コードギアスlostcolors 優しさの色彩   作:オムロン

6 / 10
日間ランキングに入って思わずスクショしてしまいましたw
お気に入りも200件を越えて正直驚いています!
皆様に楽しんで頂けるように頑張ります!


第六話

モノレールの橋架下に隠れるように停められていた大型トレーラーの中にカレンはいた

ここはカレンが参加している黒の騎士団のアジトだ

先程までライと一緒に居れてカレンは至福の時を過ごしていた。

だが、喫茶店に入って少したった時、カレンに終わりを告げる電話がかかってきた。

ライとの一時は名残惜しいがゼロからの呼び出しを無視する事は出来なかった……

ライと別れてすぐにカレンはトレーラーに急いだ。

トレーラーの中に入るとそこには黒の騎士団の古株メンバー、扇、井上、玉城、杉山がくつろいでいた。

 

「すまないカレン。ゼロがどうしてもお前に頼みたい事があるみたいなんだ」

「ゼロが?」

「あぁ。なんでもこの写真の青年を調べて欲しいそうなんだ」

 

そうなんだ言って扇は懐から一枚の写真を取り出した。

写真には見覚えのあるアッシュフォード学園の生徒が写っていた

 

「これって……ライ」

「あら?もしかして知り合い?それとも彼氏とかだったりして!」

「彼氏って!?井上さん!私と彼はそんな関係じゃあ……」

 

井上にとっては冗談のつもりだったが、カレンの様子を見て冗談の領域を越えてしまったのが分かった

井上は面白い玩具を手にいれた

 

「ふ~ん……カレンが最近よく学園に行くのは彼目当てだったんだ~」

 

井上の言葉にカレンは顔を赤くしてうつむいてしまった

その姿は正に恋する乙女そのものだった

 

「けっ!ブリキ野郎のどこかいいんだよ!」

 

カレンの様子を面白くなさそうに見ていた玉城が思わず吠えた

 

「少なくとも玉城よりはマシだな」

「んだと!杉山!俺にケンカ売ってんのか!」

 

杉山の言葉に玉城が怒りを露にしたが、杉山も杉山以外のメンバーも全く相手にしなかった……

玉城が五月蝿いのはいつもの事だが杉山の指摘が的確すぎて何も言えないのが本音だった

そんな状況に呆れ果てたカレンはゼロの部屋に行くことにした

 

カレンが二階に行ったことを確認すると一階に残された扇達は再びカレンの話題に戻った

 

「……カレンがね~」

「彼氏か……」

「いいんじゃないか?彼氏がブリタニア人でも」

「だけどよ~」

 

正直、このような展開を誰も予測する事が出来なかった。

カレンが彼氏を作る事もそうだが、その相手がまさかブリタニア人を選ぶとは……

カレンはブリタニア人を嫌っていた……

理由は様々だが、その思いの大半を占めていたのは亡き兄のナオトが原因だった……

自分の大切な兄を奪ったブリタニアとそのブリタニア人を憎んでいたはずのカレンがまさかブリタニア人に恋するなど誰にも予想出来るはずがない……

 

「カレンが幸せならナオトも喜ぶよ」

 

カレンの兄、ナオトの親友でカレンの親代わりの扇が言った一言を聞き、そこにいるメンバーは何も言うことが出来なくなった……

 

 

「ゼロ。入ってもよろしいですか」

「カレンか。入れ」

 

ゼロの返事を聞き、カレンは自動ドアのセンサーに手をかざし、扉を開いた

 

「失礼します。私に調べて欲しい人物が居ると聞きましたが」

「……ライ」

「ご存じでしたか!?」

「中々優秀な人間らしいな」

 

ライがKMFを使いユーフェミアを助け出した事は学園で話題になるほど巷に知れわたっている。

ゼロの耳に入っていても不思議はなかった

 

「あの……出来れば彼を黒の騎士団に居れて貰えないでしょうか?」

 

それはカレンの心からの願い……

ライと共に居たい……

少し前までは諦めていた事だったが、今のライの状況なら一緒に黒の騎士団で居ることが出来るはず……

そう思い、ライに興味を示しているゼロに進言しても認められる可能性は十分にあると思った。

だが、ゼロから返ってきた言葉はカレンの思い描くものではなかった

 

「君の頼みなら聞いてあげたいがそれは無理だ……彼はブリタニア軍に入ったそうだ」

「そんな……」

 

ブリタニア軍に入った事はカレンには寝耳に水だった……

カレンは動揺を隠す事が出来なかった……

そんなカレンをよそ目にゼロは話を進めた。

 

