武林の誉れに恋しなさい!   作:水華

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別の小説も書き始めて更新の頻度が下がってしまいましたが、ポケモンGOには飽きてしまったのでその分は早くなったかと...
(¬д¬;)目線そらし


水上体育祭-午後の部、前半

生徒達は持参(じさん)したお弁当や九鬼のメイド達が開いた海の家で振舞(ふるま)われる料理で腹を満たす、2-Fでは熊飼満(くまがいみつる)による料理が振舞われて居たりする蛇足(だそく)なので話しを戻す、そんな喧騒(けんそう)から少し離れた木陰(こかげ)に見目(うるわ)しい者達が集っていた。

 

3-Sより羅翠蓮、京極彦一、葉桜清楚、

3-Fより松永燕、川神百代、南條(なんじょう)・M・虎子(とらこ)

2-Fより直江大和、

そして天神館のアイーシャ・アレキサンドル、とても目を引く光景だが、此処(ここ)に突入出来る勇者は居なかった。

 

自然、嫉妬と言うか殺気は一人の人物に集中し、大和はとても居心地が悪かった。

 

「Oh、アイーシャ久しぶりネ」

「えぇ虎子さんもお久しぶりです♪」

笑顔で会話する二人を横目に百代は弟に問い掛ける。

 

「なぁ弟よあの可愛い子ちゃんは誰か分るか?」

「・・・(ねぇ)さん、この間の交流戦で大将だった人だよ」

 

『へ~』と(つぶや)きつつ、アイーシャを観察する、(たたず)まいや動作から武術の気配を感じ取れない事に首を(かし)げていると横から声が掛かる。

 

「モモちゃんの思っている通りだよ、天神館の聖女は武術家じゃないからねぇ」

「...燕」「松永先輩・・・」

二人は視線で説明を求め、それに燕は答える。

 

「アイーシャ・アレキサンドル、天神館の3年で治癒(ちゆ)の力と後は()く分らない力を持ってて熱狂的と言うか狂信的なファンが多いらしいよ?」

視線を翠蓮に向ける燕、それに気付いて説明を引継ぐ。

 

「えぇ、アイーシャは武術に関しては才能以前の問題ですが、保持する権能はどれも制御出来ない・・・そして私が2番目に戦いたく無い相手ですね」

【そもそも戦いにすらなりませんね】

内心で溜め息を吐く、翠蓮の言葉に二人は驚愕した、戦いを避ける程なのかと・・・

 

「ん?(みな)さんどうかしましたか?」

(みんな)の視線が自然とアイーシャへと集中しており、それに気付いたアイーシャが首を(かし)げつつ聞く。

 

「いえ、何でもありません、それに届いたようです。」

翠蓮がそう言って視線を向けた先には、大きな荷物を抱えた一人の女性がいた。

 

天衣(たかえ)、こちらです」「!」

翠蓮に呼び掛けられて気付いた天衣が向かってくる、周りの反応はまちまちで百代は唖然(あぜん)としているが、大半は『誰?』となっていた。

 

「御待たせしました。」「ええ、ご苦労様、さぁ始めましょうか」

そう言って翠蓮と天衣が準備を開始した時に百代が再起動した。

「って、(たちばな)さん!何故此処(なぜここ)に!?」

百代は女性、橘天衣に問い掛ける、元ではあるが武道四天王のスピードクイーンが居る事が分からない。

 

「久しぶりだな百代、今の私は翠蓮の所で侍従(じじゅう)をしててな」

「そうなんですか...ん?」

説明を聞き、納得仕掛けるも百代は引っ掛かるものがあった。

 

「どうした百代?」

天衣も百代の様子に声を掛ける、すると百代は

「橘さん、今羅濠(らごう)の事を何て呼びました?」

「?翠蓮がどうかしたのか」

「そう、それ!」

 

百代が気になった点、それは翠蓮の呼び方だ。

百代が()()と呼ぶのは名前を呼ぶと機嫌を(そこ)ねて組み手をして貰えず仕方なくだが、天衣は()()と呼ぶ事を許されている。

 

「橘さん、何で名前呼びでも良いんですか?」

「・・・あぁ!そう言う事か」

天衣も百代が何を聞きたいか理解したらしい。

 

「私も侍従になった時は違ったが、認めて貰えてな、まぁそれなりに時間は掛かったが...」

(なつ)かしむ様に遠い目をした天衣に気付かずに百代も一応の納得はした、つまり仲良く成れば良いのだと勘違い込みで。

 

「何をしているのです天衣?」

「あっ、すみません!」

翠蓮に言われて慌て準備に戻る、そして皆の前に重箱の中身の中華料理が並ぶ。

 

