そんなわけで、三個目。今回は、この作品の主役二人目『武闘派魔法使い(作者命名)』事霧雨魔理沙の話です。また変な二つ名が出て来たと、皆さんは思ってると思います。でも、この二つ名にしたのにもちゃんとした理由が有ります。理由はいわないけどね!
そして、今回は初の戦闘シーン。今回が初めてなので、上手く出来ているか解りませんが、今の自分が書ける一番良いものだと思います。変な所が有れば、感想欄にて教えてくれると助かりす。
それでは第弐幕 『霧雨魔理沙』、
「始まるぜ!」
あっ、おい!それ俺のセリーーー
諸君、久方ぶりだね。………おいおい、もう忘れたのかい。私だよ、以前君達と一緒に博麗霊夢の一日を覗いた者だよ。
まあ、前置きはこの位にして、今回は誰の事を覗こうか。今回は、以前の最後に出てきた、『霧雨魔理沙』の事を覗こうと思う。何故なら、霧雨魔理沙は正史とは違い、『彼女』ではなく、『彼』となっているからだ。この件に関しては、私も中々興味がある。
彼の事を覗く前に、少し彼の事について語っておこう。失礼な事だと思うが、彼は博麗霊夢とは違い、居ても居なくても何ら幻想郷に影響はない存在だ。何故なら、彼は何処にでも居るいわゆる普通の『人間』だからだ。別段特別な力など持ってはいないし、何か特別な事を成し遂げてはいない。だから、彼は居ようが居まいが、今の幻想郷に何ら影響はないのだ。
だが、それはあくまで今の幻想郷』には、である。彼は多くの意味で博麗霊夢の支えとなっているし、彼女が心を開いている数少ない者なのだ。その点に関しては、彼は必要な者だと言える。
それに、彼は正史では後に、数々の『異変』の解決に貢献し、その結果、幻想郷でも中々に重要な人物と成っている。
そして、彼は正史では魔法使いである。それはこの幻想郷でも変わりない。しかし、彼の戦闘スタイルは、正史とは大きくかけ離れている。正史では、彼は魔法を主体とした遠距離の射撃型の戦闘スタイルであるが、この幻想郷での彼は魔法使いではあるが、魔法をあまり使う事はない。その代わりに、近接格闘を主体とした超近距離の格闘型の戦闘スタイルとなっている。
さてと、そろそろ彼の事を覗くとしよう。だが、博麗霊夢の所からでは、彼が博麗神社に来る前の事が解らないので、少し時間を巻き戻してから、彼の事を覗くとしよう。
彼はどんな人物なのか、それはまだ、私にも解らない。
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此処は、『魔法の森』(まほうのもり)のとある場所、『霧雨魔理沙』の家である。彼の家をよく見てみると、扉のすぐ近くに、『霧雨魔法店』(きりさめまほうてん)と書かれた看板が立てかけられている。中に入ってみると、彼の家はきちんと掃除をしている様で、物がきちんと整頓されている。整頓されていることをみる限り、きちんと物を大切にしている事が伺える。
「……ふぁ~あ。まだ眠ぃ。まあ、俺が昨日徹夜で作業してたのが原因だし、自業自得って言えばそこまでなんだよな~」
おっと、彼が起きてきたようだ。それでは、私は少し退散するとしよう。
「まあ、その徹夜のお蔭で『アレ』が完成したんだし、結果オーライってやつだろ。」
そう言いながら俺は、寝間着から何時もの普段着に着替える。
「……そういや、今何時だ?」
そういって、『あの人』がくれた時計には、いつも『アイツ』の所に行く時間よりも、まだまだ早い時間だった。
「まだ時間があるな。準備が終わっても、ちょっと時間が余るな。」
余った時間に何をするのか考えていると、
ピカーン
そんな音が聞こえてきたような気がするが、そんな事はどうでもいい。
(いいこと考えたぜ。何時もより早く行って、アイツを驚かせてやろう。ククク、アイツの驚いた顔が目に浮かぶぜ。)
そんな、自分でも下らなくて、しょうもない事を考えていたが、不思議と罪悪感を感じない。それはそうだ。これは滅多に無い、アイツを驚かせるチャンス……に、なるのか?
