東方幻異伝   作:村正 ブレード

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 四個目。今回は、前回よりも文字数が少ないです。
 今回の話はほのぼの展開です。
 それでは早速、第参幕『始まりの前夜』、始まります!


第参幕『始まりの前夜』

 博麗神社 縁側

 

 

 此処は、博麗神社の縁側。其処には、二人の男女が茶を飲みながら、何やら話していた。

 

 「ハアッ!?あの熊を倒した!?」

 

 少女、博麗霊夢が驚きに満ちた顔で少年、霧雨魔理沙に言う。

 

 「おう。此処に来る前に襲われてな。いや~、思ったよりもデカいわ堅いわで、倒すのに苦労したぜ~。」

 

 魔理沙は、あの熊を倒したという事を、霊夢に自慢気に言う。

 

 「……その熊、きちんと『処理』、したんでしょうね?まさか、そのままにして来た、なんて言わないわよね?」

 

 「え゛。も、もちろんちゃんと処理して来たぜ。」

 

 「…ふ~ん。ま、ちゃんと処理して来たなら良いわ。」

 

 霊夢にその問いを投げかけられた魔理沙は、あからさまに動揺していた。その時魔理沙は、

 

 (や、やべ~。処理して来るの忘れたんだぜ。ま、まあ、あんなに血を流してたんだから、あの熊でも死んでるだろ。うん。そうに違いない。てか、これは完全にバレてるだろ。)

 

 霊夢は勘が相当鋭いからな、と付け加える。その霊夢は、

 

 (あからさまに動揺してるって事は、嘘ね。こんなの、私じゃ無くても解るでしょ。ま、私は寛大だから、コイツには言わないでおいてやるけどね。)

 

 それ、自分で言って良いのだろうか。

 

 「良いのよ、別に。」

 

 「どうしたんだぜ、霊夢。突然変な事言って。」

 

 「何でもないわよ、何でも。」

 

 地の文に反応しないで欲しいものである。リアルでヒヤッとするから。

 

 「そうだ、霊夢。」

 

 魔理沙が腕をポンとしながら霊夢に言う。

 

 「何よ魔理沙、家に監視カメラでも着けられてたの?」

 

 「いやいや、違うから。監視カメラなんて無いから。そうじゃ無くて、『アレ』が完成したんだよ。」

 

 「『アレ』?何よそれ。」

 

 霊夢が不思議そうに魔理沙に聞く。

 

 「あれ、言って無かったか?まあいいか。」

 

 「おい。」

 

 霊夢が魔理沙にキレのあるツッコミをいれる。

 

 「よし。なら、今見せてやるよ。ん~と、どれにするかな。」

 

 魔理沙が、何やらブツブツ言いながら近くの木を見ている。

 

 (魔理沙の奴、一体何をする気なのかしら。)

 

 霊夢が、そんな事をしている魔理沙を見て、不思議そうにしている。

 

 「…………よし、コイツにするぜ。この中じゃ一番デカくて丈夫そうだしな。」

 

 魔理沙が立ち止まったのは、神社の近くでは一番立派な木だ。

 

 「え~っと確か、ここら辺に~、お、有った有った。」

 

 魔理沙が懐から取り出したのは、手の甲の部分に五芒星の入った魔法陣が書かれたグローブだ。

 

 「そんじゃま、やりますかね。」

 

 「?」

 

 魔理沙がそのグローブを両手に着け、拳を構える。それを霊夢は、相変わらず不思議そうにしているだけだ。

 

 「いくぜ……。……オラッ!」

 

 拳で木を殴りつけ、その衝撃で木が大きく揺れる。

 

 「『(break)』!!」

 

 魔理沙がある単語(ワード)を唱えると、木に先程とは比べ物にならない程の衝撃が襲う。その衝撃で、木が幹の途中から木っ端微塵に砕ける。

 

 「……………(ポカーン)」

 

 霊夢は、今起きた現象に驚いて居るのか、言葉を失っている。

 

 「…おお~、凄ぇな。コイツの威力が前と比べて格段に跳ね上がってるぜ。」

 

 「……ハッ、ま、魔理沙!あ、アンタ、今一体何したのよ!」

 

 正気に戻った霊夢が慌てた様子で魔理沙に問う。

 

 「ん?……ああ。今のは、『(break)』でこの木を砕いたんだぜ。」

 

 魔理沙が当たり前の様に霊夢の問いに答える。

 

 「はぁ?」

 

 「だから、『(break)』でこの木をーー」

 

 「それは解ってるわよ!でも確か、えーっと、そのぶ、ぶれ何とかって、ここまでの威力が有ったかしら?精々、木に大きな(ひび)が入るぐらいだったような気がするんだけど。」

 

 霊夢が魔理沙に確認する様に聞く。

 

 「『(break)』な。ああ、その事か。それは、コイツのお蔭なんだぜ。」

 

 そう言って魔理沙が見せてきたのは、先程懐から取り出したグローブだ。

 

 「そういえば、それ何なの?見たところ、そこまで特殊な物じゃ無い物みたいに見えるけど。」

 

 霊夢が指をそのグローブに向かって向ける。

 

 「おお、よく聞いてくれた。コイツはな、俺が作った魔法の威力を格段に上げる事が出来る『魔法道具(マジックアイテム)』なんだぜ。因みに、名前はまだ決まってないぜ!何たって、今朝出来たからな。」

 

 魔理沙が自慢気に霊夢に言う。

 

 霊夢が溜息をついて魔理沙に問う。

 

 「……なんでそんな物作ったのよ。」

 

 「ああ、ちょうど格闘系の威力増大の出来る魔法道具(マジックアイテム)が欲しかったからだな。」

 

 魔理沙が質問に答える。

 

 「格闘系の魔法って?」

 

 「珍しく質問が多いな。まあ、良いか。例えば今の『(break)』とかだな。」

 

 霊夢の其の問いに、魔理沙が霊夢に説明する。

 

 「ふ~ん。そう。色々有るのね。」

 

 「まあな。つっても、コイツはまだ試作段階だからな。今後使うか分からん。」

 

 魔理沙がハッキリと言い切る。

 

 「っと、そろそろ帰る時間だな。」

 

 魔理沙が空を見上げて言う。

 

 「ん。もうそんな時間なのね。はぁ。今日は色々有って疲れたわ。」

 

 霊夢が疲れた様に言う。

 

 「じゃあな、霊夢。また明日な。」

 

 魔理沙が空に浮いて手を振りながら言う。

 

 「ん、じゃあね、魔理沙。また明日。」

 

 霊夢もまた、魔理沙に手を振る。

 

 「おうっ。じゃあなー。」

 

 あっという間に魔理沙の姿が見え無くなる。それを見た霊夢は、

 

 「……私もご飯の準備しなきゃね。」

 

 霊夢も茶を持って、部屋の中へ入り、襖を閉めた。

 




 備考・補足

 処理 トドメを指す事

 単語魔法(ワードマジック) 魔理沙が使う、音声認証で発動する魔法。欠点は、言葉を発せないと、発動出来ないこと。

 グローブ(マジックアイテム) 格闘系の魔法の威力を格段に跳ね上げる魔法道具(マジックアイテム)。試作段階の実験作。名前は無い。魔理沙作。

 出て来た技

 『壊(break)』 相手に攻撃を放った後、その拳よりも威力の高い一撃を相手の放つ技。簡単に言うとパイルバンカー

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