コードギアスlostcolors 優しさの色彩   作:オムロン

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長い間お待たせしてすみませんでした!
仕事が忙しくてなかなかな執筆できませんでした。
あと、前回、「あの男」とか書いていましたが、手直ししているうちに今回は出番が無くなってしまいました。
本当に申し訳ありません。



第八話

エニアグラム卿との戦闘から数日……

ライは何時もの平穏な日々を過ごしていた

エニアグラム卿に手酷くやられたクラブは大破とまではいかなかったが修理が必要になってしまった

元々、試験機であるクラブ。

ある意味、本来の役目を果たし、ロイドがランスロットのパーツを使い、改修が施される事になった。

元々のパーツが量産目的の低コストのパーツだった事も原因の1つではあったが、大半はライの機体の負荷を無視した過剰使用が原因だった

その為、ライはここ数日は退屈な毎日を過ごしていた

 

 

「はぁ~」

「また溜め息ついてる~ちゃんと仕事しなさい!」

「痛っ!」

 

ミレイのチョップがライの脳天に降り下ろされてきた

 

「ライまで仕事をやらなくなっちゃったら、この生徒会は終わりよ!」

 

そう言ってミレイはまるでミュージカルのように躍り回りその場で倒れ混むように床に伏せた

 

「分かりましたから、オーバーなリアクションしないでください」

 

今日、生徒会室にはライ以外にいるのはミレイとリヴァルだけだった。

シャーリーは水泳部の練習。

カレンはお休み

ニーナはライの顔を見るなり奥の部屋に隠れてしまった

ルルーシュは……何時ものごとく雲隠れ

スザクはロイドさんに振り回されている

どうやら貧乏クジを引いてしまったらしい……

 

そんな事を考えていると、ミレイが新しいミュージカルを始めたようだ

その様子をじっと見るリヴァル。

君はキャストじゃないんだな……

 

「最近。ライが可愛くないのよ~反抗期?お母さんは悲しいわ……」

「お母さんって……」

 

そう言ってミレイは何処からか取り出したハンカチで出てもいない涙を拭いていた。

ルルーシュがいないということは自分が突っ込まなければならないのか?

そんなとき、ポケットの中で携帯が動き出した

 

「もしもし。セシルさん。仕事ですか……はい。大丈夫です。すぐに行きます」

 

正直、今の状況にはわたりに船だった。

ライは急いで荷物をまとめ、生徒会室を後にした

 

「もしかして新たな恋!?」

「カレンにライバル出現!?相手は未知の歳上女性か!?」

 

生徒会室から何やらあらぬ疑いを掛けられているような会話が聞こえてきたが、無視して特派に急いだ

 

 

 

 

 

溜め息の理由は自分が良くわかっていた

エニアグラム卿との模擬戦で感じた感覚……

かつての雑兵との戦闘では味わうことの出来なかった感覚……

自分と同格、あるいはそれ以上の強敵との戦闘……

それからしか生まれない緊張感と高揚感……

自分の身が覚えていると訴えかけているその感覚をどう判断すればいいのか分からなかった……

 

 

 

 

 

セシルから頼まれた仕事は仕事というよりは御使いに近いものだった。

クラブの改修の費用をまとめた書類を政庁に届けるだけ……

あっさりと仕事を終えて、特派に戻る事にした

溜め息をつきながら、政庁の廊下を歩いていると以外な人物に呼び止められた。

 

「よう!こんな所で何をやっているんだ?」

「エニアグラム卿」

 

模擬戦以来初めて政庁で出会った。

今日はどうやらマントは羽織っていないようで以前のときとは少し服装が違って見えた

すると、にやけながら此方に近づき、ライの肩を掴み、言いはなった

 

「今から少し私に付き合え」

 

拒否する前にライはノネットの鍛えぬかれた屈強な腕に首をガッチリと挟まれてしまった。

挟まれながら、ずりずりとライはノネットに引きずられていった

さすがナイトオブラウンズ。

KMFの腕だけでなく、本人も相当鍛えているようだ

そのまま政庁内を引きずられいていくライを周りの人間たちは不思議そうな顔で見ていた

 

「ここは?」

 

政庁内を引きずり回されること数分。

ライとノネットはある部屋の前に立っていた。

会議室ほどの大きさのフローリング張りの部屋

中の壁には剣や槍が掛けられており、部屋の奥にはブリタニア軍の軍旗が掛けられていた。

 