「美味しいよ羅濠ちゃん」「あぁ確かに」

元々誘われていた清楚と彦一、それとアイーシャは当然として量も有るので燕、百代、大和、虎子にもお裾分(すそわ)けされて居た。

 

「Good 、とても美味(びみ)ネ」

「うん、そうだね後納豆も有れば完璧だね」

「・・・」ガツガツ

「羅濠先輩、美味(おい)しいです、ほら姉さんもガッついってないで」ゴクン「あぁ、うまいぞ羅濠♪」

 

「とても美味しいです、翠蓮さん♪」

「えぇ、私が用意したのですよ、当然です」

各々の感想に対して謙遜(けんそん)誇張(こちょう)もせずに、当たり前の事だと返す翠蓮だった。

 

そして食事も一段落した時。

 

「や、やっと追い付きましたよ、アイーシャ様」

そこにはとても疲れた表情のアリスが居た。

 

「あら、アリス遅かったですね」

「えぇ、そうですね色々と不幸な出来事が重なりましてね!」

遅れた原因、その元凶に言われて温厚なアリスも若干イラッとするも直ぐに戻る。

 

「ンッンン!、翠蓮様、天衣様、お久しぶりです、それと見覚えの有る方とそうでない方も居ますので改めまして」

そう言ってアリスはスカートをつまみ優雅(ゆうが)に一礼する。

 

「初めまして、アリス・ルイーズ・オブ・ナヴァールと申します、お見知り置き頂ければ(さいわ)いです。」

 

「久しいですねアリス、遅れた理由は察しています」

【大変でしたね】

「翠蓮様...はい、いつものです」

翠蓮の(ねぎら)いの(こも)った表情に少し涙が出そうになるが溜め息を()いて切り替える。

 

「大和様に百代様もお久しぶりです、交流戦以来でしょうか?」

「あぁ久しぶりだな」

「あ、はいアリスさんもお久しぶりです」

 

アリスと大和達も挨拶を交わす、修学旅行の最終日に彼女達も駅で話しており、一応は知り合いなのだ。

そして用意されたお茶で一服・・・

 

「それで翠蓮様、午後はどの競技にお出になるのですか?」

アリスが質問する、そもそも彼女達はアイーシャの思い付きで翠蓮の応援に来ているのだ。

 

「おぉ、そうだ羅濠も浮島バトルロイヤルに出るんだよな!」

それを聞いて百代もテンションを上げながら聞く。

後半に予定されているプログラムは水中騎馬(きば)戦、浮島バトルロイヤル、最終競技・怪物退治の3つで翠蓮達が参加可能なのが2つ目の浮島バトルロイヤルだけなのだ。

 

そしてルールは競技名や百代のテンションでお察し頂けるだろうが、説明すると海上に設置した発泡スチロールの浮島をリングとして戦い相手を気絶もしくはリングアウトさせて最後まで立って居れば勝利となり、ブロック毎の予選を行い、勝ち抜いた12人で本選が行われる。

 

「えぇその通りです」

翠蓮の肯定に百代は『よし!』と嬉しそうにする、同時に逆に困った感じの者もいた。

 

「え~やっぱり出るの?こりゃ勝つのは厳しいかな?まぁ負けるつもりは無いけどねぇ」

松永燕だった、しかし言葉の後半は挑発的(ちょうはつてき)な表情を浮かべている。

 

「そうなんだ、じゃあ私は無理かな?」

清楚が(つぶや)いた何気ない一言で百代が何かを思い付いた。

 

「落ちなければ良いんだからそうでもないぞ、って事でどうせなら皆で出よう!そして最後まで残ってた奴の言う事を1つ聞く!あっ弟は強制参加な」

「!?ちょっ姉さん!」

「あはは、良いね面白そう」

百代の提案に大和は慌て、燕は同意する。

 

「まぁ、楽しそうですね、応援してますわ」

「ふふ、大和様ファイトです。」

アイーシャとアリスも微笑ましく思いエールを送る。

 

「yeah私も負ける気ないネ」

「フム、私は出るとは一言も言っていないのだがな」

「はは、私達も出るのは決定みたいね」

虎子も負けじと気合を入れ、溜め息を吐く彦一に清楚は苦笑いを浮べた。

 

「あっ!(ついで)に弟は、本選に来なかったらお仕置きな♪」

「ね、姉さん!?」

 

◆◆◆◆◆◆

 

水上体育祭、午後の部が始まった、水中騎馬(きば)戦は当初ヤル気のなかったS組を紋白の思いを知った英雄が発破(はっぱ)を掛けて勝利へと導いた。

 

そして始まる浮島バトルロイヤル!

