武林の誉れに恋しなさい!   作:水華

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なんとか今年中に本章を終らせたいのですが、書いていて愉しくなり気が付けばタッグマッチが7話目...マジで!?原作エロゲだし何とか《H》で終らせなければ(使命感)!


若獅子タッグマッチトーナメントG

「ハァハァ、クッ効いたわい!」

肩で息をする悟空、京極の戦士の化身により外傷は無いものの、黄金に輝く言霊の剣で神格を切裂かれ殆どの権能が封印されてしまった。

 

「ご、悟空さん!」

「姉上、ご無事ですか?」

 

『ん?今斬られた様に見えたが、アレを避けたのか?』

『いや、ちゃんと当たってたぞ、ただ()()()()()だけで』

『実体が無い?』

『ん~うまく言えないが、何かを切ってはいるんだよな~、それに切られた時の反応から多分、気を使った技・・・能力だと思う』

『能力を切る・・・つまり能力殺しか!俺の場合は光竜覚醒を...なるほど厄介だな』

 

「あ、姉者...すまぬ!それがしが羅刹女に遅れをとったばっかりに、おのれ色香で惑わすとは卑怯な!」

「・・・・・・」イラッ

握り拳を作って悔しがる猪八戒に翠蓮は苛立ちを感じた。

 

「かくなる上はそれがしが姉者の仇を取ってあの三宝を、グフフフ、あ痛っ!?」

「勝手に殺すで無い!」

猪八戒の足を悟空が棍で叩く、15メートルの巨体の頭に届かない為、仕方なく(すね)を打ったのだ。

 

「い、痛いでござるよ~姉者、それがしは姉者の為に」

「嘘つけ!欲望が駄々漏れじゃ!!」

「な、何と!?、姉者にはそれがしの心の声が(やかま)しい!』あべし!!」

悟空の投槍(とうそう)した棍がしゃがんで脛を擦っていた猪八戒の眉間に見事命中した。

 

「たく、あやつは...」

盛大な溜め息を吐く、一応顕現した義弟達との(きずな)は権能の副次的な効果で知っていたが、知識と経験は異なる様だ。

 

「気を抜き過ぎですよ空」「?!」

殺気を感じ、咄嗟にその場を飛び退く悟空。

 

「?」

しかし、特に何も起きないので首を傾げる。

 

「弱っている処に奇襲を掛ける等と、この羅濠がすると思いますか?それは侮辱ですよ(くう)

「・・・カッカッそうじゃったのぉ許せ(すい)()びに面白い物を見せよう」

「・・・ほぉう」

ニィッと笑う悟空に翠蓮は興味を(いだ)きつつ油断無く両掌を構え、椅馬問路(いばもんろ)の状態になる。

2人の間に張り詰めた空気が流れたが。

 

「おっと!そうじゃった翠、1つ提案なんじゃが...」

「...なんです?」

 

「フム、これより我らの一騎討ちとしたいんじゃが、ぱ~とな~を気に掛けずにのぉ」

「・・・・・・」

悟空の提案、その意味するところはタッグ戦での互いのペア、その所作(しょさ)を気にしつつの戦いから1対1への変更だ。

 

【また神格を切られたら堪らないしのぉ】

【まぁ何の問題もありませんね】

 

「良いでしょう、下がりなさい彦一」

「あぁ分かった」

 

「モロも下がってくれぬか?」

「うん、良いけど...その、ゴメンなさい」

「ん?何で謝るのじゃ?」

いきなり頭を下げたモロに悟空は警戒を解かずに視線を送る。

 

「その、僕が足手まといだから悟空さんは...」

「・・・プッ、アハハハ!」

「??えっ?え、あれ??」

笑いだした悟空に戸惑うモロ、一頻(ひとしき)り笑った後に悟空は。

 

「モロが居たから此処まで来れたのじゃぞ?足手まといでは無いのぉ」

笑顔で何の含みも無く言い切る。

 

「悟空さん...」

「そうですよモロ様、それに姉上が斉天大聖へと至るには避けては通れぬ道、(むしろ)ろ感謝しかございますまい」

「沙悟浄さん」

 

