トニー・スターク が あらわれた !   作:クレイジー松本キヨシ

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F22のスペックを調べた。

※5月30日12時37分
誤字修正


白騎士事件 ――後編

――某国が所有している母艦。

 

千冬が次々と戦闘機を撃墜させていく中、船員は少しの不安を抱え始める。

 

そして、それは更に増大することになる。

 

オペレーターの1人が、モニターを見て叫んだ。

 

「未確認兵器が接近!マッハ1.58です!」

「米軍のF22か!」

「衛星映像、出ます!」

 

オペレーターが操作し、巨大モニターに衛生映像が映る。

 

そこに映っていたのは、米軍が保有するステルス戦闘機『F22』などではなく、人間サイズの赤と金色の装甲を纏った何かだった。

 

「どこの国のだ!?」

 

司令官がその映像を見て、オペレーターに怒声を放つ。

当たり前だ。戦闘機が白騎士に撃墜されている中にまたもや謎の兵器が現れたのだ。心情はあまりよろしくない。

 

「……未所属です」

「ッ!?ええい!我が軍の戦闘機はそいつを撃墜しろ!あの白いのは他の国も狙っているんだからどうにでもなるだろ!」

 

司令官は半ば自暴自棄になりつつ、怒気を孕んだ声で指示を飛ばした。

 

○○○

 

『トニー様、後方から戦闘機が3機接近しています』

 

日本の領空に差し掛かった辺りで、F.R.I.D.A.Y.が警告メッセージを発した。

 

「僕も敵と見なされた訳か。F.R.I.D.A.Y.、フレアの準備しとけよ」

『かしこまりました』

「ああ、それとF.R.I.D.A.Y.。エンジン部分と操縦席を避けつつ戦闘機を撃墜することは可能か?」

『難しいですが出来ないこともありません。少々お時間を頂きたいです。目標の指定と計算を行います』

「上出来だ。なら僕はドッグファイトを楽しむか」

 

トニーはリパルサーレイの出力を上げ、速度を上げる。

 

おおよそマッハ1.7は出ているかもしれない。

 

突然速度を上げたため、アイアンマンと戦闘機の距離が開く。

戦闘機も速度を上げ、距離を詰める。

 

「そうこなくっちゃな」

 

トニーはディスプレイに表示される後ろの映像を見ながら飛行を続ける。

よく見ると、戦闘機が徐々に近づき始めている。

 

戦闘機がトニーを射程圏内に捉えたところで、F.R.I.D.A.Y.が警告メッセージを発した。

 

『ロックオンされています』

 

それと同時に、戦闘機から追尾型のミサイルが飛ばされた。

 

バレルロールや急上昇、急降下を試してみるが……

 

「いくつか残ってるな……」

 

数弾の追尾型ミサイルは依然として、トニーの後を追っている。

 

「F.R.I.D.A.Y.、フレアを発射しろ」

『かしこまりました』

 

そう言うと、腰部分に付いていたホルダーから、フレアが撒き散らされる。

 

残っていた追尾型ミサイルは全弾当たり、爆発した。

 

その爆発の後ろから、戦闘機が追ってくる。

 

「F.R.I.D.A.Y.まだか?」

『もう少しで……、計算終了、目標を設定。いけます』

「よし、反撃に出るか」

 

直立状態からトニーは両手を前にし、減速する。

 

戦闘機の間を抜け、トニーは戦闘機の後ろに付く。

 

「中々楽しかったぞ。お礼のミサイルだ」

 

そう言って、トニーはお返しと言わんばかりに、左肩からミサイルを発射する。

 

トニーの急な減速、攻撃に対応できるはずもなく、戦闘機は撃ち落とされていく。

戦闘機に搭乗していたパイロット達は脱出し、パラシュートを開く。

 

「よしこれで……『パラシュートが開けていないのが1名』全く……!」

 

パラシュートが開いていないパイロットをセンサーで捉え、トニーはその後を追うため、下降する。

 

「前回もこんなことなかったか?」

 

1人そう呟くが、それを覚えているのはトニーのみである。

 

「このボタンだな……。ビンゴだ」

 

パイロットの近くまで寄り、座席にあるボタンを押して、パラシュートを開かすことに成功した。

 

「今度こそ行くぞ」

 

トニーは再び、目的地へと飛ぶ。

 

○○○

 

「あらかた片付けたか……?」

 

肩で息をしている千冬は束に確認するように呟いた。

 

『うん、もう撤退し始めてる。私達は勝ったんだよ!』

「そうか、それは良かった」

 

