トニー・スターク が あらわれた !   作:クレイジー松本キヨシ

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てぇーへんだ!てぇーへんだ!

スーツは私の好みでこれにした。異論は認め……


白騎士事件 ――前編

『トニー様、一大事です』

「……なんだF.R.I.D.A.Y.」

 

翌日。

無事生成できたヴィブラニウムを使い、スーツへの動力源として取り付けることができた。

 

何着もあるスーツに取り付けるのは一苦労であり、その日は大学を休んだ。

 

昨日から徹夜をしていたトニーは、昼寝をしていたところ、F.R.I.D.A.Y.に起こされた。

 

気持ち良く睡眠を取れていたトニーからしたら、少し不満があるが。

 

しかし、それもF.R.I.D.A.Y.の一言で眠気は吹き飛ぶ。

 

『アメリカ軍の固定ミサイルがハッキングされ、日本へと照準を合わし、発射しようとしています』

「何だって!?」

 

それを聞いたトニーは昼寝をしていたソファから飛び上がる。

 

「それは確かか!?」

『はい』

「アメリカ軍だけか?」

『日本を射程圏内とするミサイルの配備された軍事基地のコンピューターが全てハッキングされています。後は物理的な操作を行うのみです』

「ハッキングか……。そんなことできるのは僕くらいか?」

『トニー様?』

「冗談だよ、冗談」

 

トニーには心当たりがあった。

自分と劣らない才能、つまり天才である人物。

 

そうーー

 

「ーー篠ノ之束か」

 

トニーは呟いた。

しかし、その考えはすぐに消した。

軍がミサイルの管理をそう易々とハッキングされるような所に置かないだろうというのと、物理的な操作を必要とするからだ。精々砲台の方向を変えるくらいしかできない。

 

「じゃあ一体誰が……。日本が多方面からミサイルを守る手段があるとは……」

 

そこまで考えると、ある結論に至った。

そこからの行動は早かった。

 

「F.R.I.D.A.Y.、アメリカ軍事基地にハッキングして砲台の方向を変えるんだ。それと並行して現状のアメリカ軍事基地内の情報を集めてくれ」

『かしこまりました。トニー様は?』

「お出かけだ」

 

トニーはそう言うと、上着を脱ぎつつ、スーツが収納されているサークルへと足を運ぶ。トニーはタイツのような薄手の服装になっている。

 

『トニー様それは危険です。試験運用もしていなければ、空を飛ぶ計算もしてません』

「そんなものどうとでもなる。ちなみにこれは経験談だ」

 

サークルへと足を踏み入れると、上下からアームが出てきてトニーにスーツを纏わせる。

 

今の身長に合わせた唯一のスーツ。

 

『アイアンマン マークIII』

 

武装、色合いも前世そのまま。

唯一の変更点と言えば、動力源がパラジウムからヴィブラニウムに変わっているというところか。

 

「あぁ、やはり安心するな」

 

スーツを纏い終わったトニーは、小さい声でそう呟いた。

 

『ハッチ、開きます。充分なサポートは出来ませんのでご了承ください』

「わかってるよ。とにかくF.R.I.D.A.Y.は情報が手に入ったらこちらに回してくれ」

 

トニーはリパルサーレイを噴かし、飛び立った。

 

○○○

 

『あれ?』

「どうした、束」

 

日本上空。

織斑千冬は束から任された『白騎士』を纏い、空に待機している。

製作者の束は別の場所で千冬のバックアップをする予定だ。

 

現在、白騎士は世界各国から向けられたミサイルを撃墜――という名目で、ISの有用性を示そうとしている。しかし、ミサイルの発射などに関しては束は関わっていない。偶然なのだ。偶然にも、ISの有用性を示せる場が出来たから、束はその場を利用しているのだ。

 

『アメリカ軍のミサイルが発射されてないんだよ。砲台も元に戻ってるし……。こっちに向いてたんだけどなー』

「他国からもミサイルは飛んでくるんだ。むしろ1ヶ国分のミサイルが減って私は助かった」

『それもそうだねー。おっ、ちーちゃん来たよ!』

 

話していると、ロシア方面からミサイルが飛んできた。

 

千冬は白騎士に装備されている大型プラズマブレードを使い、次々とミサイルを斬り落としていく。

 

幸いにも海上のため、日本本土への被害は少ない。

 

「凄いな、このISというのは。実際に使ってる私にはわかる」

『へへーん、当たり前でしょ?なんてたってこの束さんが造ったんだから!』

「あぁ、そうだな」

 

千冬は友の言葉に思わずそう言い返し、口元に笑みを浮かべる。

 

(この白騎士と私なら、できる)

 

手にある大型プラズマブレードを握り直し、ミサイルを斬り落としていく。

 

○○○

 

