トニー・スターク が あらわれた ! 作:クレイジー松本キヨシ
切ろう切ろうって思って書いてたら結局1話で誘拐事件が終わった件。恐らく6000字超えはもうないだろう……(フラグ)
F.R.I.D.A.Y.にWCと言わせてみた。トイレって言ってるイメージがないからね。
キャプテンアメリカがヒドラの一員だったという設定のマンガが発売されましたね。
どうやら大炎上しているみたいですが、僕としては今後が楽しみです。どうなっていくのやら。
※5月30日0時48分
語彙修正
※5月30日12時34分
語彙修正
トニーがアイアンマンだと名乗ってないなと思い、オータムのセリフの一部を消去しました。
言葉の置き換えをしました。
第2回モンド・グロッソ。
会場はドイツとなっており、大人数の観客がスタジアムへと足を運んでいる。
トニーもそのうちの1人であり、ナタルを連れてスタジアムの中へと入っている。
今回、千冬からトニーの元に招待券が2枚届いた。
束は自宅に残ってテレビ中継で見ると言って、スタジアムに行くつもりはなかった。そもそも、束は今、失踪中ということになっており、公の場には行かないようにしているのだ。
クロエは「束様が残るなら私も」と言い、束と一緒に自宅待機である。
そこで、結果的に余ったトニーとナタルが行くことになったのだ。
その時、開催国がドイツだとわかった瞬間、トニーは渋い顔をしたが……。
「そういえば、スタークさんに聞きたいことがあるですけど」
「なんだ?美の秘訣とか?」
「男の人に聞くと女である私の立場がないですよ」
ナタルは苦笑しながら、売店でコーヒーを2本購入する。
「うちの会社って、その……女尊男卑の思想の人がいないな、って。スタークさんもやっぱり男として女尊男卑は嫌なんですか?」
「あぁ、そのことか」
トニーはナタルからコーヒーを受け取る。
コーヒーの缶を開け、一口呑んだところで、その質問に答えた。
「別に女尊男卑についてはいけないことではないと思うぞ」
「へ?」
「人間生まれて今日まで、平等なんてないだろ?」
「まぁそうですね」
「それに、何かと女が不平等な時代が長かった。今くらい男が不平等になる世の中でも僕は良いと思ってるけどね」
「じゃあ、なんでうちの会社にはそういう人がいないんですか?」
「単純だよ。そういう思想の奴らが仕事場にいたら、その場の雰囲気が最悪だろ?そうじゃない女性と僕達、男のモチベーションが下がる一方だ。最悪、会社の経営にも響きかねない。採用試験の時は大変だったよ」
「なるほど」
ナタルは納得した様子で、コーヒーの缶を開けた。
「あぁでも。女尊男卑で嫌な点は1つあるな」
「え、何ですか?」
ニヤリと笑い、トニーは言った。
「思想に染まった女性が多くて、女の子と遊ぶ機会が減ったことだよ」
それを聞いたナタルはジト目でトニーを見る。
「……セクハラですか?」
「おいおい、そんなつもりはないぞ?」
トニーとナタルは観客席に入る。
「しかし、スタークさんが千冬さんと束博士と知り合いだって知った時は驚きましたよ」
「やはり、天才と天才は惹かれ合う運命かもしれないぞ。千冬は頭じゃなくて武道の天才だけどね」
2人は席に座る。
前回の大会を優勝した千冬が招待した席は、やはりと言うべきか観客席の中で1番と言って良いほどの席であった。
トニーが座った隣の席には、日本人の少年2人が並んで座っていた。
見たところ、彼ら2人の親は見つからず、2人で来ているようだ。
そんな2人にトニーは話しかけた。
「君たち2人で観戦か?」
「うん!」
すると、2人のうちの1人がトニーの質問に答えた。
『ただいまより、第2回モンド・グロッソ準決勝を開始します。日本代表織斑千冬対――』
アナウンスが入り、会場が盛り上がる。
「始まりますよ」
「わかってるよ。F.R.I.D.A.Y.」
『わかっています。お任せください』
トニーは予め指示しておいた事を、F.R.I.D.A.Y.に実行させた。
○○○
