Re:俺⁉︎   作:かみかみん

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かなり遅れてしまい申し訳ありません。
リハビリがてら一話仕上げましたがかなり短いです。



第ニ九幕 隠れようとしたって

 不味い事になってしまった……やぁ、何だか虎牢関内で見事なまでに大きなキャンプファイアを灯してしまった凌統だよ。

 色々と計算違いなこともあったけれど、呂布や張遼が虎牢関から出た事によって帳消しにはなったんだがね。 一息ついた俺はなるべく人に見つからないように虎牢関を抜け出して副長さん達と合流しようとしたんだ。

 だって、副長さんには食糧調達に行くって事しか伝えていなかったのに、気が付いたら戦が始まってしまったんだ。副長さんだって俺の安否を心配しているはずだ……多分。

 いや、思い返せば副長さん達に凌統隊の隊長としてらしい事をしてこなかった気がする……もしかしたら『凌統がいないんだってー』『うっそマジで!?敵前逃亡とかキモいんですけどー』『敵前逃亡が許されるのって新兵までだよねー』とか色々な事を言われているのかもしれない。

 うっわ、無性に心配が増えた感が否めないかもしれない。

 

 …そうだ、このまま虎牢関に留まっておくのもいいのかもしれない。 そんでもって副長さん達が来たら『いや~呂布に捕まっちまって逃げれなかったんだ~』ってな具合に言っておけば少なくとも敵前逃亡の罪くらいはかからないかもしれない。 ただ、問題は呂布がこの場にいないから信憑性がやや薄めってコトだ。日頃から自分保守のため副長達には嘘っぽい内容を言うことがあるため果たして信じてもらえるのだろうか?

まぁ、悩んでいても仕方がない。ただでさえ低い俺の人徳がこれ以上低くなるコトもあるまいて。

 そうと決まれば早いとこ身を隠せる場所を探したほうがいいだろう。 だって俺は現在on the 屋根状態なのだ。下手したら味方の誰かに見つかって捕まっていたと言い訳が通用しなくなるかもしれない。

 

 半ば強引過ぎるかもしれないが俺はそのように結論づけてなるべく誰にも見つからないように狭い路地みたいな場所めざして屋根から飛び降りた。

 普通の人間だったら飛び降り自殺の仲間入りとなってしまうが、生憎と俺は小さい頃から母に文字どおり千尋の谷へと突き落とされたり、下が見えない高さの崖からロープレスバンジーを強制的に決め込まれた経験がある。

 確かに恐怖こそあるが、ほぼ間違いなく怪我をする事はない。

 

ーーーーちょっとだけブルーな気持ちになった。

 

 そして、対空時間わずか数秒ではあるが、俺は予定どおり狭い路地みたいな場所へと派手な音を出すことなく着地した。

 

さて後は、皆が来るのを待つだ――――――

 

「――――――れ……」

 

 ……れ?

 

「――――――恋どのぉぉ! 凌統発見なのですぅぅ!」

 

 ーーーー早速発見されてんですけどーー⁉︎

 

 俺が華麗に着地した先には鈴々ちゃんよりもチンマイ少女がいた。 パッと見、吊り目具合が猫っぽいというか何というか……しかし、こんなところに人がいるなんて。余りにも小さいから建物の影とかで見過ごしたんだろうな。いやはや、衝突しないで何よりだよ。

 

 そして俺は何となく、目の前にいる少女に視線を合わせるために身を屈めた。明らかに体を反らされた時は少しだけ悲しく……なってなんかないやい!それにしても迷子……って訳ではないよな?こんな戦乱の最中、子供を敵の目の前に放置する親がいるわけがない。それに俺のことを知っている時点でただの子供っていうわけでもなさそうだ。

 

「な、何なのですか!お、おおお前なんか恋殿がいればしゅしゅしゅのぶわーなのですよ!」

 

 ――――やべっ、俺ってロリでもペドでも無い筈なのに……大袈裟な身振りをしているこの子を見ていたら不覚にも

 

「……もえる…な」

 

 そう、決してロリでもペドでも無いのだ!コレは言わば、愛でているだけなんだから!

 さらな半ば反射的にたかいたか~いをしてみたらホッコリ具合が倍増してきたではないか。コレが所謂『倍返しだ!』と言うやつなのだろうか?