「ムッどういうことじゃ沙悟浄!」

「身共の口からは、いずれ分かる時が来ましょう」

逆に沙悟浄は陰険な感じに含ませる。追及を諦めた悟空は『まぁ()いわ』と切り替えた。

 

「まぁあれじゃ、どうしてもと申すなら、そうじゃのぉ今度川神の案内を頼む、それと久寿餅(くずもち)もじゃ!」

「ハ、ハハハ、うん任せてよ♪」

「デートかと思ったら、姉者は花より団子でござるか、もっとこう(べに)やら白粉(おしろい)やらの(にお)いに『()っ!』あ痛っ!」

悟空の蹴飛(けと)ばしたリングの破片が猪八戒の眉間に直撃する。

 

「だから痛いでござるよぉ、姉者ぁ」

「何と無くイラッとしたのじゃ、気にするな」

「気にするでござる!!」

「それより姉上、これ以上待たせても良いのですか?」

「おぉすまぬ(すい)、待たせた」

「...構いません」

「うぅ姉者も沙悟浄も酷いでござるよ~」

すすり泣く猪八戒を無視する面々、そして京極とモロが離れ、2人と2柱が残った。

 

「さて二弟に三弟、ぬしらの力を貸せい!」

「承知しました姉上」「ぬうぅ分かり申した」

「「「貪狼(とんろう)巨門(こもん)禄存(ろくぞん)文曲(もんごく)廉貞(れんじょう)武曲(むごく)破軍(はぐん)!」」」

「!」『『『!?』』』

最初に気付いたのは翠蓮、膨大な気力が渦巻く。そして全ての観客が変化に気付いた。

 

まず猪八戒がその巨体を圧縮しながら黒い猪へと変じ、悟空が背に(また)がる事で騎獣(きじゅう)とする。

次に沙悟浄が姿を竜へと変じて悟空の背中に沿うように纏い三妖神一体となった。

 

「来い、如意金箍棒(にょいきんこぼう)!」

先程投げた棍が飛んで来て悟空の手に収まった、それを3メートル程に伸ばし感触を確めた(のち)、棍を右手で持ち左腕を振るうと、金色に輝く無数の針が現れて飛ぶ。

 

逍遥遊(しょうようゆう)にいわく、至人(しじん)に己なく、神人(しんじん)に功なし!聖人に名なし!」

翠蓮の(うた)が魔風を呼び、その衝撃波で針を吹き飛ばす。

 

ザッザッ、ズドンドドド!黒い猪がリングを踏みしめて突進する。その背には棍を右手に固定した悟空、その様はまさに槍を手に突進(チャージ)する騎士だった。

 

()っ!」「!・・・」

棍に(つらぬ)かれる寸前に翠蓮の姿が消えた。

 

ゴポッゴゴゴゴ

 

「なっ?!ゆ、遊龍衝天(ゆうりゅうしょうてん)!」

悟空の背中の竜が吐き出した水が竜を形作り、現れた翠蓮を襲う。しかし翠蓮の掌による突き上げ、所謂アッパーの衝撃で上に流した。

 

「そこじゃな!」「()っ!」

ズドドド!悟空が針を飛ばすも、また翠蓮の姿が消え、少し離れた場所に現れた。

 

「縮地神功を破るとは、流石ですね空」

翠蓮が使ったのは移動チートの縮地神功(しゅくちしんこう)神足通(しんそくつう)、その応用で方術の縮地法以上の発動速度、正確性で近距離を瞬間移動する。まぁ大量の気を消費するが翠蓮にとっては気にする程の量でも無い。

 

「カッカ、それには苦労させられたからのぉ、それ!」

悟空の合図で黒い猪が駆ける。その疾駆はまさに疾風、目にも止まらぬスピードだった。

 

「覇っ!」

気合いと共に地面より黄金の右手が生えた、権能大力金剛神功(だいりきこんごうしんこう)の、吽形(うんぎょう)の手だ。そのまま包み込む様に猪を掴もうとしたが。

 

「甘いのじゃ!」「なんと!?」

黄金の(てのひら)を貫通し、その勢いで翠蓮へと棍を突きだす。咄嗟(とっさ)青蛇伏草(せいじゃふくそう)で棍の直撃は(まぬが)れるも、その衝撃と続く猪に跳ねられた事でダメージを貰った。

