――――凌統
やぁ、何だか最近小市民生活とは程遠い日常を送っている凌統だよ。
三節棍に導かれて辿り着いたのは数千にも昇る黄巾党の軍勢…そして、血塗れな相棒(三節棍)と、その傍にいた三人の少女。
取り敢えず優先順位をつけるとしたら…
―――――――――ズボッ…
未だ地面から頭しか出していない三節棍を引っ込抜いてみた。
かなり深くまで刺さっていたのだろう。抜いた三節棍は血やら泥やらに塗れている。
…簡単に言うと、酷く汚い状態だ。
そんな時、ふと地面に眼を向けると、俺の足元にどこかで見たような黄色い布が…
恐らく、黄巾の奴が巻いていたモノだろう。まぁ、これでいいかな。
そのように結論づけた俺は何の迷いもなく黄巾を拾い上げた。
『――――――――――――ッ!!?』
な、なんだ?何かしらんけれど、周りの人達が息を呑む音が俺の所まで聞こえてきたんだが…
しかも、黄巾党+その場にいた少女達もなんて…
俺は何もしていないよ〜
ほら、ただこの布で三節棍に付いた血やら泥やらを拭っているだけだよ〜
そんな感じで俺は何も疾しい事はしていない事をアピールしながら黄巾で三節棍に付いた汚れを拭いさった。
途端に赤茶色に染まった黄巾…そして、三節棍に付いた粗方の汚れを取った俺は何もしない事を強調しながら黄巾を手から離した。
重力を受けて血を吸い込み、少し重くなった黄巾は一直線に地面に音もなく落ちた。
……あり?そう言えば、何だか同じような事をつい最近やった気が…
何時だったな…?確か、本当に最近の出来事だったんだよな……そう、確かアレは…
「――――――な、なんと!桃香様、もしやこの者は、最近噂に流れ出ている各地の村で賊を一掃しながら旅をしている者では!?」
「鈴々もこの前、ラーメン屋のおっちゃんに聞いたのだ。えっと…賊をやっつけてもお金は取らないで一晩泊まっていくだけなんだって!」
「わ、私も聞いたことがあるよ!確か…黄巾党と戦った後はその人達の黄巾で武器に付いた血を拭っているって…」
…何その噂? 俺の記憶が正しければ、黄巾で血を拭ったのは今やったのを含めて二回目だし。
いや、確かに日々金欠だった俺と母は泊めてもらう代わりに賊の討伐をしていただけだから。
どこをどう回り回ったら、そんな厄介な噂が立つのかが知りたいですよ。
……………あり?そういや前回、黄巾で血を拭った時ってかなり面倒臭い事に巻き込まれたような………そう、具体的に言うのであれば今と同じ事をしていたときに…
「我等の象徴である黄巾を血で染め抜くとは…余程死にたいらしいな!」
そうそう、内容は違うけれど、同じ様な事を言われた気が……………………え"?
「野郎共、やっちまえーーーーーーー!!!!」
なんで、こうなるのーーーーー!!?
そして、押し寄せてくる数千人規模の黄巾党御一行とソレに立ち向かう自称小市民の俺。
普通なら勝敗は明らかだが、生憎とこの身体は普通じゃないんだよな。
そんな事を考えていた凌統〇〇歳、ある日の出来事であった…
え?伏せ字?……そんなのは飾りです!
――――劉備
私達の眼前に現われたのは髪を後ろで結った無表情な男の人だった。
その無表情な顔に合わせて眼を引く身体の奥底から凍り付いてしまうと錯覚するほど冷たく、何を想っているのか伺う事が出来ない瞳……
登場の仕方はまさに劇的過ぎると言っても過言じゃないかも知れません。
だって、空から降ってきたんだよ?
普通なら間違いなく死んでもおかしくない高さの崖だ。
ふと崖を見上げると………………………うん、何処まで有るのかわからない位の高さ。
そんな彼は着地して早々に、地に深く突き刺さった棒状の武器を無造作に引き抜いた。
飛んできた時は一瞬の事でよく見ることは出来なかったが、あの武器は三本の棒状のものを鎖で繋いだ物みたい。
武器の全貌を見ても今一ピンとこなかった。
だって、刃も何も付いていない只の棒で人の頭が吹き飛ぶなんて…
後々、愛紗ちゃんから聞いたんだけれど、あれは『三節棍』っていう武器で人の頭を吹き飛ばすには相当鍛練を積まないと無理なんだって。
最も、この時の私はそんな事を知る由もなかった。
おとと、話が逸れちゃった。えっと……私が小さい頃の話だったっけ?
………え、違った?