「さて、そうと決まればとっとと準備を済ませて、早めに行くか。」
俺は少しウキウキしながら急ぎめに準備を済ませていた。
「よ~し、終わったぜ。さあ!早速博麗神社にGO!だぜ!」
そう言いながら、俺は家を出た。
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魔法の森 上空
そう、勢い良く出てきたものの、
「暑ぃ~。そういや、今真夏だったな。くっそ~、もう少し薄着にすれば良かったぜ。暑くてたまんね~な。」
何時もの服で出てきた俺は、この真夏の太陽にやられていた。
「しょうがねぇ。下降りて歩いて行くか。時間掛かるけど、下の方が此処より涼しいだろ。あ~あ、これじゃあ何の為に早く家を出たんだか。」
そう愚痴りながら、俺は森の中に降りていった。
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魔法の森 地上
「…よっと。ふぃ~、大分楽になったぜ~。」
まだ少し暑いものの、空(うえ)よりは遥かに涼しい。
「おっと。あんまり此処にゃあ長いしない様にしないとな。」
あからさまな『敵意』に気付き、少し警戒しながら先程よりも歩幅を長く、そして早歩きをして、なるべく此処から離れていこうとする。ある程度離れると、感じていた『敵意』が突然消えた。
(ん。敵意が消えた。なる程、彼処はどっかの誰かさんの『縄張り』だったか。)
急に敵意が消えた事に、俺はそう結論し、警戒を解く。
「お。そろそろ出口か。案外速いもんだなぁ。」
そんな事を思いながらも、魔法の森を出る。
「さてと、ちょっとショートカットするか。」
そう言うと、此処から一番神社の近くに出る場所で、なるべく安全な場所の林に入る。…………それを見ていた『モノ』に気付かずに…。
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林 獣道
「………ふぃ~。博麗神社まであと少しだな。たくっ、思ったよりも時間が掛かっちまったぜ。」
俺は博麗神社まであと少しという事と、暑くて参っていた事もあり、少し油断していた。そのせいで、すぐ近くまで近付いてきた『それ』にすぐ反応出来なかった。
「グルオアアアアアアアアァァァ!!!」
そう、耳に擘く叫びがすぐ後ろから聞こえて来るの同時に、此方を狙う明らかな『殺気』を感じた。
「ッ!やべっ!」
その殺気に、俺は咄嗟に反応し、攻撃を回避しようとした。
その瞬間、『何か』が空気を切り裂く音が聞こえると同時に、俺の背中辺りに何か生暖かいモノがつたうのを感じた。
(……危ねー危ねー。もう少し反応が遅れてたら、背中だけじゃ済まなかったぜ。)
俺は、今攻撃して来た奴を観察する。
「グルルルルルル……」
(何だコイツ……熊か?それにしては、妙にデカいな。此処いらにここまでデカい熊なんていたか?)
俺は、妙にデカい熊に少々驚きつつも、体制を立て直し、拳を構える。
(……まあいい。ひとまずコイツには、少しおとなしくしてて貰うか。)
「ハァッ!」
拳を放つ。
その一撃が、熊の腹を捉える。
「グルアッ!」
熊が、その痛みに耐えきれず、小さい悲鳴を上げる。
(っし!決まったぜ!)
しかし、
(!)
