武林の誉れに恋しなさい!   作:水華

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本章もコレで終わりです。
次章より『夏はイベントが盛り沢山!』(仮)になります。
リアルでも夏!昨日も花火が有りました♪

少し煮詰っていますが、夏が終るまでには開始します。
・・・ただ息抜きは必要だよね♪(※フラグにならないように気を付けます。)


閑話、日常その2

川神学園、3-Sの教室ではいつも通りの授業が行われていた。

教師が板書(ばんしょ)しながら説明し、生徒がノートに書き写す日常の風景。

 

本来であれば、何の変哲(へんてつ)も無い通常が(むし)ろ異常な事である。

ほんの数時間前、目と鼻の先である変態橋の河川敷で人の枠を越えた超人達によるバトルロイヤル、化物達の(うたげ)、神々の遊戯(ゆうぎ)、色々と比喩(ひゆ)したがブッチャケ災害級の破壊活動が有っても此処(ここ)では、『なんだ川神か』の一言で済んでしまうのだった。

翠蓮達が去り、鉄心、百代、ヒュームが学園に戻った後、河川敷では川神院の修行僧と九鬼の従者部隊による修復作業が行われ何事も無かったかの様になっていた。

 

キーンコーン、カーンコーン

 

「ん?時間か、今日はここまで!」

教師の合図に日直が号令を掛けて授業が終了し、(むか)えた休み時間。

S組みでは次の授業の準備と予習が行われるが、今回は少々毛色が違った。

 

「ん?」

ヒソヒソと何かを話す生徒達、ちらちらと盗み見る視線は翠蓮へと向けられていた。

【何事ですか?】

 

理由が分らず内心で首を傾げる翠蓮に2人の人影が近付く。

 

「羅濠よ、今少しいいか?」

「えぇ構いません、どうしました?」

話しかけたのは京極彦一(きょうごくひこいち)とその一歩後で歩いて来た葉桜清楚(はざくらせいそ)だった。

 

「意外なと言うか、(うわさ)の真相が知りたくてな」

「噂?」

何の事か分からずに首を傾げると清楚が続きを引き継いだ、心なしか顔が赤いが...

 

「あ、あのね羅濠ちゃん、今日彼氏が来てたでしょ?しかも肌を重ね会わせたって・・・その///」

「・・・」

顔を真っ赤に染め上げて言葉に詰まる清楚に対し翠蓮は暫し固まるが次の瞬間には叫んでいた。

 

「な、何ですかそれは!そんな事実は有りません!」

いきなり叫んだ翠蓮にビクッとしながらも

「えっ!?、そうなの?」「そうです!!」

「じゃあ一夜を供にして(みさお)(ささ)げたって言うのは?」

「していません、私はまだ処女です!」

「あっ!」「ハッ!!」

『『『グハッ!!!』』』

翠蓮の一言に周りで聞き耳を立てていた一部が鼻血を()いた。

そして自分が何を口ばしったか認識した翠蓮は羞恥(しゅうち)に顔を赤らめる。

 

「羅濠ちゃん・・・」

【おのれ、それもこれもあの剣術バカのせいです!】

心配そうな顔をする清楚、元はドニのせいとは言え失言に対して盛大な逆恨(さかうら)みをする翠蓮、そして。

 

【フム、面白い観察が出来たな、しかし羅濠なら記憶を奪えると思うが・・・黙っておくか】

京極は翠蓮レベルの言霊で彼等の記憶を消せると思いつつも教える事はしなかった。

 

◆◆◆◆◆◆

 

放課後、ある生徒は部活動に励み、ある生徒は早々に帰宅し、とある武術の心得がある生徒は英雄に(いど)んだりと思い思いに()ごしている中、(ごく)一部はダラケて居るが・・・、川神学園校舎の屋上で一人の生徒が黄昏(たそがれ)ていた。

 

「フッ、風が(さわ)いでやがる」

中二病的な発言をする生徒の名前は那須与一(なすよいち)、武士道プランの申し子の一人である。

「・・・与一」「ん?、アテナか」

そんな与一に声を掛けたのは同じく武士道プランの申し子のパラス・アテナ、唯一の女神のクローンである。

 