えと、えっと………あぁ!私達の前に現れた男の人の事だった。その人なんだけれど、急に落ちていた黄巾で武器に付いた土とか血を拭きだしたんだ。
その瞬間、私は思い出したの。つい最近黄巾党の人達を倒してその黄巾で血を拭っているっていうまるで《英雄》みたいな人の噂を。
《天の御使い》みたいな真実味に乏しい噂じゃなくて実際に会ったことのある人の言葉を…私だって、その話を聞いた時は『そんな人が一緒にいてくれたらな~』って思っていた位なんだけれど、まさか実際に会っちゃうなんて…そして、もっと驚いたのが愛紗ちゃんや鈴々ちゃんもその人について聞いたことがあったんだって。
でも、これで間違いないよね。三人が三人ともその人を連想するなんて…きっと間違いないよ!この人が…
「戦乱を凌ぎ(しのぎ)全てを統める(おさめる)者…!!」
きっとこの瞬間に歴史は動き始めたんだと思う。
――――凌統
やぁ、再びな凌統君だ。かなりきゃわいい女の子三人(一人は犯罪チックな匂いがしたけど)をバックにハッスルしちまった俺は当社比30倍位のやる気で黄巾党に向かっていった。途中、女の子の内二人が一緒に闘おうとしていたけれど、俺は敢えてその二人の方に敵がいかないように誘導したり迎撃したりして一人で頑張ったんだ。
だって、武器を持っているとはいえ男が女の子に手伝ってもらうって何だか癪じゃね?って言うか、知らない子とはいえ、少しはカッコいい所を見せたいって言うのが男の性(さが)ってもんよ~…………ごめんなさい、調子こきました。実は言うとかなり手伝って欲しかったです。ですが、何故か黄巾の皆様は俺の方ばかり向かってきたので仕方なくです。
一応さっき言った二人の女の子が手伝おうとしてくれたのは間違いないんだけれど、何故か俺の方ばかり敵が集中…………ハッ!!!? ま、まさかあれか!!? 黄巾の皆様方は実はガチな兄貴属性の方達しか居なくて捕まったら最後『アッーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!』 みたいな状況に持ち込まれるのではないのでしょうか!?
だからそんな属性を持ち合せていない俺をそちら側に引きずり込もうとしているのでは!!? そ、それならば色々と説明がつく様な気がします。
な、ならば俺はこんなのんびりと物事を考えずにさっさとコイツらを如何にかしないといけないのではないのでしょうか?
思いこんだら一直線の俺はそう結論付けて自分の大切な『ナニカ』を護るために自分の背後に立った奴を優先的に三節棍でぶっ飛ばし続けた。……え? 何で背後に立っている奴が解るのかって? いや、だって……そういう仕様じゃね?
身も蓋も無い事を思いながらも俺は三節棍を…
振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう振るう…以下エンドレス
みたいな状況で頑張ったんだ。そして気が付いたら…
「クッ…千を超える規模だったというのに…野郎共退却だーーーーーーー!!!!」
やった!! 俺は護り切ったーーーーーーーー!!!
主に俺の大切な何かを護ったぞーーーーーーーーーー!!!!
「あ、あの!」
心の中で万歳三唱をしている俺に誰かが話しかけてきた。と言うよりも、この場で話しかけるという選択肢が出てくるのは三人ほどしか俺には思いつかない。
そ、そうだった!!!!? 確か俺は怪我こそは無かったものの、女の子に三節棍を当ててしまうという暴挙に出てしまったのだった!!?
あわわわ~ど、どどどどどどどどうしよ~!!
えとえとえとえと…と、取りあえず…
「大…丈夫……か?」
「―――――――― へ!? あ、そ、えっと……はい、貴方のお陰で私達は無事でした。ありがとうございます!」
うっへぇ~い。何だか言いたい事が伝わってない感が否めない現状だぜ。
流石、コミュニケーションスキル[C-]な俺だぜ。簡単な会話ですら伝わらないとは…
まぁ、その辺はいいや。本人さん達もあんまり気にしていないみたいだし、軽く謝罪をしてこの場を去ろう。
「……すまな……かった…な」
よっしゃ、言い切った。
俺は言いたいことを言い残してその場を去ろうときびすを返した。
しかし……
「ま、待ってください!!」
何やらピンク髪の子に引き止められてしまいました。
な、なんでしょう?やっぱり慰謝料かなにかを請求させられるのでしょうか?
生憎、今の俺は公孫讃さんの所で働き初めてからまだ日も浅いので纏まったお金は用意できないのですが…
いや、少し待て俺。あの黄巾党の連中、俺を見つけてから俺にばっか向かってきていたよな?
と言うことはだ……
黄巾党に襲われる→俺登場
→黄巾党「あいつはこの前の!野郎共、この女達よりあいつを先に倒せ!」
→女の子①「…あれ?私たちって巻き添い?」
→女の子②「これって、あの男の所為?」
→女の子③「慰謝料倍増~」
みたいな図式になってもおかしくないよな!?
