言った奴は私が社会的に殺してあげるのに」
「そういうのは止めとけよ?箒に嫌われ「はい、やめまーす」……全く」
トニーは束の手のひら返しに思わず苦笑する。
そこで束は良いことを思いついたかのように手を叩き、トニーの方を見た。
「箒ちゃんをトニーの会社のテストパイロットにすれば良いじゃん!」
「……あー」
確かにその手があったかと、トニーは考え始める。
「しかし、公私混同というのは……」
「今更じゃない?」
束の言葉にぐうの音も出ない。
「そ、それも、箒に確認してからにしよう」
トニーはそこでその話を止めると、W.E.D.N.E.S.D.A.Y.が良いタイミングで声をかけた。
『トニー様、束様。夕飯のご用意が出来ました。食卓へお越しください』
「ありがとーW.E.D.N.E.S.D.A.Y.。くーちゃんのご飯だ!」
それを聴いた束は楽しそうに駆け出して行った。
トニーもその後に続いて行く。
2組の生徒とは一体……ウゴゴ……
そのキャラには代表候補生という設定を付け加えてました。
ブレイクタイムなのに休憩してない?
手を休めるという意味でのブレイクタイム(適当)