武林の誉れに恋しなさい!   作:水華

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プロローグはまだちょっと早いかな?と思って断念
アリスの軍師としての活躍は兵法を知らないのでシロウトっぽくなりそうで断念

結果だけを出し、その過程を省略し過ぎていたので決着までの波乱万丈を2話程挟むことにしました。

お楽しみ頂ければ幸いです。


次章ー東西交流戦

東西交流戦、東の川神学園と西の天神館との(いくさ)に決着がつく前、翠蓮が本陣より出陣してからの出来事。

 

「ねぇアリス、やっぱりわたくしも出るべきだと思うのだけど?」

「な、何を突然言い出すのですか、アイーシャ様!!」

危惧(きぐ)していた事態の発生にアリスは焦り始める。

 

「皆さんが私の為に頑張っているのに肝心の私がこんな所でノンビリとしていて良い筈が在りません!」

「良いのです!、アイーシャ様は仮にも総大将、大将たるもの皆様を信じて、待って差し上げる事も必要ですわ。」

「えっ、そうなのですか?」

 

【よし、このまま思い止まって貰いましょう。】

「そうです、聖女で在らせられるアイーシャ様が後に控えて居ることで兵の士気も揚がるのです!」

「でも・・・」

自身のキャラを忘れて必死に説得を(こころ)みるアリス、しかし天はアリスに微笑みはしなかった。

いや、(むし)(つば)を吐くかの様に熾烈(しれつ)だった。

「アリスさん、隠密の諜報部隊(2番隊)より連絡が、本隊(1番隊)が押され気味だそうです。」

狙撃部隊(3番隊)から緊急連絡!、全員の弓の(つる)が突然切れました、指示を!」

「えっ?、えぇ~!!」

「やっぱりお手伝いに行ってきます!」

「あっ!待って下さい、アイーシャ様~」

「アリスさん」「お願いします。」「指示を」「アリスさん!!」

 

まるで天がアイーシャに愛を(ささや)く様に急変する事態にアリスはアイーシャを引き留める事が出来なかった。

【何て強力な・・・流石は幸いなる聖者への恩寵(グランド・ラック)です。】

 

アイーシャ・アレキサンドルの権能が1つ、幸いなる聖者への恩寵(グランド・ラック)豪運(ごううん)の発展系、自らの行動が成功するように幸運が発生し、逆に自分の行動を妨げようとする者に対しては不幸が訪れる。

因みに命名したのはアリスである。

 

―武神side―

 

川神百代は満面の笑みを浮かべながら、戦場に向かって疾走していた。

【ニャハハハ、待っててね翠蓮ちゃん 、絶対行くから♪】

 

思い出すのは翠蓮が顕現させた仁王尊が片割れ阿形(あぎょう) に吹き飛ばされる直前に聞いた言の葉。

 

『終戦までに戻って来れたなら相手をしてあげましょう。』

 

突如として目の前に現れた決して充たされる事はないと諦め掛けていた この渇きを潤してくれる相手、そしてその言葉に思いを馳せ、百代は夜の町を駆け抜けた。

 

◆◆◆◆◆◆

 

中央の拓けた荒野では両軍が衝突し、工場地帯の左舷では立体的な立地を活かした闘いが行われ、右舷の林では敵軍の側面を叩こうとしていた両軍が鉢合わせて開戦していた。

 

「「ワーー」」「オラァ!!」「進めー」

「戦線を下げるなー」

一進一退の様相(ようそう)(てい)していたが・・・音も無く、フワリと現れた佳人に両軍、時間が停止したかの様に鎮まった。

 

―翠蓮side―

 

軽功(けいこう)にて戦場に降り立った翠蓮は周囲を俯瞰(ふかん)し状況を把握すると自軍に語りかける。

 

「お前達は何を(ほう)けている、此処は戦場ですよ!」

「はっ!?、すみません羅濠(らごう)姉さん」

「進め~」 『『『おぉぉっ!』』』

「くっ、武神を倒した奴が出て来た。」「勝てるわけ無いじゃない!」「た、退避~」

 

翠蓮の一喝(いっかつ)に天神館の生徒は再起動し士気を高め、逆に川神の生徒は悲壮感が漂い撤退を始めた。

()がしはしません。()っ!」

「「「うわぁ~」」」

無造作に放たれた掌打で数名、川神の生徒が宙を舞う。

 