……ヤバくね?この時代にはないかもしれないが、臓器を狙われている感がマジぱねぇ〜
いや、この時代で現実的に考えると、一生奴隷のように扱き使われて…誰にも見取られる事無く…
『……んまっ…つぁ…ちょぎっ(対訳:マヨネーズをお持ちいたしました《空を仰ぎ見て》)』
地味な内容の割には軽快な名言を後世に残す羽目になるんでしょうか!?
しかも、自分で言っておきながらあれだけれど、何だかマヨネーズを空に向けて差し出しているという訳のわからん状況だし…あ、これはゲームのネタか。
…………だから、ちげぇぇぇぇぇえええええ!!!!!
そんな事を考えている場合じゃないんだってば! そもそも、この時代にマヨネーズは無いんじゃないのか?
しかも、何時もの如く内なる俺を表出出来ないもんだから無表情の俺が振り返りながら固まっているっていう変な状況になっているし!!?
「貴方が謝る必要なんて無いんですよ。だって、貴方はこうして私達を助けてくれたじゃないですか!」
「そ、そうです。我等はあのままでは一体どうなっていた事か…」
「お兄ちゃん強いんだな〜鈴ヶと手合わせをしてほしいのだ!」
……何だろう? 感謝されている……のか?
いやいや、そうだとしても一人だけ違う事を言っている感じがするのですが。
いや、たぶん気のせい…だと思いたい。
………およ?そういえば、話はかわるけれど、副長さんには先に帰るように言ってあったな…なら、副長が心配しないうちにさっさと帰ったほうがいいかな?
だったら…
「…三人旅は…気を付けろ」
「えと、えっと……ありがとうございます!私は劉備。字は玄徳っていいます」
――――――――――あい?
「ありがとうございました。私は関羽。字は雲長といいます」
――――――――――うえ?
「鈴々は張飛翼徳なのだ!」
――――――――――オオォォォォ!!!?
何だって、こんなビックネームが三人旅を!?
…いや、そもそもこちらまでもが…
――――――――――お・にゃ・の・こ・か!!
趙雲、公孫讃についで劉備、関羽、張飛の性別が逆転しているなんて……もしかして、曹操や孫策も……いや、やめておこう。
孫策ならまだしも、覇王になりたいって言っている曹操が想像つかないや。
って言うか、この身は呉の武将だってのに、呉とは関係ないビックネームに遭遇しているこの状況に驚嘆を感じ得ないよ…驚いたって事さ。
………今更だけれど、俺って本当に呉の武将になる凌統であっているのかしら? だって、劉備とね絡みなんて凌統の歴史上聞いたことがないし…
誰でもいいから5W1Hで説明が欲しいところDA☆ZE!
『間違いなく呉の凌統であっているわよ?』
そっか〜なら納得………………………………………………ん?
『反応うっすいわね〜あんた、その性格をどうにかしないとハーレムルートいかずにガチ………なルートに突入するわよ?』
《ガチ………》って何ですか!?
その点々部分からは危険なニホイしかしねぇぇ!!
あと、ハーレムつったって前世で女気皆無な俺には程遠いです!
そして、あなたは確か〔自称ごっどぅ〕さんではありませんか!!?
お久しブリーフなユート君です!
『ギャグ古ッ!! …いや、此処は過去の世界なんだからある意味で最先端すぎるギャグになるのかしら?あと、その呼び名だと私の苗字が自称で名前がごっどぅって言う考えられない名前になるからやめてちょうだい。最後に、その自己紹介の仕方はファンタシーな世界の部族な少年を連想させるわよ?』
す、スゲー…何段ツッコミですか…?俺にはある意味で真似できない。
……いや、最後のは二度ネタか?
って言うかごっどぅさん、久しぶりだねぇ〜元気してた?
『人の話は聞きましょうって習わなかったかしら!!?
兎に角、君は間違いなく呉の凌統であっているわよ。ただ……』
ただ?
『これは間違いなく君の生きる世界って事。殴れば痛いし、心臓を刺されたら死ぬ。そして、君は君の思うように生きることが出来る世界ってわけ』
………わかったようでサッパリわからん。
『今は其れでも無問題よ。その内理解できるわ』
……そんなもんかね?
『そんなもんよ。さて、いい加減正気に戻りなさい。あの娘達が困っているわよ?』
あ、ちょ、待てよ!!
最後に一言意味のわからない言葉を残して自称ごっどぅさんの声は聞こえなくなった。
何故いきなりあの人の声が聞こえたのかはわからない。いや、そもそも幻聴っていう可能性だって否定し切れていないし…まぁ、気にするだけ無駄だね。
「……………ぉ…」
しかし、俺が本物の凌統だとしたらどのタイミングで呉に行けばいいんだろう?