その言葉に安心し、一息吐く。

 

『エネルギーもそろそろ無くなるしもう戻っ……!ちーちゃんまだ何か来る!』

「何だと?」

 

束が千冬のバイザーにモニターを映す。そこには何かが急速に接近してくるのがわかる。

 

それが千冬に近づき――

 

「ん?何だ終わったのか。お手伝いが必要かと思ったんだがね」

 

――話しかけてきた。

 

「はぁぁッ!」

 

それを見たなり、千冬は斬りかかる。

無理もないだろう。相手が敵なら自分が死ぬかもしれないのだから。

 

「おいおい、待って!言っただろ、お手伝いに来たと!」

 

相手――といってもトニーなのだが、トニーはそれを簡単に回避する。

 

「だぁぁぁッ!」

 

千冬は続けて攻撃する。

どうやら千冬は一種のトランス状態に入っている様子だ。

 

「F.R.I.D.A.Y.、攻撃パターンを」

『もうやっています』

 

F.R.I.D.A.Y.にそう指示し、ひたすら距離をとる。

 

「おい、止めろ。聞こえてないのか!?」

『お願い、ちーちゃん止めて!』

「!その声、篠ノ之束か」

 

突然、オープンチャンネルから聞いたことのある声がし、トニーは驚く。

 

「乗っているのは篠ノ之束ではないのか?」

 

目の前にあるのはISで、それを造ったのは束だとわかっているトニーは、てっきり目の前にあるISに乗っているのも束だと思っていた。

 

『その声、やっぱりトニー・スターク!お願い、ちーちゃんを止めて!』

「そのつもりだ。君とは話さないといけないことがあるからな」

 

トニーはリパルサーレイを千冬に撃つ。

 

……だが

 

『バリアによって守られています』

「そうだった。相手にすると面倒くさいな」

 

トニーはマサチューセッツ大学で行われた科学者達の発表で、束の発表を思い出す。

 

ISには2層のバリアが張られていること。

 

そこでトニーは束に訊いた。

 

「何とかしてバリアを1層だけでも剥いでくれ。そうしたらこっちでどうにかする」

『わかった!』

 

束はその作業に取り掛かる。

 

「F.R.I.D.A.Y.、終わったか?」

『ちょうど終わりました。そちらにパターンを反映させます』

 

トニーの視界に、千冬の攻撃パターンが映し出される。

 

『トニー・スターク、バリアを1層剥いだ!』

「よくやった。後は任せたまえ」

 

千冬が一瞬で距離を詰め、トニーへと上段斬りをする。

 

「読めてたぞ」

 

一瞬で距離を詰めたことには少し驚いたが、攻撃パターンの予測から上段斬りがくるとわかっていたトニーはそれを白刃取りする。レザー部分がギリギリ当たりそうなところで止まった。

 

攻撃を止められたことに千冬は驚き、隙ができる。

 

それをトニーは見逃さない。

 

「悪いが少し眠ってくれ」

 

気絶させる程度の力で、アッパーカット。

千冬を気絶させた。

 

気絶したことにより、下へ落ちそうになるが、トニーはそれをキャッチする。

 

「デカイし重いな。もうちょっとスマートにならないのか?」

『トニー様、女性に対してそれは失礼かと』

「僕はこのISってやつについて言ってるんだ」

 

F.R.I.D.A.Y.のツッコミにそう返していると、束から接触通信が送られてきた。

 

『ありがとう、トニー・スターク』

「礼はいらないよ。とりあえず話しがある。僕の家まで来てくれ」

『えっ?』

「そこなら誰にも邪魔されないし盗聴される危険もない。一応この操縦者の身柄はこちらで預かる。要は人質だな。ああ、安心してくれ、酷いことする気はないから」

『……分かった』

「物分りが良くて助かるよ。少し待っててくれ。人目につきたくないだろうから向かえに行こう。それまでの間、どこかに隠れておいたほうがいいぞ」

『うん……。ちーちゃんに手を出したら、トニー・スタークでも殺す』

 

束はそう言うと、通信を切った。

 

「怖い怖い……。F.R.I.D.A.Y.、僕が家に着くまでの間、衛星映像をハッキングして適当な映像を流しておいてくれ。それと篠ノ之束の位置も割り出しておいてくれ」

『かしこまりました』

 

トニーもF.R.I.D.A.Y.にそう指示し、とりあえず家へと戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 




次回で白騎士事件は終わり……。
結構長くなってしまった。
その後は原作で一夏が学園に入学するまでの話を書きます。

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