トニー・スターク が あらわれた ! 作:クレイジー松本キヨシ
合宿あたりにわかると思います。
※5月26日、21:46
今後の為、"無理"を"不可能"に変更しました。
15歳になった僕は今、マサチューセッツ大学で行われる、科学者の研究発表に参加していた。
いや、仕方なく参加したと言った方が良いのだろうか?
周りの大人達から、「君と同年代の子が出る」と聞いたからだ。そうじゃなかったら絶対来ていない。
というのも、アイアンマンスーツの開発が難航しているのだ。
まず、成長期である僕の身体にあったスーツと大人になった身長のスーツではサイズが違う。
とりあえず、前世での最終的な身長に合わせたスーツを主に造り、今の身長に合わせたスーツは1着だけ造った。
ここまで言っておいて何だが、身長の問題はどうとでもなると気づいた。
それよりも最大の難関である、スーツの動力源であるヴィブラニウムの精製だ。僕の前世の記憶を元に、精製をしようとしているんだが、これがどうにも上手くいかない。
これが無ければ、スーツの試験運用も出来ない。
パラジウムを使う手も考えたが、アレのせいで痛い目を見ている僕としてはあまり使いたくない。それにそんな急ぎでもないのでね。
とりあえず今は、自宅でF.R.I.D.A.Y.とロボットアームのダミーとユーが改善点を探してくれているだろう。
しかし、3年も改善点を探してはいるが、一向に見当たらない。
……それにダミーとユーが何かやらかさないか不安があるが。
そんなことを考えていると、僕の番が来たみたいだ。
とりあえず、人工知能と3Dホログラフィックモニターについて話そうかと思っている。
アイアンマンスーツについて話さないのかって?
あれは僕の自己満足の物だし、何より戦争に使わされそうで嫌だね。まぁ前世の時みたく、軍にスーツは渡さないよ。
……ローディもいないからね。
○○○
トニーが前に立つと、会場内の気が一瞬で引き締まる。
それ程、彼は凄い人物なのだ。
4歳で集積回路基盤を組み立て、5歳でエンジンを開発。そして12歳で最新鋭の人工知能を開発。
会場にいるみんながみんな、トニーが何を発表するかに興味と関心を抱いている。
トニーが前に立ち、マイクをONにして喋り始める。
『あー。んん、トニー・スタークだ。今回発表するのはみんなが期待してる程ではないと思うから、期待しないでくれ。じゃないと僕がプレッシャーで潰れそうだ』
何を言ってんだコイツは、と会場内にいる科学者はそう思い、笑う。
『じゃあ、まずは人工知能についての発表……。だけどこれはみんなが知っているかもしれないから飛ばそうと思う。ちなみに開発手段は開示しない。分野にもよるが、科学者なら自分で開発してくれ』
トニーはそう言う理由はちゃんとある。
前世でウルトロン計画を実施した時、世界が大混乱に陥ったからだ。
ヴィジョンやマキシモフ姉弟、そしてアベンジャーズの協力によってそれは打倒された。しかし、それによって起こった惨事も多いことをトニーはわかっている。
もしかしたら、ウルトロンのような人工知能を造る奴がいるかもしれない。そう思ったからトニーは開発手段を開示しないのだ。もし、誰かがウルトロンのような人工知能を造ったら、トニーはそれを破壊するつもりでいる。
『次で最後だが……。これは未発表。今回が初めての発表だ。既に僕の家では取り入れてる物。3Dホログラフィックモニターだ』
トニーが操作し、
『見てわかるように、モニターが3Dになっているだけ。ああ、タッチもできる。ん?そこの君、"信じられない"って顔をしているな。実際に見せてみよう』
今更だが、年上ばかりいる中でトニーの喋り方はあまりよろしくないだろうが、その年上の人間達が気にしてないので、トニーはその喋り方を続けている。
トニーはズボンのポケットから、ケータイサイズのガラスのような物を取り出すと、ステージの真ん中目掛け、それを手首で軽く振る。
すると、ステージの真ん中に
これに科学者達は騒めきを起こす。
『やっぱり3Dホログラフィックモニターの方が楽だね。さてと、ご覧の通り、自分の手でこのモニターを触って、動かすことができる』
トニーは3Dモニターの前に出ると、それを手で触り始める。
『この3Dホログラフィックモニターは既に完成されてはいるが、まだまだ改善の余地はある。だからこれに関しては僕が納得いく出来になったら、開発手段を開示しようと思う。あぁ、これを商品化するなら売り上げの50%は僕に渡すんだぞ。以上だ』
トニーはそれだけ言うと、ステージから降りた。
会場にいる科学者達は立ち上がり、今回最大の拍手をトニーへと送ったのであった。
○○○
さて、僕の発表が終わった次は篠ノ之束とかいう女性の発表だった。
どうやら彼女が僕と"同年代の子"みたいだ。
服装からして『不思議の国のアリス』を連想させるな。
彼女が前に立ち、発表が始まる。
研究発表内容は『インフィニット・ストラトス』。
宇宙空間での活動を目的としたパワードスーツ。
要は何がなんでも人命は守る宇宙服だ。いや、アイアンマンスーツに近いか?