「貴方は相変らずのようだな」

「フッ、人の本質は早々変わらない、特に特異点としての宿命(しゅくめい)はな」

「・・・」

いつも通りの与一にアテナは複雑な顔(とは言ってもパッと見無表情だが)して(なが)める。

すると足元より1つの影が与一に向って()け出した。

 

「ワン!」「フッケルベロスか、特異点に()かれて顕現(けんげん)したか?」

「ワンワン!!」「だが、俺と言う特異点に近付き過ぎると、ただでは済まなくなるぞ」

「クゥーン」「クッ!?、そんな目で俺を見るんじゃない!」

「・・・・・・」

召喚(しょうかん)された・・・と言うか勝手に出て来たのはアテナの権能、眷属の力(キン・ザ・パワー)(ぞく)する眷属(けんぞく)が一体、白銀(はくぎん)の体毛をしたチワワ、とてもケルベロスには見えないが、なぜか命名(めいめい)した与一に(なつ)いており、周りも妥協(だきょう)して『ケロちゃん』と呼んでる。

 

そんな一人と一匹の()り取りをアテナは生温かい目で見守っていた。

 

「フッ、しょうがない少しだけだぞ?」

「ワン♪」

そう言って与一はベンチに座り、その(ひざ)の上にケロちゃんが嬉しそうに飛び込んで座り込むと与一は頭を()で始める。

 

「相変らず、ケロは与一に(なつ)いているな」

そう(つぶや)いて、アテナも与一の(となり)へと座る、(おだ)やかな空気が二人の間に流れた。

 

(しばら)くして、屋上へと近付く気配があった。

【これは、紋とヒューム、あとは・・・武蔵と井上だったか】

(かく)すつもりも無いのか、分り易い気配が屋上へと続くドアの前まで到達(とうたつ)し、次の瞬間には盛大に開けられた。

「フハハハハ、我顕現(けんげん)である!」

「・・・」「なんだ?」

毎度お約束の登場をした紋白に予想していたアテナとビックリしながら与一も視線を向けた。

 

「おぉヒュームの言った通りだな、探したぞアテナ!」

「なっ!?、与一テメェ、女神様と二人っきりで(うらや)ましい!如何(いかが)わしい事し『(やかま)しい!』…グハッ!」

行き成り(さけ)び出した井上をヒュームが蹴り飛ばす事で(だま)らせる。

「話しの腰を折ってしまい申し訳ありません紋様」

「良い、庶民(しょみん)の失敗を許すのも上に立つ者の(つと)めよ」

「ハッ、この者は保健室にでも()てておきます。」

「うむ、任せた」「ハッ!」

そしてヒュームが消え、3秒後には紋白の後に(ひか)えていた。

 

「それで、紋は(わらわ)に相談がある様だな・・・フム成程、場所を変えようか?」

「そうじゃな、そうしてくれると助かる、商店街の甘味処(かんみどころ)で良いか?」

「ああ、(わらわ)(かま)わぬよ、では与一、すまんがケロを頼んだぞ」

そう言って、与一とケロちゃんを残して紋白達とアテナは屋上を後にした、向うは甘味処!

 

ークリスsideー

 

時は流れて夕方、島津寮(しまずりょう)の前で金髪の女の子、クリスティアーネ・フリードリヒは人を待っていた。

 

そして(しばら)くしてクリスに近づく者がいた。

 

「すまないクリス、待たせたか?」

声を掛けて来たのはクリスの友達のリリアナ・クラニチャールだった。

それにクリスは笑顔で返事をする。

「いや大丈夫だ、それよりも先ずはようこそリリィ、島津寮へ♪」

「あぁ、暫く世話になる」

「取り敢えず中に入ろう、皆に紹介するぞ!」

二人は寮の中へと入って行った。

 

ー大和sideー

 

寮の中ではこれから来るリリィの話題で盛り上っていた。

「リリアナさんまだかな~」

「もうすぐ来ると思いますが」『そうだぜ、落ち着きな~』

そわそわするワン子を由紀江(ゆきえ)(たしな)める。

 

「どんな、可愛い子ちゃんか楽しみだな~」

「てか何で姉さん達が居るのさ」

呆れる大和、いま此処には住人である源忠勝と風間ファミリーの面々が(そろ)っていた。

 

「何だよ皆で楽しそうな事して、俺も入れろよな~」

「いや、キャンプ旅に出てたよね!」

()ねる風間にモロが突っ込む。

 