 

「ぐふっ、何とも厄介な物ですね、ならば」

翠蓮は気を練り上げながら左腕を引き絞り右手を地面に向けて構え。

 

覇空断掌(はくうだんしょう)!」

ドン、ビシィ、ビリビリと左の掌で打ち込んだ一撃がリングに伝わり一瞬の静寂の(のち)、激しく震動した。

 

『これは地震でしょうか?このタイミングで来るとは、しかも大きい!』

「うわ、とと」「これはまさか?」

司会の田尻はバランスを取りつつ意地の実況、モロと京極は立って居られない為、リングに伏せる。

 

『おいおい、マジか!地震を起こした?しかも私がやるのと同じ、いや大きいか♪』

『...もう俺は何も言わん!』

 

「なる程のぉ、我等の疾駆をおそれて足場を崩したのじゃな?じゃが」

裂け砕けたリングは海上に有るため徐々に沈んで行く、もはや3分ともつまい。黒い猪が乗って居た足場を粉々に砕いて跳躍し弾丸の様に翠蓮へと迫る。

 

「水は木を生み、木は土に()つ。五行の(ことわり)よ、かくあれかし」

聖句を謡い気を振り絞ると、リングの各所から蔦が飛び出して猪を捕らえんと殺到する。

 

「無駄じゃ」

ルゥオオオオオオン!

悟空が気力を猪に送り込む事で蔦の拘束を引き千切った。

 

「!?なんじゃ!」

しかし、海中より飛び出した黄金の左手に捕まえられる。

 

赫々揚々(かくかくようよう)電灼光華(でんしゃくこうか)天霊霊(てんれいれい)地霊霊(ちれいれい)太上老君(たいじょうろうくん)急急如律令(きゅうきゅうにょりつりょう)!」

すかさず気力を送り込んで阿形(あぎょう)を強化し、完全に止める。

 

「哈ぁーーー!」

猪の背を足場に悟空が跳躍し翠蓮へ棍を振り下ろした。

それを翠蓮は拔雲見日(ばつうんけんひ)、左腕で受け流し右の掌を打ち込もうした。

 

「なんと!?」

それは悟空の体に触れる前に絡み付いた蛇体の竜によって阻止される。

 

(せい)っ!」

悟空の左回り蹴りが翠蓮の右脇腹にクリーンヒットして吹き飛ぶも、重なり合った蔦に受け止められる。

 

「これでどうじゃ!」

悟空の背に沿っていた竜の目が妖しく光る。海水が蠢き5つの水柱となって立ち上る。

 

(いづ)れの(しょ)よりか秋風至(しゅうふういた)る」

翠蓮の周りで旋風が渦巻き同じく5つの竜巻となった。

 

「哈ぁーーーーーー!」

「覇ァアアアアアア!」

水柱と竜巻が互いを呑み込まんと荒れ狂う。その間、2人は気力を送り込んで強化するも力は互角、いや質量で若干悟空が有利だった。

 

蕭蕭(せうせう)として雁群を送る。朝来庭樹に入り、孤客最も先に聞く」

ここで権能竜吟虎嘯大法(りゅうぎんこしょうだいほう)の特性、言霊()による暗示での威力増強を使った。

 

「ぬぅお!?しもうた!」

水柱を呑み込み水の質量を持った竜巻となって悟空を襲う。

 

「回れ如意金箍棒(にょいきんこぼう)!はよ来ぬか猪八戒!!」

リィイイイン! ルゥオオオン!

 

悟空の手を離れた棍、如意金箍棒(にょいきんこぼう)がクルクルと高速で回転し、即席の盾となる。そして黒い猪、猪八戒が倍に巨大化する事で金剛力士の拘束から脱し、その腕を蹴って跳んだ。

 

「合わせろ二弟、一瞬で良い()()三弟!」

悟空は猪の背に飛び乗り指示を出すと、黒い雲が発生しそれを足場に黒い猪が伏せて力を溜める。

 

「今じゃ!」

沙悟浄が竜巻に含まれる海水を制御して一時的に反らし猪八戒が力を解放して翠蓮に突進(チャージ)を敢行、悟空は如意金箍棒(にょいきんこぼう)を呼び戻すと絶招(奥義)の用意をする。