「ヒィ~」「もう駄目だ~」

「『諦めるな!』武神は戻って来る、倒す必要は無い!だから『全力で持ちこたえろ!』」

「そして『天神館の皆様』、『麗しき佳人』よ!『全力を出すな!』」

第二の掌打が放たれる直前に響いた声の主は言霊部部長(ことだまぶぶちょう)京極 彦一(きょうごく ひこいち)だった。

 

「ホォ~、鼓舞(こぶ)の言霊と(いまし)めの言霊ですか、この羅濠(らごう)に不完全ながらも影響を与えるとは見事!」

京極の言霊を褒めたあとに「だが」と切り出した。

「私も言霊には精通しています、強化以外は錬度も低いが、()っ!」

「この程度の戒めは容易に破れます。」

 

気合いと共に気を高め、翠蓮は戒めの言霊を解いた。

そして顎に手を添えて何事かを思案し始め・・・結論が出たのか頷き京極へ提案する。

「お前の名は何と言う?」

「...うむ彦一、京極彦一(きょうごく ひこいち)と言う以後、見知り置き頂ければ幸い。」

「彦一よ、興が乗りました、言霊比べと行きましょう」

「・・・言霊比べ?」

「そうです、見たところ武技において圧倒的な差が在るのは明白、ならば貴方の土俵にて相手をしましょう『 (ひざまず)き、(こうべ)を垂れよ! 』」

「!?くっ」

鈴が鳴るように凛々しく響いた言霊に周りの生徒が膝をつく中、言霊部部長としての矜持で抵抗を試みる。

「さぁ見事に破って見せなさい彦一、『跪け!』」

重ねられた言霊に膝が折れ、跪く寸前。

『死ぬぞ!避けろ!』

自身に言霊を重ねて避ける様に跳ぶ事で屈するのを避けた。

 

「なるほど、本能に訴える事で私の言霊を上回りましたか、見事です。」

【ちょっとやり過ぎたかな・・・後でアイーシャに診て貰わないとね】

翠蓮は表情には出さないが、内心では彦一を心配していた。

本能を利用してのリミッターを外した駆動(所謂(いわゆる)火事場のバカ力)は体に掛かる負荷がとても高いのだ。

 

「彦一よ、この勝負は貴方の勝ちです、此処(ここ)は素直に退(しりぞ)きましょう。」

「......えっ?」

「京極が勝った。」「武神を退けた女に勝った!」

『『『ウォオオオ』』』

【えっ!?、何この空気・・・】

武神を倒した(※と思われている)美女に武術では無いが勝負をして勝ったと言う事実に周囲の生徒達が沸き上がる。

 

―鉄心side―

 

「あれは軽功か、それもかなりの錬度じゃのぉ」

右舷の戦場に現れた翠蓮を見据え、鉄心は感心していた。

その後、川神の生徒が宙を舞い、言霊部部長の京極彦一が戦場に現れて言霊を使用するも気を高めて解いていた。

 

「はぁ~、たく羅濠(らごう)の悪い癖が出ちまった。」

「ん?、何じゃ正よ悪い癖とは?」

 

鍋島が溜め息をつき、疑問に思った鉄心が問う。

「あいつは何かしらの力を示して興味を抱いた者に対し試練のような勝負を仕掛けんだわ」

「?」

鉄心が答えの意味を理解出来ずにいると翠蓮が京極に対して言霊を掛けていた。

「ほっ!、言霊まで使えるのか。」

「師匠、ありゃ羅濠の切り札の副次的な物に過ぎませんよ」

「切り札?」

「あ~俺の口から伝えるのはちょっと、それに今回は使わないでしょうし」

「何じゃ、気になる物言いじゃのぉ」

【それにしても言霊を使う技?まぁ今はいいじゃろう】

 

そして、京極が翠蓮の言霊を破り、天神館側が撤退する運びになって、鉄心は得心が行った。

「なるほど、敵にも関らず課題を与えて鍛えておるの~」

「その通りですわ、まぁ教育者の視点からすれば、ありがたいですがね」

「ホッホッホ、確かにの~」

鉄心は微笑ましそうに、鍋島はニヒルに笑みを浮かべていた。

 

だが、天神館の生徒が一度本陣に戻ろうとした時にそれは起きた。

中央で両軍の本隊が衝突している付近の上空に突如としてずんぐりむっくりとした体型で上半身を甲冑に包み下半身は煙りで出来た巨人?が出現した。

 




マジ恋の世界に合せて権能は弱体化や内容が改変されていたりします。
代表例が呪力の変わりに気で運用とか

あと詳細はプロローグで語る予定ですが主人公は羅濠教主を意識して行動しています。
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