 ……どこと無く違う気がする。

 

「ちょ、おまっ、急に何をしているのです『ブワァッ』――――か!?」

 

 あまりにも一瞬の出来事であった。完璧に愛でるタイムに夢中になっていたから特に狙ったわけではない。寧ろここから手を取り合ってキャッキャウフフと二人で回りだそうかとも考えていた位だ。

 

 ――――――ソレがまさか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前……ねねを助けたのですか?」

 

 この子が立っていた場所に燃え盛る屋根の一部が振り落ちてくるなんて誰が予想できようか!いや、そんな信じられないって顔されても俺が一番感じていることですから、そんな顔はしんといてくださ――――――

 

「――――――と見せかけて凌統確保なのですーー!!」

 

 ……なぜか首をホールドされてしまった。しかも、この子器用に俺の後頭部まで移動しているし。ただ残念なことに腕力無いから全然苦しくもなんともない。まるで鈴々ちゃんを頭にのっけている感じだ。まぁ背丈的にはほとんど変わらないから当たり前か。

 そういえばこの前、母も乗っていたな。あの人は……うん、言葉にすると後が怖いから何も言わないでおこう。

 

 

 

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

 

――――――――――一方その頃

 

 

「ぶえぇぇぇぇっくしょぉおおい!!」

 

「なぁに、風邪?」

 

「いんやぁ、誰かが噂でもしてんだろ。ほら俺って器量もいいし美人だろ?其処ら中の男がほおっておく訳がねぇじゃん? いや~モテル女は辛いなぁ~」

 

「……一体誰のこと言ってんのよ?」

 

「少なくとも雪花ではないだろうな」

 

「テメェ等ひでぇな!?」

 

 

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

 

 

 

 ……今一瞬だけ、孫策さんと周瑜さんにからかわれている母の姿が目に浮かんだ。

 

「凌統の首、この陳宮が頂いたのですーーーー!!!!」

 

 この子、陳宮って言うんだ~……陳宮?ちんきゅう……ちんきゅー……ちんきゅ……あ、この子あの陳宮なんだ。

 へー……――――――って嘘でしょ!? 何この世界は?将の女の子率高ッ!? 今さらだけれど俺こと凌統以外で有名な武将(男)を見たことがないんですけれど! なんだか三国志を盛大にパロってますよねこの世界。

 

 とと……今はそんなことに驚いている場合じゃないか。確か呂布の軍師さんだったよね? そして呂布はついさっきまで食を共にしていたあの赤毛で言葉数が極端に少ない女の子と……言葉数が少ないってところに関しては人のこと言えないか。

 ってかその呂布ってばつい今しがた兵を引き連れて外に走っていかなかったっけ? 多分俺のファイアー的な放火が原因なんだけれど。 もしかしなくても、この子はぐれたのかな?

 

「さぁ、きりきりと歩くのです!お前の命は我が手の中――――――」

 

 呂布のところに連れて行ってあげたいのはやまやまなんだけれど、つい今し方此処から動かないって決めたところだしな……ノコノコと外に出て副長さんや桃香さん達にでも見つかったら目にもあてられない。

下手しなくても軍法会議の末、首チョンパ……なんて事も有り得なくない……筈だ。

 

うん、やっぱりここは当初の予定通りこの場に留まって皆が来るのを待って――――――

 

「恋殿ぉーーーー!しあーーーー!かゆーーーー……は意識飛ばしてここにはいないところに運ばれたのです。しかしながらおかしいですね、誰も居ないのです。それに兵達の姿も殆ど見えないとは……やはりこの混乱に乗じて関外に出たと考えた方が良いのでしょうか?」

 

……はい、明らかに忘れ去られている感が否め無さ過ぎる。流石にチミッ子一人残したままこの場を後にできるほど俺は悪人というわけではない。しゃあないか明らかに呂布とはぐれたようだし、流石にこんなところで一人放置しておくわけにはいかないよな。つい先程バッドエンドルートに突入仕掛けていたくらいなんだから。一応敵だけれど、小さな子がこのままだと明らかに危なさすぎるし……

非常に……ひじょーに不本意極まりないけれど――――――大切な事だから敢えて2回言ってみました。

 

「……呂布…の所…行くか」

 

 外には何千何万って人が犇めきあっているんだし、呂布ならば一騎当千と言われる武を持っていることだろう。そんな人がいればいやようでも目立つだろうし、そんな中で副長さんやら桃香さん達に会うなんて事は俺の運が相当悪くなければある筈が無いだろう。

その様に判断した俺は女の子こと陳宮を頭にひっつけたまま呂布を探すべくまずは虎牢関を脱出しようと走り出したのであった。




ありがとうございます。
腰痛は随分落ち着いてきました。医師からも快方に向かっているとお墨付きです。
執筆の方は変わらず不定期ですが、今後とも宜しくお願いします。

ではでは次回もお楽しみに〜( ̄▽ ̄)ノシ
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