You Only Live Twice の奇想曲 作:飛龍瑞鶴
これから主人公はどの様に踊るのだろうか?
バスジャックと神業的運転
片山先輩が統括する
美香と
我々は車両が一番最初に学園島に帰る車両である。
PAでトイレ休憩と朝食を購入してレインボーブリッジへと車を走らせる。西城先輩は網走番外地を歌いながら、軽快にウォークスルーバンを走らせる。
「なぁ、笠原」
40本以上買った焼き鳥を着実に居に送り込みながら、西城先輩が器用に食べ・運転しながら尋ねてきた。
「なんですか?それにしても相変わらずの食欲ですね」
私は答える態勢になるのと、先輩の大食に対する質問を出す。この先輩だけでなく多くの先輩は大食漢だ。
「あぁ、突入前は腹撃たれて髄膜炎になるのが嫌だからな。腹を空っぽにしたんだ。そのせいで、腹が減るんだよ。で、だ。質問なんだが、お前は
「あぁ、それですが」
私はエナジードリンクの缶を開けて、最初の一口で唇を濡らしてから答えた。
「志願者、居ないんですよね。チャン・ウー先生も探しているみたいですが」
表向きの理由を答える。
実際は私の裏の顔
「お前と美香嬢がバカップルだからかね?」
後方に乗っている美香が顔を赤くするのがルームミラー越しに見え、他の同乗者も苦笑していた。
「美香には
「苦労は若い内に買ってでもしろと言うがね」
「先輩も若いじゃないですか」
「そう言えば、そうだ」
一瞬、車内は笑いに包まれる。その笑いは、無線からの緊急呼び出しによって遮られた。
『学園島付近に居る移動手段を持つ武偵へ。5分前に武偵校行きのバスがバスジャックされた。無人の遠隔銃座付き車両に監視され、その指示に従っている模様。急行可能な武偵は直ちに急行せよ』
私と西城先輩は一瞬、視線を合わせると頷き。私はシートベルトを外して、車両後部に移動する。
『此方、
西城先輩の交信を背中で聞きながら、乗っている面子にもう一度状況を説明する。
「全員、もう一仕事だ。仲間が捕まっている危険な状態だ気を抜くな」
「「「「「了解」」」」」
声の揃った返事を聞きながら、固定されていた巨大なライフルケースを引っ張り出して、蓋を開ける。
中に入っていたのは一丁の対物ライフル。マクミランTac-50。
米軍とカナダ軍で使われている。ボルトアクションタイプの対物ライフルである。
今回のクエストで必要になる可能性を考えて、持ち込んだものであり。
まさか、クエスト終了後に必要になるとは、思いつかなかった。
50口径の弾薬箱も取り出す。
相手が車になるのは確実なので、米軍が採用している
イラクやアフガニスタンで使用している米軍の報告書によると、一撃で車を廃車にする事ができると書かれている。
「全員掴まれ、飛ばすぞ。笠原。何時でも屋根で狙撃する準備を」
「了解」
答えると同時に搭載された赤色灯が回り、サイレンが景気よく鳴りだす。加速で転倒しない様に車内の手摺に捕まり加速をやり過ごし、予備弾薬を身に付け、
西城先輩は緊急車両が通る事をアナウンスしながら、トップスピードで首都高を逆走している。ナビで
しかし、朝方の混雑の中を危なげもなく全速力で走るのは西城先輩の神業的なドライビングテクニックが無ければ実行できない。
「見えてきた。笠原、上に上がって狙撃準備」
「了解」
私はインカムを付けて、
ウォークスルーバンの屋根の上で一脚を展開し、振り落とされない様にワイヤーで体を固定する。
「見えました。バスの隣に無人のルノー…恐らくスパーダ。無人機銃付き」
『撃て!』
西城先輩の命令と同時に私は引き金を引いた。
強烈な反動が肩をけ飛ばす様に来る。
放たれた銃弾はルノーのフロントを貫通、エンジンブロックで仕様書通りに炸裂した。ボンネットが吹き飛び、爆炎をまき散らす。
ルノーが吹き飛ぶのと反対方向に西城先輩がウォークスルーバンを突っ込ませた。
バスの扉側に並ぶように急制動をかけて、全力後進でバスのドアとスライドドアを並べ開く。
「武藤!頑張ってるな」
西城は優秀な後輩に気軽に声をかける。
「せ、先輩…なんて無茶を」
驚く武藤を無視して、西城は状況を尋ねる。
「状況は?」
「運転手が負傷、武偵数名も負傷してます」
「よし、
「了解です」
到ってシンプルな作戦が開始される。シンプルな作戦は良い。間違うことがあまりない、特に高速で動きながらならば、シンプルな作戦が最良だ。
「お嬢さん方出番だ!」
西城は
「美香嬢、後ろから前を警戒してくれ」
「了解しました」
美香が後部の観音扉にM62を持って走り出す前に
「増援撃破、負傷者の搬送準備をお願いします」
私は西城先輩に進言する。
敵がリアルタイムで此方の状況を監視できる可能性が高い。
神崎嬢と無線で状況を尋ねた結果。バスの下に付けられた
相手が吹き飛ばしたくなる前に民間人を含む負傷者を避難させる必要がある。
『此方に最も重傷者の運転手が運ばれえて来た。残りの武偵達は自力で来れる最低限度の人員以外、此方に移動させたら離脱する』
「了解しました」
西城先輩との交信を終えると、キンジや武藤達に無線を繋ぐ。
「キンジ、武藤。残ると思ってるから一言、死ぬなよ」
『任せろ』
『死なねーよ』
二人らしい返事を聞き。最後に神崎嬢に回線を開く。
「神崎嬢、二人を頼みます。それと、御武運を」
『収容完了。離脱するぞ。しがみつけ!』
神崎嬢が何か言い返す前に西城先輩はウォークスルーバンをウォークスルーバンにあるまじき加速でバスから離脱させた。
我々はその後、無事に武偵病院に到着できたが。
そこで、神崎・H・アリア嬢が負傷したことを知った。
今回はウォークスルーバン、つまり、宅配便を運んでくるくるまですが。