Re:俺⁉︎   作:かみかみん

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第七幕 雇われて

――――凌統

 

 

どうも、何だかタダ飯をご馳走してもらってもらった凌統です。

黄巾党を退けた俺達は公孫賛さんのご好意によりご飯をご馳走してもらうことになったんだ。

…ただ、村から公孫賛さんの居城に行くにはかなりの距離があるので一回野営をしたんだ。

 

しかも、その時の飯まで都合してくれるから公孫賛さんは優しいなぁ~

ただ、持ってきた食料は限りがあるからと言う事で、腹には微々たる量の食料しか入ることはなく、大分少なくて夜中に腹の虫がオーケストラ状態だったのは言えなかったです。

 

そして、道中は自称趙雲さんが俺に色々聞いてきた。

と言っても変なことではなくて、何歳から旅をしている?とか、旅の最中どんなことがあったかと言う特別隠す必要の無いことばかり聞いてきた。

俺も彼女の期待に応えようと口足らずながらも頑張って応えた。

そんな様子を見ていた公孫賛さんは何やら納得がいかないような顔をしていたが気のせいだと思いたいです。

 

そんなこんなで辿り着いたお城~

俺と母は黄巾党討伐の事を色々聞かれたが当たり障り無い答えをした。

流石に黄巾党を伸した後、奴らの金品を奪う計画だったのは伏せて起きました。

ただ、公孫賛さんの重鎮は俺達の事を黄巾党と疑っていたみたいだが、公孫賛さんと趙雲さんの弁護によりその疑いは晴れたみたいです。

 

そんなこんなで、宴の準備をして会食という流れになった。

出てきた料理は決して高級品をあしらいまくったような料理ではなくて庶民の俺が見慣れたものばかりではあったが、逆に遠慮なくいただくことが出来た。きっと色々と公孫賛さんが気を利かせてくれたに違いない。

そこで俺は昨日の遅れを取り戻すかのように手加減無用で食べまくった。

 

それこそ、俺のまわりに『オラ、ワクワクしてきたぞ!』と言っていた銀河系最強の野菜人さん達みたいに食器が山の様に積まれる位食った。

前世ではこんなに食べなかったのに、何やらこの体になってから燃費と言うものがすこぶる悪くなったみたいでギャ○曽根もビックリな大食漢になっちまったんだよな。

……やっべ、伏せ字の意味ねぇじゃん。

 

 

更に母と趙雲さんがやたらめったら俺に美味いものを勧めてくれるもんだから調子にのってしまい当社比150%位食った気がする。

 

公孫賛さんに迷惑を掛けてしまったような感じがしたが、その後…

 

「気に…うん、気にするな…」

 

と言ってくれたから救われた気がした。

ただ、何だか公孫賛さんの目が死んだ魚の目に似ていた気がしたのは見なかったことにするのがジェントルの嗜みだと思います。

更には途中…

 

「食糧庫が…」

 

って言葉が聞こえた様な気もしたんだが、公孫賛さんの御好意だと思い耳に入ってきた言葉は全て銀河の果てにぶっ飛ばしました。

そんなこんなで一名を除いたメンツは楽しい一時を過ごしていた。

最も途中から半ばやけくそ気味な公孫賛さんも加わったんだけれどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう言えばお前達親子はどこかに仕官するのか?」

 

食事の最中、半ば投げ遣りな感じで開き直った公孫賛さんがこんな事を聞いてきた。

元々俺は士官なんてするつもりはない。母の思惑は知らないが、武術と言うものに人生をかけようとは思っていないんだ。

 

「………ない…」

 

一応、俺の最大限の言葉を口にしたんだが…伝わったのかな? 多分伝わったよな? 趙雲さんは俺の方を怪訝そうな顔で見ているし…母は若干呆れ気味な顔をしているし…

 

「ないって……雪花、詳しく頼む」

 

何故苦笑いしながら母に聞くのですかな!? 今ので理解出来ないの!? ……いや、分からないのも無理無いか…良く考えたら普通の人にこういう風に答えたら何を言っているのかなんてわかるわけねぇか。

これも全部話す機能をほとんど失ってしまった俺の口が悪いんだぁ!!

 

「そういった事は考えていなかった。って答えてぇんだよ」

 

キッーーーーーーーー!! 普通にコミュニケーションを取れる母が憎いわーー!!

其処はせめて遺伝しろよーーーーーー!!!!