簡単にルールをおさらいしよう。

予選と本選があり予選では6つのブロックに別れ最後まで残っていた2人が本選へと進む。

 

体の3分の1以上が海に入る、または特別ルールに該当すると失格となる。

 

そして今回の特別ルールは騎馬戦と同様にハチマキを取られた場合である。

 

「それでハ出場者は移動するネ」

体育教師のルー・イーの指示で海上に設置された浮島に生徒達が小舟から移動する。

 

「準備はいいかの?尚、どさくさで不埒(ふらち)な事をする(やから)はワシと九鬼の従者部隊でお(きゅう)を据えるぞぃ」

学園長の言葉に岳人を含めた男子のテンションが目に見えて下がり、絶望したと言った雰囲気が漂うが、スルーする。

 

「では予選、Aブロック開始じゃ!」

開始の合図と共に数人の男子生徒が宙を舞う。

 

「ニャハハ、そらどんどん行くぞ!」

嵐の如く男子生徒を吹き飛ばし女子生徒に対しては丁寧(ていねい)にハチマキを奪う、とは言え気付いた時には無くなっている感じだが...そして残す所数人。

 

「くっさすがは武神、強すぎる、だが一矢報いて見せる!」

「おぉいいね~その根性、さぁ来い!」

無謀にも武神へと挑んだ男子生徒、だがしかしその挑戦は成立すること無く終わる。

 

「トォー!」「グフゥ!?」

横からの飛び蹴りで男子生徒は海へと飛ばされてしまった。

 

「いぇい、大勝利!」「キャップ・・・」

「ん?なんすか、モモ先輩?」

その瞬間、Aブロックの通過者が決定した、横取りされた腹いせに風間は百代に海へと投げられた。

 

続く2回戦Bブロック、堅実に危なげなく立ち回る松永(まつなが)(つばめ)と、ひたすら回避に徹した直江大和が最後まで残り通過者になる。

 

そして3回戦Cブロック。

 

『『『ウォーーー』』』

(わずら)わしい!」

スパァン!と音が響き、翠蓮に突撃した男子生徒はいつの間にか投げられており水飛沫(みずしぶき)が上がる。

 

「さて、先程より獣の様な気を放つ者よ挑むと言うなら来なさい、試して挙げましょう。」

そう言って残った生徒達、正確にはその中の赤髪の女性へと告げる。

 

「フン、その傲慢な態度も此処までと知りなさい。」

前に出てきたのはマルギッテ・エーベルバッハ、ドイツ軍の猟犬部隊、その隊長を務める女性だ。

 

周りの生徒達も固唾(たかず)()む。

最初に仕掛けたのはマルギッテ、腰を落した低い体勢で接近し射程圏内に翠蓮を捉えた瞬間に跳び上がる。

 

「Hasen Jagd!」

そのまま踵落(かかとおと)しを繰出(くりだ)した。

 

白猿献果(はくえんけんか)

しかし、マルギッテが跳び上がると同時に翠蓮は両手の掌を合せており、手首はつけたまま指をまるで(つぼみ)が花開く様に広げ、マルギッテの踵落しを(すく)い上げる様に迎撃する。

 

「!?クッ」

空中のマルギッテは十分に発勁(はっけい)の効いた一撃に体勢が崩れる。

当然、そんな隙を翠蓮が見逃すハズも無く。

 

反臂冲捶(はんひちゅうすい)!」

八極拳の冲捶(ちゅうすい)と似ているが八卦掌の反臂冲捶は前へ滑る様に進み踏締(ふみし)めで発生した発勁を全身のバネで増幅し(こぶし)を内側から外へと回転させインパクトの瞬間、手の甲が下を向く技だ。

 

「カハッ」

空中で且つ体勢を崩していたマルギッテは成す(すべ)も無く場外となった。

 

「さて、もう見込みの有る者は居ませんね、さっさと終らせて仕舞いましょう」

翠蓮は先程使わなかった八極拳の冲捶(ちゅうすい)を使う、震脚(しんきゃく)で発勁を得る。

浮島が大きく(ゆが)み発生した()れで立って居られる者はいない。

得た発勁を右拳(みぎこぶし)に乗せ、冲捶として放つ。

拳から発生した拳圧に吹飛ばされて全員海に落ちる。

 

Cブロックの通過者は翠蓮のみと成った。

 

その後、気の使用だけで無く、威力が有る過ぎて浮島がもたないと翠蓮の震脚も禁止された。

 

「さて、気を取り直して4回戦Dブロック開始じゃ!」

学園長の合図で各々が戦い始める。

 