「くそ~俺様も見たかったぜ妖精、可愛いんだろうな~」

気絶して居て会えなかった岳人は一人(くや)しがる。

 

「弟は長く一緒に居たらしいな、どうだった?」

「えっ!?」

ニヤニヤしながら百代が大和に話を()る。

「なにぃ~(うらや)ましいぞ大和!」

 

「いや、結局道案内をしただけだから」

手を振りながら道案内だけだと主張する、実際その通りの結果だった為にその表情に少し影が差す。

 

【大和・・・】

一人の少女はそんな大和の心境を感じ取っているが、今はそっとしておいた方が良いと判断して黙っている。

 

「たく、お前ら五月蝿(うるさ)いぞ、まぁ近所迷惑にならないように注意しろ、それと面倒くせーからまとめて全員分の飯作るわ」

「えっ!?やった~ありがとうタッちゃん♪」

「あっ手伝います!」

そしてそんな風間ファミリーを健康的な不良、源忠勝が注意しながらも全員分のご飯を用意する、世間一般ではツン○レと呼ばれるものだが、指摘すると怒られるので黙っている。

ご飯が食べられる事にワン子が喜び、由紀江が手伝いを申出ていた。

 

そして二人が台所へ消えたのと入替(いれかわ)る様にクリス達が入って来た。

 

「おっ!来た来た♪」

「うぉぉぉ、マジで妖精だぜ!」

百代が嬉しそうに、岳人が興奮気味に言う。

 

「リリィ、紹介するぞ、私の仲間達だ!」

『『『よろしく!』』』

「・・・」

クリスの紹介に各々が返事をする、若干(じゃっかん)一名は無言だが...

 

「リリアナ・クラニチャールだ、こちらこそよろしく頼む」

リリィが笑顔で自己紹介をする。

 

「あれ?、リリアナさんちょっと良いか?」

「ん?、直江だったか、どうした?」

何かに気付いた大和がリリアナに問い掛ける、周りも何事かと大和に視線を送った。

 

「えっと、確かあの後ドニさんを追い掛けて行きましたよね?どうなりました?」

大和の質問にリリィが目に見えて落込む、その反応に何となく答えは分ったが...

 

「フフ、追い着けはしたさ、えぇしましたとも、しかし連れて帰ろうとしたら何故か良く分らない者達に(かこ)まれて、何故か鉄パイプで襲ってくるし、迎撃していたら何時の間にかあのバカは居ないわ、何なんですか!...神は私が嫌いなのかハハ、アハハハ」

「おっおう...」

(うつ)ろな目で(つぶや)くリリィに大和だけで無く回りも少し引いていた、ドニが吹き飛ばされた先は親不孝通りで治安が悪い事で有名だ、そしてリリィ達はその容姿(ようし)も含めて目立っており、不良達に囲まれてしまったのだった。

 

「ハッ!すまない、見苦しい所を見せてしまった。」

「いや、苦労している事は分った、お互い頑張ろう」

大和が右手を出して握手(あくしゅ)を求める、リリィも大和が同じ様な苦労を背負っている事を(さっ)しながら右手を握って握手を交すのだった。

 

「なんだろう?何かあの二人に同じものを感じるわ」

「ワン子もか?俺もだ」

【くっ、大和と距離を縮めるなんて、要注意なんだ!】

ワン子が呟き、風間もそれに同意する、京はリリィに対する警戒を高めた。

 

「おいおい、弟にしては手を出すのが早いな」

(おも)に姉さんの事が原因だよ!】

そんな二人を見て百代がチャチャを入れ、大和は内心でツッコム、声に出すとお仕置きされそうだからだ。

 

「大和ばかり、ズルいぞ!、次は俺様の番だ!」

そう言って岳人が前に出てリリィにアピールする。

 

「俺様は島津岳人って言います、もし良ければ今度お茶でも『あっ!あの時の』...えっ?」

岳人が筋肉をアピールしつつデートのお誘いをしようとするとリリィが何かを思い出した様に声を上げる。

 

「もう大丈夫なのか?、君は見た目と違って貧弱な様だからな、余り無理してはいかんぞ?」

「・・・ハ?」

岳人は勿論(もちろん)、周りも何を言っているのか理解出来ずに固まるが、いち早く再起動した大和が問い掛ける。

 

「あ、あのリリアナさん?ガクトが貧弱って?」

「ん?、彼は飛んできた(くし)にぶつかって気を失う程にひ弱なのでは無かったか?」

 

シーン...