…………グスン

 

「しかしなぁ~柚登も良い歳だからそろそろどっか良い所に仕官させようかと考えてんだよなぁ~

ほら、よくいうじゃねぇか。確か…『逞しい我が子には地獄を見せよ』…だったか?」

 

…どこを探してもそんな我が子を貶めるような格言は存在しないと凌統君は思うのですが?

 

「成る程…中々後世の役に立ちそうな格言ですな」

 

いや、趙雲さんはのらんでいいよ。

って言うか、そんな格言は後世に残っていませんから。俺(中身現代人)が言うんだから間違いない!

 

「そうだろ、そうだろ~」

 

母もチョットどや顔するんじゃありません!

つーか、何だか俺が将になる方向で話が勝手に歩きだしている気がするのですが?

 

残念ながら俺は慎み深くのんびりと前世で生きれなかった分を今世で生きていく予定……………ウゥ…誰でもいいから俺の言葉を代弁してーーーーー!!

 

「それなら、私のところに来ないか?」

 

――――――――――――― What's!? 一体全体、何危険なことを軽々しく口にしちゃっているんだYo!

そないな言葉、冗談でも母の前で口にしたら…

 

「そうか?なら…」

 

ほら~微妙に本気に受け取っちゃって………

って母も俺をそっちのけで話を進めちゃラメェェェェェ!!

 

「ならば、雪花殿は如何なさるのですかな?」

 

「俺か? そうだな……俺は表舞台から去るって決めたからな。なんなら、さっきの村に入れさせてもらおうかな」

 

母よ、どこまでが冗談でどこまでがマジ話なんですか?

俺にはその真剣過ぎる顔がマジ話として話しているようにしか見えないのですが!?

って言うか、村で暮らすというならば是非とも俺にもその話を一口噛ませて…

 

 

「―――――――――――と言うわけで、今日から客将としてうちに来た凌統だ。みんな宜しくしてやってくれ」

 

 

 

「「「―――――――ハッ!」」」

 

――――――――――あるぇ~?

 

 

 

 

――――趙雲

 

凌統が私と同じように白蓮殿の下にて客将として留まる事になった。

 

何やら本人そっちのけで決まったような気もせぬ事はないが、あれほどの人物と共に矛(ほこ)を取り合えると思うと些細なことではあるかな。

 

その渦中の凌統は新人としては異例の一軍を任される身になった。

おそらく奴の力量から白蓮殿が割り振ったのだろう。

確かに奴程の武人を一般の兵と同等に扱うことはできない。

しかし、人を纏めるのは力とはまた違った才。

大部分の人間には備わっておらず、一握りの人間にしかない天性のモノ…

さて………凌統、お前にはあるのか?

人を魅せる事が出来る才を…

 

お前の手並みを拝見させていただこう?

そんな凌統は白蓮殿に任された隊に挨拶へと向かっている。

 

そこでふと私は思ったんだが……あれほどまで口下手な凌統はいかなる方法で顔合わせをするのか?

我らと顔合わせをした際は凌統の母君である雪花殿が付いていたが今はこの場に居ない。

あの宴の後…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『んじゃ、後は頼んだ~』

 

と言って凌統を残してどこかに消えていったのは記憶にも新しい出来事だ。恐らく宴の席でも言っていた黄巾党に襲われていた村にでも赴いたのだろう。

ならば、凌統はいかなる方法で…? 確か白蓮殿は凌統の言いたい事をあまり理解しておらぬようであった。

更に言えばあの場で母君を除いて凌統の言いたい事を何となく理解出来る私は別の所に居る。

 

 

何故だ? 気になる。

一度そう思ってしまうと覆らぬ私の性質か……私は直ぐ様行動に移した。目的は凌統の様子を見る為…

さほど重要そうな事ではないが気になる事柄に小さいも大きいも無い。

私は調錬場へと歩みを向けるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結果から言おう。

 

「――――――――――――――――――ウォォォォォン(滝涙)」

 

「俺ぁ…おれぁ……絶対に凌統様に着いて行くぜぇぇぇぇ!!!!」

 

「凌統様ぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

私が想像していた以上に凄い事になっているようである。……ふむ、何を言ったのか…白蓮殿に聞いてみるとしよう。

 

 

――――凌統

 

再び俺視点DAZE☆!! ……うん、ゴメン。少しテンパっていただけだから気にしないでくれると嬉しいなぁ~

何だか流れに流され過ぎて気が付いたら太平洋に出てしまったヨットレベルに予想外の状態に置かれている凌統君だ。

 

あの宴の後、気が付いたら母が消えているし…しかも気が付いたら公孫賛さんに兵を任せたとか言われているし…更に言うのであれば調錬場に連れてこられて何やら百弱位の人数が俺の目の前で一従わぬ姿で整列しているし……え? この人達って俺の部下になる人達なの!!? 色々な意味で早くね?