「「勝負よ(だ)アテナさん(様)!」」

クリスとワン子がアテナに挑むのだが。

 

「ちょっとアタシが先よ!」

「何を言う自分が先だ!」

どちらが挑むかで()める。

 

(わらわ)はどちらでも構わぬが、二人で闘って勝った方で良いのではないか?」

アテナの提案に二人は乗る。

 

「そうね、勝たせて貰うわよクリ!」

「フン、犬に遅れはとらない!」

 

【フム、予想通りではあるが・・・ちょろ過ぎないか?】

権能を使うまでも無く、分っていたので誘導してみたが、簡単過ぎて微妙な顔をするアテナだった。

 

そして二人が闘っている間に周りの生徒を失格にして行く。

同じブロックに居た清楚も意外と力が有り突き飛ばして海に落したり文学少女?な活躍をしていた。

 

そして残った白熱している二人をアテナが『ホイ』と気の抜けた掛声でハチマキを奪って終了した。

 

それから5回戦Eブロック、6回戦Fブロックと消化されて行き本選への出場メンバーが出揃った。

 

◆◆◆◆◆◆

 

『さぁて始りました浮島バトルロイヤル本選!、此処からの実況はロリコニア建国に向けて鋭意(えいい)活動中、井上準と川神学園の生徒会長でインディアンな帽子がトレードマーク、南條(なんじょう)・M・虎子(とらこ)会長!』

『helloヨロシクよ』

 

『そして川神学園が誇るイケメン集団エレガンテクワットロが一人、京極彦一(きょうごくひこいち)先輩!』

『うむ、よろしく頼む』

 

『で、お送りします!』

水上体育祭の運営本部に有る放送席には井上準と南條・M・虎子そして京極彦一がマイクの前に座っていた。

 

『さて、準備が整うまでルールのお(さら)いをして置きましょう、浮島バトルロイヤルはその名が示す通り海上に設置した浮島に失格にならず最後まで立っていた人が勝者だ!』

『そして参加資格は予選の6ブロック各2名、計12人だが、Cブロックが1人しか居ないので11人だ』

 

『Oh、アレにハ驚きダタネ』

『まぁ彼女は仕方あるまい』

虎子が思い出す様に感想を言い、彦一はその原因の人物なら仕方無いと川神の住人らしい諦観(ていかん)境地(きょうち)に至っていた。

 

『そして失格の条件は2つ、体の3分の2以上が海に入るか特別ルールに該当した場合で今回の特別ルールは九鬼が用意したステッカーをクジで決められた場所に()る、それを奪われたら失格だ!』

 

『whyハチマキではナカッタカ?』

『フム、予選と異なり運も試される訳だな』

 

『Yes!九鬼より提供されたこの素晴しきステッカーは防水性に優れ、表面に触れない限り(はが)れない仕様でこの競技にはうってつけ、流石は紋様!』

『『・・・』』

暴走し始めた井上を二人はスルーする。

 

『おっと、準備が整ったようなので出場者を紹介して行こう』

浮島に小船が到着し、周囲を周る様に進みながら一人ずつ降ろしていく。

 

『まずは、エレガンテクワットの一人にして自由な風の(ごとき)き男、風間翔一!』

「一番乗りだぜ♪」

『クジ運にも愛され、開始位置は1番、ステッカーの位置は心臓の有る左胸で守り易さ的にも有利か?』

今回、2種類のクジが用意されており浮島の開始位置とステッカーの貼る位置を決めている。

 

『続いて誰が予想出来た、(たたず)まいは大和撫子、窓辺で本を読む姿が絵になる文学少女がまさかの快進撃!、絶対文系の英雄じゃないだろ!?葉桜清楚(はざくらせいそ)先輩!』

 

「何の英雄かは私も分らないけど、運動がちょっと得意なだけだよ!」

井上の紹介に困った様な表情をする。

 

『ステッカーの位置は右足の(すね)、蹴り技が使えなくなる位置だが清楚先輩には関係ないか?』

蹴り技を使うわけじゃない清楚には関係の無い位置だった。

 

『もはや言葉は不要、圧倒的な強さで男子を吹飛ばし女子は優しくハチマキをってあれ?男子の扱い酷くね?、かく言う俺もまだ脇腹が痛い、武神、川神百代!』

 

「はやく始まらないかな♪」

『そしてステッカーの位置は背中、最も守り難い位置だが()たして』

百代は井上の紹介を無視して本選に出場する面々に思いを()せテンションが上がっていた、ステッカーはハンデと()えて気にしていない。

 