「……グルオァ!」
熊が拳を振るう。
「危ねッ!」
その拳を後ろに跳ぶ事で回避する。
(…マジかよ。今のを喰らって耐えた!?普通の熊程度なら、今ので沈むのに。それに、相当デカいし。コイツ、一体何もんだ?ただの熊じゃあ無さそうだが。)
俺は横に跳んで、その反動で近くの木の陰に隠れる。
(…そういえば……)
俺は、木の陰に隠れて熊の様子を窺いながら、アイツが前に言っていた事を思い出した。
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ーー『ねえ魔理沙、知ってる?この頃この近くで、凶暴な獣に襲われた、っていう事件が多発してるんですって。』ーー
ーー『凶暴な獣に襲われたぁ?何だよそれ、妖怪か?』ーー
ーー『違うわよ。何でも、襲われた人の話によるとね?普通よりも大きい熊が居て、そいつがいきなり襲ってきたんですって。』ーー
ーー『ふ~んデカい熊ねぇ。』ーー
ーー『ただデカいだけじゃないわ。その時、ちょうど慧音さんが通りかかって、助けてくれたそうなんだけど………』ーー
ーー『そうなんだけど?』ーー
ーー『…その熊、慧音さんの頭突きに耐えたそうよ。』ーー
ーー『ハァ!?マジかよ!?それが本当なら、そいつ相当堅ぇぞ!?』ーー
ーー『それに、慧音さんも少し怪我したって聞いたし。そいつ、ただの獣にしては中々厄介よ。』ーー
ーー『それなら、とっとと捕まえて退治すりゃいいじゃないか。』ーー
ーー『それが出来たらさっさとしてるっての。その熊、人を襲う時間がそれぞれ違うから、何時出て来るのかが特定出来ないのよ。』ーー
ーー『ふ~ん。なるほどねぇ。』ーー
ーー『だから、アンタも気をつけなさいよ。もしかしたら、アンタの『アレ』も効かないかもしれないんだから。』ーー
ーー『そこまでじゃあ無いとおもうんだが。まあ、了解。せいぜい気をつけとくぜ。』ーー
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(……成る程、コイツはその熊だな。道理で俺が本気で殴っても平気でピンピンしてる訳だせ。)
そんな事を考えて、余所見をしていると、
「グルアッ!」
隠れている木が、熊の鋭い爪によって、その半分以上を切り裂かれた。
(なっ!マジかよ。木を爪で切り倒した!?つくづくぶっ飛んだ熊だぜ。アイツに生半可な攻撃は効かないし、迂闊に近付くとあの爪の餌食になる。さて、どうするか。)
(…それなら、『アレ』を使うか。)
ある事を思い付いた俺は、木の陰から飛び出し、叫ぶ。
「おいっ!そこの熊!」
「…グル?」
「掛かってこい!てめぇを今からぶっ飛ばしてやるぜ!」
「……グルオアアアァァ!!」
熊が、その言葉に反応し、此方に向かって来た。
「…ふぅ~。」
俺は目を閉じ、体の力を抜いて、心を落ち着かせる。
「……………」
「グルオアアアァァ!!」
熊がすぐ近くまで肉薄して来た。
「グルアッ!」
熊がその強力な爪を使い、魔理沙を切り裂かんとする勢いで振るう。
「………!『ーー』!!」
魔理沙が閉じていた目を開き、ある単語(ワード)を唱えると同時に、その拳を放つ。それとほぼ同時に鮮血が舞う。その血は一体、どこから吹き出した物なのか。
「グルオアアアアアアァァァァァ!!」
その血は、熊の体から吹き出していた。
「グルオアアアアアァァァァァァァ………」
熊が断末魔と共に、後ろに倒れ込んだ。
「……ふぅ~。何とか成ったぜ」
そう安心していると、
「…ん?………ああああああああ!」
突然魔理沙が叫ぶ。
「くそ~!返り血が服にかかっちまったぜ。これ、使った後いつも思うんだけど、洗うの大変何だよな~。あんまり血がかからない様にしないと。…そうなると、この技を使うなって事になるんだよな~。難儀なもんだぜ…。」
この後の洗濯での苦労を思い出し、もう少し何とかならないものかと考えていると、
「…そうだ、コイツ、どうしよう。」
此処で、自身が倒した熊をどうするかと考えていると、
「……まあ、ほっとけばその内人里の方がなんとかするだろ。」
熊の後処理をせずに、その場から立ち去る。
(思ったより時間掛かっちまったな。遅れた分、急がないとな)
もう結構前にその時間は過ぎているのだか、魔理沙はそれを知らない。
(もう直ぐだし、飛んで行くか。)
魔理沙は空へと舞う。
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博麗神社 境内
「よし、着いた。」
アイツに聞こえる様に、なるべく大きな声で叫ぶ。
「お~い!『霊夢』!来てやったぜ~!!」
神社の奥から足音が聞こえて来る。
「…魔理沙アンタ、なによその格好。」
「いや~。これには深~い事情があってだな。」
「…まあ良いわ。上がりなさい、魔理沙。」
「おうっ。そうさせて貰うぜ、霊夢。」
神社から出て来た奴は、『博麗霊夢』。この俺、霧雨魔理沙の、たった一人の親友だ。
魔理沙が熊に放った技は、後々解ります。
次で、プロローグを終わりにしたいと思います。相変わらず不定期更新なので、もしかしたら投稿するのが遅くなるかもしれません。