俺ってまだ仕官するとか言ったつもりも無いのに気が付いたら一小隊預かってもいいの!?

 

「さぁ凌統、何か一言話してやれよ」

 

何か公孫賛さんに話せと言われるし…俺が口下手なのを知ってのこの所業ですか!? 雇われたつもりはないけれど雇われて早々辞表を書きたい心境だよ!!?

 

「「「(―――――――――――――――ジ~)」」」

 

―――――――――――――――――― う…公孫賛さんに話を振られたせいで何か大人数の視線が俺に集中……逃げ…………たら不味いか。

なら、何を言えば良いんだ? 自慢じゃないが、小学校の卒業式なんて唯一俺だけが何も返事をすることなく卒業証書を貰っていたんだぞ? 他の子は『ハイッ!!』と元気な声なのに俺だけ『………』だぜ? ソレ位口下手な俺にヒト前に出て何をさらせと申すんじゃこの人は!?

 

「「「………ザワザワザワ」」」

 

………………あぁ、分かってるよ。何かを言わないとおわらねぇんだろこの空気?

明らかにアイツ大丈夫か?みたいな視線が向かって来ている感は否めないけれど何か喋ろうかな。

取りあえずオーソドックスに…

 

「……凌統……公積…」

 

「…お前さ、名前と字以外に何か言ったらどうだ?」

 

う~む…公孫賛さんにダメ出しをされてしまった。流石にコレだけじゃ足りないか。しかし、余りこういった自己紹介と言うものをした事が無いからな…どういった事を言えばいいのかが全くわかんねぇや。

……いや、此処はあえて少し違った…斬新な自己紹介をして俺の新たなキャラを構築するというのも良いかもしれない…ならば!!

 

「……一つ…………………死ぬ…な」

 

「「「………!!?」」」

 

うんうん、これから黄巾党って言う戦乱の始まりの出来事が起きるんだ。これ位言っておかないと今後起きるであろう事柄に対処できないだろうしね。それに、公孫賛さんって確か黄巾党、董卓といってその後滅ぶんだよな? だったら、公孫賛さんの軍にはこれ位言っても罰は当たらんよな?

コレだけ言ったんだ。文句はねぇし、もしかしたら『あれ? アイツって実は良い奴じゃね』程度には思ってくれるかもしれない。

そんな事を思っていると…

 

「お前…どんだけ、厳しくするつもりだ?」

 

…何だかその言いぐさは俺が厳しくするという響きに聞こえるんだが…どうして俺がそんな事をしなければならないのだろう?

まぁいいや。どれくらい厳しくって言ったって…

 

「……自らの…そして………家族…を……護り…きれる…まで」

 

「「「――――――――――――――――――――ッ!!!!!!」」」

 

な、何だぁ!? 今度は息を呑むような音が聞こえたんだが…それも、一つや二つではなくて大量に。

一方、俺の答えを聞いた公孫賛さんも何か驚いた顔をしているし…俺、何か変な事を言ったか?

 

確か軍ってのは人を護るのが主なんだろ? だったら何も変な事は言っていない気がするんだが。

寧ろ、自分の家族を優先的に護ってほしい。俺はこんな時代だからこそ、俺は敢えてそういう事を言ったんだが……やっぱり軍属の人間にはこういうのって禁忌なのかな?

だったら、不味い事を言ったかも知んないな。 も、もしかして風紀を乱すとして俺の首チョンパってことも…!!?

 

「……そうか、まぁ頑張れよ」

 

あ、首チョンパは無いみたい。…よかった、マジで良かった!!

そう言って公孫賛さんは調錬場から姿を消した。…あれ?首チョンパは無くなったけれど俺ってば何か気に障る事言ったか?

………いや、言って無いよな。なら何故?

俺は去っていく公孫賛さんへと視線を向けたが彼女が居なくなった答えは出てこなかった。

仕方なしに俺は任された隊へと再び目を向けると………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――――――――――――――――ウォォォォォン‼︎」

 

「俺ぁ…おれぁ……絶対に凌統様に着いて行くぜぇぇぇぇ!!!!」

 

「凌統様ぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

………………何これ、怖い。

 

何やら号泣している隊員達の姿があったとさ。……一体何が起こった!?

 




ありがとうございました。かみかみんですm(_ _)m

また次回もお楽しみに〜( ̄▽ ̄)ノシ
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