元文科省職員が学園艦廃艦計画阻止のために奔走する話   作:単細胞

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劇場版、再上映されましたね。近くの映画館で復活上映してくれて良かったです。

フィルムが文科省のおっさんと連盟のじーさんだったので思いつきで書いてみました。


プロローグ

「すまない・・・」

 

角谷杏はかすれる声を抑えながらメンバー達に謝罪の言葉を伝えた。

 

こんな事、誰が予想できただろうか・・・まさか学園復活の話がなかったことになるなんて。

 

全国大会で優勝できたら大洗女子学園艦の廃艦は見送ってもいい

 

その言葉を信じて西住ちゃんをはじめとする大洗戦車道メンバーは血の滲む努力をしてきた。

 

物量に圧倒され、ノリと勢いに翻弄され、四面楚歌という絶体絶命の状況に立たされて、超重戦車を相手にして・・・

 

質や練度が遥かに上の高校を相手にして私達はそれを下し悲願の優勝を果たすことが出来たのだ。

 

それが最初から無駄な事だったとは・・・

 

肩を落として校門から去っていく皆の姿を見てさらに悔しさと悲しみが込み上げてくる。

 

「会長・・・校舎の鍵、取ってきますね」

 

「失礼します」

 

小山と河嶋が黄色うテープの貼られた校門を乗り越えて中に入っていく。いつも明るい小山でさえ精神的に参っている様子だ。

 

「このまま廃校になってしまうのかな・・・」

 

校舎に入ろうとした時、背後で爆音が轟いた。

 

振り向くと1台のスポーツカーが校門を通り過ぎていった。真っ白な車体に攻撃的なエアロパーツはレーシングカーに見えなくもない。

 

その特徴的なフォルム、彼女には見覚えがあった。

 

「あのスポーツカー、どこかで見たな。確か文科省の・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

『君から連絡があるとは珍しいね、私の()部下の敷島章浩君』

 

「辻さん、お久しぶりです。姿が見えたもので・・・」

 

『やはりさっき停まっていたシルビアは君だったか。まだあの車に乗っているのかね?もっと役人らしい振る舞いをだな――――』

 

「余計なお世話ですよ。それに私はもう文科省の人間ではないですから」

 

辻はそうだったなと漏らした。

 

『それで、君は今何をしているのかね?』

 

「どうして貴方に言わなければならないのですか?」

 

『個人的な興味だよ』

 

大洗と苫小牧を結ぶフェリー、さんふらわぁの汽笛がスピーカーから聞こえる。彼はもう学園艦から降りたということだ。

 

「そうですね、戦車道の運営に関わる仕事・・・とだけ言っておきます」

 

スピーカーから露骨にため息が聞こえてきた。

 

『君はまだそんなちっぽけな正義感を掲げているのか?』

 

ちっぽけなというワードに俺はカチンと来たが怒りを出さないよう抑える。ここで感情を出しては負けだ。

 

「何をしようと俺の自由です。私はもう貴方の部下じゃないんで」

 

『そうだな。だが我々の邪魔だけはしないでくれよ』

 

釘を刺されてしまった。俺に言っても聞かねぇって分かってるくせによぉ・・・

 

「残念ですね・・・俺、辻さんの進める大洗女子学園艦廃艦計画、邪魔する気満々ですから」

 

俺はそう言い放つと通話を切ってスマホをメーターパネルの上に放った。

 

「さて・・・いっちょ働きますかねぇ!」

 

アクセルを踏み込んでクラッチを繋ぐ。俺の愛車、シルビアS15はホイールをスピンさせながら加速していく。

 

 

 

 

 

 

「学園艦廃艦計画、ぶっ潰してやるよ!」

 

 

 

 

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