『納豆、納豆は要らんかね~、川神生なら一度は効いたフレーズ、納豆小町こと松永(まつなが)(つばめ)ぇ!』

 

「納豆の様に粘って、勝利するよぉん♪」

『ステッカーの位置は左の脇腹だ』

 

『通過したければ力を示せ!私が試してあげよう、予選で圧倒的な力そして技を見せ付け、誰もその試練を越える事は(かな)わない、武神と同格と目される佳人(かじん)羅翠蓮(らすいれん)先輩!』

 

「・・・名を呼ぶとは死にたい様ですね?」

鈴が鳴る様な、しかし殺気の(こも)った冷たい流水の様な声が聞える。

『すみませんした!、(いや)しいハゲが調子に乗ってしまいました!何卒寛大(なにとぞかんだい)御慈悲(ごじひ)をぉ』

 

「...次はありませんよ」

『ははぁ寛大な御処置ありがたき幸せ・・・ではステッカーの位置ですがコレはもはや奪うのは不可能か、俺には分らないが一瞬の天国?の後には地獄のみ、右の胸だ!』

反応は半々、刹那の幸福を妄想する者とその後を考えて身震いする者、まぁ出場出来ない時点で取らぬ(たぬき)の皮算用だが・・・

 

『勝利はプレミアムな私にこそ相応しい、武蔵小杉(むさしこすぎ)

「ちょっと!プッレ~ミィアムな私の紹介が雑過ぎるわよ!!」

 

『あ~と、ステッカーの位置は左肩ね』

ギャアギャアと騒ぐ小杉を無視して進める井上、彼には崇高(すいこう)なる使命(しめい)があった。

 

『人民よ(あが)めよ、此処(ここ)に降臨なさいますは智慧(ちえ)を司り、この世に顕現なされた美しき我等がロリコニアが(たてまつ)る女神、アテナ様だ~おめぇ等傷1つつけるんじゃねぇぞコラァ!』

 

『トォウ!』『グハァ!?』

「「「・・・」」」

マイクから呻き声が聞え、暫くたった。

 

『あぁ、メインパーソナリティが少々離席したので私が引継ごう』

マイクからは井上の代わりに京極の声が流れた。

 

『アテナ君のステッカーは智慧の神らしく(ひたい)だな』

アテナは、と言うか殆どの者が先程のインパクトで無言である。

 

『次は2-Fの直江大和、ステッカーは左の首筋、回避のみで予選を通過していたが、本選での立ち回りが楽しみだ』

「ハハハ、頑張ります。」

【予選は突破したからもう大丈夫だけど(わざ)と負けるのは姉さんにバレそうだし...】

 

『英雄のクローンにして力は随一、武蔵坊弁慶(むさしぼうべんけい)、ステッカーが貼られた右腕は剛力(ごうりき)(かせ)になるか?』

 

「主の為にもヌルンと頑張りますか」

川神水を飲みながらヤル気の無い様な(たたず)まいで浮島に降り立つ。

 

『ん?あぁもう大丈夫かね?』

『yes、オチツイタと思うネ』

『あぁ井上準ただいま戻ってまいりました。』

どうやら気絶していた井上と気絶させたと思われる虎子が戻って来たようだ。

 

『それでは気を取り直しまして、女達よ本当の筋肉に酔いしれな、2年が誇るマッチョメン島津岳人(しまづがくと)ぉ!』

 

「くぅ俺は此処に立つ為に産まれて来た!勝利よりも今は勝つ!!」

「?」

岳人の視線は翠蓮に、正確には胸のステッカーに向けられており目は血走っている。

視線を向けられた翠蓮は理由が分らず首を(かし)げているが...

 

『ステッカーは左の太腿(ふともも)、気にせずに豪腕を振るえそうだ!』

 

『最後のエントリーは剣聖の娘にして一年生最強、馬のストラップに話し掛ける姿が度々目撃される不思議ちゃん、黛由紀江(まゆずみゆきえ)!』

 

「あぅぅ、井上先輩が酷いです」

『まぁ事実だしぃでも諦めんな~まゆっち!』

 

『ステッカーの位置は戦いにどう影響するか、お腹だー』

 

『全員開始位置に着いたので後は開始の合図を待つばかり、浮島バトルロイヤル、勝利は誰の手に!』

 

『『『・・・』』』

適度に緊張しながら、11人の選手は開始の合図を待つ、そしてゴングは鳴響く。

 




次で水上体育祭も終了です。

そこで初の試み、活動報告の返信を利用してアンケートを採りたいと思います。
内容は次のイベントについて!

まぁ原作に沿って進めるか番外編かですが、気が向いたら返信をお願いします。
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