コードギアスlostcolors 優しさの色彩 作:オムロン
前回ご報告した通りこちらを優先させていただいています
他の話を楽しみにしている方々。
本当に申し訳ありません
ブリタニア軍に入ることを決めた翌日、ライはロイドの居る研究所に来ていた
正直、来たというには短すぎる距離だった
まさかロイドがいる研究所というのがまさか学園の目の前にある大学の事だとは思わなかった
「いらっしゃ~い。待っていたよ」
「よろしくお願いします。ロイドさん」
ロイドはまるで子どもの様にはしゃいでいる
そんなロイドは部屋のすみに置かれている物に近づいた
「はやくはやく!これに乗って!」
「何ですか?コレ」
そこには胴体だけのKMFが置かれていた
「KMFの戦闘シミュレーター。君のデータが少ないから採らせてもらうよ」
そう言ってロイドは半ば無理矢理シミュレーターにライを押し込んだ
中は本物のKMFと同じ造りになっていた
そのシミュレーターの画面には密林らしき風景が映しだされていた
「じゃあ。いってみようか♪シミュレーターには君に乗ってもらう機体のデータと開発中の装備のデータが入ってるからね」
「分かりました」
ライは素直にシミュレーターを始める事にした
シミュレーター画面に仮想敵ね数機のKMFが現れ、警告音がシミュレーター内で鳴り響いている
日本にいるレジスタンスがブリタニアのKMF『グラスゴー』を鹵獲し、造り出したコピー機体『無頼』
前回の戦闘でライが倒した機体だ
ライは意図も簡単に倒していくのをロイドは笑みを浮かべながら眺めていた
「あらスザク君。学校はもういいの?」
「はい。お陰さまで皆に顔を見せれました」
セシルとスザクはアッシュフォード学園に来ていた
以前、前にロイドが本国で造っていた試験機をエリア11に運んでもらうように本国の研究員に頼んでいた。
それが届いたと連絡があったので機体を受けとりトラックに乗せるためスザクはセシルに朝から引っ張り回されていた。
その機体を研究所のガレージに運び終わったのでセシルは少しでも学校に行くようにとスザクを無理矢理つれてきたのだ
「今日ですよね。新しいデヴァイサーが来るのは」
「そうよ。前回の戦闘で初陣でランスロットを乗りこなしたの子よ。稼働率は96%。驚異的な数値よ」
「一体どんな人なんですか?」
ロイドがランスロットのデヴァイサーをパーツ扱いしている事はデヴァイサー本人であるスザクがよく理解していた。
そのためデヴァイサー選びは慎重を期していた
そのロイドが自ら引き入れた新しいデヴァイサーとなればスザクでも気になる存在だった
「スザク君と同じ学校の生徒よ。名前は『ライ』」
「え!?もしかして銀髪の青年ですか!?」
「あら?もしかしてお友達?」
「はい。仲の良い友達です」
まさかライがデヴァイサーになるとは……
前からライの運動能力には目を見張るものがあった
だからライがデヴァイサーになることは不思議な事ではなかった
ライに会うのを楽しみにスザクは研究所に足を運んだ
「ロイドさん。ライは来ましたか?」
ロイドはシミュレーターの横にいた
よく見るとシミュレーターのハッチが閉まっていた
シミュレーターのハッチが閉まるのは使用中のみ……
シミュレーターに乗る人間はスザクだけのはずだが、今日からはもう一人増える事をセシルは思い出した
「ロイドさん!もしかしてシミュレーターを!何時から!?」
「う~ん。二時間くらいかな。今はコーネリア親衛隊の部隊と交戦中だよ」
「コーネリア親衛隊!?」
コーネリア皇女殿下の親衛隊と言えばブリタニア本国でも指折りの戦闘部隊
そんな相手を出すなど普通の人間なら考えられない
マッドサイエンティストのロイドだからこそこんな無茶な設定を実行してしまった
セシルが怒っているのを横目にロイドはライのデータに心踊らせていた
「見て。彼は完璧に『クラブ』を乗りこなしている。本当に優秀なパーツだよカレ」
ライの結果に酔いしれるロイドの姿にセシルの堪忍袋の緒が切れた
もう我慢の限界だ……
「今すぐシミュレーターは中止してください!」
「嫌だよ」
「中止してください!!」
「……分かりました」
セシルの鬼の形相を見て自分の命の危機を感じたロイドは素直に命令を実行した
シミュレーターの電源を落としたのを確認したセシルはロイドの首根っこを掴み奥の部屋に引きずっていった。
なにも知らないライはシミュレーターのシートから顔を出しそこにいると思っている相手を呼んだ
「もう終了ですか?ロイドさん」
その返事に答えたのはライが呼んだ人物からは帰ってこない……
変わりにその場にいた想定外の人物から言葉がとんできた
「ライ!やっぱり君だったんだね」
「スザク!?もしかしてもう一人のデヴァイサーって……」
「あぁ。僕の事だよ」
同世代の人だと聞いていたがまさか自分の友人だとは想像していなかった
スザクが一緒……
その事実だけでもライが抱いていた不安は少しは解消出来た気がした……
ロイド達を待っている間、ライとスザクは他愛ない話で時間を潰すことにした
「ライ君ごめんなさいね。ロイドさんにはキツく言っておくから!今日はここまでよ」
「分かりました」
今日はシミュレーターしかやることを知らない。
ならもうひとつの用事を早めてもらうため、受け付けに電話を借りに行く事にして、一旦研究所のガレージを後にした
「ライはこれからどうするんだい?」
ガレージに戻るとスザクは何時もの軍服から例の戦闘でライが身に付けていたパイロットスーツを着ていた。
