武林の誉れに恋しなさい!   作:水華

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東西交流戦の順番を学年順にしました。
一年生 → 二年生 → 三年生
あと好きなキャラを後先考えずに投入する為、収集が後半に収集がつかなくなりそう・・・


序章-東西交流戦

神奈川県川神市。

武術の総本山・川神院が有る影響で武術が盛んに取組まれており、常に誰かの気が満ちている為に動植物が独自の発展と進化を遂げ、他の市では見られない物が数多く存在する。

 

そんな川神に有る学園、川神学園も他の学園とは異なる特徴が多々ありその代表的なのが生徒の自主性、競争意識を尊重するために決闘、というユニークなシステムが採用されている。

そして、川神学園と姉妹校となる福岡の天神館が修学旅行を利用して川神を訪れ東西交流戦なるイベントが開催されていた。

 

東西交流戦、各学年毎に200名を選出して(いくさ)を行う川神らしいイベントだ。

 

初日、川神学園一年生 対 天神館一年生

結果は川神学園の大将が何をとち狂ったか、突撃し包囲されあっけなく天神館の勝利。

 

2日目、川神学園二年生 対 天神館二年生

九鬼の御曹司がカリスマを発揮して学年を纏め上げ、互角の戦況を演出し、徐々に天神館を追い込む。

最後は隠れて居た天神館の大将を川神の知将が見つけ、上空より乱入した女の子が討ち取った。

 

最終日、川神学園三年生 対 天神館三年生

世界のMO・MO・YOと(うた)われる武神、川神百代が居ることで結果が見えており、川神学園側の空気は既に祝勝ムードだった。

 

◆◆◆◆◆◆

 

九鬼財閥が保有する廃工場の煙突の上に1人の老人が佇んでいた。

 

「よお、師匠こんな所で黄昏てどうした、とうとうボケが始まったか?」

其処に声を掛けて来たのは白いコートに白い帽子、葉巻を咥えたマフィアの様な風体の鍋島正だった。

「喧しい、ワシはまだまだ現役じゃ!」

「はいはい、そうですかい」

 

「ところで正よ、本当に良いのか?」

老人、川神鉄心が鍋島正に問う、と言うのも川神学園学長の鉄心は天神館館長の鍋島に約10倍の増員を提案したが、正はそれを拒否して最終日を迎えていた。

「あぁその事ですか、良いんですよそれで」

「しかしのぉ」

 

「まぁ面白いものが見れますから楽しみにしていてくださいよ師匠。」

鍋島館長の余裕の態度に鉄心学長は渋々引下り、舞台の廃工場に視線を移した。

 

―川神side―

 

天神館側を眺め一人の少年直江大和は思案していた、周りは既に祝勝ムードで浮足立っているが、天神館側に焦りの色が見えないからだ。

【変だな、既に天神館の勝利は絶望的なのに焦りや悲壮感が無い・・・】

 

「弟~どうした黄昏て?、昔の病気でも再発したか?」

「ね、姉さん!?、当たってる!」

「フフ、嬉しいくせに」

其処に川神百代が現れて大和に抱き付き胸を押し当てた。

因みに弟と呼んでいるが、実の兄弟では無く舎弟契約により大和は百代の弟分になっていた。

 

「良いな大和、モモ先輩!俺なら何時でもウェルカムです。」

「え~、ごつごつしてて汗臭そうだから嫌だ。」

「グハッ」

「ガクトじゃ無理だから諦めなよ」

名乗りを上げたのは長身にムキムキに鍛えた筋肉が特徴の島津岳人、そして岳人を慰めているのか貶しているのか良く分からないのが師岡卓也、通称モロ。

「それより如何したの大和?、性の悩みなら私が解決してあげる。」

「お友達で」

「だから・・・先回りされた、でも好き」

ドサクサに紛れて告白したのは大和をこよなく愛する椎名京

 

「それで何が気になるんだ?」

「クリス・・・気のせいかも知れないけど天神館に負けたと言う悲壮感が感じられなくて...」

「おっ!軍師の勘か?でも考え過ぎじゃね」

「そうよ、お姉様が負けるはず無いもの!」

再度、金髪のクリスが大和に問い、それに大和が答えたが、リーダーの風間翔一とファミリーのマスコット的存在の川神一子がそれを考えすぎだと否定する。

 