 

「これで決着です」

翠蓮も最大の一撃を繰り出す為に絶招(奥義)の用意をしていた、黄金に輝く神力を全身に纏った状態で練り上げた気力と神力を融合し右手に圧縮する。

 

神龍穿棍(しんりゅうせんこん)!」

覇空断神功掌(はくうだんしんこうしょう)!」

ドリルの様な回転と猪の突進(チャージ)が合わさった突きと空間を断裂させる至高の一掌と権能大力金剛神功(だいりきこんごうしんこう)の合力が衝突し余波で周りが吹き飛ぶ最中。

 

覇空断掌(はくうだんしょう)」「なんじゃと!?」

右手に圧縮された気が目眩ましとなって隠れていた気を解放し、左掌を重ねた。

 

「吹き飛びなさい!」

悟空達が競り負けて吹き飛び大きな水飛沫(みずしぶき)を上げた。また2つの絶招の余波で崩れ掛のリングは完全に崩壊したのだった。

 

『これは、以前の様に両チーム失格か?』

『いいや違うな、アレを見ろ』『?』

 

百代の差し示す先には3つの影。

 

『『『!』』』

 

「空、私の勝ちです」

「羅濠・・・助けて貰って何なんだが、他に無かったのか?」

「悟空さん...あっ!僕まで助けて頂いてありがとうございます。羅濠先輩」

そこには海中から伸びる植物の(つた)に乗る翠蓮と蔦に絡め取られ()るされた彦一とモロが居た。

 

「有りません。それとついでです、気にする必要は有りません」

 

『アレって確か沈んだリングに生えてたよな?』

『成る程、つまり』

『リングアウトは悟空ちゃんだけ、よって聖絶(せいぜつ)の言霊の勝ちだな』

 

◆◆◆◆◆◆

 

決勝戦を(おこな)うにあたり、リングが完全に崩壊したので修復に時間が掛かり、3時間程の休憩となった。

 

―翠蓮side―

 

【さて、時間は出来ましたが...気をどうにかしなければいけませんね】

準決勝の悟空との戦いで翠蓮は保有する気の殆どを失っていた。そして決勝はそれで勝てる程甘い相手では無い。

 

【仕方無いですね、久々に使いますか。でもその前に】

 

―燕side―

 

【アレが権能持ち同士の戦い・・・そして羅濠ちゃんの本気か、凄まじいよね~】

一方、決勝の対戦相手で有る松永燕は先程の準決勝を振り返る。

 

【でも私も負けられない!まずは情報の整理だね】

「ねぇアテナちゃん」

準決勝について問おうとした燕だが、それを遮ってアテナが語り始める。

「フム、大丈夫かと問われれば大丈夫で有ろう。翠蓮の気は残り少ない、それにあの神具には制限があるでな、多用は出来まい」

「あ、そうなんだ」

「しかし勝てるかと問われれば分からぬ!あやつがこの時間に何もせぬ(はず)が無いゆえな...無論、(わらわ)とて負ける気はないがな」

アテナから何をしようとも負ける筈が無い!との自信を感じて、なんとなく安心感を得る燕。

 

「そっか、じゃあ予定通り決勝はお願いね♪でも本当に良いの?」

一応問い掛ける燕にアテナは憮然(ぶぜん)たる面持ちで言う。

「フン、問題ないな、それに切り札を早々に切るつもりだ」

 

◆◆◆◆◆◆

 

そしてリングの修復こ終わり決勝戦の開始時刻となった。

 

『皆様、大変長らくお待たせ致しました。それではこれより決勝戦を始めたいと思います!』

 

『『『オオオオオ!!!』』』

 

昼食を挟んでの決勝戦だったが、観客達の熱は未だ冷めやらぬ状態だった。

 

『それでは選手の入場です』

 

智性チームの松永燕とパラス・アテナが入場し続いて聖絶(せいぜつ)の言霊チームの入場となったが。

 

ザワザワと会場にざわめきが起こる。

 

『なんだあの子?』

『さぁ、でも何となく見覚えが???』

百代が首を傾げる。入場してきたのは京極とチャイナドレスに黒髪で(はす)の髪飾りを着けた12歳ぐらいの幼女だった。

 