実は先日の戦闘でライがランスロットを使ったためランスロットの設定が少し変わってしまったようだ。
普通のパイロットならその程度の変化なら問題は無いが、乗ったパイロットがライで使った機体がランスロットであれば少しの変化でも大きな事故を起こしかねない。
なのでスザクがランスロットの調整を1日かけてやるそうだ
自分が使ったためにこんなことになるとは……
スザクに対し少し申し訳ない気になったが、今日の用事は自分が頼んだ以上、断ることは出来なかった
「じつはミレイさんと約束があるんだ」
ショッピングモールに着き、待ち合わせの中央ホールに行くと見馴れたブロンドの美女、ライの面倒を見てくれるアッシュフォード家のご令嬢で、自称『ライの保護者』ミレイ・アッシュフォードが跳ねながらブロンドの髪をなびかせていた
「ラ~イ!こっちこっち!!」
「すみません。僕の我儘に付き合ってもらって」
「いいわよ。必要なんでしょ」
「はい」
「じゃあ後は私に任せなさい!」
そう言うとミレイは胸を張って目的のお店に入っていった。
ライも後に続いて入っていった。
二人で商品を見ていると周りの視線に気が付いた
お客様の大半が自分達を見ている気がする……
ミレイさんは美人だから目立つのは理解できるが視線は女性のものも含まれている……
契約中も担当の女性スタッフの熱い視線を感じる……
不思議に思っているとミレイが自分の考えに気が付いたようだが、たった一言、「鈍感ね……」っと……
何が鈍感なのか結局分からず、教えてももらえなかった
「ありがとうございます。僕じゃあ契約出来ませんから」
「やっぱりIDが無いのは不便ね~。何とか出来ればいいんだけど」
「取りあえずは問題なさそうなんでいいですよ」
確かにIDが無いと不便な事はある。
いや、不便な事の方が多い。
それでも生活出来ないほどではない
だが、それはミレイを含む生徒会メンバーと、ユフィのおかげでもある。つくづく自分は恵まれていると思った
すると、向かいのお店から見覚えのある赤い髪の毛をした女性が出てきた
「あれ?もしかしてカレン?」
「ミレイ会長とライ?何で二人が?」
確かにカレンの指摘は最もな事だ。
何時もならカレンがライの買い物に付き合っている
だが、今日はカレンの場所にはミレイがいる
カレンの顔に疑問と困惑と僅かながら怒りの様なものを読みといたライが説明をしようとするとミレイがライの腕に絡み付いてきた
「見て解らない?デートに決まってるでしょ!!」
「「デート!?」」
カレンとライは思わず声をあらげてしまった
ライの様子にミレイは面白くなさそうにこちらを見て文句を言ってきた
「何でライも驚くのよ!カレンにバレちゃうじゃない!」
「ライで遊ばないでください!」
「ごめんね~変わりにライをあげるから許して!」
「え!?」
そう言ってミレイはライの背中を押してカレンの方に行かせ、自分は反対方向に走って行った
「ライ。ちゃんとカレンを送るのよ~。そのままカレンにお持ち帰りされても大丈夫だから~!」
「そんな事しません!!」
「まったくミレイさんは……」
ミレイさんのお節介には迷惑することが多いが、たまには良いこともある。
ライは心の中で感謝の意をのべた
「じゃあ行こうかカレン」
「行くってどこに?」
「たまには何も考えずブラブラするのもいいんじゃないかな」
「……そうね。行きましょう」
最近は色々な事がありすぎた……
街に出て、自分の過去を探しユフィに出会ったり……
そのユフィにまた出逢い、テロに巻き込まれ、戦場に身を投じたり……
とにかく色々なありすぎた……
だからカレンと過ごすこの当たり前の時間がとても貴重なものに感じていた……
ライはカレンと列びながらショッピングモールを歩いて回った……
ショーウィンド内の物を一緒に眺めたり……
服屋に入り一緒に服を選んだり……
店員にカップルと間違われてそれを顔を赤くし必死で否定するカレンを見て、面白く感じ、同時に胸の奥が苦しくなるのを感じた……
彼女も自分の世界に『彩り』を加えてくれている人間の一人だと彼女が放つ印象の違う鮮烈な色を感じながらそう思った……
色々見るためにつれ回したカレンの身体を心配し、休憩のためカフェに入ることにした。
今日は調子が良さそうだがカレンは病弱。
いつ体調を崩すか分からない。
その事を考えながらコーヒーを二つ受け取り窓際の席に着いた
「そういえば何でミレイ会長と一緒に居たの?」
「コレを買うためだよ」
ライは自分が持っていた紙袋から箱を取り出した
中には蒼色をした長方形の機械が入っていた。
それには見覚えがあった。
カレンも良く利用しているものだった
「携帯電話?」
「そうだよ。でも僕にはIDが無いから……」
「変わりにミレイ会長が契約したのね」
軍に入ったときに連絡先を聞かれ答える事が出来なかった。
これからは呼び出しもあるとの事だったので、ミレイさんにブリタニア軍に入った事を報告した時に一緒にお願いしていたのだ
「じゃあ番号を教えて。私も教えるから」
「あぁ。いいよ」
この時カレンは自分がライの携帯電話に一番に登録されたと思って内心喜んでいたが、直ぐにぬか喜びになってしまった……
携帯電話の使い方がいまいち分からなかったライから携帯を借り、自分で登録をしようと電話帳を開いた時にそれが発覚した……
電話帳の一番上にある人物の名前が登録されていた……
『ミレイ』と……
その様子にライは流石だと思わず感心してしまった……