千冬は圧倒的実力差を見せ、完勝。
相手が可哀想に思えるくらいだ。
今はもう1つの準決勝が終わり、決勝戦までの空き時間である。
「俺、トイレ行ってくる!」
「俺も!」
トニーの隣に座っていた少年2人は席を立ち、トイレへと向かった。
「私、飲み物買ってきます」
「僕はコーヒーで頼む」
「わかりました」と言って、ナタルも売店へと向かった。
「どうだ、F.R.I.D.A.Y.?」
『この会場内に
「位置はわかるのか?」
『はい。会場の出入り口に5人、WCに4人』
「そうか。……待てよ?」
そこで、トニーはある事を思い出す。
隣に座っていた少年2人がトイレに行ったのだ。
「F.R.I.D.A.Y.、トイレに行ってくる。
『かしこまりました』
F.R.I.D.A.Y.にそう指示し、トニーはトイレへと向かう。
前世で培った経験が、トニーに嫌な予感を感じとらせた。
小走りでトイレまで来ると、曲がればすぐの角でトニーは隠れる。
トイレの入り口付近を、覗き見る。
ちょうど少年2人が、出てきたところを怪しい黒服達によって気絶させられているところだった。
「嫌な予感が当たったな……!」
トニーは腕時計を操作。
腕時計が展開され、それを掌まで持っていき、装着させる。
ハンド部分のみだが、グローブ型の簡易アイアンマンスーツになるのだ。
リパルサーは撃てないが、強力なフラッシュと相手を怯ませる爆音がそれぞれ使用できるようになっている。
トニーは角から出て早速、相手を爆音で怯ませる。
案の定、相手は怯み、こちらを視認する。
続けて強力なフラッシュを放ち、相手の視界を奪う。
トニーはサングラスをしている為、自身への被害はない。
相手が行動不能の間に、トニーは相手に近づく。
まず、目を抑えている相手を思いっきり殴って気絶させ、隣にいた相手の頭を掴み、膝蹴りをして続けて気絶させる。
残り2人になったところで、爆音が弱まって相手の視界が戻ったのか、こちらに攻撃を仕掛けてこようとしてきた。
1人目が殴りかかってきたので、トニーはそれを屈んで避ける。
2人目が銃をこちらに向け、撃とうとした瞬間。
トニーはハンド型アイアンマンスーツの手で銃口を塞ぐように掴む。
相手が引き金を引き、弾丸が発射された音がする。
偶然、トニーと相手は視線を合わせ、トニーは口元に笑みを浮かべる。
相手は銃を相手から引き剥がそうとするが、逆にトニーが離した。
それを好機と見たのか、相手はもう一度トニーに銃を向けた瞬間、違和感に気付いた。
銃が分解されていたのだ。
分解された銃を目を大きくして見て、トニーの方を見る。
分解された銃の部品がトニーの片手に。
トニーはそれで相手の頬に思いっきり殴った。
その相手が気絶して倒れそうになるところを腕を掴み、後ろから迫ってくる相手に向けて投げる。
後ろにいた相手は反応できずに投げられた相手共々倒れて気絶した。
「ふぅ……。これで終わりだな」
ハンド型のアイアンマンスーツを元に戻した時。
「両手を挙げな」
そう言って、何処からか現れた相手にトニーの頭に銃を突きつけられた。
声からして、恐らく女性だろう。
それに、新たに相手が現れ、トニーを取り囲む。
トニーは大人しく両手を挙げた。
女性は仲間の1人に指示し、トニーの片腕に着けている腕時計を取り外させる。そしてそれを女性が受け取り、眺める。
「お前、中々良いモン造ってんじゃねーか」
「おいおい壊すなよ?結構お金がかかってるからな」
と、トニーが言った側から、女性は腕時計を地面に落として踏み潰した。
「んで?何にお金かかってるって?」
「両親は君をもう少しお淑やかに育てるべきだったな」
「テメェ……!」
『オータム、落ち着きなさい』
通信越しでオータムと言われた女性は、トニーの発言に怒りで
「お前、トニー・スタークだな?」
「そうだ。天才、金持ち、プレイボーイ、博愛主義者のトニー・スタークだが?」
「……お前にも付いて来てもらうぞ」
「おぉ、女性からのデートのお誘いとは、嬉しいね」