僕は実に素晴らしい発明だと思ったが、周りはどうやら違うようだ。
「出来るわけがない」と罵る奴もいれば、ほくそ笑む奴もいる。
とりあえず、そんな奴らは無視して僕は彼女の研究発表を聞こう。
それに、どうやら彼女は僕のブログに熱心にコメントをくれたファンのようだ。なんでわかったかって?
最近になって、コメントだと嫌だという彼女とはチャットでよく意見交換をするんだが、その僕の意見が発表内容の所々に反映されているのを見てわかった。
僕は少し嬉しく思ったよ。同レベルの会話が出来るのは僕の造った人工知能かバナーくらいしか居なかったからね。
そしてその『インフィニット・ストラトス』。
大気圏内外でも高い機動力を有し、宇宙空間で邪魔な漂流物を撤去できるよう、武器も搭載されているようだ。
そして肝心の人命を守ることに関しては、2層のバリアによって守られるようだ。外側の層のバリアがもし破られたのなら、外側の層よりも出力の高いバリアがそれを守る。
彼女のアイディアはとても素晴らしい。特にバリアに関してはアイアンマンにも取り入れようかと思ったくらいだ。
しかし、周りの科学者はそうは思わないようだ。
彼女の発表が終わってステージから降りると、周りの科学者達は「不可能だ」だの、「机上の空論だな」だのと罵る。当事者である彼女は悔しそうに顔を伏せた。
少し癇に障った僕は、立ち上がって、拍手を彼女に送った。
それを見た周りの科学者達は、一気に鎮まり、彼女は僕を見る。
「素晴らしい研究じゃないか。人命をよく考えた良い研究だ。特に2層のバリアは僕も1本取られたよ」
僕がそう言うと彼女は少し嬉しそうな表情を見せる。
「そんなの不可能に決まってる」
ふと、誰かがそんな言葉を発した。
僕はその声がした方向を見て、反論してやった。
「不可能?じゃあ君はこれを実際に造ってみようとしたのか?造ってみようとした上で不可能と言ったのなら僕も不可能だと認めよう。どうだ?」
しかし、会場は静かなままだった。
「
「まぁ、あくまで僕の意見だけどね」と付け加えて、僕はステージから降りた篠ノ之束に近づく。
そして握手を求めた。
「素晴らしい研究だ。頑張ってくれ」
「あ、ありがとう」
篠ノ之束はやはり嬉しそうに握手に答えた。
握手をし終え、これ以上この場にいても意味がないと思い、会場から退場し、自宅へと帰った。
篠ノ之束は憧れていたトニー・スタークに認められ、感激していた。
しかし、それもすぐに鎮まってしまう。
(凡人共にわからないなら、どうにかして見せつければいいじゃないか)
そう思いつくと、束もトニーの後を追うようにして会場から退場し、日本へと戻った。
○○○
自宅へ戻る途中、F.R.I.D.A.Y.からの電話があったので僕はそれに出る。
『トニー様、良いご報告があります』
「なんだ?まさかヴィブラニウムが精製できたのか?」
『そのまさかです』
「……なんだって?」
『ダミーが改善点を見つけ、そこを改善した所、上手くいきました』
「……そうか!ダミーに伝えといてくれ、良くやった、と」
『かしこまりました』
まさかの吉報に、僕は心が躍る。
自宅への足取りは、とても軽いものとなった。
ちなみにだが、褒められたダミーは嬉しそうにアームを回転させていたらしい。可愛い奴だよ、全く。
連投はこれで終わり。
ちなみに改善点とは、キャプテンの(レプリカ)シールドを挟んで高さを変えていた所。
それに気づかなかったトニーは少しお茶目。まぁしょうがないね。