「だが、優秀な人間をそう簡単に諦める訳にはいかない。そこで君に頼みたい事がある」

 

そう言ってゼロはカレンに容器の付いた綿棒を渡してきた

 

「彼のDNAをキョウトに送って調べたい。これで彼のDNAを入手して欲しい」

「……分かりました」

 

いくらゼロの頼みでもライを騙して勝手に調べる事には気が引けたが、ゼロの命令は絶対……

それに結果次第ではライが仲間になるかもしれない……

そんな小さな希望にカレンはすがるしかなかった……

 

 

「おはようライ」

「おはようカレン」

 

いつもの朝の光景……

いつもの様に回りがうるさい……

そう思いながらもカレンはゼロの頼み事を果たすために行動に出た

 

 

「今日良かったら一緒にお昼を食べない?御弁当を作ってきたの」

 

そう言うカレンの手には大きめのランチバッグがあった。

男性ならまだしも女性が口にするには多すぎる量だった

その量から察するに二人分あることが想像できた

 

「僕の分も?それならご一緒するよ」

 

ライはその昼食を楽しみに授業をうけた。

思わず授業中にも笑みをこぼしてしまった。

それを見たリヴァルの妬み嫉みの込められた視線を感じた……

 

 

 

午前の授業が終わり、ライとカレンは二人一緒に教室を後にした。

後にした教室からは女子達の黄色い叫び声と男子達の悔しさ混じりの雄叫びが響き渡っていた。

 

屋上での昼食も、カレンの手作り弁当も久しぶりだ。

思わずお弁当にがっついてしまった

その様子を見てカレンは思わず笑ってしまった

久しぶりのカレンとの昼食は笑いに包まれながら進んでいった

 

昼食を食べ終え、片付けをしていると、カレンの手が止まり、そしてカレンは自分のポーチからあるものを取り出した。

ゼロから渡されたものをライに手渡した

 

「ライ……コレ」

「綿棒?」

 

カレンから差し出されたのは普通の綿棒ではなかった。

綿棒の先にはキャップの様な小さな容器がついていた。

その様子は中の綿棒を外気に触れさせないための作りに見えた

 

「私の家の知り合いに優秀なお医者様がいるの。その人に頼んだら貴方のDNAを調べてくれるって言ってて……」

 

カレンは何故か視線を反らし、それ以上は何も言わなくなった。

カレンの様子にライは何か事情があることを読みといた。

普通なら断るべきだろう……

だが、ライはカレンの様子に心苦しくなった……

何故だか分からないがカレンには悲しんで欲しくなかった……

だから、カレンの提案を快諾した

 

 

「分かった。コレをどうすればいいの?」

「口の内側を擦ってくれればいいみたい」

 

それを聞き、ライは綿棒を口に入れ、頬の内側を少しこすり、綿棒を取り出すと取り付けられた容器に口をしてカレンに渡した

 

「これでいいの?」

「ありがとう。結果は直ぐに出るみたいだから」

「感謝するのは僕の方じゃないかな。ありがとうカレン」

 

その言葉にカレンは救われた……

事情がどうであれライを騙し、目的を果たすことに後ろめたさを感じていた……

だから、ライの言葉にカレンは救われた気がした。

 

 

 

 

「ライ君。少し血をくれないかな?」

「ロイドさん何を言っているんですか……」

 

授業が終わり、研究所に一目散で来たライを待っていたのはロイドの訳の分からない言葉だった……

 

「君の事を調べるためだよ。そのためにもここに来たんだよね」

「……覚えてたんですね」

 

正直、ロイドが忘れていたと思った……

だが、どうやら覚えてはいたようだ……

ただ、面倒臭かっただけだったようだ……

普通なら怒るべきなのだろうが、ここ数日のロイドとのやり取りで馴れてしまい、もう怒る気が起きなかった……

 

「セシル君が五月蝿くてね。早く腕を出して」

 

ライが腕を出すと、ロイドが手際よく注射器を用意し、針を血管に刺すとあっという間に血液を採取していった。

用意していた二つの容器はライの血液で満たされていった

 

「コレはブリタニア本国に送って本国のデータベースと照合してもらうから。

ブリタニア本国の人間だったら直ぐに身元が分かるよ」

「分からなくても君がどういう人間かは分かるはずだよ。血液には色々な情報があるからね」

「お願いします」

 