「……ぁ……ぉ〜…」
しかしながら今は白蓮さんの所でお世話になっているんだからおいそれと出ていくわけにも行かないし…
「あ……ぉ…〜」
あり?そういえば、さっきまで誰かと話していたような…
「――――――――――あのぉ!!」
ウッヒョイ!!
―――――――――――ハッ!!?
やべぇそう言えば、自称劉備ちゃん達と話している最中だった。
と、兎に角、この女の子が本物の劉備なのかを聞かねば!
「………劉……備…?」
「はい♪劉備です」
そっか〜りゅーびなのか〜
そんでこちらの黒髪少女が…
「関………羽……」
「えぇ、関 雲長です」
そんでもって、此方のロリィで、いかにも活発そうな女の子が……
「張……飛……」
「そうなのだ。お兄ちゃんは誰なのだ?」
…なんだろう、この心の奥底からマグマの如く滲みだしてくる暖かな感覚は……?
―――――――――あぁ、そうか。此れが…………萌えか…
今迄、呼ばれた事のないような呼称だったもんで、ついついトリップ気味になる俺。
………は、始めにいっておきます!俺は小さい子を愛してしまうような特殊な性癖は持ち合わせていないからな!
……でも、愛でる事くらい許していただけたら幸いかと存じ上げますが何か?
―――――――ナデナデ…
「うにゃあ?何で頭を撫でるのだ?」
おぉうっと!? 無意識のうちに左手が俺の意志に反して動き始めているゼ!!?
や、やばい…このままでは、急に頭を撫で始めた変態の烙印を押されてしまうではないかな!?
俺はあわててエイリアンハンドみたく、勝手に動きだした左手を引っ込めた。
「すま…ない……俺は凌統………字……公積」
いつもと同じく、微妙に事足りないコミュニケーションでなんとか自己紹介をした俺。
勿論、勝手に頭を撫でてしまった事を謝罪するのは忘れない。なぜなら俺はジェントルなんだから!
「凌統……やはり、貴方様が『戦乱を凌ぎ(しのぎ)全てを統める(おさめる)者』でございますか!?」
うへっ? 俺の自己紹介が終わるや否や、黒髪の関羽さんがなにやら興奮した面持ちで俺につめよってきた。
…って、ちかっ…近いですよ関羽さん!?
いきなり顔を目一杯近付けないでください! あ、ほら今、唾が飛んで…あ〜も〜! だ・か・ら!
「近付き……過ぎ……だ」
「―――――――へっ? ………あ、あぁっ!? し、失礼いたしました…」
そういいながら羞恥から少し頬を赤くしながら関羽さんはすごすごと後ろに下がった。
ってか、何だか今少しばかり厨二臭い二つ名みたいなのが聞こえた気がするんだが…
「にゃはは〜愛紗は慌てすぎなのだ〜」
「ぐぬぬ………鈴々にしては珍しく正論なだけに言い返せん…!」
仲がよろしい事で〜ってか、始めてあった俺の目の前で真名を言われると困るのですが…
さらに言えばさっきの二つ名はきっと俺ではない誰かかと…
「ふ、二人とも。凌統さんが困っているよ〜」
そう言いながら劉備さんは二人をたしなみはじめた。
そうだ劉備さんもっと言ってやれ!
「それで凌統さんは、今迄どれくらいの人を助けてきたんですか!!」
うおっと……ブルータスお前もか?
っていうか、何だか俺のことについて色々と勘違いしていませんか?
取り敢えず、俺がそんな立派な人ではないことを言っておかなければ…
「………そんな…立派…な……ものでは…な…い…」
「御謙遜される事はありません。凌統殿は立派な事をされてきたのですから!」
関羽さんの熱の入り様がハンパねぇ〜
ってか、こんなところで時間をかけている場合じゃないよな。
副長さん達に先に帰ってもらってから大分時間が経っちまったな…早く帰らねば。
「話が…終わった……のなら……俺は行く…ぞ……」
再びきびすを返して帰ろうとした俺。しかし……
――――――――――グッ!
何やら手を引かれるような感覚~……………え?
「あの……あのっ!!」
何かを訴えるような目で俺を見上げながら両手で俺の右手をホールドしている劉備さん。
しかしながら、女の子の手に触れるなんて小学校の時のフォークダンス以来だな~
あの時は俺のあまりの無表情っぷりに運動会最中に相手の子が号泣してしまうという果てしなく悲しい思い出だったな。
あ、あれ?なんだか視界がぼやけてきたような……べ、別に泣いてなんかないやい!
ただ少しだけ、心から若かりし頃の甘酸っぱい思い出に浸っていただけだい!
…………………グスン
そんな事はお構いなしにと劉備さんは話を続けた。
「――――――――――――私達と…私達と一緒に旅をしませんか?」
……………………………はい?
ありがとうございました。
また次回もお楽しみに〜( ̄▽ ̄)ノシ