博麗神社 境内 巳一刻
「……準備は出来た、玄爺にも御飯あげた。あとは……。」
あの後、魔理沙は異変解決に行くと言って直ぐに帰って行った。其の時、何故そんなに急ぐのかと聞くと、『あの霧は高度な術式が編まれて出来てんだ。下手したら、霧が覆うだけじゃ無いかも知れねえからな、急いで損はねえだろ。』だそうだ。
私は魔法に関しては無知に等しい。となると、異変の解決方法は一つ。
「霧が発生している場所に乗り込んで霧を出している奴を退治するしかないわね。」
……………………。
そう意気込んで出発したはいいけど、私は立ち往生していた。それもその筈、今は手掛かりが殆どない状態だ。
「何処かで情報を集めないと話に成らないわね。何処かにいい情報を持っているのはいないのかしら。」
とは言っても、そんな奴は早々居ないだろう。
「……それにしても、どうして妖怪の気配が殆ど―――ッ!!」
突然、全身に悪寒が走る。今すぐそこから離れろと直感が危険信号を発している。すぐさま私はその場から飛び退き、臨戦態勢をとる。
次の瞬間、先程までいた場所に黒い《何か》が降った。其れは絶えず蠢き続け、自身に言いようの無い不快感を与える。
「…………。」
「ーーーほう?此れを避けるとは、成る程。どうやら唯の人間では無いらしい。」
其の言葉と共に、闇を纏った少女が大地に降り立つ。其れに引き寄せられる様に、黒い何かーー《闇》が少女の身体に巻き付く。闇はそのまま、少女の中に溶けてゆく。
「………あんた、何者よ。」
「ふむ。まさか、我を知らぬ者が居ようとは。時が過ぎてゆくのは些か早い。」
「御託はいいわ、さっさと答えなさい。」
「………フッ。」
瞬間、少女から妖力が溢れ出す。風が吹き荒れ、森が悲鳴をあげる。 其れ等は少女の妖力の強大さを意味する。
「我が名は『空亡』。嘗て空を覆い隠し、暗黒の世界を創り上げた者なり。」
空亡。この幻想郷が創られる遥か昔ーーー古の時代に生まれ落ち、暴虐の限りを尽くした妖怪。闇そのものであるが故に実体を持たず、故に誰も手が出せない。だが、人妖が協力し多大な犠牲を払うも何とか封じ込める事が出来た。
ならば、今目の前に居るこいつは何だ?
偽物?否、あれ程の妖力を持つ者は十と居ない。
ならば本物?それも否。其れならば先程の攻撃で確実に
ならば彼女はーーー
「ふむ、驚いておる様だな。余程、我が此処にいるのが不思議な様だ。」
「………良く分かってるじゃない。」
「だが、ただ答えるのは詰まらん。知りたいのならば、我を倒して見せよ、人間。」
「……
次は多分戦闘シーン。あんまり期待しないで下さい