「な、なんと美しい...ハッ!きっと迷ってあんな所に!!これは紳士としてお助けせねば!!!」

「落ち着きなさい準!」

今にも飛び出しそうな井上を葵冬馬がたしなめる。

 

「ん~なんか見たこと有るんだよね~」

「!?ユキはあの美少女を知っているのか!教えてくれ!!」

「ん~やっぱり知らないや」

「ちょっ!!ほら、良く思い出して!」

「だから落ち着きなさい!」

 

場面は再びリングへと戻る。

 

「え~と君は?それと此処(ここ)は危ないから、戻ろうね?」

司会の田尻が謎の幼女に話し掛ける。迷子のハプニングだろうと思っている様だ。

 

「何を言っているのです?決勝戦の為に来たのに戻る必要など有りません!」

「お嬢ちゃん、此処は関係者以外は来ちゃダメな所なんだよ?」

「貴方は先程から何を言っているのです!この私を部外者等と『あ~羅濠?』何です彦一?」

この状況を観察していた京極だが、このままでは話が進まないので教える事にした。

 

「今の姿を見ても、羅濠とは分らないと思うが?」

「むっ!成る程そうですね」

幼女は(あらた)めて田尻に向直り。

 

「私の姓は()(あざな)(ごう)、名を翠蓮(すいれん)!」

宣言と共に幼女の肩から黄金の粒子が立上り、5メートル程に縮んでは居るが筋骨隆々な金剛力士が顕現した。

 

『『『・・・な、なにぃーーー!』』』

 

「メフィストフェレスと似ておるな、気が回復しておる。まぁ万全では無さそうだがな」

「はは、アテナちゃんの読み通りになったね」

メフィストフェレス、とある一族に伝わる若返りの奥義で肉体を活性化させる事で若返り、各種ステータスをアップさせる技。武士道プランの責任者が使う為、アテナはその存在を知っていた。

(もっと)も、翠蓮の使った天山童姥功(てんざんどうぼこう)は似て非なる物だが関係無いので割愛する。

 

◆◆◆◆◆◆

 

『それでは若獅子タッグマッチ決勝戦、試合開始!』

田尻の開始の合図、最初に動いたのはアテナだった。髪が蛇になった女性の顔が描かれた黒曜石のメダルを(かか)げて高らかに(うた)う。

 

「妾は謡おう、三位一体を()す女神の歌を。天と地と闇をつなぐ、輪廻の智慧(ちえ)を。妾は謡おう、貶められた女神の(うた)を。忌むべき蛇として討たれた女王の嘆きを。妾は謡おう、引き裂かれた女神の(うた)を。至高の父に陵辱(りょうじょく)された慈母の屈辱(くつじょく)を。我が名はアテナ。ゼウスの娘にしてアテナイの守護者、永遠の処女。されど、かつては命育む地の太母なり!かつては闇を束ねし冥府の主なり!かつては天の叡智(えいち)を知る女王なり!ここに誓う、アテナは古きアテナとならん!」

言霊が(つむ)がれるにつれてアテナの姿が変わっていった。

背が伸び、すっきりと手足も伸びきり、可憐(かれん)な少女の背格好から端麗(たんれい)な乙女の形へと、面差(おもざ)しから幼さも消え、17歳程に成長した。

 

「ほう、変わったのは姿だけではありませんね」

(しか)り、これが妾の真の姿よ」

真なるアテナ、神具ゴルゴネイオンに封印されていたアテナの神格を開放した姿である。

 

「まだ制御が甘いが、じきに馴染(なじ)むであろう」

全身から(ほとばし)る神力、手を閉じては開いて確めた後、正面を見据(みす)える。

 

「さぁ始めようか、翠蓮よ」

「ふふふ、えぇ始めましょう」

 

若獅子タッグマッチトーナメントの決勝戦、その幕が上がった。




神格を切られた悟空さんなので従属神的な物に限定してみました。
如意金箍棒(にょいきんこぼう)
猪八戒(ちょはっかい)
沙悟浄(さごじょう)

そして気のせいかとあるハゲの悲鳴が聞えそう。
彼にとっては天啓(翠蓮)と悪夢(アテナ)?
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