カレンにも頼んだが、それでも全てがわかるわけではない……

ロイドの方はちゃんとした機関に送ってくれるようで、カレンの方より詳しく調べてくれるだろう……

カレンの方はあくまで保険のつもりでいる事にした

 

「さて。セシル君に言われた事はやったから次は僕の方だね」

 

ライの血液を専用のケースにしまうとロイドは万勉の笑みを浮かべ席を立った

 

「ついてきて」

 

ロイドに先導され研究所のガレージに向かった。

ガレージ内に置かれたランスロットの前を通りすぎ、さらに奥の方に向かった

目的の場所に着いたようで、ロイドはライを待つように伝えると、自分はガレージの壁に付いているブレーカーの元に急いだ

 

「コレが君に乗ってもらうKMFだよ。」

 

ロイドがおもむろにガレージのライトに電源を容れた

余りの眩しさにライは思わず目をつぶった。

ライトに目が慣れた時、やっと目の前に佇むKMFが目に入った

 

「コレが僕のKMF……」

「『ランスロット・クラブ』通称、『クラブ』。ランスロットの量産計画の為に製造した試験機だよ」

 

そこにある機体は一見ランスロットの様に見えるが、ランスロットとは細部が少し変わっていた。

ランスロットとは違い、蒼と白で基調され、特に異質だったのはランスロットには付いていない頭部の角だ

その角の異質さにまるっきり別の機体である事がわかった

 

「君のデータに合わせて調整済さ。今日は御披露目だけ。明日からはコレを使って模擬戦をやってもらうから覚悟しておいてね」

「わかりました」

 

クラブを確認してライとロイドはガレージを後にした。

ガレージから帰ってくると研究所には有る人物が待っていた

 

「ライ!やっと戻って来ましたね」

「ユーフェミア副総督!?」

 

本来ここに来るはずのないユーフェミアがそこには居た。

ユーフェミアはこのエリア11の副総督。

本来なら政庁にいなければならない人物だ

ライに名前を呼ばれたユーフェミアは一瞬明るい表情になったが直ぐに表情が曇った……

 

「ユフィです……」

「はい?」

 

ライは思わず聞き返してしまった。

すると今度はちゃんと伝わるようにユーフェミアが叫ぶように言ってきた

 

「ユフィです!貴方にはユフィと呼んで欲しいのです!」

「いや、しかし……」

 

いくらユーフェミア自身の頼みでも流石にそれはマズイ……

特に彼女の姉には良くはとられないだろう……

また以前の様に罵られるに決まっている……

『この軟弱者がぁぁァ!!!』

頭の中に彼女の姉の怒号が響いた……

 

「だめ……でしょうか……」

 

ユーフェミアは涙目で上目遣い気味でこちらを見つめてきた。

その甘えた様な表情に思わず胸が高鳴ってしまった。

ライはもうどうでも良くなってしまった……

 

「!?ユフィがそれでいいなら……」

「本当ですか!?約束ですよ!」

 

ライの言葉を聞き、ユーフェミアは笑顔になった……

その笑顔はライの心に刻み込まれた……

思わず見惚れてしまった……

 

「ライ?」

「はっ!ところでユフィ。何で君がここに?」

「そうでした!!貴方達にお願いがあるのでした!」

「お願いですか?」

 

ユーフェミアからお願いは珍しい……

そもそも特派へのお願い自体が珍しい……

ロイドがこんな人間な為に特派自体が変人の集まりだと思われてある節があるため、ブリタニア軍内部で浮いた存在になっている

そんな特派にエリア11の副総督がお願いに来ているとなると、ただ事出はない気がした

 

 

「実は本国から視察のためにある方がエリア11に来られるのですが、その方が是非ランスロットと手合わせをさせて欲しいと……」

「こちらは大歓迎ですよ~」

 

ロイドはあっさり承諾した

ロイドは内容より、ランスロットが稼働できるという事実にしか興味がないようだ

何時もの事過ぎて驚く気すら起きなかった……

 

「そうですか!なら直ぐにお伝えしておきますね」

「ところで誰が来るの?」

 

こんな時期に視察が来るのは普通ではない。

まだ新しい総督と副総督が着任したばかりの状況で視察はあまり意味がない……

つまり、視察は二の次ということになる

誰が来るのか気にならない筈がない……

するとユーフェミアは思い出した様に説明を始めた

 

「御父様の騎士達……『ナイトオブラウンズ』の1人で、御姉様の学生時代の先輩だそうです。階級は『ナイトオブナイン』。名前は、ノネット・エニアグラム卿」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。