各国から日本に迫るミサイルの脅威から千冬が奮闘している頃。

 

『逆探知を試みたところ、ハッキングをした者はアメリカ軍事基地内、管制室にいるようです』

「ナイスだF.R.I.D.A.Y.。ちょうど僕もアメリカ軍事基地に着いた」

 

軍事基地内に着陸すると、まず目に見えるのは倒れている人々だ。

 

生体反応からして、まだ生きている。

気絶しているだけだ。

 

「人手が少ない時に狙われたとはいえ、軍としてこれはどうなんだ?全く……ローディが見たら凄く怒るぞ」

 

かつての友の事を考えつつ、トニーは管制室へと向かう。

 

「F.R.I.D.A.Y.、管制室の中に誰かいるか?」

 

管制室の前に立ち、F.R.I.D.A.Y.に生体反応が無いか調べさせる。

 

『……1人の生体反応を感知しました』

「よし、突入だ」

 

リパルサーレイでドアを撃ち破って入る。

 

管制室にいた人物は突然のことに驚き、トニーの方を見る。

 

トニーはその人物にリパルサーレイを向けつつ警告した。

 

「大人しく投降した方が身のためだぞ」

「な、何もんだお前!」

 

相手の反応は当たり前である。

いきなり入ってきた人物が普通の軍人ではなく、ロボットのような人物が入ってきたからだ。

 

「悪党に名乗る名前はない」

「この!」

 

相手はかなりの速さで懐から1丁の拳銃を取り出し、トニーへと撃った。

 

しかし、そんな物がアイアンマンのスーツを貫くはずもなく、トニーはノーダメージである。

 

「はぁ……。僕は警告したぞ」

 

溜め息混じりにそう言うと、肩から麻酔針のようなミサイルを相手に撃った。

 

相手はそれに気づくことなく、気絶した。

 

「さて、とりあえずこいつを連れて外へ出るか。F.R.I.D.A.Y.、君はハッキングされた各国の砲台の方向を変えてくれ」

『かしこまりました』

 

 

 

 

トニーが外へと出ると、軍人が取り囲むようにしてトニーを待っていた。

指揮官が前に立ち、警告する前にトニーが喋った。

 

「今回の事件の関係者だ。ほら」

 

そう言ってトニーは片手で掴んでいた犯人を指揮官の前へと投げる。

指揮官が何か言いたげだったが、やはりトニーが先に喋り始める。

 

「僕はこれから日本に行って人助けをしないといけないから暇じゃない。あぁ、そうだ。戦闘機とか飛ばさないほうが良いぞ。損失が増えるだけだからな」

 

それだけ言うと、トニーはリパルサーレイを噴かせ、日本へと飛び立った。

 

○○○

 

F.R.I.D.A.Y.がハッキングし終える頃には日本に向かって撃たれていたミサイルは徐々に少なくなっていき、今ではもう撃たれる気配は無くなっていた。

 

「はぁ…はぁ…。どうだ、束」

『うん、ミサイルはもう来ないみたい。……待って』

「どうした束?」

 

急に真剣な様子に戻ったので、千冬は声をかける。

 

『……今度は戦闘機や艦隊がそっちに向かってる』

「何だって……?」

『ごめん、ちーちゃん……。まだ闘える?』

「任せろ。これを渡すわけにはいかんのだろ?」

『……うん!』

「引き続き、サポートは任せたぞ」

 

そこで一旦、通信を切る。

束も相手の数を調べなければならないからだ。

 

千冬は集中し直す。そのついでに、今回の真相について気になり始めた。

 

「しかし……何故日本に向かってミサイル何かを……。アメリカは何とか飛ばしてなかったが、他の国はどうしたというのだ……。まだISがあったから良いものの、無かったら大変な事に……。IS?」

 

そこで、千冬も少しづつ気付いてきた。

 

「ISが今回の引き金なのか?」

 

そこまで思考すると、束から通信が入る。

仕方なく思考を中断し、通信に応答する。

 

『戦闘機が207機、巡洋艦が7隻、空母が5隻みたい』

「数が多いな……」

『……ちーちゃん!12時の方向!』

 

束に指示された方向を見ると、ハイパーセンサーによって強化された視覚が、戦闘機を捉える。

 

「もう一踏ん張り……だな!」

 

千冬は気合を入れ直し、ブースターを噴かせた。




分けるんじゃ。

次回やっとISとアイアンマンが邂逅しますぞ!

※20:53追記
タグにオリキャラを追加しました。
ぶっちゃけると織斑家にもう1人の弟を登場させたいためです。
トニーのサイドキック的存在にしたいなぁと思っています。織斑兄弟の仲が悪いとかそういうのは考えてないです。
他にもちょっとした敵だったり生徒だったり…。そういうのでタグを追加しました。ご了承ください。
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