今回の話はほのぼの展開です。
それでは早速、第参幕『始まりの前夜』、始まります!
博麗神社 縁側
此処は、博麗神社の縁側。其処には、二人の男女が茶を飲みながら、何やら話していた。
「ハアッ!?あの熊を倒した!?」
少女、博麗霊夢が驚きに満ちた顔で少年、霧雨魔理沙に言う。
「おう。此処に来る前に襲われてな。いや~、思ったよりもデカいわ堅いわで、倒すのに苦労したぜ~。」
魔理沙は、あの熊を倒したという事を、霊夢に自慢気に言う。
「……その熊、きちんと『処理』、したんでしょうね?まさか、そのままにして来た、なんて言わないわよね?」
「え゛。も、もちろんちゃんと処理して来たぜ。」
「…ふ~ん。ま、ちゃんと処理して来たなら良いわ。」
霊夢にその問いを投げかけられた魔理沙は、あからさまに動揺していた。その時魔理沙は、
(や、やべ~。処理して来るの忘れたんだぜ。ま、まあ、あんなに血を流してたんだから、あの熊でも死んでるだろ。うん。そうに違いない。てか、これは完全にバレてるだろ。)
霊夢は勘が相当鋭いからな、と付け加える。その霊夢は、
(あからさまに動揺してるって事は、嘘ね。こんなの、私じゃ無くても解るでしょ。ま、私は寛大だから、コイツには言わないでおいてやるけどね。)
それ、自分で言って良いのだろうか。
「良いのよ、別に。」
「どうしたんだぜ、霊夢。突然変な事言って。」
「何でもないわよ、何でも。」
地の文に反応しないで欲しいものである。リアルでヒヤッとするから。
「そうだ、霊夢。」
魔理沙が腕をポンとしながら霊夢に言う。
「何よ魔理沙、家に監視カメラでも着けられてたの?」
「いやいや、違うから。監視カメラなんて無いから。そうじゃ無くて、『アレ』が完成したんだよ。」
「『アレ』?何よそれ。」
霊夢が不思議そうに魔理沙に聞く。
「あれ、言って無かったか?まあいいか。」
「おい。」
霊夢が魔理沙にキレのあるツッコミをいれる。
「よし。なら、今見せてやるよ。ん~と、どれにするかな。」
魔理沙が、何やらブツブツ言いながら近くの木を見ている。
(魔理沙の奴、一体何をする気なのかしら。)
霊夢が、そんな事をしている魔理沙を見て、不思議そうにしている。
「…………よし、コイツにするぜ。この中じゃ一番デカくて丈夫そうだしな。」
魔理沙が立ち止まったのは、神社の近くでは一番立派な木だ。
「え~っと確か、ここら辺に~、お、有った有った。」
魔理沙が懐から取り出したのは、手の甲の部分に五芒星の入った魔法陣が書かれたグローブだ。
「そんじゃま、やりますかね。」
「?」
魔理沙がそのグローブを両手に着け、拳を構える。それを霊夢は、相変わらず不思議そうにしているだけだ。
「いくぜ……。……オラッ!」
拳で木を殴りつけ、その衝撃で木が大きく揺れる。
「『
魔理沙がある単語(ワード)を唱えると、木に先程とは比べ物にならない程の衝撃が襲う。その衝撃で、木が幹の途中から木っ端微塵に砕ける。
「……………(ポカーン)」
霊夢は、今起きた現象に驚いて居るのか、言葉を失っている。
「…おお~、凄ぇな。コイツの威力が前と比べて格段に跳ね上がってるぜ。」
「……ハッ、ま、魔理沙!あ、アンタ、今一体何したのよ!」
正気に戻った霊夢が慌てた様子で魔理沙に問う。
「ん?……ああ。今のは、『
魔理沙が当たり前の様に霊夢の問いに答える。
「はぁ?」
「だから、『
「それは解ってるわよ!でも確か、えーっと、そのぶ、ぶれ何とかって、ここまでの威力が有ったかしら?精々、木に大きな
霊夢が魔理沙に確認する様に聞く。
「『
そう言って魔理沙が見せてきたのは、先程懐から取り出したグローブだ。
「そういえば、それ何なの?見たところ、そこまで特殊な物じゃ無い物みたいに見えるけど。」
霊夢が指をそのグローブに向かって向ける。
「おお、よく聞いてくれた。コイツはな、俺が作った魔法の威力を格段に上げる事が出来る『
魔理沙が自慢気に霊夢に言う。
霊夢が溜息をついて魔理沙に問う。
「……なんでそんな物作ったのよ。」
「ああ、ちょうど格闘系の威力増大の出来る
魔理沙が質問に答える。
「格闘系の魔法って?」
「珍しく質問が多いな。まあ、良いか。例えば今の『
霊夢の其の問いに、魔理沙が霊夢に説明する。
「ふ~ん。そう。色々有るのね。」
「まあな。つっても、コイツはまだ試作段階だからな。今後使うか分からん。」
魔理沙がハッキリと言い切る。
「っと、そろそろ帰る時間だな。」
魔理沙が空を見上げて言う。
「ん。もうそんな時間なのね。はぁ。今日は色々有って疲れたわ。」
霊夢が疲れた様に言う。
「じゃあな、霊夢。また明日な。」
魔理沙が空に浮いて手を振りながら言う。
「ん、じゃあね、魔理沙。また明日。」
霊夢もまた、魔理沙に手を振る。
「おうっ。じゃあなー。」
あっという間に魔理沙の姿が見え無くなる。それを見た霊夢は、
「……私もご飯の準備しなきゃね。」
霊夢も茶を持って、部屋の中へ入り、襖を閉めた。
備考・補足
処理 トドメを指す事
単語魔法(ワードマジック) 魔理沙が使う、音声認証で発動する魔法。欠点は、言葉を発せないと、発動出来ないこと。
グローブ(マジックアイテム) 格闘系の魔法の威力を格段に跳ね上げる魔法道具(マジックアイテム)。試作段階の実験作。名前は無い。魔理沙作。
出て来た技
『壊(break)』 相手に攻撃を放った後、その拳よりも威力の高い一撃を相手の放つ技。簡単に言うとパイルバンカー