「でも確かに敗者特有の悲壮感がありませんね」

『まだ、勝負は分からないって感じだな』

しかし、日本刀を携えた壁越えの実力を持つ(まゆずみ)由紀江とその手に乗っている馬のストラップ 松風(まつかぜ)が大和の考えに同意を示す。

 

「なんにしても楽しめそうだ。」

大和から離れた川神百代が獰猛(どうもう)な笑みを浮かべる。

「時間だし行ってくる。」

そして百代は戦場に向かった。

 

◆◆◆◆◆◆

 

『これより3回戦、川神学園三年生 対 天神館三年生を始める。』

 

『『『ウォー』』』

 

開始の合図と共に両陣営の先陣が打って出る。

そして開戦の瞬間にそれは起こった。

 

「空から美少女登場、まずはハッ!」

「「「ウワーー」」」

突如上空から現れた川神百代の無造作な蹴りの風圧で数名が吹き飛ばされた。

 

「何が有るか知らないが、早く出さないと全滅だぞ~」

「武神が来たー」「クソ、早過ぎる!」「一旦退けー」

 

「美少女を前に逃げるとは酷いニャ~、取合えず川神流無双正拳突き!」

さらに人数を減らす為に吹飛ばそうと川神流の奥義を放つ百代。

無残に空を舞う天神館の生徒・・・そんな予想は裏切られる事となった。

突如、生徒達の間から一人の人物が現れ、百代の無双正拳突きの風圧を上空へと受け流した。

「なっ!?」

まさか防がれると思っていなかった百代は驚愕し、次の瞬間には嬉しそうな笑顔を見せ始めた。

 

「やれやれ、私の出番は中盤から終盤だと思っていたのだがな。」

そこには漢服を(まとい)天女(てんにょ)のような羽衣(はごろも)を付けた百代に劣らず、絶世と形容出来るような美貌の女性が佇んでいた。

羅濠(らごう)姉さん!」「武神の一撃を止めた!」「さすが姉さんだ。」

驚愕に固まる川神学園側とは対象的に天神館側の士気は高揚し始めた。

 

「お前達、武神は任せて他に当たりなさい!」

「「はい羅濠姉「さん」「様」」」

翠蓮の指示に天神館の生徒は迅速に散開していった。

 

「カワユイ子が出てきたな、しかも私の一撃を受け流すとは愉しみだ♪」

「噂どおりの戦闘狂か...まぁ()い、姓は()(あざな)(ごう)、名は翠蓮(すいれん) 悪いが暫く足を止めさせて貰おう。」

「川神流、川神百代、さぁ愉しもう!!」

 

百代が翠蓮に向かって突っ込み拳を繰り出すも翠蓮はその悉くを見切り、発剄と最小の動きで往なして行く。

痺れを切らした百代が大振り気味の一撃を繰出すと、その隙を見逃さず翠蓮は八卦掌の青蛇伏草(せいじゃふくそう)で絡め取り、投飛ばした。

 

「ははは、すごい!すごいぞ!!、もっと私を愉しませろ!」

「...貴方は私を舐めてるのか?、何故本気を出さないのです!!」

気分が高揚した百代とは対象的に翠蓮は怒りを露にしていた。

「?何を言って・・・私は本気だ!」

「・・・フム、無意識で行っているのか...環境が原因が?」

「ん?今なんて」

翠蓮が後半に呟いた内容が聞き取れずに百代が聞き返す。

 

「貴方には失望しました川神百代、もう相手をする価値もない!」

「っ!?」

翠蓮が縮地法を使い百代に急接近すると下から打上げるように拳を振るう。

大力金剛神功(だいりきこんごうしんこう)!」

百代は両腕をクロスして防ぐも膨大な圧縮した気を纏う拳の威力に成すすべ無く打ち上げられた。

 

大力金剛神功(だいりきこんごうしんこう)阿形(あぎょう)