 

静寂(せいじゃく)、そして。

「プッ、フハハハハ、ガクトが、貧弱って」

「そうだったのね、気付かなかったわ」

「何か知らんがドンマイ!」

「違う!!」

百代は盛大(せいだい)に大爆笑し、ワン子はホヘーと純粋に、そして風間の理解していない(はげ)ましに岳人は大声で否定する。

 

その後、事情を理解した大和とモロの説明でドニが原因だと理解したリリアナが申し訳なさそうに(あやま)り、そして騎士として説教が始まる。岳人の評価がひ弱な男から不意討(ふいう)ちの(すえ)、返討ちにされた男に変わった。

 

残念な岳人、だが本当に残念だったのは。

 

「うぅ、入るタイミングを逃しました。」

『ありゃ~まゆっちのこと忘れられてるなぁ』

(なみ)を流しながら入り口で楽しそうな面々を見る由紀江と松風(まつかぜ)だった。

 

◆◆◆◆◆◆

 

川神(やま)、その(ふもと)に建てられた一軒の(いおり)、そこは九鬼が用意した翠蓮達の拠点(きょてん)である。

川神山は霊山でこそないが、土地(がら)上、質は幾分(いくぶん)か落ちるが大量の気で満たされている為、翠蓮にとって都合が良かったのだ。

 

突如(とつじょ)、庵の前で気が高まり、そして(はじ)けた。

その場には移動の方術、縮地神功(しゅくちしんこう)神足通(しんそくつう)を使ったのだろう、翠蓮が(たたず)んでいた。

 

ー翠蓮sideー

 

「お帰りなさい、翠蓮」

「ふむ、出迎えご苦労です、天衣(たかえ)

縮地神功(しゅくちしんこう)の気の高まりで翠蓮が帰宅した事を(さと)っていた天衣が出迎える。

 

「何かありますか?」

庵に入った後、翠蓮は天衣に留守中の事を問い掛ける。

 

「翠蓮()てに手紙が来てました、コレです。」

天衣から手紙を受け取った翠蓮は宛名(あてな)を確認して(ほほ)(ゆる)む。

 

(くう)からですか」

(なつ)かしいですね、元気・・・いや、空は(つね)に元気でしたね】

梁山泊(りょうざんぱく)親友(ライバル)からの手紙で嬉しそうな雰囲気になっている翠蓮に気になった天衣が問い掛ける。

 

「あの、翠蓮?もし差支えなければ誰からの手紙か聞いても?」

【ん?、そう言えば天衣には話した事ありませんでした】

(かま)いません、コレは梁山泊に居る私の親友からの手紙です。」

 

「そうなのですか...」

嬉しそうに話す翠蓮に天衣は良く分らないがモヤモヤした物を感じていた。

 

そして封を切り、手紙を広げて読み始める。

少し読んで何かに目を見開き、()みを深くする。

【そう言う事ですか、えぇ(たの)しみにしておきますよ♪】

 

「あ、あの!今日はあの日ですよね?」

イキナリ大きな声を出した天衣にビックリしながらも答える。

「え、えぇそうですね、でもイキナリどうしたのです?」

「いえ、その、確認したかっただけで...」

 

目線を()らして主張(しゅちょう)する天衣を少し観察する翠蓮。

 

「!?」

嫉妬(しっと)ですか、しかも天衣は気付いていないようですね、ふふ、やはり天衣は可愛いですね♪】

 

恍惚(こうこつ)とした表情を浮かべる翠蓮。

「では天衣のおねだりに答えて少し早いが始めましょうか」

「えっ?別に催促(さいそく)しては『さぁ行きますよ』・・・はい///」

 

そして濃厚(のうこう)な夜は過ぎていった。

 




やってしまった、チワワの眷属化Σ!、だって...ねぇ?
すみません、ネタに走りました。
\(_ _。)ハンセイシテマス

そして友達運(E-)の由紀江さん・・・やばい自分でやっといて(なみだ)が出そう
(うд≦○);
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