「黙んねぇとお前のそのお喋りな口に銃突っ込んで引き金引くぞオラ!」
「わかったわかった!わかった、大人しくする」
トニーはとうとう観念し、その女性に連れて行かれ、少年2人のうちの1人と共に黒塗りのバンに乗せられる。
そして、モンド・グロッソの会場から離れた。
○○○
廃工場に連れて行かれたトニーと少年。
未だに気絶している少年は柱に磔にされ、トニーは四角形になっているパイプに手首を縛られている。
オータムは、もう1人の少年の方に行ったので、ここにはいない。
だが、
トニーは手首を少し動かすと、近くにいる構成員に話しかけた。
「おい、縛るなら椅子に座らせろ」
「黙っとけ」
トニーは構成員の1人にそう文句を言うが、その構成員は相手にしない。
「今ならまだ助けてやるぞ」
「おいおい、聞いたか?俺の聞き間違いじゃなきゃコイツ、助けてやるぞって言ったぞ」
構成員は周りにそう言って、笑いを起こす。
「武器を捨てて、僕を椅子に縛りつけろ。ほら、5……4……バン!」
「ワォ……」
「もう死んだぞ」
「怖すぎるぜ」
構成員は近くにいた構成員と顔を見合わせ、笑っている。
明らかに、構成員の反応はトニーを馬鹿にしている。
それもそうだろう。先程みたいに腕時計を付けていなければ、縛り付けられて、動けないのだから。
「ほら、来るぞ。3……4……」
「黙れ」
茶番に付き合いきれなくなったのか、それとも目障りになったのか、構成員は本気のトーンでそう言う。
トニーは溜め息を吐いて……
「54333!」
そう言った瞬間。
廃工場の窓が割れ、トニーの右手目掛け、あるものが飛んできた。
構成員達は頭を抱える。
それがトニーの拘束具を外すと同時に、装着される。
トニーは装着された手を見てから、構成員達を見ると……
「言ったろ?」
そう言ったトニーはリパルサーを撃ち、構成員1人を倒す。
そしてすぐさま、もう片方の手の拘束具を外す。
近くにいた構成員に、トニーは近づく。
相手が持っている銃を、スーツの力で握り潰し、裏拳を顔に入れる。
そして、次に近くにいた構成員が、トニーの後ろから銃で殴りかかろうとするが、トニーはそれに気付き、スーツが装着されている手で受け止める。
その拳を握り潰そうとしたところで、新たなアーマーが飛んできて、トニーの片脚に装着される。
その装着された脚で、その構成員を蹴り飛ばす。
その時にまた、新たなアーマーが飛んできて、もう片方の脚に装着された。
その装着された両脚で、少し飛び、離れた場所にいた構成員の元まで距離を詰める。
突然のことで対応が出来なかった構成員は、トニーに銃を奪われつつ殴られ、呆気なく気絶した。
そしてその銃を最後の1人に向けたところ、その構成員は銃を持ち、少年の頭に突きつけていた。
「その装備を脱げ。そして銃も捨てろ!」
トニーは大人しく銃を地面に落とし、それを蹴って相手の近くまで飛ばす。
「後ろに気をつけた方がいいぞ」
トニーがそう忠告すると、構成員は後ろを向く。
しかし、遅かった。
すぐ目の前にトニーのアーマーが飛んできていたのだから。
当然、回避できるはずもなく、そのアーマーにぶつかり、気絶した。
「すまない。言うのが遅かったな」
そんなことを言いつつ、トニーは飛んで来たアーマーを装着する。
それを皮切りに、全てのアーマーがトニーの元に集結し、トニーはそれを全て装着した。
「ナイスタイミングだF.R.I.D.A.Y.。僕の計算した通りに来てくれた」
『トニー様がそう指示しましたので』
そう、最初のアーマーがトニーに装着するまでは、全てトニーの計画通りだった。
アーマーが来るように合図したのは手首を動かした時。
幸いにも、この廃工場に来るまでの間、眠らされることもなく、気絶させられるようなこともなかった。
その時にここまでの道のりを計算し、どれ位でアーマーが来るかの計算もしていたのだ。
「もちろん、ナタルに連絡しているよな?」