翠蓮の背後に黄金に輝く偉丈夫(いじょうふ)が現れ、翠蓮の動きに合せて拳を振りかぶった。

「なっ!、これはジジイと同じ!?」

「終戦までに戻って来れたなら相手をしてあげましょう。崩拳(ほうけん)!」

そのまま百代は敷地の外へと吹飛ばされてしまった。

 

◆◆◆◆◆◆

 

―鉄心side―

 

「なっ!」

廃工場の煙突の上から百代が吹飛ばされるところを見ていた鉄心は驚愕に包まれていた。

「師匠、面白いものが見れただろ?」

鍋島は悪戯が成功した子供の様な笑みを見せていた。

 

「何じゃあの子は、百代を軽くあしらいよった?」

「昔、中国の江西省(こうせいしょう)廬山(ろざん)に天女が住むと聞いて興味本位で訪れた時に出会ってな、日本に興味を持っていたからうちに誘った。」

「廬山じゃと」

飛鳳門(フェイフォンイェン)って言えば分かるか?其処の出だ。」

「!?そうじゃったか」

 

―大和side―

 

風間ファミリーは百代が謎の漢服美女に吹飛ばされたと言う事実を受止められずにいた。

「なっ!姉さんが・・・負けた?」

「モモ先輩」「そんなお姉様」

「き、きっと何時もの手加減だよ」

「・・・・・・」

大和とクリス、一子は姉の敗北に驚愕し、モロは現実逃避、京は画面に映る謎の美女を睨み付けていた。

「スゲー」

「確かに、あの装甲はモモ先輩にも匹敵する」

風間は純粋に賞賛し、岳人は別の部分に視線を向けていたが、由紀江が勘違いして解説を始める。

「?、確かに強いです恐らくですが、全く本気を出していません。」

「「「!?」」」

由紀江の告げた事実に風間ファミリーの面々に再度衝撃が走った。

 

◆◆◆◆◆◆

 

―翠蓮side―

 

場面は戻って戦場へ、最大戦力の川神が吹飛ばされた事により川神学園の指揮が下がり逆に天神館の士気が高揚、戦況は一気に天神館側へと傾いた。

 

「ウォー姉さんにいい所見せるぞ!」「右舷が押されているぞ、5番隊を回せ!」

「羅濠姉さんに続けー」「アイーシャ様に勝利を捧げろ」「聖女様」

 

「・・・・・・」

翠蓮は後半に聞こえた叫びを無視して本陣に戻った。

 

「あら、翠蓮さんお疲れ様、怪我などありませんか?」

「アイーシャ・・・私は大丈夫だ、他の奴らを見てやってくれ」

「まぁまぁ、自分よりも他の人を優先するなんてさすがですわ、分かりました行って参ります。」

「・・・・・・」

【えっと、そんなおおげさな・・・】

 

翠蓮に話しかけたのはアイーシャ・アレキサンドル、天神館側の総大将を勤める女性で戦闘力は無いが、謎のカリスマと運、そして傍迷惑な能力がある為に推薦された。

因みに思い込んだら一直線な性格の為、翠蓮は少し苦手だったりする。

 

「翠蓮様、お疲れ様です。」

「...アリスか。」

「はい、翠蓮様のお陰で武神を戦場より排除出来ました、兵の士気も十分、このまま押し切るのも可能でしょうが・・・」

「分かっている、武神が戻る前に決着をつける必要がある。」

「その通りでございます。」

アリス・ルイーズ・オブ・ナヴァール、天神館の参謀を勤める頭脳派で作戦の立案と指揮を担当していた。

 

「それにうかうかしているとアイーシャが出そうだ」

「それは・・・」

二人の心配は武神だけで無く自陣の大将アイーシャにも有った。

この少女の性格と能力が敵だけで無く味方も巻き込むとても厄介なもので扱いに注意が必要だからだ。

 

「それでは行って来る。」

「ご武運を」

 

その後、翠蓮が出陣した事で戦局は一気に天神館側へと傾き、急いで戻ってきた武神が翠蓮を見つけ突撃するも大将が討ち取られたアナウンスが流れ、天神館側の勝利となった。

 




武神と翠連の実力はほぼ互角で考えております。
しかし武神はスロースターターですが、翠連にそんなのはありませんので今回の結果になりました。

あとアイーシャは原作と同じで厄介な設定を多数保有しています。
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