「兵達の修練場だ。丁度。私の稽古相手を探していたんだ」

 

そう言ってノネットはライに向かって剣を投げてきた。

いくら練習用の剣であっても刃殺しをしてあるだけで、他は本物だ

ライは咄嗟に受け取ったが、あることを思い出していた

 

「すみません。自分は剣術が……」

 

記憶がない自分が剣術を使えるかわからないのだ……

だが、その事を言い終わる前にノネットが降り下ろした剣がライの頭に向かって降り下ろされてきた

 

「っ!?」

 

ライは反射的に自分の剣の刃の部分で受け、そのまま刃にそってノネットの剣の威力を利用し、受け流した。

 

「やはりな……かなりの手練れと見た」

 

その瞬間。ノネットの目が何時もの温和なものから、獣のような冷徹なものに変わったのをライは感じ取った

目の前にいるのは先程のお節介やきな人物。ノネットではなく、ナイトオブラウンズの一角。ノネット・エニアグラムに変わったのだと…

 

「いくぞ!」

「ぐっ!」

 

ノネットが再び降り下ろした剣を今度は剣で受け止めた

女性とは思えない力がライの剣から体に伝わり、ライは抵抗するために体に力を込める。

ノネットとライは鍔迫り合いの状態になった

 

「どうした!KMFで見せた剣をもう一度見せろ!」

「がぁっ!」

 

ノネットがライを引き離すためにライを蹴り飛ばした。

腹部を蹴り飛ばされあまりの苦しさにライは顔を歪める。

呼吸ができなくなり、片足をついた……

酸素が急激に減り、ライが意識を失いかけた瞬間……

ノネットは、ライからとてつもない殺気を感じ、咄嗟に身を引いた

正に、本能が感じ取った危険……

次の瞬間、自分の顔の横をライが突き上げた剣が、閃光のごとく、ものすごい速さで通過した

 

「うぉっ!?」

思わず声をあげたのはノネットだった

実際、ノネットが気が付いたのは自分の顔の横に突き上げられ、動かなくなったライの剣が目に入った時だった

 

「危ない!危うく顔を潰されていた」

「すみません……」

 

ノネットは冷や汗を拭きながら平然を装っていた

自分が冷や汗をかくほど攻撃を受けたのは何時ぶりだったか……

ましては自分が本能でしか感じ取れない攻撃はマリアンヌ王妃以来だった……

だか、その攻撃をした人物は自分の攻撃に謝りながら青ざめていた

 

「コーネリア殿下から話しは聞いていたが……そう言うことか……」

 

ライが先程、浮かない顔をしていた意味を理解した

廊下で見かけたあの時、あまりにも暗い顔をしていたために、ノネットは思わず声をかけてしまったのだ

 

「お前。自分の力について悩んでいるな」

 

その言葉を聴いたライの目が見開かれた事で、確信に変わった。

ノネットには模擬戦の時に感じていた違和感があった。

ライの腕は間違いなく一線級の領域だった。

だが、本人がその技をまるで使いこなせていない用に見えた

普通ならあり得ない

自分の技を使えない達人など居ない

コーネリアから記憶が無いことを聞き、納得はしたが、もうひとつ疑問が沸いた

彼は本当に危険がない人物なのだろうか……

どうやらその疑問は等の本人が一番悩んでいたようだ

 

「その力を捨てるのは惜しい。だが、意味のない力は悲劇しか生まない」

 

理由のない力はただの暴力だ。

本人もそれには気がついていたようで顔をに影を落としていた。

 

 

「見極めろ!自分の力の使い方を……使い道を……」

 

そう言ってノネットはライの肩を叩きながら、いつもの明るいノネットに戻っていた

 

「人生はまだ長い!その力を捨てるのもひとつの道だ!だから真剣に考えろ!お前のためにな」

「自分のために……」

 

ノネットはライをその場に残し、修練場を後にした

ノネットにかける言葉は先の言葉しか残っていなかった

これは本人が解決するしかない問題だ

その結果、ライが騎士であることを捨てたとしても、ノネットには止める権利などない……

 

「その役目は私ではないからな……」

 

そう呟きながらノネットは誰も居ない廊下を一人、目的も無くただただ前に進んでいった……

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