『もちろんです。あと数分で到着します。しかし、アイアンマンのことを話さずナタル様に今回のことを話すのは難しかったです』
「それは悪かったな。アイアンマンの事は来年くらいには打ち明けるか」
トニーとF.R.I.D.A.Y.の言う通り、ナタルがテストパイロットになってから今日まで、トニーがアイアンマンだと言うことはまだ言ってないのだ。
だから、アイアンマンスーツを持ってくるのにもトニーとF.R.I.D.A.Y.は苦労した。
「ナタルが警察を呼んでここに来るならここにいないほうがいいな。F.R.I.D.A.Y.、もう1人の少年の方はわかるか?」
『はい。既に千冬様が向かっています』
「何でそこで千冬が出てくる?」
『そこの少年ともう1人の少年が千冬様のご家族だからです』
「何だって?」
『トニー様なら気付いていると思っていたのですが』
「……確かに千冬がこの前そんなこと言っていたな。ということは2人は弟か」
そろそろ意識が戻るであろう少年の元まで近づき、少年の顔を見る。
「確かに顔が似てるな……。おい、起きろ」
「ん、ん……?」
「もうすぐで助けが来るから、大人しくしてろよ?」
「え?あ……うん」
「良い子だ」
トニーはそう言うと、リパルサーを吹かし、空を飛んだ。
少しづつ覚醒して来た頭で、少年は呟いた。
「あれって……、アイアンマン?」
その後、すぐに警察とドイツ軍を引き連れたナタルが到着し、少年――織斑一秋が保護された。
○○○
「やあ、お淑やかな女性」
「テメェは……!」
トニーがもう1人の少年――織斑一夏が囚われている所に着いた時には、千冬が既にいて、オータムはISを纏ってはいるものの、装甲がボロボロであった。
『一秋は無事か!?』
『一秋様なら既にナタル様によって保護されました』
『そうか……。ありがとう』
F.R.I.D.A.Y.からの報告に千冬は安堵した。
「後は貴様だけだ」
「みたいだな」
千冬は自身のISの唯一の武器である刀剣型接近武器"雪片"をオータムに向かって構え、トニーは片手のリパルサーをオータムに向けている。
「その言い方だと、あっちの織斑一秋とトニー・スタークも失敗だったみたいだな……!なら逃げるが勝ちだ!」
オータムは手榴弾のような物を呼び出し、それを地面に向かって投げた。
それはたちまち強烈な光りを放ち、あたり一面を真っ白にする。
「閃光弾か!」
「千冬、弟の側にいろ!」
「わかってる!」
何とか、トニーと千冬の反応が早く、光度調整をすることができた。
追いかけることもできたが、あくまで一夏のことが最優先だということは千冬も理解しており、その場から動かなかった。
光が収まって来たので、視界も通常通りに戻す。
「一応聞くが追跡は?」
『反応は消えています』
「だよな」
トニーはそれがわかると、千冬の方を向く。
「千冬がここにいるということは、大会には出てないのか?」
「ああ、そうだ。……トニー、助かった」
「何がだ?」
「わざと敵に捕まって、一夏と一秋を助けるつもりだったのだろ?」
千冬にそう言われて、トニーは驚く。
全くそのつもりはなかったのだから。
上手く事が運んでいたならば、会場内で助けることができたのだ。
「あー……そうそう、そうだよ。わざと敵に捕まってね、助けたんだ」
しかし、トニーのプライド的に本当のことを話すわけにもいかず、何とかして誤魔化した。
そして、千冬に聞こえない小声でF.R.I.D.A.Y.に言った。
「余計なことは言うなよ、F.R.I.D.A.Y.」
『……かしこまりました』
その時のF.R.I.D.A.Y.の返事は何故か、何時もよりもワンテンポ遅かったのであった。
裏設定集
・オータムはアイアンマンの正体がトニーだと気付いていません。
声でわかるやろ!ってなりますが、自分が追い詰められている時にそんなこと考える程余裕は無いかなと思ったので。
次話は……
お楽しみに!
後、お気付きかもしれませんが、前世というか映画のオマージュがちょくちょく入ってます。これからも入れていくと思います。